情 報 報 告 ウィーン 欧州環境情報 ドイツ:シーメンス社が電力を風力により水素へ変換するプラントを開始 シーメンスは一般的燃料として、あるいは天然ガスパイプラインに再使用するため、風 力により電力を水素へ変換するエネルギープロジェクトを開始した。 Mainz にあるシーメンスの電解工場はイオン交換膜(PEM)技術に基づいており、取得お よび貯蔵した電気により水素に変換することができる。これは、世界最大の設備であり、 2,000 台の燃料電池車に水素をを供給することができる。PEM 技術は電力生産の変動に対 しわずか数ミリ秒以内に応答することができ、シーメンス社のパートナーである RWE 社の 施設でテストが行われている。当該工場は、シーメンスおよび工業ガス企業である Linde 社、Rhein-Main 応用科学大学と提携している。原子炉の閉鎖および風力や太陽光発電とい った断続的なグリーンエネルギーへの依存度の増加の結果、電力網は出力のギャップにま すます脆弱になっているため、電力貯蔵の必要性は今後増していくだろう。Linde 社は水素 の圧縮、保存および分配を担当しており、これは工業用途あるいは水素ステーションへ行 くタンカー貨物自動車への詰込み、ガスパイプラインネットワークへの供給に使用される。 欧州:大気汚染物質量が減少するものの、依然として制限値を超える 欧州において、ほとんどの大気汚染物質の排出量は、1990 年以降長期に渡り減少傾向を 示しており、2013 年においても減少が確認された。しかし、欧州環境庁(EEA)の最新レポ ートによれば、多くの国において依然として、人間の健康と環境を保護するために合意さ れた大気への汚染物質排出量の制限値を超えている。国連欧州経済委員会(UNECE)の長距 離越境大気汚染条約(LRTAP)での 1990 年から 2013 年にかけての EU 年次排出インベント リレポートでは、ほとんどの大気汚染物質に関し長期に渡る減少傾向が確認されている。 また、今年の報告書では初めて短寿命大気汚染物質である黒色炭素の排出量についても触 れられている。 EU28 カ国における大気汚染物質の 1990 年からの減少率を見ると、硫黄酸化物(SOx)が 1 最も減少しており(87%減少)、次いで一酸化炭素(CO)(66%減少)、非メタン揮発性有機 化合物(NMVOCs)(59%減少)、窒素酸化物(NOx)(54%減少)となっている。アンモニア (NH3)の排出量も他の主要な汚染物質(27%減少)に比べ減少している。しかし、これらの汚 染物質の排出量の減少速度はここ 10 年間鈍化している。UNECE の LRTAP 条約に対する 目標数値を定めた Gothenburg 議定書では、2010 年以降からの NOx、NMVOCs、SOx、 および NH3 といった汚染物質の排出削減目標に対する約束が含まれている。加盟各国夫々 ― 47 ― 情報報告 ウィーン にに、指定された排出削減約束があり、それに加え、EU15 カ国に向けた特定の削減約束を 求めている。 ドイツ:石炭火力発電所を停止し、電力網を拡張 ドイツ政府は 2020 年までにその野心的な気候目標を達成するために、いくつかの石炭火 力発電所の運転停止を決定した。メルケル首相と、2つの連立政党の指導者は、北部から 南部へグリーンエネルギーを運ぶために計画されている高圧線をめぐる紛争を解決したと 述べている。 政府筋は、2.7GW の容量を持つ石炭火力発電所が閉鎖されるだろうと述べている。また、 影響を受けた発電所は通常の電力市場で電力を販売することは許されない。これは、ドイ ツが 2020 年までに 1990 年比で 40%の二酸化炭素の排出量を抑制するという目標を管理す るためのステップであると、付け加えた。 エネルギー大臣の Sigmar Gabriel 氏は、2020 年までに、さらに石炭部門からの排出量 のうち 2,200 万 t を削減する目標を達成するため、特定の排出量を超える発電所に対し、 排出される二酸化炭素に課税する提案をしている。しかし、組合はその提案は 10 万人の雇 用を危機に晒し、鉱業および発電産業の衰退に繋がる可能性があると述べており、Sigmar Gabriel 大臣は産業界からの反発に直面している。 電力会社は課税に対して反対の運動を強く行っており、代替予備策による補償を要求し ている。課税の提案は現在廃棄されたようであるが、RWE 社や Vattenfall Europe 社とい った企業が補償金を受け取るかどうかは不明なままである。未確認メディアの報道による と、電力会社は数億ユーロの処理費用を得て、今後数年間で古い石炭火力発電所の発電容 量の 2.7GW を予備事業計画へ移行させることができると述べている。 フランス:試験的な再生可能エネルギーの電力網が欧州での電池の限界を示す 欧州最大の電力ネットワーク事業者による、屋上ソーラパネルからグリッドへ電量を統 合する大規模な試験的計画は、再生可能エネルギーの蓄電装置が欧州ではまだ経済的に実 行可能でないことを示した。 計画は実現可能なところまできており、晴れおよび強風の日に製造された電力を蓄え、 別の時に使用できるよう、より良いバッテリーが望まれていたため、その結果は風力発電 および太陽光発電支持者を驚かせるものであった。EU が後援している"Grid4EU" 計画の うち、最大のものの一つである“Nice Grid”と呼ばれるプロジェクトであり、3,000 万ユ ― 48 ― 情報報告 ウィーン ーロが投じられ、今後の電力網の実証試験を行っている。本プロジェクトには、フランス の EDF 社、イタリアの Enel 社、スペインの Iberdrola 社、チェコの CEZ 社、スウェー デンの Vattenfall 社およびドイツの RWE 社が参加している。 地中海にあるニース郊外の Carros 村では、EDF 社の電力グリッドユニットである ERDF がコンパクトなバッテリーを屋根に設置されたソーラパネルに接続し、商用規模のバッテ リーを地方電力分配ネットワークに接続している。本技術は完璧に作動することが確認さ れたものの、広く展開するにはまだあまりにも高価であることが判明した。 フランスの ERDF 施設のグリッド事業者である Philippe MonloubouCEO は、バッテリ ーの経済モデルはまだ成熟していないと述べている。欧州の電力の4分の1は既に再生エ ネルギーから製造されており、2030 年までに 50%まで上昇する見込みである。しかし、太 陽光発電や風力発電の断続的な性質は、柔軟な性質のグリッド、需要の浮き沈みに応答す る能力、そしてより安価な電力貯蔵技術を必要としている。 ニースの試験計画にバッテリーを供給したフランスの Saft 社は、既に世界中に電力貯蔵 設備を設置しており、その容量は 80MW にのぼる。主にカナダ、南アメリカ、アフリカと いった遠隔地や、補助電源としては高価であるディーゼル発電機と競合する島々に対して 行っている。しかし、ヨーロッパでは、ガス火力発電所や大規模で効率的なグリッドから の安価な補助電源と競合している。 欧州:南東欧および中東欧諸国が統合ガス市場構築に向け協力 エネルギーが国境を越えて自由に流れる EU のエネルギー市場と、EU のエネルギーネッ トワークから孤立している非加盟国を結ぶことは、前向きな気候政策と弾力的なエネルギ ー連合を構築するための前提条件である。これは EU 内の市民および企業に安全で手頃な 価格と持続可能なエネルギーを提供している。EU15 カ国と東欧および南東欧地域のエネル ギー共同体は、欠落しているガスインフラの構築を加速し、地域の競争的なエネルギー市 場の発展と供給の安全保障を阻害する規制および技術上の課題に協力して取り組むことに 合意した。 この発議を正式に開始するという覚書は7月 10 日、クロアチアのドブロブニクで調印が 行われた。これは EU とエネルギー共同体およびエネルギー市場の緊密な統合のための道 を開くことを可能にしている。安定した規制と市場の枠組を構築することは、関与する EU とエネルギー共同体の国と地域の投資環境の改善に貢献している。 ― 49 ― 情報報告 ウィーン 欧州委員会副委員長(エネルギー同盟)の Maroš Šefčovič 氏は「この地域はエネルギー供 給の安全保障を考慮する際、欧州にとって非常に重要である。現実的で実現可能な計画を 通じてのインフラの改善はエネルギー資源の多様化と供給危機に対する地域の回復力を強 化するために重要である。」と述べている。 欧州委員会の Miguel Arias Cañete 気候行動・エネルギー担当委員は「地域協力はエネ ルギー市場の緊密な統合に関連し、我々の仕事の基礎となるものである。そのため、中東 欧および南東欧諸国間の効率的な協力はエネルギー供給の安全性の確保および消費者に手 頃な価格で提供するための鍵となる。全ての国が特定のエネルギー問題に直面する一方で、 それに協力し対処することはより安価で効率的な解決策を創造することに繋がる。」と述 べている。 中東欧と南東欧のガス接続(CESEC)の欧州委員会の監視の下での共同作業は、新たなガ スパイプラインの構築に焦点をあてるだけでなく、例えば、逆方向の流れを可能にするこ とにより既存のインフラを最大限に活用することが可能となる。クロアチアでの Trans-Adriatic パイプラインと LNG ターミナル、ブルガリアおよびルーマニアでの排気シ ステムとシステム強化、ギリシャとブルガリア間およびセルビアとブルガリア間の連結と いった多くのインフラ計画は、覚書の付属行動計画のうち最優先課題として挙げられてい る。それらは供給源を多様化させるのに貢献し、最終的には地域の各加盟国は少なくとも 3つの異なるガス供給源へのアクセスを持つべきである。これらの優先プロジェクトは、 時を得た資源効率的な実施を確保するために緊密に監視されるだろう。また、全ての市場 参加者間の公平な競争を促進する EU の規制が完全に地域で実施されていることも重要で ある。 一般的には、インフラ計画は市場参加者によって資金を賄われるべきであるが、必要に 応じて、適切な計画の遂行のため、欧州復興開発銀行(EBRD)と欧州投資銀行(EIB)が関与 し、中東欧と南東欧のガス接続を考慮する。計画促進者もまた、戦略投資のための新たな 欧州基金(EFSI)によって提供される機会を利用することを推奨している。その行動計画の 覚書には、欧州委員会の Miguel Arias Cañete 気候行動・エネルギー担当委員と欧州委員 会副委員長(エネルギー同盟)の Maroš Šefčovič 氏、オーストリア、ブルガリア、クロアチ ア、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、アルバニ ア、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、セルビア、ウクライナからの代表により署名が 行われた (ボスニアヘルツェゴビナとモルドバ共和国は、後日署名予定) ― 50 ― 情報報告 ウィーン 欧州:エネルギーインフラに 1.5 億ユーロを投資 EU 加盟国は、主に中東欧、南東欧、およびバルト諸国での EU 加盟 20 カ国にまたがる エネルギーインフラ計画に合計 1.5 億ユーロの投資を行うことを合意した。 欧州財政支援計画の下の提案募集を通して選択された 20 の計画のうち、ガス部門の 11 計画の投資額は 8,000 万ユーロに相当する。電力部門の9つの計画は 7,000 万ユーロに相 当する。また、実施前に研究が必要とされている計画が 17 あり、それらの総投資額は 3,000 万ユーロに相当する。 その計画は EU のエネルギー市場の完成に貢献し、電力グリッドに再生可能エネルギー の統合量を増加させることによりエネルギーの安全保障を向上させることができる。それ らはまた、欧州の広いエネルギーネットワークから隔離されている EU 加盟国を統合する のに役立つ。 欧州委員会の Miguel Arias Cañete 気候行動・エネルギー担当委員は「真に競争力のあ る EU 全体のエネルギー市場の完成には、エネルギー連合を現実のものにすることが必要 不可欠である。しかし、信頼でき適切に接続されたエネルギーネットワーク無しには、こ れは成し得ない。こうした理由から、我々は市場をさらに統合するため、また特にバルト 地域だけでなく中東欧および南東欧での資源とルートを多様化させるために計画に投資し ている。」と述べた。 その助成金はブルガリアにおける Chiren 地下ガス貯蔵拡張計画のための耐震調査をカバ ーし、ポーランドとチェコ間の相互間接続に働きかけるもので、EU 全体に渡り実践手法が 異なり、それがガス市場を接続するための最大の障壁である。その他の計画は、フランス、 アイルランド間の海底相互間接続の研究、ブルガリアでの新しい架空送電線の開発、およ びリトアニア、ポーランド間の相互間接続がある。 欧州:新電力市場のルールが効率的な EU 全体の電力取引を可能にする 欧州委員会は統合された EU 内のエネルギー市場を目標へ一歩近づける電力市場の新規 則を採用した。新規則は欧州の電力取引のための包括的な法的枠組を規定し、EU 全体を合 法的にまとめる、いわゆる“マーケットカップリング”を行っている。マーケットカップ リングは基本的に、異なる国の電力取引所からの入札および申し出を、クロスボーダー取 引のために一つにまとめ、それらを国境を越えた最適な方法で適応させることができる。 マーケットカップリングは、1年あたり 25~40 億ユーロの資金を節約できると推定されて いる。 ― 51 ― 情報報告 ウィーン その規制は真に統合された電力市場とエネルギー連合を構築するための委員会の計画の 一部である。この計画の一つの柱は、一連の新しい EU の法律を通した電力貿易と協調グ リッド運営への障壁を取り除くための取組みである。さらなるクロスボーダー取引は電力 市場における競争を増加させ、より多くの協調システムの運営は現在の断片的なグリッド 運営に起因する不要なコストを節約させることができる。 また、マーケットカップリングに関する規則は、より短期間での電力取引の増加を可能 にしている。これは供給業者と取引業者が今後の太陽光および風力発電量をより良く予測 することができるため、再生可能エネルギーのグリッドへのより効率的な統合を可能にし ている。最後に、その新規則はグリッド事業者、電力取引所と規制当局の間で、効果的な 地域協力を可能にする新しい意思決定手順を確立している。新規則は 2015 年7月 25 日に EU の官報で公表され、2015 年8月 14 日に発行される。 クロアチア:エネルギー効率の奨励金が経済に弾みをつける クロアチアの環境保護およびエネルギー効率ファンドの Sven Müller 氏は、Mihael Zmajlović 環境大臣と Darko Lorencin 観光大臣と共に Novigrad 市 にある Maestral ホテルを訪れた。本施設はクロアチア西部のイストリア半島に位置し、本施設や Korčula 島 へ 再 生 エ ネ ル ギ ー に よ る 電 力 や エ ネ ル ギ ー 効 率 化 対 策 を 導 入 し て い る Laguna 社が所有している。同ファンドは 46 万ユーロに相当する計画のために、180 万クーナ(約 24 万ユーロ)の助成金を確保している。 Novigrad 市は、総額 37 万ユーロに相当する 2 つの計画があり、家庭に再生可能エ ネルギーシステムやエネルギー効率の高い設備を設置するために必要なコストの 40%をファンドからサポートされている。ファンドは、新しくエネルギー効率の高い 公共照明を設置し、古い照明を交換するための費用 61 万ユーロのうち、21 万ユーロ を共同融資すると述べている。同様に価値のある支援計画が、小学校を再建するため にイストリア郡により実施されており、ファンドはまた、環境保護活動として地域の 廃棄物管理や道路のメンテナンスを支援していると、Novigrad 市の Anteo Milos 市 長は述べている。 また、市民は過去 2 年間でエネルギー効率の高い技術に投資しており、国からも支 援を受けている。近年では報奨金制度により A+++ランクの装置 1 万台に対し 1 台あ たり 105 ユーロの融資が行われている。今年は 2,263 世帯の住宅でのリハビリテーシ ― 52 ― 情報報告 ウィーン ョンに対しコストの 2/3 にあたる 1,462 万ユーロが7月 16 日までに支給されている。 報奨金は 1,975 万ユーロに相当する。 ルーマニア:再生可能エネルギーからの 60MW 分の電力容量をグリッドに接続 1 億ユーロ以上の投資および再生可能資源を用いて電力を発生させるいくつかのユ ニットは、すぐにグリッドに接続することができると、ルーマニアの報道機関法メデ ィアは述べている。国内のグリッドネットワークへ、Babadag 風力発電所から 3~ 30MW、Casimcea 風力発電所から 1~10MW を追加し、加えて Onești 太陽光発電施 設から 18MW、Reci バイオマス燃料ステーションから 15MW を追加する準備をして いると、国内システムおよび送電事業者の Transelectrica 社は述べている。エネルギ ー源により、違いはあるもののこれらに対する全ての投資の推定コストは 1 億ユーロ を超える。 2014 年から 2023 年の開発計画によると、ルーマニアにおける正味の電気生産量は 2018 年には 68TWh、2023 年には 77.4TWh へ成長すると見込まれている。4 月 1 日 時点でのシステムでの設置容量は 22.3GW であり、そのうち、水力発電のシェアは 28.5%、石炭火力発電 25.6%、風力発電 13.2%、原子力発電 6.3%、太陽光発電 5.4%、 バイオマス発電 0.45%、その他発電 20.3%であった。地熱発電は、わずか 0.05MW である。2014 年の電力生産量は 2013 年比で 11.3%増加し、60.6TWh となっている。 国内生産の成長分は、2014 年における国内消費の増加分 1.9%と国境を越え取引さ れた電力収支の 254.7%によるものであると Transelectrica 社のデータは示している。 同データによれば、ルーマニアの火力発電所の 80%が耐用年数を超過している。ま た、グリッド開発の分析では、火力発電所の耐用年数に到達する、あるいは効率の低 下や環境負荷に関する EU の要求事項を逸脱した場合、その火力発電所の開発から撤 退する計画が含まれている。 ブルガリア:モンテネグロ・イタリア間の送電線に興味 ブルガリアの Boyko Borisov 首相はモンテネグロの Filip Vujanović 大統領との会 談で、ブルガリアがモンテネグロとイタリア間の高電圧海底送電線を利用することを 提案した。ブルガリア政府の報道担当官によれば、Borisov 首相と Vujanović 大統領 はブルガリア・ソフィアの閣僚理事会で会合を行い、エネルギー、観光の分野で協力 の機会を議論した。 ― 53 ― 情報報告 ウィーン メディア声明によれば、現在、議論は観光およびソフィア-ポドゴリツァ間の直行便 の打上げの範囲で、既存の契約を更新することに焦点があてられている。2 国間プロ グラムに含まれる科学技術協力は、経済効果が期待されている。Borisov 首相は、モ ンテネグロの EU および NATO 加盟のためのブルガリアの支援を確約し、交渉プロセ スの手助けを提供した。 アルバニア:ノルウェーがエネルギー交換計画を支援 エネルギー・産業大臣の Damian Gjiknuri 氏はアルバニアが最終的にノルウェー政 府と協力し、電力株式市場を確執することを発表した。また、アルバニアへの投資報 告書によれば、計画はノルウェーのプラットフォームに基づいて考案されていると述 べた。また、その交換はエネルギーの物理的および金融取引のためのメカニズムとな るだろうと、同氏は付け加えた。 アルバニアはエネルギー市場を自由化するための手順を講じるため、その決定は電 力部門に関する新法案の議決に従っている。一方、新たな市場モデルを作成するため に法改正が行われていると、バルカン通信社は述べている。 Gjiknuri 氏によると、開発とエネルギー市場の自由化の拡大と開発は、地域のエネ ルギー市場にとって非常に重要なステップである。また、同氏は「アルバニアのエネ ルギー株式を作成するための会議がエネルギー市場の自由化に向けての課題を定 義 している。我々はコゾボとこの市場を自由化する議論を開始した。アルバニアとコソ ボのエネルギー市場の統合と、マケドニアとの 400kv 配線の建設は、この部門におけ る我々の優先すべき計画である。市場が大きくなるほど、エネルギー計画の資金調達 額と代替エネルギー資源が大きくなり、これらは地域の電力部門の安全性を高めるこ とに繋がる。」と協調した。また、同氏によると、2020 年にアルバニアは地域の全て の国に接続されることが予想されると述べている。 トルコ:グリーンビルディングで世界トップ 10 入りを果たす 米国のグリーンビルディング評議会(USGBC)が、持続可能な建物の設計、建設、形 質転換において大きく前進している国として、トルコをエネルギー・環境デザインに おけるリーダーシップ(LEED)のトップ 10 にトルコを含めたと PR Newswire 紙が報 じた。トルコは初めてトップ 10 に入った後、現在は第9位にランクインしている。 その理由は、2013 年から 2014 年にかけて LEED 認定スペースの総面積が前年比で 258%増加したためである。 ― 54 ― 情報報告 ウィーン 新しく認定されたという意味で測定された面積はトルコが 2011 年、2012 年と 2013 年に達成したものより大きく、グリーンビルディングのこの急増は、トルコの指導者 が国内のエネルギー需要における急激な上昇に反応しエネルギー効率を向上させ る ことに注力している兆候であると、同紙は述べている。トルコ国内の建設環境を変化 させるこの種の公約を維持することは、トルコの正味電力消費量の 42%が国内の建築 部門から生じているため、長期間の経済および環境の将来に大きな可能性を見出して いるといえる。 USGBC の Rick Fedrizzi CEO は、トルコはグリーンビルディングと持続可能な設 計のための革新の中心にその姿を変えてきており、グリーンビルディングはと述べた。 リストを作成するために使用された分析は、これまでの LEED 計画の総面積と件数か ら国々をランク付けしている。LEED に認定されたスペースでは、電気および水資源 の節約、家庭、企業、納税者のためのお金を節約し、二酸化炭素の排出量を削減し、 住民、労働者を含むより大きなコミュニティのための健康的な環境が創造されている と、プレスリリースは述べている。LEED 発祥の地である米国はこのリストには含ま れていないが、LEED の世界最大の市場である。米国は世界第 2 位の温室効果ガス排 出国だけではなく、世界最大の GDP を有する経済大国でもある。 欧州:ギリシャ、キプロスが EU 内で最も大きな太陽熱市場へ EurObserv’ER により発行された“Solar Thermal and Concentrated Solar Power Barometer”によると、昨年ギリシャは市場内で最も多く太陽熱電力容量の拡張を行 っている。ドイツが 2014 年に 644MW を導入し総設備容量 12.59GW とリードし、オ ーストリアが 108.3MW を追加し総設備容量 3.62GW と続く一方、ギリシャは 189.4MW を追加し総設備容量 3GW となり、EU 内で 3 位となったと報告されている。 2014 年末での EU 内の集光型太陽光発電(CSP)プラントの容量は、2.31GW であっ た。2014 年はこの分野の発電は安定しており、恐らく今年もわずかな生産量の増加に 留まるだろうと予想されている。 ― 55 ―
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