エパロース粒状カプセル 300mg・600mg・900mg の 生物学的同等性

エパロース粒状カプセル 300mg・600mg・900mg の
生物学的同等性に関する資料(抜粋)
大阪市淀川区西中島 5 丁目 13 番 9 号
共和薬品工業株式会社
作成年月日 08.05.29
EPA-D-3(1)
はじめに
エパロース粒状カプセル 300mg・600mg・900mg は、それぞれ1包中にイコサペント酸エ
チル 300mg・600mg・900mg を含有する粒状の軟カプセル剤(微黄色透明の球形)であり、
本品と同一の成分を含有する製剤としてエパデール S300・600・900 が持田製薬株式会社
より上市されている。
今回、エパロース粒状カプセル 900mg とエパデール S900 をヒトにクロスオーバー法に
て経口投与し、経時的に血漿中濃度を測定し、両剤の生物学的同等性について検討した。
エパロース粒状カプセル 300mg・600mg・900mg は、1 包中に含まれる軟カプセル剤の数
量のみが異なる製剤であることから、エパロース粒状カプセル 900mg のみ試験を実施した。
1.使用薬剤
1)試験薬:エパロース粒状カプセル 900mg(共和薬品工業株式会社製造 Lot.TEP-03)
2)対照薬:エパデール S900(持田製薬株式会社製造 Lot.677)
2.対象
健康状態の優良な成人男性 40 名を対象とした。
なお、試験参加に当たり、被験者本人の自由意志により書面で参加の同意を得た。
3.投与方法
被験者 40 名を1群 20 名の 2 群(試験薬先行群、対照薬先行群)に無作為に割り付け、
各被験者に試験薬もしくは対照薬 2 包(イコサペント酸エチルとして 1800mg)を、低脂
肪食摂取後に水 150mL とともに単回経口投与し、休薬期間 7 日間のクロスオーバー法に
て試験を実施した。
〈投薬スケジュール〉
第Ⅰ期
試験薬先行群
対照薬先行群
休薬期間
エパロース粒状カプセル
900mg
エパデール S900
第Ⅱ期
エパデール S900
7 日間
エパロース粒状カプセル
900mg
採血は、投与前、投与後 1、2、4、6、8、10、12、24 及び 48 時間目の 10 時点とした。
4.定量法
血漿中未変化体濃度の測定は、LC/MS/MS 法を用いて測定した。
5.結果
エパロース粒状カプセル 900mg 及びエパデール S900 の各採血時間における血中濃度の
推移を図に示した。
試験薬及び対照薬はそれぞれ、投与後 6.5±3.5 時間、7.5±3.5 時間(Mean±S.D.)で最
高血中濃度に達し、以後消失し、同様の血中濃度推移を示した。
Bioavailability の指標となる Cmax(最高血中濃度)、AUC(時間―濃度曲線下面積)に
ついては両剤間に有意差はなく、生物学的に同等と判断された。
6.安全性の評価
臨床検査値において、試験薬投与群で 2 例 2 件(CPK 上昇、総ビリルビン上昇)
、対照
薬投与群で 2 例 2 件(LDH 軽度上昇、BASO 上昇)の有害事象が認められたが、いずれ
も軽度であり、処置なく軽快または消失しており、安全性に重大な影響を及ぼすもので
はなかった。
その他の自他覚症状及び生理学的検査(血圧、脈拍、体温)は特記すべき異常所見は認
められなかった。
以上より本剤の安全性に問題はないと判断された。
7.考察
イコサペント酸エチル製剤であるエパロース粒状カプセル 900mg(共和薬品工業株式会
社)とエパデール S900(持田製薬株式会社)について、健常成人を対象にクロスオーバ
ー法による生物学的同等性試験を実施した結果、両製剤は同等であることが認められた。
表
エパロース粒状カプセル 900mg とエパデール S900(標準製剤)の
未変化体薬物動態パラメータ
図
エパロース粒状カプセル 900mg 又はエパデール S900(標準製剤)
経口投与後の平均血漿中未変化体濃度の経時的推移(n=40)