平成27年度 全国学力・学習状況調査結果の概要

平成27年度
全国学力・学習状況調査結果の概要
福津市教育委員会
本調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上のため、国語、算数・
数学、理科の3教科で小学校6年生と中学校3年生の児童・生徒を対象として
文部科学省が平成27年4月21日に実施したものです。また、国語、算数・
数学、理科の学力調査だけではなく、児童生徒の学習意欲や生活習慣及び学校
の状況や取組等についても調査しています。
本調査結果は、文部科学省から、8月25日に都道府県教育委員会と市町村
教育委員会に、8月26日に各学校に提供されました。
これを受け福津市教育委員会は、平成27年度全国・学力学習状況調査の結
果の概要を公表いたします。
福津市は、
「夢や希望を持ち、健やかに育つ子ども」の育成を目指しています。
公表においては国語、算数・数学の学力調査の結果だけではなく、児童・生徒
質問紙から福津市が目指す子ども像と関連の深い項目を取り上げています。こ
れは、保護者・地域の皆様に、福津市の子ども達の学力や学習の状況をお知ら
せすることで、福津市の教育への関心を高め、地域ぐるみで子ども達の育ちを
支える「コミュニティ・スクール」の充実・発展につなげたいと考えたからで
す。
なお、児童・生徒質問紙については、調査結果を基に福津市教育委員会の分
析・考察を述べております。この分析・考察はあくまでも一つの側面ではあり
ますが、これを基に子ども達のために何ができるか、何が必要か、保護者、地
域の皆様が考える手がかりにして頂きたいと思います。
平成27年度
1
全国学力学習状況調査結果
本調査結果の見方
本学力調査は実施教科のうち国語科、算数・数学科ではA問題とB問題か
ら構成されています。
A問題では、身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼ
す内容や実生活において不可欠であり、常に活用できるようになっているこ
とが望ましい知識・技能などを調査します。(基礎・基本の力)
B問題では、知識・技能等を実生活の様々な場面で活用する力や様々な課
題解決のために構想を立て、実践し、評価・改善する力などを調査します。
(活
用する力)
なお、表内の数値は、各教科区分における平均正答率を示していますが、
これらの数値はあくまでも学力の一部であり、本市の教育活動全てを評価す
るものではありません。
2
教科区分毎の平均正答率
(1)小学校
国語Å
国語B
算数A
算数B
理科
福津市
70.6
66.9
75.5
46.6
58.4
福岡県
69.8
65.1
74.7
44.2
59.5
全国
70.0
65.4
75.2
45.0
60.8
国語Å
国語B
数学A
数学B
理科
福津市
76.6
67.0
65.1
42.9
53.6
福岡県
74.6
64.5
62.2
39.8
51.3
全国
75.8
65.8
64.4
41.6
53.0
(2)中学校
3
調査結果を受けて
本調査結果をみると、国語、算数・数学については福津市の児童・生徒の
学力は県や全国と比べたときに小学校、中学校とも若干上回っているといえ
そうです。理科は小学校では若干下回っており、中学校では若干上回ってい
るといえそうです。
今後は、各教科区分の結果や各学校の結果を詳細 な分析等を行い、今後の
学力向上に向けた組織的な取組を一層推進していく必要があると 考えていま
す。
福津市教育委員会では、平成 25 年 12 月に策定した「福津市学力向上スタ
ンダード」の取組の強化・徹底を図るべく、その成果を丁寧に見取り、効果
的な取組が他の学校にも広まるよう、管理職研修会等の場を効果的に活用し
たいと考えております。
※
福津市学力向上スタンダードとは
平成 25 年度、福津市教育委員会と学校とで協議を重ねながら策定した「共働」
と「徹底」による学力向上戦略です。
なお、福津市学力向上スタンダードには、どの学校でも共通して取組む学力
向上策を、学力向上の基盤づくり、基礎・基本を含む活用力の育成、家庭学習
の充実、補充学習の充実及び評価と改善という観点から策定しております。
めざす子どもの姿
福津市教育委員会では、
夢や希望を持ち、健やかに育つ子ども
の育成をめざして、平成26年度に取り組むべき施策を計画的にすすめていき
ます。
「夢や希望を持つ子ども」というのは、これからの活動をみすえたり、自分
の姿や生き方を思い描いたりしたときに、例えば、
どうしてかな、ふしぎだな
●●が分かるようになりたい
●●をしてみたい、ためしたいな
●●ができるようになりたい
●●な自分になりたいな
と感じ、考え、言葉にし、地域とつながり、む
仕事にかかわっていく子どもです。
また、今の自分の姿を見つめたときに、例えば、
わたしには、●●なよさがある
わたしのこんなところが好き
こんなによいところがある
わたしをたいせつにしよう
と感じ、考え、言葉にする子どもです。
めざす子どもの姿
「健やかな子ども」を、大きく三つの姿でとらえています。
一つは、基本的な生活習慣がきちんと身についた子どもです。
例えば、次のような姿です。
▼進んで身のまわりを整える
▼あいさつ、返事、正しい言葉づかいをする
▼なぜきまりが必要なのかを考え、守り、正しいと
思ったことを、勇気をもって動く
▼正しい食事のとり方や習慣を身につける
二つは、家族や友達といった身近な人をはじめ、地域の方や身の回りのさま
ざまな人に出会い、つながり、感謝や尊敬の気持ちを持つ子どもです。
例えば、次のような姿です。
▼温かく、優しい心で考え、動く
▼進んで考え、動く
▼協力して考え、動く
三つは、学び、つくり出し、分かる、できる、つかいこなす喜びを実感して
いる子どもです。例えば、次のような姿です。
▼学ぶことが好き、大切だと感じている
▼経験や生活と比べたり、つなげたりして考えた
り、つくり出したりする
▼学 んだ内 容 が確 実 に分 かる、できる、生 活 に
活かす
▼汗をかいて思いきり、楽しく体を動かす
これらの姿をまとめると次のようになります。
◆自他のよさが分かり、それを大切にする子ども
◆郷土を愛し、地域に貢献する子ども
◆学ぶ意味や喜びを感じる子ども
数字でみる福津市の子ども【小6・中3】(平成27年4月現在)
福津の子は「夢や希望を持ち、健やかに育つ福津の子」としてどの
ような成長を遂げているのか
平成 27 年4月に小学校6年生、中学校3年生の全児童・生徒を対象に行われ
た全国学力・学習状況調査の「児童・生徒質問紙」の集計結果をもとに福津市
の子どもの実態をみてみましょう。数字のみで「夢や希望を持ち、健やかに育
つ福津の子」の全てを把握することはできませんが、実態を把握する上での一
つの手がかりになると考えます。
◆
「自他のよさが分かり、それを大切にする子ども」
数字でみる福津市の子ども【小6・中3】(平成27年4月現在)
□ 「自分にはよいところがあると思う 」
「人の約に立つ人間になりたいと
思う」「ものごとを最後までやりとげて嬉しかったことがある」と 感じる
中学生の割合が高い傾向にあるといえます。
□ そ の 背 景として福津市で根付 き広まりつつある中学 生による地域貢献
活動の効果が考えられます。
□今後は、小学生の自尊感情を高めることや成功体験を遂げさせるための
方略について検討していくことが求められます。
数字でみる福津市の子ども【小6・中3】(平成27年4月現在)
◆
郷土を愛し、地域に貢献する子ども
□「地域や社会のことが気になる」
「よりよくするために何をすべきか考えて
いる」については、全国と比べた時に福津市においては中学生の割合が高い
傾向にあることがいえます。
□その背景として福津市では学校・家庭・地域の「三者共働」のコミュニテ
ィ・スクールから、それに生徒を加えた「四輪駆動」のコミュニティ・スク
ールへと発想の転換をしていることが考えられます。
数字でみる福津市の子ども【小6・中3】(平成27年4月現在)
◆
学ぶ意味や喜びを感じる子ども
□この4カ年で平日の一時間以上家庭学習をする児童・生徒の割合の差が
全国と比べたときに縮まってきています。(小学校では平成27年度は若
干上回っています)。
□その一方で、土日に一時間以上の家庭学習をする児童・生徒の割合は 課
題として浮彫になっています。
□今後は、福津市スタンダードにある「週末課題」の在り方等について、
学校だけではなく、保護者とともに考えていくことが大切になると考えら
れます。