高齢夫婦を対象とした運動教室が運動アドヒアランスおよび 体力に及ぼす

(69)
第 30 回若手研究者のための健康科学研究助成成果報告書
2013 年度 pp.69∼74(2015.4)
高齢夫婦を対象とした運動教室が運動アドヒアランスおよび
体力に及ぼす長期的な効果
―地域在住高齢者を対象とした 1 年間にわたる長期介入研究―
大 須 賀 洋 祐*
鄭 松 伊*
田 中 喜 代 次*
LONG-TERM EFFECTS OF EXERCISE INTERVENTION FOR OLDER
MARRIED COUPLES ON EXERCISE ADHERENCE
AND PHYSICAL FITNESS
Yosuke Osuka, Songee Jung, and Kiyoji Tanaka
Key words: older married couples, exercise adherence, physical fitness.
ソーシャルサポート(人々が生活上の危機に瀕し
緒 言
たときに,周囲の人々との間で交換される手段
加齢に伴う体力の低下は、日常生活動作の困難
的・表出的援助)が着目され、特に家族や友人か
性を助長し、高齢期における生活の質を悪化させ
ら提供されるサポートの有効性が報告されてい
る要因となりうる。体力の低下に歯止めをかけ、
る1)。
日常生活動作を可能な限り保持することが肝要で
高齢期では、配偶者と過ごす時間が増加するた
ある。これまでの多くの研究から、運動実践は、
め、個人の運動実践率は、配偶者のそれと関連す
体力の維持・回復に有効であり、運動の長期化
ることが報告されている7)。したがって、配偶者
は、日常生活動作の障害リスクを抑制すると報告
との関係を上手く利用して運動習慣を形成するこ
されている 。
とで、運動アドヒアランスとそれに付随する体力
このように運動の習慣化による恩恵が明らかに
は長期にわたり維持できるかもしれない。
されているにもかかわらず、我が国の高齢者の運
しかし、配偶者との関係を利用した運動教室を
動習慣率は、依然として50%に満たない 。多く
開催し、教室終了後も運動アドヒアランスや体力
の高齢者が、運動習慣の重要性を認識しているも
を長期にわたり維持できるかについて検討した研
のの、運動実践に対する主体的な姿勢(運動アド
究は少ない。
ヒアランス)を維持できないのが実情であろう。
本研究の目的は、高齢夫婦を対象とした運動教
高齢者が、運動習慣を長期にわたり維持できるよ
室を開催し、教室期間終了から半年間(追跡期間)
うな創意工夫のある取り組みが必要である 。
の運動アドヒアランスと半年後の体力に及ぼす影
運動習慣の規定要因は、多くの先行研究によっ
響について明らかにすることとした。
6)
3)
5)
て明らかにされてきた
* 。近年、その 1 つとして
2,4)
筑波大学体育系 Faculty of Health & Sport Sciences, University of Tsukuba, Ibaraki, Japan.
(70)
B.運動教室
研 究 方 法
運動習慣の獲得を目的に、90分/回、 1 回/週、
A.対象者
計 8 週間の運動教室を開催した。教室プログラム
対象者は、茨城県の県南地区に在住する65歳以
は、準備運動、主運動(筋力運動とウォーキング)、
上の高齢者とした。参加の受け付けは、夫婦ある
整理運動で構成した。筋力運動は、下肢の筋力運
いは、単独とし、配偶者と参加した者を夫婦群、
動 6 種目とし、すべて自重負荷による方法で実践
単独で参加した者を単独群とした。研究の適格基
するよう求めた。反復回数は、 1 セット15∼20回
準は、図 1 に示したとおりである。すべての対象
とした。ウォーキングは、20∼40分/ 回とし、そ
者に、研究説明の機会を設け、研究の目的や調査
の日の体調に合わせて、各自でウォーキング時間
内容を説明し、測定や運動教室の参加を随時拒否
を設定するよう促した。主運動の強度は、自覚的
できることを口頭で説明した。また、測定データ
運動強度が「ややきつい∼きつい」となるよう指
の使用に関する説明を行い、書面にてデータ使用
示した。主運動を実践した場合は、運動日誌に記
に関する同意を得た。本研究は、筑波大学体育系
録するよう促した。夫婦群は、配偶者と運動教室
研究倫理員会の承認を受けている(承認番号:体
に参加するよう求め、自宅でも可能な限り配偶者
25-108)
。
と運動するように求めた。追跡期間中は、参加者
の自己管理期間とし、研究主催者から運動継続の
Eligibility criteria
1. Aged between 65 years old and more older.
2. Not restricted form exercising by a doctor.
3. Without frequency-exercise habits.
4. Not support-dependent on a Japanese long-term care insurance system.
Non-couple group
Applicants
n = 95
Couple group
Applicants
n = 122
Excluded subjects
(n = 50)
●With regular exercise(n = 34)
●Participated in other clinical trial
(n = 16)
Excluded subjects(n = 34)
●With regular exercise(n = 16)
●Participated in other clinical trial(n = 18)
Dropped out
(n = 2)
●Lumbosacral strain(n = 1)
●Injurious fall(n = 1)
Included subjects
n = 61
Included subjects
n = 72
Baseline measurement
Dropped out
(n = 4)
●Time issue
(n = 2)
●Hospitalization
(n = 2)
8-week intervention
One session per week and home exercise
Absent(n = 4)
●Hospitalization
(n = 1)
●Time issue(n = 3)
Post-intervention measurement
Dropped out(n = 4)
●Time issue
(n = 2)
●Hospitalization
(n = 2)
Dropped out
(n = 1)
●Feeling burden
(n = 1)
Absent(n = 4)
●Hospitalization
(n = 1)
●Time issue(n = 3)
Follow-up measurement
Analyzed subjects
n = 59
Analyzed subjects
n = 68
(34 couples)
図 1 .研究対象者のフローチャート
Fig.1.Flow chart of the study participants.
Absent(n = 13)
●Physical deconditioning
(n = 8)
●Time issue
(n = 5)
(71)
に該当する者)の割合」から評価した。ウォーキ
ための動機付けを一切行わなかった。
C.測定項目
ング非習慣者の定義は、「平均実践頻度が、 2 回/
主要評価項目は、運動アドヒアランスとし、追
週未満の者」とし、筋力運動非習慣者の定義は、
跡期間の平均運動実践頻度を求め、「運動非習慣
「平均実践頻度が、12セット/週( 6 種目を 2 セッ
者(ウォーキング非習慣者かつ筋力運動非習慣者
ト/週)未満の者」とした。副次評価項目として、
表 1 .ベースライン時における研究対象者の特徴
Table 1.Characteristics of the study population.
P for difference
Characteristics
n
Non-couples
n
Couples
Age
59
71.9 ± 5.2
68
69.5 ± 3.8
0.004
Body mass index
59
23.5 ± 3.3
68
23.7 ± 3.6
0.667
Gender, men/women
59
11/48
68
34/34
Hypertension
59
20
(33.9)
68
28(41.2)
0.465
Diabetes
59
(11.9)
7
68
(
9 13.2)
1.000
Heat disease
59
(10.2)
6
68
(4.4)
3
0.301
Respiratory disease
59
(6.8)
4
68
(2.9)
2
0.415
Osteoporosis
59
(1.7)
1
68
(7.4)
5
0.215
Hyperlipidemia
59
11
(18.6)
68
10
(14.7)
0.635
Osteoarthritis
59
(
7 11.9)
68
(
3 4.4)
0.186
Low back pain
59
11
(18.6)
68
14
(20.6)
0.826
Sholder pain
59
13
(22.0)
68
(
8 11.8)
0.153
Hip pain
59
(
7 11.9)
68
(2.9)
2
0.080
Knee pain
59
14
(23.7)
68
13
(19.1)
0.664
< 0.001
Medical history
Joint with pain
Senior fitness test
8-foot up-and-go, sec
59
5.4 ± 0.6 68
5.5 ± 0.8 0.765
Chair stand, numbers/30sec
59
14.9 ± 2.2 68
13.8 ± 2.5 0.011
Arm curl, numbers/30sec
59
21.2 ± 4.6 67
20.0 ± 2.9 0.104
Chair sit-and-reach, cm
58
9.6 ± 10.6
68
7.6 ± 13.0
0.368
Back scratch, cm
59
−6.5 ± 11.2
67
−8.4 ± 10.9
0.328
6-minute walk, m
59
539.9 ± 63.0
68
537.6 ± 69.7
0.841
Family, score
59
29.8 ± 10.5
68
33.8 ± 10.7
0.035
Friends, score
59
30.7 ± 10.6
68
24.8 ± 10.5
0.002
Exercise instructor, score
59
24.0 ± 11.7
68
22.6 ± 12.0
0.505
Exercise social support
Data were shown as means and standard deviations or n(%)
. P values were calculated using a student t test for the continuous variables
and a χ-square test for the discrete variables.
Walking
Strength exercise
Non-couple group
Couple group
4.0
2.0
0.0
-2.0
Week
1-4
Week
5-8
Week
9 - 12
Week
13 - 16
Week
17 - 20
Week
21 - 24
Week
25 - 28
Non-couple group
70.0
sets/week
numbers/week
6.0
Week
29 - 32
Couple group
50.0
30.0
10.0
-10.0
Week
1-4
Week
5-8
Week
9 - 12
Week
13 - 16
Week
17 - 20
Week
21 - 24
図 2 .32週間にわたる単独群と夫婦群の運動実践頻度の比較
Fig.2.Comparisons of exercise frequency in 32 weeks between the couple and non-couple groups.
Data were shown as means and standard deviations.
Week
25 - 28
Week
29 - 32
(72)
ト)は、質問紙から評価した9)。
体力と運動ソーシャルサポートを評価した。体力
D.統計解析
は、5 項目のパフォーマンステスト8)から評価し、
運動ソーシャルサポート(家族からのサポート,
夫婦群と単独群のベースライン情報の比較に
友人からのサポート,運動指導者からのサポー
は、χ2 test と Student t test を用いた。夫婦群と単
表 2 .ベースライン時から追跡調査時までの体力・運動ソーシャルサポートの推移比較
Table 2.Comparisons of change pattern in physical fitness, exercise social support from baseline to follow-up between the couple and
non-couple groups.
n
Non-couple group
n
Couple group
P ‡ for interaction
59
5.4 ± 0.6
68
5.5 ± 0.8
0.145
Physical fitness
8-foot up-and-go, sec
Baseline
Post-intervention
5.1 ± 0.7*
5.0 ± 0.8*
Follow-up
5.1 ± 0.7*
5.2 ± 0.7*
Chair stand, numbers/30sec
Baseline
59
14.9 ± 2.2
68
13.8 ± 2.5
Post-intervention
16.4 ± 2.3*
16.1 ± 2.0*
Follow-up
16.9 ± 3.0*
15.9 ± 2.6*
0.023
Arm curl, numbers/30sec
Baseline
59
21.2 ± 4.6
67
20.0 ± 2.9
Post-intervention
22.9 ± 4.3*
23.2 ± 3.3*
Follow-up
22.4 ± 4.4*
22.1 ± 3.2* †
0.036
Chair sit-and-reach, cm
Baseline
58
9.6 ± 10.6
68
7.6 ± 13.0
Post-intervention
12.0 ± 9.9*
10.6 ± 12.6*
Follow-up
12.1 ± 10.2*
9.8 ± 12.7*
0.185
Back scratch, cm
Baseline
59
­6.5 ± 11.2
67
­8.4 ± 10.9
Post-intervention
­5.1 ± 11.2*
­5.2 ± 10.5*
Follow-up
­5.7 ± 10.6
­6.8 ± 10.6* †
0.383
6-minute walk, m
Baseline
59
539.9 ± 63.0
68
537.6 ± 69.7
Post-intervention
575.5 ± 65.7*
578.3 ± 56.9*
Follow-up
566.1 ± 75.7*
576.8 ± 65.5*
0.996
Exercise social support, score
Support from family
Baseline
59
29.8 ± 10.5
68
33.8 ± 10.7
Post-intervention
29.4 ± 12.9
39.5 ± 9.8*
Follow-up
30.0 ± 12.0
38.8 ± 7.3*
0.015
Support from friends
Baseline
59
30.7 ± 10.6
68
24.8 ± 10.5
Post-intervention
30.7 ± 12.8
22.3 ± 13.4
Follow-up
31.4 ± 10.4
25.4 ± 13.8
0.055
Support from exercise instructor
Baseline
Post-intervention
Follow-up
59
24.3 ± 11.3
68
34.7 ± 9.9*
27.9 ± 14.0
22.6 ± 12.0
0.221
35.6 ± 7.5*
†
23.5 ± 14.1†
Data were shown as means and standard deviations. *: significantly difference with baseline
(P < 0.05)
. † : significantly difference with
post-intervention
(P < 0.05)
. ‡ : P values were calculated using a repeated measure analysis of covariance adjusted by age and sex.
(73)
独群の運動非習慣者の割合の比較には、χ2 test
chair stand と arm curl に有意な交互作用がみられ
を用いた。教室期間と追跡期間における体力・運
た。家族からの運動ソーシャルサポートは、教室
動ソーシャルサポートの経時変化は、反復測定に
期間中、夫婦群で有意に向上し、追跡期間も維持
よる分散分析を適用した。交互作用は、性・年齢
していた。運動指導者からの運動ソーシャルサ
を共変量とした共分散分析から検討した。欠損値
ポートは、教室期間中に両群で有意に向上したも
の 補 完 は、baseline observation carried forward を
のの、追跡期間中に両群で有意に低下した。家族
行った。すべての統計処理には統計解析ソフト
からの運動ソーシャルサポートには、有意な交互
IBM SPSS Statistics Version 21を用い、統計的有意
作用がみられた。
水準は 5 %とした。
結 果
A.対象者のフロー
考 察
本研究は、「配偶者と運動教室に参加した高齢
者の運動アドヒアランスと体力は、一人で参加し
運動教室は、単独群61名、夫婦群72名で開始さ
た場合と比べて、いずれも高く維持できる」とい
れ、体調不良や入院等の理由のために単独群 6
う仮説を検討すべく、追跡期間中の運動非習慣者
名、夫婦群 4 名が途中離脱した。教室の出席率は、
の割合と体力の推移を比較した。その結果、夫婦
単独群が84.1%、夫婦群が93.2%であった。追跡
群のウォーキング非習慣者の割合は、単独群と比
期間中に単独群 1 名が途中離脱した(図 1 )。
較して27.5%有意に低値であった。運動非習慣者
B.ベースライン情報の比較
の割合に、統計的な有意差はみられなかったもの
ベースライン時の基本的特徴を単独群と夫婦群
の、追跡期間中の夫婦群の平均運動実践頻度は、
で比較した結果、年齢、性、chair stand、家族・
単独群と比較して、高い状態で維持されていた
友人からの運動ソーシャルサポートに有意な群間
(図 2 )。追跡期間中の夫婦群の上肢の筋力と柔軟
差がみられた(表 1 )
。
C.運動実践頻度の推移と運動非習慣者の割合
の比較
性は、有意に低下したものの、ベースライン値と
比較して依然として有意に維持していた。その他
の項目は、半年後も維持できていた。
単独群と夫婦群の平均運動実践頻度の推移を、
Wallace et al. は、中年夫婦32名と非夫婦32名を
図 2 に示した。追跡期間における夫婦群のウォー
対象に、12か月間にわたる運動プログラムへの平
キング非習慣者の割合(47.1%,n = 32)は、単
均出席率と脱落率を比較した結果、平均出席率は、
独群(74.6%,n = 44)と比較して有意に低値で
夫婦群のほうが非夫婦群よりも10%以上有意に高
あった(P = 0.002)。夫婦群の筋力運動非習慣者
く、脱落率は、夫婦群のほうが非夫婦群よりも 7
の割合(20.6%,n = 14)は、単独群(28.8%,n =
倍以上低いと報告している10)。また、運動プログ
17)と比較して低値であったものの、有意な差は
ラムからの脱落理由として最も多かった回答は、
みられなかった(P = 0.282)。夫婦群の運動非習
「配偶者からのサポートの欠如」であったと指摘
慣者の割合(16.2%,n = 11)も、単独群(27.1%,
している10)。本研究の結果から、運動指導者から
n = 16)と比較して低値であったものの、有意な
のサポートは、追跡期間中に両群で有意に低下し
差はみられなかった(P = 0.133)
。
たものの、夫婦群の家族からのサポートは、追跡
D.体力・運動ソーシャルサポートの推移と交
互作用(表 2 )
期間中も維持していた。運動教室が終了するとと
もに、運動指導者からのサポートがなくなること
両群の体力は、教室後、すべての項目で有意に
から、単独群では一人で運動習慣を維持していく
向上した。夫婦群の arm curl および back scratch
ことが難しい状況に置かれる一方で、夫婦群では、
は、追跡期間に有意に低下したものの、ベースラ
配偶者からのサポートが強化され、運動習慣を維
イン値と比較した場合、依然として有意に高値で
持しやすい状況に置かれていると考えられる。こ
あった。共分散分析から交互作用を検討した結果、
のような理由から、夫婦群のウォーキング非習慣
(74)
者の割合は、単独群と比較して有意に低値であっ
参 考 文 献
たと考えられる。この点については、Wallace et
1)Horne M, Tierney S(2012)
: What are the barriers and fa-
al. の研究結果を支持するものと考えられる。
cilitators to exercise and physical activity uptake and ad-
体力については、下肢の筋力や全身持久力を中
herence among South Asian older adults: a systematic re-
心に、追跡期間も維持できていた(ベースライン
と比較して有意に高値であった)ものの、両群と
もすべての項目が低下傾向にあった。運動実践頻
度が全体を通して低下傾向にあることが影響して
いると考えられる。また、半年後における夫婦群
の上肢筋力・柔軟性は、教室終了後と比較して有
意に低下していた。これは、上肢の筋力や柔軟性
の維持を目的とした運動プログラムを提供しな
かったことが要因であると考えられる。男性は女
性と比較して上肢の筋力が低下しやすいことが報
告されており、夫婦群は単独群と比較して男性の
割合が有意に大きいため、夫婦群で顕著に低下し
たと考えられる。
view of qualitative studies. Prev Med, 55, 276-284.
2)Koeneman MA, Verheijden MW, Chinapaw MJ, HopmanRock M(2011): Determinants of physical activity and exercise in healthy older adults: a systematic review. Int J
Behav Nutr Phys Act, 8, 142.
3)厚生労働省(2012)
:平成 24 年国民健康・栄養調査.
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-1090
4750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/
0000032813.pdf
4)McArthur D, Dumas A, Woodend K, Beach S, Stacey D
(2014)
: Factors influencing adherence to regular exercise
in middle-aged women: a qualitative study to inform clinical practice. BMC Womens Health, 14, 49.
5)Morey MC, Pieper CF, Crowley GM, Sullivan RJ, Puglisi
CM(2002): Exercise adherence and 10-year mortality in
chronically ill older adults. J Am Geriatr Soc, 50, 1929-
総 括
追跡期間中における夫婦群のウォーキング非習
慣者の割合は、単独群と比較して約28%有意に低
値であった。配偶者と運動教室に参加すること
で、ウォーキング習慣を維持するための互助関係
1933.
6)Nelson ME, Rejeski WJ, Blair SN, Duncan PW, Judge JO,
King AC, Macera CA, Castaneda-Sceppa C(2007)
: Physical activity and public health in older adults: recommendation from the American College of Sports Medicine and
the American Heart Association. Circulation, 116, 10941105.
が形成されたと推察される。体力については、追
7)Pettee KK, Brach JS, Kriska AM, Boudreau R, Richardson
跡期間中も下肢の体力が両群で維持されていた。
CR, Colbert LH, Satterfield S, Visser M, Harris TB,
今後は、教室期間終了から 1 年後の運動アドヒア
ランスと体力の推移を追跡し、配偶者と運動を実
践する有用性について、更に知見を蓄積する予定
である。
status on physical activity levels among older adults. Med
Sci Sports Exerc, 38, 541-546.
8)Rikli RE, Jones CJ(2000)
: Senior Fitness Test Manual.
Human Kinetics, Champaign, USA.
謝 辞
本研究課題に対して、多大な助成を賜りました公益財
団法人明治安田厚生事業団に深く感謝申し上げます。ま
た、本研究を遂行するにあたりご協力いただきました金
泰浩氏、大久保善郎氏をはじめとする田中研究室スタッ
フの皆様、金ウンビ氏、そして研究参加者の皆様に感謝
の意を表します。
Ayonayon HN, Newman AB(2006)
: Influence of marital
9)Sallis JF, Grossman RM, Pinski RB, Patterson TL, Nader
PR(1987)
: The development of scales to measure social
support for diet and exercise behaviors. Prev Med, 16,
825-836.
10)Wallace JP, Raglin JS, Jastremski CA(1995)
: Twelve
month adherence of adults who joined a fitness program
with a spouse vs without a spouse. J Sports Med Phys Fitness, 35, 206-213.