第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する

第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
第1節 消火、救助、救急活動を実施する
第2節 医療救護活動を実施する
→
1.消防活動を実施する
→
2.人命救助活動を実施する
→
1.応急医療活動を実施する
→
2.特殊な治療活動に対応する
155
第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
第1節 消火、救助、救急活動を実施する
秘書広報課
経営企画課
→
(1) 災害時活動体制を確立する
まちづくり観 光 課
→
(2) 消防活動を実施する
総
→
(3) 広域応援を要請する
→
(1) 救助活動体制を確立する
→
(2) 人命救助活動を実施する
務
1.消防活動を実施する
課
危機対策課
財
政
課
税
務
課
市
民
課
保険医療課
2.人命救助活動を実施する
1.消防活動を実施する
○消防機関は、大規模災害が発生した場合は、消防計画に基づき通信・情報・警戒
および防御活動体制を強化し、鎮火等にあたる。
環境衛生課
健 康 づくり 課
高齢福祉課
社会福祉課
建
設
課
都市整備課
農
林
課
水
道
課
会
計
課
消防総務課
予
防
課
警
防
課
(1)災害時活動体制を確立する
【主担当課】 消防総務課、高萩消防署、警防課
【関 係 課】 -
【関係機関】 消防団
消防活動体制の整備
消防通信体制の確立
○ 消防部隊等の編成及び運用その他消防活動の実施体制に関
する消防計画の作成
○ 災害時の消防通信体制の整備
○ 消防無線通信の共通波の活用
○ 有線通信の市専用線の確保
消防計画とは・・・
消防計画は、消防本部の定めるもので、大綱は次のとおりである。
・ 消防力等の整備に関すること
高萩消防署
教育総務課
生涯学習課
・ 防火のための調査に関すること
・ 防災教育訓練に関すること
・ 災害の予防・警戒及び防御に関すること
・ 災害時の避難・救助及び救急に関すること
・ その他災害対策に関すること
学校教育課
議会事務局
農業委員会事務局
監査委員事務局
社会福祉協議会
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(2)消防活動を実施する
【主担当課】 消防総務課、警防課、高萩消防署
【関 係 課】 -
【関係機関】 消防団
危険区域の状況把握
情報の収集・伝達
消防活動の実施
○ 危険区域の事前調査の実施
○ 被害想定図の作成
○ 被害状況の把握、初動体制の整備
○ 災害状況の報告(消防長→市長・知事)
○ (気象状況が火災予防上危険な場合)火災警報の発令
○ 消防活動の実施
<自主防災組織等>
○ 発災後、火気の停止、ガス、電気の使用停止等の呼びかけ
○ 自発的な初期消火活動の実施
○ 倒壊家屋、留守宅等の出火に関する警戒活動の実施
危険区域とは・・・
○ 住宅密集地帯の火災危険区域
○ がけ崩れ等の危険区域
○ 浸水危険区域
○ 特殊火災危険区域(危険物及び放射線関係施設等)
消火活動の原則とは・・・
・ 消防力に比べて火災件数が少ないと判断したときは積極的に一挙鎮滅を図る。
・ 火災件数が消防力を上回ると判断したときは、地域の重要度と消防効果の大きい火災を優先的
に防御する。
・ 火災の様相により、消防隊個々の防御では効果がないと判断した場合は、部隊を集中して重要
地域の防御にあたる。
・ 火災が数多く発生し、住民の生命に危険を及ぼすことが予想される場合は、全力をつくして避難
者の安全確保にあたる。
・ 大規模建築物施設等からの出火で多数の消防部隊が必要と判断される場合は、消防効果を考慮
して他の延焼を鎮圧した後、部隊を集中して防御にあたる。
・ 火災及び火災以外の災害が同時に発生した場合は、火災防御を優先する。
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
同時多発火災への対応の原則とは・・・
消防力に比べて火災件数が少ないと判断したときは積極的に一挙鎮滅を図る。
1) 避難地及び避難経路確
保優先の原則
2) 重要地域優先の原則
3) 市街地火災消火活動優
先の原則
4) 重要対象物優先の原則
延焼火災が多発・拡大した場合、人命の安全を優先した避難地及
び避難経路確保の消火活動を行う。
同時に複数で延焼火災した場合、重要かつ危険度の高い地域を
優先に消火活動を行う。
大工場、大量危険物貯蔵取扱施設等の出火で、多数の消火隊が
必要な場合、市街地に面する部分及び市街地の延焼火災の消火
活動を優先とし、部隊を集中して消火活動にあたる。
重要対象物周辺と他の一般市街地から同時に出火した場合は、重
要対象物の防御上に必要な消火活動を優先する。
出場隊の指揮者は、火災状況を把握し、人命の安全確保を最優先
とし、転戦路を確保した延焼拡大防止及び救助・救急活動の見込
5) 火災現場活動の原則
み等を総合的に判断・行動を決定する。火災規模と対比して消防
力が劣勢と判断したときは、市民の安全確保を最優先とし、道路、
河川、耐火建造物、空地等を活用し、守勢的現場活動により類焼を
阻止する。
救助活動の原則とは・・・
・ 多発火災により延焼拡大した場合は火災防御を優先するが、地域的に多数の人的災害が発生し
たときは救急隊及び救助隊は人命の救出及び搬送にあたる。
・ 火災の発生が小規模で一挙鎮滅に成功した場合は、消防隊、救急隊を集中して、人命の救助活
動にあたる。
・ 最悪の被害により救急車出動不能の場合は、消防団員及び付近住民の協力を求め、救急業務に
全力をあげる。
・ 災害発生において、救護所が開設された場合は、その運営について、医療機関等密接な連携を
とり、搬送業務に全力をあげる。
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(3)広域応援を要請する
【主担当課】 消防総務課、高萩消防署、警防課
【関 係 課】 -
【関係機関】 -
応援派遣の要請
応援隊の派遣
○ 消防相互応援協定に基づく他の消防本部への応援の要請
○ 電話等による他都道府県への応援要請の依頼(市→知事)
○ 緊急消防援助隊の一部として、消防隊の被災地への派遣(消
防相互応援協定・知事の指示)
○ 近隣都県の被害は直ちに出動できる体制の確保
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
2.人命救助活動を実施する
○市は、災害のため現に生命身体が危険な状態にある者、または生死不明の状態に
ある者を捜索・救出するため必要な措置を講じる。
(1)救助活動体制を確立する
【主担当課】 警防課、高萩消防署
【関 係 課】 健康づくり課
【関係機関】 -
救助体制の整備
情報の収集、伝達
救助・救急の要請
応援隊の派遣
救助・救急活動の実施
○
○
○
○
○
○
○
○
生命身体が危険な被災者・負傷者等の迅速な保護・救助
(必要に応じて)自衛隊、隣接市町の消防機関等に協力要請
救助資機材の調達、民間の建設業者等への協力要請
応急救護所の設置
トリアージ結果による医療機関への搬送体制の整備
後方医療機関への搬送の実施
被害状況の把握、初動体制の整備
災害状況の報告(消防長→市長・知事)
○
○
○
○
救助・救急要請への対応
消防相互応援協定に基づく他の消防本部への応援の要請
電話等による他都道府県への応援要請の依頼(市→知事)
緊急消防援助隊の一部として、消防隊の被災地への派遣(消
防相互応援協定・知事の指示)
○ 近隣都県の被害は直ちに出動できる体制の確保
○ 救助・救急活動の実施
<自主防災組織等>
○ 自発的な被災者の救助・救急活動の実施
救助・救急要請への対応とは・・・
・ 救助・救急活動は、緊急性の高い傷病者を優先とし、その他の傷病者はできる限り自主的な処置を
行わせるとともに、他の防災機関との連携の上実施する。
・ 延焼火災が多発し、同時に多数の救助・救急が必要となる場合は、火災現場付近を優先に救助・救
急活動を行う。
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(2)人命救助活動を実施する
【主担当課】 警防課、高萩消防署
【関 係 課】 全庁各課
【関係機関】 -
人命救助活動の実施
○ 捜索・救出の実施
○ 行方不明者等の捜索の実施
○ 県、周辺市町村、自衛隊等への応援の要請(市だけでは十分
な対応ができない場合)
捜索・救出の対象とは・・・
・ 災害のため現に生命身体が危険な状態にある者
・ 災害のため生命身体が危険な状態になろうとしている者
・ 災害のため生死不明の状態にある者
捜索・救出の方法とは・・・
救出の方法
消防機関、自衛隊の応援、警察署、地元住民の協力を得て実施する。
救出のための費用
貴重な人命を救助する点で最も人道的な制度であるから、真に必要やむ
を得ない経費については、金額にかかわらず支出する。
救出の期間
被災者の救出を実施できる期間は、災害発生の日から 3 日以内とするが、
被災者の生存が予想され、または現に救出を求めている場合はさらに延長
する。
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
第2節 医療救護活動を実施する
秘書広報課
経営企画課
1.応急医療活動を実施する
まちづくり観 光 課
総
務
課
→
(1) 応急医療活動体制を確立する
→
(2) 広域搬送及び後方医療活動を支援要請する
→
(3) 医療関係ボランティアの支援を要請する
→
(4) 医薬品等を確保する
→
(5) 災害救助法による医療と助産を実施する
→
(1) 個別疾病患者に対応する
→
(2) 大規模事故災害患者に対応する
危機対策課
財
政
課
税
務
課
市
民
課
保険医療課
2.特殊な治療活動に対応する
1.応急医療活動を実施する
環境衛生課
健 康 づくり課
○市は、災害のため医療機関が混乱し、被災地の市民が医療及び助産の途を失った
ときに応急的に医療及び助産を施し、被災者を保護する。
高齢福祉課
社会福祉課
建
設
課
都市整備課
農
林
課
水
道
課
会
計
課
(1)応急医療活動体制を確立する
【主担当課】 保険医療課
【関 係 課】 -
【関係機関】 -
応急医療体制の確立
応急医療活動の実施
○
○
○
○
○
初動体制の確保
医療救護班の編成、派遣
医療救護所の設置
医療施設による医療活動の実施
トリアージの効果的な実施
消防総務課
予
防
課
警
防
課
トリアージとは・・・
トリアージは、治療、搬送とともに、災害時医療で最も重要な3つの要素の一つであり、負傷者を重症
高萩消防署
度、緊急度などによって分類し、治療や搬送の優先順位を決めることをいい、救助、応急処置、搬送、
病院での治療の際に行う。
一般的に負傷者をつぎの4つに分類する
教育総務課
生涯学習課
・ 第 1 順位(最優先治療群)・・・赤色のタグを付ける
生命を救うため、直ちに処置を必要とするもの(救命可能なもの)。
窒息、多量の出血,ショックの危険のあるものなど。
学校教育課
議会事務局
・ 第 2 順位(準救急治療群、待機治療群(たいきちりょうぐん))・・・黄色のタグを付ける
多少治療の時間が遅れても、生命に危険がないもの。
・ 第 3 順位(治療保留群)・・・緑色のタグを付ける
農 業 委員 会事 務 局
監査委員事務局
上記以外の軽易な傷病で、ほとんど専門医の治療を必要としないものなど。
・ 第 4 順位(不搬送群(ふはんそうぐん))・・・黒色のタグを付ける
既に死亡している者又は直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能なものなど。
社会福祉協議会
162
第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
医療救護班による医療活動とは・・・
医療救護班の輸送
市は、医療救護活動が円滑に実施できるよう、医療救護班の輸送に
あたっては、輸送手段の優先的確保など特段の配慮を行う。
医療救護班の業務は以下に示すとおりである。
・ 被災者のスクリーニング(症状判別)
・ 傷病者に対する応急処置の実施及び必要な医療の提供
医療救護班の業務
・ 医療機関への転送の要否の判断及びその順位の決定
・ 死亡の確認
・ 死体の検案
・ その他状況に応じた処置
巡回相談チーム・
ボランティアとの連携
医療救護班は、被災者の健康相談を行うために医師及び保健師等で
構成された巡回相談チームやボランティアとの連携を図り、医療を必
要とする被災者の情報収集に努め、医療活動を行う。
163
第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(2)広域搬送及び後方医療活動を支援要請する
【主担当課】 保険医療課、高萩消防署
【関 係 課】 -
【関係機関】 -
患者受入れ先病院の確保
搬送体制の確保
○
○
○
○
後方医療施設の確保
被災病院等の入院患者の受入れの実施
後方医療施設への搬送
搬送手段の確保
164
第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(3)医療関係ボランティアの支援を要請する
【主担当課】 健康づくり課
【関 係 課】 -
【関係機関】 -
受入れ体制の確保
搬送体制の確保
○
○
○
○
医療ボランティア調整本部の設置
医療ボランティア受入れ窓口の運営
後方医療施設への搬送
搬送手段の確保
医療ボランティア調整本部の活動内容とは・・・
・ ボランティアの募集、登録、協力依頼、派遣
・ 現地対策本部との連絡調整
・ その他
医療ボランティアの活動内容とは・・・
医師・看護師
・ 医療救護班に加わり、医療救護所で医療活動を行う。
・ 被災地の医療機関において医療活動を行う。
・ 後方医療施設において医療活動を行う。
薬剤師
・ 医療救護班に加わり、医療救護所で調剤業務を行う。
・ 医薬品集積センターにおいて、医薬品の仕分け・在庫管理等の業務
を行う。
・ 避難所等において、環境検査、飲料水の検査等の衛生管理を行う。
・ 被災地等において、消毒方法等の防疫指導を行う。
保健師
・ 避難所等を巡回し、被災者の健康管理や栄養指導を行うとともに、医
療ニーズを把握し、医療救護班に連絡する。
歯科医師・歯科衛生士
・ 避難所等を巡回し、被災者の歯科診療を行う。
その他
-
165
第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(4)医薬品等を確保する
【主担当課】 健康づくり課
【関 係 課】 -
【関係機関】 -
医療品等の確保
○ 保健所・茨城県災害対策本部への供給の要請
指定備蓄業者とは・・・
本市周辺における茨城県災害用医薬品等確保対策要綱に基づく指定備蓄業者は、次のとおりであ
る。
施設名称
施設所在地
電話
(株)メディセオ日立支店
日立市滑川町1-312
0294(22)2180
アルフレッサ(株)日立支店
日立市留町字前川1270-59
0294(53)3221
山口東邦(株)日立営業所
日立市助川町2824-29
0294(33)5566
(株)スズケン日立支店
日立市日高町1-6-16
0294(42)8001
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(5)災害救助法による医療と助産を実施する
【主担当課】 健康づくり課
【関 係 課】 -
【関係機関】 -
医療・助産の実施
○ 災害救助法及び同法施行細則等により実施
167
第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
2.特殊な治療活動に対応する
○市は、関係機関と連携し、災害時における個別疾病患者、及び大規模かつ特殊な
災害における患者に対する治療活動の体制を構築する。
(1)個別疾病患者に対応する
【主担当課】 健康づくり課
【関 係 課】 社会福祉課、保健医療課
【関係機関】 -
人工透析の供給等
難病等への対応
○ 人工透析患者の受療状況及び透析医療機関の稼働状況等の
情報の収集
○ 透析患者、患者団体及び病院等への情報提供
○ 被災地内の人工呼吸療法、酸素療法、経静脈栄養療法、経管
栄養療法等の在宅患者等の被災状況の確認(県に報告)
○ 消防機関への依頼等による患者搬送の実施
○ 難病患者の受療状況及び主な医療機関の稼働状況の把握
○ 広報紙、報道機関等を通じた難病患者や患者団体等への情
報提供の実施
○ 受療確保のため県に対し、必要な要請の実施
○ 被災地の小児慢性疾患児及び妊婦の巡回相談や訪問指導の
実施
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第3編 災害応急対策計画
第3章 消火、救助、救急、医療救護活動を実施する
(2)大規模事故災害患者に対応する
【主担当課】 健康づくり課、警防課、高萩消防署
【関 係 課】 危機対策課
【関係機関】 -
負傷者の搬送
多発外傷への対応
広範囲熱傷、化学熱傷へ
の対応
有毒ガス、化学物質等に
よる中毒への対応
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
現地指揮本部の指示による搬送の実施
搬送車両の確保
(必要に応じて)ヘリコプター出動の要請
負傷者を発見後、迅速な救急告示の医療機関、災害拠点病院
等医療機関への搬送の実施
(必要に応じて)ヘリコプター出動の要請
(必要に応じて)二次搬送の実施
負傷者を発見後、対応可能な医療機関等へ負傷者を搬送す
る体制の整備
(必要に応じて)ヘリコプター出動の要請
広域搬送の場合の県への連絡
(必要に応じて)二次搬送の実施
(原因物質の特定が困難な場合)公益財団法人日本中毒情報
センターと連携し、原因物質の絞り込みを実施
(必要に応じて)採取した生体試料と想定される原因物質の情
報提供により検査分析の依頼
化学物質等による中毒の可能性の場合は、関係機関相互へ
の情報の提供
(必要に応じて)搬送、受入れにあたって除染を実施
医療機関に解毒剤等がない場合、卸売業者に供給を要請、市
に解毒剤の確保を依頼
事故災害の費用負担とは・・・
救急医療対策に要した費用については、現行関係法の適用により処理しうるものは、同法により、そ
の他のものについては、事故発生責任機関の負担とする。
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