副籍事業について 東京都立江東特別支援学校長 早川 智博 1 副籍制度の概要 (1) 東京都の副籍制度について 副籍制度とは、 「都立特別支援学校の小・中学部に在籍する児童・生徒が、居住する地域の区市町村 立小・中学校(地域指定校)に副次的な籍(副籍)をもち、直接的な交流や間接的な交流を通じて、 居住する地域とのつながりの維持・継続を図る制度」です。 (東京都教育委員会「副籍ガイドブック」 より抜粋) 地域の学校 在籍する学校 都立特別支援学校に通う児童・生徒 (学籍をおく) (保護者) (副次的な籍をもつ) 交流 通学 区市町村立小・中学校 都立特別支援学校(在籍校) (地域指定校) ○ 間接的な交流 ○ 直接的な交流 学校便り、学年便り等の交換 学校行事への参加 行事の案内等の交換 授業やホームルームの参加 作品や手紙の交換 学年集会等でのあいさつなど (2)副籍制度が目指すもの 副籍制度が目指すものは、共生地域の形成です。共生地域とは、「障害のある人と障害のない人が交 流を通じて相互理解を図り、互いに支え合いながら共に暮らす地域社会」のことです。「共生地域」と は、そのような社会を創造的に実現してほしいという願いを込めて、東京都教育委員会が用いている言 葉です。 地域社会 公共交通機関 地域の行事 家庭(家族)同士 ○ 乳幼児期 2 街の中 公園 ○ 学齢期 学校 職場 ○ 青年期・成人期 地域の療育施設・幼稚園・ 副籍での交流・学童クラブ 地域の福祉サービス利用 保育園など 療育施設・福祉サービスなど 地域の通所施設利用など 本校での副籍交流 (1)交流活動の例と感想 ○初めての交流で、みんなの前であいさつをしました。(小学部) ○みんなと給食を食べました。 (小学部) ○作品や写真を展示しました。 (小学部、中学部) ○少し緊張しましたが、お楽しみ会だったのでワイワイとした雰囲気でした。お友だちに教えてもらいな がら、笑顔でゲーム等に参加できました。快く受け入れてもらえたと感じました。(小学部) ○学校便りを毎月自分で届けに行きました。地域指定校の学校便りも受け取りました。(中学部) ○音楽の授業では、一緒に歌を歌いました。手振りをしたり、リズムをとったりしながら楽しく参加でき ました。帰るときにみんなとハイタッチでさようならをしてきました。(小学部) ○英語の授業に参加しました。友達と一緒にアルファベットを書く練習をしました。罫線にそろえて丁寧 に書くことができました。 (中学部) 【本校副籍リーフレットより】 (2)副籍制度の利用に関する手続きについて ・現 2 年生から 6 年生には、昨年度中に、副籍交流の希望調査を行いました。 新入生と転入生は、就学相談時に区の教育委員会から副籍制度について説明が行われ、入学前に地域指 定校が決定しています。 ・ 「交流をする学校(交流指定校) 」が決まります。 交流校にて「交流の打ち合わせ」を行います。 直接交流の場合は、児童・生徒本人と保護者、両校の関係者が参加して話し合い、無理なく寄り添うこ とができる1年間の交流を計画します。 ・ 「交流計画書」を作成し、保護者・交流指定校で確認後、交流が始まります。 交流の形に問わず、交流校の学校便りが届きます。 直接的な交流を行う際には、原則として保護者が付き添います。 江東特別支援学校からも毎月学校便りを地域指定校に送ります。 ・ 「交流報告書」を作成し、交流を振り返ります。 【問い合わせ先】 東京都立江東特別支援学校 特別支援教育コーディネーター 副籍担当 小学部 寺平 依子 中学部 平元 加寿子
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