NTN TECHNICAL REVIEW No.83（2015） [ 巻頭言 ] 自動車モジュール商品特集号に寄せて常務取締役寺阪至徳現在、成長地域での自動車の台数増加により、全世界の自動車生産台数は8000万台を大きく超えるレベルに達しており、地球温暖化抑止のため、自動車の燃料消費量の削減は緊急の課題となっています。このため、各自動車メーカーでは、既存の内燃機関の改良車、ハイブリッド車及びEV車等の駆動系を変更した環境車両を市場投入して、この課題解決に向け対応されています。この社会的要請に対して、NTNではこれまで培ってきた小型・軽量化技術、低フリクション化技術、長寿命化技術のさらなる深耕はもとより、これらの技術に電子制御技術を組み合わせて、さまざまな高機能モジュール商品の開発を加速しています。 10月28日～11月8日に『きっと、あなたのココロが走り出す。』をテーマとして、第44回東京モーターショーが開催されるのに合わせ、最先端の自動車向けモジュール商品・技術を特集した本誌を発行する運びとなりました。本誌では静岡理工科大学の高橋久教授にお願いし、モジュール商品に欠かせないモータ制御技術の動向について解説いただきます。また、『自動車モジュール商品』特集として、高い運動性能と安全性を兼ね備えた2 モータオンボード駆動システムをはじめ、将来の自動運転時の安全性を高めた次世代ステアリングシステム用MCU、新接合技術を使って、軽量化された次世代ドライブシャフト『ADSモジュール』等について紹介致します。さらに、材料評価方法及び材料特性に影響を及ぼす基礎研究の論文及び、EV／HEV用グリース潤滑高速深溝玉軸受や 200℃対応オルタネータ用軸受などの自動車向け軸受商品についても紹介致します。 NTNは2017年度に創業100周年を迎えます。2015年度からの3年間は次の100年の継続的な成長の礎づくりとして、中期経営計画『NTN100』を企業理念『新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する（ For New Technology Network：新しい技術で世界を結ぶ）』の下に進め、環境にやさしい商品開発を推進し、社会の持続的発展に貢献してまいります。 -1-