ガラス包有物微量元素組成からみる十和田火山マグマ(予察) 久利美和(東北大学・理) Magma of Towada volcano: a view from trace element analysis of glass inclusions Miwa KURI (Tohoku Univ.) レーザー掘削型マイクロプローブ誘導結合プ 元素組成パターンは主に A, B, C の 3 パター ラズマ質量分析計(LAM-ICP-MS:筑波大学 ンにわけられる。A: スコリア内の斜長石に VVBL 所有)を用いて十和田火山後カルデラ 含まれるガラス包有物。B:スコリア内の両 期の斜長石 、単斜輝石、斜方輝石、および これらの結晶に含まれるガラス包有物の微量 輝石および軽石内の斜長石中のガラス包有物。 C:軽石内の斜方輝石中のガラス包有物。さ 元素の分析を行った。 らに Rb の濃集と Nb の枯渇の程度でA, A', B, 分析対象元素は、 Rb, Sr, Y, Zr, Nb, Ba, Ce, C, C'の5つのパターンに細分できる。 Th と、内部標準元素としての Ca である。測 微量元素組成は同時期の斜長石と輝石のガ 定試料はすでに主要元素組成が既知である久 ラス包有物で異なっているにもかかわらず、 利・栗田 (1999) に準じた。 今回解析した分析は、試料の掘削径が統一 活動時期も全岩主要元素組成も異なるスコリ ア内の輝石中のガラス包有物と軽石内の斜長 されておらず、定量性という点で十分吟味さ 石中のガラス包有物で同様のパターンである れてはいないものの、ガラス包有物の微量元 ことは注目すべき結果である。 り、微小領域であるガ ラス包有物の微量元素 組 成 の 分 析 に LAMICP-MS を用いること pumice stage scoria stage 100 (C') Rayleigh fractionation data from scoria 10 10 1 B 0% 0.1 Sr 1000 Crystallized 60% 1 0.1 が有効であることが示 されたことから、予察 Bulk rock (altered from Ichikawa, 1991) 100 Rock / MORB が明瞭に観察されてお 1000 Sample/MORB 素組成パターンの違い glass inclusion in CPx, scoria Rb Ba Th Nb Ce Zr Sr Rb BaTh Y glass inclusion in OPx, scoria 1000 10 るスコリアと軽石に大 1 100 10 れるガラス包有物につ いては今回値が得られ なかった。 ガラス包有物の微量 1000 Sr Rb Ba Th Nb Ce Zr glass inclusion in Pl, scoria 100 10 1 0.1 Y Sr 1000 Rb Ba Th Nb Ce Zr Y glass inclusion in Pl, pumice 100 A' Sr 0.1 B 10 Sample/MORB 成で規格化した。軽石 中内の単斜輝石に含ま C' 0.1 Sample/MORB は平均的な MORB の組 1 B 別して示す(図)。値 C Sample/MORB 結果を活動時期の異な (C') Sample/MORB 100 Y glass inclusion in OPx, pumice として報告する。 ガラス包有物の分析 Nb Ce Zr Rb Ba Th Nb Ce Zr (A) 1 A Y 0.1 Sr Rb Ba Th Nb Ce Zr Y
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