九州工業大学学術機関リポジトリ Title Author(s) Issue Date URL 経済的家庭環境の児童生徒の身体発育・運動能力及び学 業成績に及ぼす影響についての考察 富田, 善太郎 1961-03-30T00:00:00Z http://hdl.handle.net/10228/3312 Rights Kyushu Institute of Technology Academic Repository 経済的家庭環境の児童生徒の身体発育・運動能力 及び学業成績に及ぼす影響についての考察 富 田 善 太 郎 童生徒の身体発育状況(身長・体重・胸囲)と 緒言 運動能力(50m走.立幅とび.ソフトボ_ノレ投 経済的家庭環境が児童生徒の心身の発育,発 げ・懸垂)を測定し,全国及び福岡県の一般児 達に影響を及ぼす事は現在まで種々予想もさ 童生徒と比較して,経済的に豊かな家庭の子弟 れ,指摘もされている。栄養が身心の発育,発 の特異性を見出そうとした。 達に影響を及ぼすことは栄養学の示すところで (2)測 定 期 日 ある。社会保障の充実の要請や健康管理等の間 明治学園一昭和35年9月∼10月 題への関心を含めて,実際社会の経済的な家庭 全 国一昭和33年度文部省統計による全国 環境が児童生徒の身体発育・運動能力及び学業 平均 成績に如何程の影響を与えているかを明らかに 福岡県一昭和33年度教育委員会の調査によ したいと企図した。以上の目的で実施した2種 る福岡県の平均 の調査測定の結果を考察する。 (3)測 定 法 一般に標準化された方法によった。方法の’詳 〔其のD 細は省略する。 明治学園の児童生徒と全国及び福岡県の児 (4)調査測定の結果 童生徒の体格・運動能力の比較 結果の数値は第1表及び第2表であり・これ (1)調査測定の目的 等を図表化すれば第1図∼第14図となる。 富裕家庭の子弟の比較的に多い明治学園の児 第1表 明治学園と全国・福岡県との体格・運動能力比較表(男子) N一人員 X一算術平均 5一標準偏差 一1 齠 》_..∼ 学父 中 学 校 小 学 校 \一\. 年令 8(⇒911・11・ 一{: 74 54 73 158.52 \ 身 長 (αの 体 45 49 48 123.79 128.66 134.14 139.46 145,48 154.38 815・°9 5.35 5.63 7.92 7.04 7.70 6.00 130.7 135.1 ・4・・8147・11ユ53・6 全国平均1121.4 明治学園ば 重 (た9) 12 ・31・4 48 全 国 平 均 ユ26.1 24,74 27.17 30.32 34.00 3.03 3.91 3.81 6.74 23.1 27.6 25.3 51 30.2 38・ユ243・・6147・82 5.98 8.7616.80 34.。 38.8144.2 1 52 一富田善太郎一 明纈ば 胸 61.07 61.68 1 64.73 65.87 66.15 71.43 80.92 2.92 4.11 3.29 4.06 3.84 6,50 3.51 囲 (㎝) 五 〇 米 走 (秒) 60.2 全国平均 明幽{蒼1:;; 9.15 8.10 5.73 4.69 福岡県平均l g・88 9.2glg.22 8.99 154.90 159.05 1 169.23 と (㎝) 福岡県平均}142.92 ソ1 フル 明綱ぱ ]8.14 福岡県平均 18.59 ト投 ボげ (川 1.69 ノ.87 垂 (回) 福岡県平均 3.60 7.93 1 7.73 8.47 4.,35.5引4.59 9.41 8.46 8.14 188.42 218.25 215.11 13.82 17.04 22.40 17.28 153.40 164.89 170.97 177.89 190.18 202.11 21.79 28.27 30.83 34.02 43.54 46.60 4.42 7.30 8.50 7.84 32.06 37・57143・49 3.52 明治学園ぱ 懸 68.3 72.1 75.8 178.24 ・3.451・5.54 10.90 び 65.9 9.59 9.12 明治学園{: 立 幅 62.0 64.0 4.34 1 4.90 22.11}24.・2 29.ユ3 2・1512・13 2.50 3.19 } 5.75 2.15 1 2.41 2.39 2・92 13・81i4・33 6.77 1 P3・59 3.63 4・7014・49 5・14 6.42 第2表 明治学園と全国・福岡県との体格・運動能力比較表(女子) N一人員 X一算術平均 ぷ一標準偏差 <\劃小学校 申学校 8(年)1911・111・211314 \ { 身 2V 46 44 43 明治学園X 121.72 127.53 133.21 長 54.7315.3315.45 (㎝) 体 重 (々9) 胸 @ ・2・・41・25・51・31・・ x 5 明治学園{ 五 〇 55157 、5。.381153.。5 141.131 ユ46.62 1 5.78 6.66 136・61・42.8 明治学園{: 5.081 5.13 147.1 149.9 23・5・26・32128・3934・47|39・7643・36146・53 明⇒:1 米 走 (秒)1福岡県平均 152.3 153.1 153.5 46.54 49.5d 48.54 3.39 1 5.ノ8 4.28 47.6 49.4 1 50.3 57・3・159・32い2・6566.2917・.64[74.2877.79 3.871 3.59 3.23 5.50 4.98 5.20 4.15 全国平均 ・51ユ6 17 54 30 55 ユ5 堰F:ll 151:i!15;:17 全国平均 囲 (㎝) 47 85 高 等 学 校 58・460・462・7{65・769・8、73・5176・2 10.22 9.91 0.3781 0.706 10・3819・91 9.86i g.521 0.5981 0.523 7.72 9.36 9.1119.42 。.554㌦5、3 1 9.07 9.17 9・42 」 75.16 78.00「 80.38 4.57 4.13i 3.30 78.4 P9・4・ 79.9 80.7 9.42 9.48 0.60410.622 0.577 0.564 9.24 9.ユ3 9.15 9.16 経済的家庭環境の児童生徒の身体発育・運動能力 53 》㌔:iiliil:lilil:lii!i已竃!;1巨il:!ill:iハ:ii〔iil:!iii 藷i⇒:ll:謬当㍑当当鵠コ鴛㍑ ボげ 鯛煕均ig.64i1・.89、・4.63117.171ユ8.8412・.43…2ユ.6司21.59{22.3・22.52 (m) 垂1⇒濁1翠:1跳;ll瀧鶏批::; 15・84i 15・3ユ117・63i 19・7『ユー・781−・0615・1「19・2gl 20・1ユ1ユ9・68 (秒)1福岡県平均 (第1図) cm (男子) 身 長 l60 明治学園 一一一一一 150 S メ 国 ! (第3図) ρ’ 140 ’ kg ’ ,●’ 130 体 50 ’ 重 (男子) ’ ’ @’ ・ノ 120 明治学園 45 ’ 一一一一一 S 国 ♪ ! ’ 40 〆 ’ 35 9 8 10 学 小 12 11 校 中 13 学 14 校 30 ●’ ,●’ ’ ’ 25 身 ’ 20 (第2図) 言; ●’ (女子) 長 }国 明治学園 一一一一一 50 S ’ ら’「 ●一’ C●’ ’ 一 f C ●’ 8 9 小 40 ’ @’ ’ @’ 30 f 20 ,・ .’ ’ 8 9 小 10 学’ 校 ll 12 中 13 学 14 校 15 高 16 等学 17 校 10 学 校 川 12 13 中 学 14 校 54 一富田善太郎一 (第4図) (第6図) ㎏ 重 50 6; S 80 70 δ0 ’ 50 40 体 (女子) 明治学園 ,●” 明治学園 45 (女 子) 胸 囲 ,’一 一一一一一 国 一一一一一一 S 国 40 ’ ’ 35 一 ’ , →’● , 一●一 一 ,’●ρ ’ , ’” ’ f 乙” ’ ’ C ’ ” ’ .” 30 ’ ,■’ 25 ,’ ’ ・,” 20 8 9 10≒ 学 小 12 ll 校 13 中 学 14 校 15 16 高 等 学 17 校 9 8 10 ll 13 12 中 校 学 小 14 学 15 16 高 等 学 校 17 校 (第5図) (第7図) 胸 囲(男子) cm 90 50m走(男子) 明治学園 S 一一一一一 明治学園 秒 ll 国 @岡県 @’一一一一一福 80 , ’・ ア0 , ’ C■’ ’ lO ・、 @、 f 、、 ● h 、、 、 A ●一 一 @ 一●、 9 , 〔” 、 ’、 ・ 、、 ,●’ 60 A 、、、 ■’ べ十 8 50 7 40 1 8 9 10 小 学 校 8 9 小 10 学 ほ 校 12 ・中 13 学 」4 校 川 12 13 14 中 学 校 一経済的家庭環境の児童生徒の身体発育・運動能カー 55 (第8図) (第IO図) 50m走(女子) 立幅とび(女子) 17 明治学園 @一一一一一一福岡県 明治学園 10 、 A、 @◆ @、 、 E一一一 、 、. 、 、 、、 9 氈@” ’ 一● 一 一 一, ’. ” 一 一 ● ” 一一■一 一 汢ェ県 一 一◆ ,〔一一 ●’・ ’ → , 一” 8 一 一 , ’.一 ,・” ,” 7 .! C ’ ・” − 8 9 10 12 日 小 学 校 13 14 15 16 17 高等学校 中 学 校 8 10 9 13 |2 日 15 14 16 17 高 等 学 校 中 学 校 小 学 校 (第ll図) ソフトボール投げ(男子) 明治学園 50 40 汢ェ 一一一一一一 45 県 ’ ●’ 35 ’ ,楡’ 30 ,” 25 (第9図) ,.4’ 10 明治学園 一一一一 ・’” ,’ 15 (男子) 立幅とび 23σ 220 ’ ,● 20 crn f 汢ェ県 5 210 8 9 10 12 ・川 13 |4 ’ 200 学 小 ’ @’ @● 校 中 学 校 ’ @’ @’ f C・ ,〆●’ 日70 ’ ’ (第12図) ’ m’ ’ ●’ 層 ソフ トボーノレ}登仁デ(女子) 1140 4; @ 明治学園 @一一一一’福岡県 35 30 25 20 @ 一,■ρ’ ,’” 15 10 8 9 小 10 学 11 校 13 12 中 学 14 校 ,’・一 一 一一一 ■ 一一●一⇔ ,一●一’ 14 15 16 一一● ’ ・’ ” 5 8 9 10 日 小 学 校 12 13 中 学 校 17 高 等 学 校 56 一富田善太郎一 (第13図) 1.身長・体重においては明治学園の児童生 徒が明らかに優っている。高等学校の女子に おいては優っていないが,これについては後 懸 垂 (男子) 『 に触れる。胸囲は,身長・体重程優ってい 明治学園 ず,ほぼ同程度である。即ち形態的な身体発 一一一一 ▼ 汢ェ県 7 育においては富裕家庭の子弟が優っている ♪ が,都市的な細長型の傾向を強く示してい 6 る。 ! ! 5 2・運動能力においては男女の差異が明らか f ,●” ,’” f に認められる。 f 明治学園の男子は一般的に全国及び福岡県の ’ ,’ 4 .” C ’ 。●’ 平均に比較して優るとも劣ってはいない。特 3 に中学部の男子は優秀である。しかし,形態 的に優っている者に,形態的に劣っている者 参 と同等の鍛錬を加えれば,運動能力も優るの が当然であるから,絶対値においてやや優っ ていると言っても,すぐ体育的に運動能力が 8 よく錬磨されていると速断することはできな 9 10 川 12 13 14 小 いであろう。 学 中 校 学 校 明治学園の女子は明らかに劣っている。特 にソフトボール投げと懸垂の能力の劣弱なの (第14図) が顕著である。これは家庭労働の環境・学校 環境及び学校体育のあり方の影響を示すもの であって,この種子弟の学校にあっては,特 懸 垂 (女 子) 明治学園 に女子の体育の留意せねばならないことを示 …一一一 汢ェ 県 すものと言えよう。 秒 24 22 ◆〔其の皿〕 20 ,・ , ’A∼ A ’ 、 ’ ’ ◆” ⇔一 、、 補助世帯児童生徒と一般世帯児童生徒の身 ’ ’ 、、、、・^ ●一一 黶@一 ・’ 14 ’⇔q●’ 体発育及び学業成績の比較 |2 10 (1)調査測定の目的 8 経済的な家庭環境の客観的な一つの指標とし 6 4 て,家庭が貧困であるために,学用品・給食費 子 その他の教育費を地方自治体によって補助され 0 9 10 8 1| 12 13 「4 15 |6 |7 学 中 小 校 学 校 高 ている補助世帯の児童生徒を選んだ。 等 学 校 小学校・中学校のこれらの世帯の児童生徒の 身体発育の状況と学業成績を,一般世帯の児童 (5)結果の考察 生徒のそれと比較することによって,経済的家 測定結果を比較考察すれば次の諸点を指摘す 庭環境の影響を見出そうとするものである。 ることができよう。 (2)調査対象 一経済的家庭環境の児童生徒の身体発育・運動能カー 57 戸畑市内小学校2校(T校・N校) (3)調 査 期 日 中学校2校(T校・S校) 身長・体重・胸囲・疾病異状は昭和35年4月 補助世帯生徒は全員を調査対象とし,一般世 学業成績は昭和35年度第1学期の成績 帯生徒から同数の人員を無作為に抽出した。 (4)調 査 結 果 外国人・年令超過者・資料不備の者を除いて 身長・体重・胸囲・学業成績の統計数値は第 第3表の調査人員を得た。 4表であり,疾病異状者数は第5表である。 第4表を図表化すれば第15図∼第22図の如く である。 第3表調査生徒一覧表 T小学校 N小学校 一般世帯補助世帯 一般世帯補助世帯 カ 徒生 徒 カ 徒生 徒 男女 155 89 118 24 1 P38 P43 男女 165 17 126 P0 P09 Pg・88い6 140 56 2 P57 男女 ユ65 男女 202 88 3 P57 4 718 145 49 P24 P64 237 25 182 10 Q02 Q0 P40 U 男 218 26 169 712 P女 Q22 ?V P62 男女 5 6 計 12細11821・71・[8ユ % 8・2%l l4・7% \頴\ 男女 1 男女 T 中学校 S 申学校 P15 314 16 Q25い8 Q94 P2 218 21 243 13 P66 ?U Q07 W 164 ユ3 159 17 P17 P3 P71 X 245 2 男女 3 計 ・・ユ351961・・388175 % 8・4% 15・・% 58 7富田善太郎一 第4表 補助世帯生徒と一般世帯生徒の体格及び学業成績の比較表 A一補助世帯生徒 X一算術平均 8−一般世帯生徒 5一標準偏差 学 男 1年 女 別 1 1 年 2 A 男 3 年 年 5 6 年 申 胸 囲学業成績 ∋5昌疇熱 151鞠§ 2.91 18.78 1.15 57.67 2.08 5.27 18’78 1.81 57.33 2.11 12 107.58 5.91 17.58 2.75 55.67 2.88 13 112.69 4.06 19.77 3.16 57.69 3.82 A 21 115.16 3.93 20.31 1.99 59.00 2.58 14.43 4.59 2.06 B 20 115.68 4.20 19.75 1.78 57.90 1.67 20.05 4.89 2.86 A 15 1113.00 4.10 18.80| 1.37 55.941.3916.6715.36 2.38 B 12 115.25 4.24 20.17 1.95 A 16120.56 3.91 21.94 1.82 59.06 2.31 14.25 5.65 2.04 B 16 123.00 4.32 23.75 1.92 60.62 1.99 21.87 5.27 3.12 A 16 120.31 3.65 22.00 1.73 58.00 2.00 18.19 5.30 2.59 B 叉ユ旦.68 6.54 23.14 3.06 59.41 3.48 21.69 5.94 3.09 A 11 124.82 6.36 24.64 3.40 61.36 2.80 16.82 4.08 2.40 B 9127.67 26124.96 3.65 24.89 2.56 61.33 2.75 19.44 5.94 2.78 5.45 24.38 2.42 60.54 3.56 16.38 5.69 2.34 B 25 128.16 5.32 25.48 男 A 31 ’130.37 | 4.92 27.26 B 女 男 女 男 女 男 女 男 女 A 56.50 2.18 22.83 1 5.24 3.26 2.84 61.28 2.66 23.44 2.67 64.52 3.06 19.22 1 34131.6514.7927.06 2.59 63.50 2.73 21.77 A 23 128.68 5.88 26.13 2.80 B ll:篇1:㍉;1:㌶ 23 134.07 7.64 28.00 5.14 A 30 136.27 7.12 29.93 3.80 65.87 2.92 16.46 7.48 2.06 B 29 136.84 7.26 30.69 4.46 66.62 3.43 24.84 5.68 3.10 A 25 136.30 7.66 30.36 4.〃 66.12・.・620.5815.792.57 B 25 138.02 6.94 32.28 4.77 67.08 4.46 24.82 1 5.68 3.10 6.50 3.35 7.46 2.40 5.88 2.72 5.00 2.35 3.98 3.35 1湧 A31141.686.38 B34142.086.76 年女 A30141.715.65 36.205.40 69.805.26 25.106.36 2.51 B34145.147.10 37.386.02 70.005.20 33.507.72 3.35 已男「云「34・44.327.・・ 学 年 女 一一一 校 重 ぷ A 校 年 体 旦 女 学 4 9110.33 9112.00 B 小 年 劃身長 倉lx 帯 種 別 3 年 33.2314.72169.16 4.35 23.91 6.29 2.39 34.2413.73168.333.6529.926.442.99 36.08 5.16 69.73 3.37 24.67 6.21 2.46 B 36 149.86 6.54 39.65 5.05 71.85 3.51 30.50 8.12 3.05 A 24 146.08 7.16 40.76 7.32 74.92 6.60 24.86 7.84 2.48 32 147.75 5.17 39.56 5.84 72.56 4.32 31.94 7.50 7.52 42.98 6.14 75.48 4.86 22.50 7.52 25.83 5.75 2.87 B }}} 一 3.19 一一『 一一一 男 A B 29 155.94 7.60 44.50 7.36 76.97 4.24 女 A 22 147.86 5.30 43.32 4.78 75.18 3.74 24.27 7.30 2.69 B 23 152.78 3.54 46.22 4.37 76.52 4.29 27.72 6.68 3.08 30 151.68 2.50 1 一経済的家庭環境の児童生徒の身体発育・運動能カー 59 第5表 補助世帯生徒と一般世帯生徒の疾病異状者数の比較表 補助世帯生徒 一般世帯生徒 疾 1日1鼻 ㌶㍉. カ タ ノレ 11 小 2 3 男 結 惰 近 扁肥 膜 瀕1視 桃 炎 校 5 4 2 1 1 6 4 1 i 子 1 1 学 2 1 5 1 4 5 1⇒3 5 11 25 5 10 1 1 ∋ 1 4 2 11 1 1 1 1 4 3 1 5 2 6 14 13 10 1 1 1 小 1 2 2 4 2 2 1 4 2 2 6 1 1 1 中 1 4 4 4 5 学 2 1 4 1 3 1 3 学 4 子 1 学 2 3 1 1 1 2 1 6 中 1 11 5 校 3 2 2 2 女 5 3 7 計 1 3 1 3 校 1 1 13} 1 計 27111 子 2 7 子 4 1 6 2 3 校 3 6 校 学 5 2 2 2 1 1 1 学 女 3 校 4 中 3 小 1 1 1、 2 1 1 扁肥 近視 1 3 学 1 112 2 惰瀕1 5 2 男 1 1 4 1 中 1 1 小 21、 1 結膜炎 腺大 2 3 {鼻1力完 白⇒ 国B大 4 41 1 疾 病年\ζ 2同21 131 3 1 学 \男女別1 1 3 2 4 4 3 2 4 2 1 8 4 5 3 3 1 校13 11°1 計 合 計 10 4 13 15 13 15 37 15 24 40 18 25 計 合 計 3 2 16 9 16 13 9 27 22 25 135 @1 60 一富田善太郎一 (第15図) (第16図) 身 長 (男子) ざ 身 長(女子) 補助世帯生徒 160 一一 竢武「帯生徒 ハ世帯生徒 ハ世帯生徒 一一一一一一 一……一 ぐ川 ’ 0 150 50 ’ 1’’ 0 140 ’● 40 [,● .’f ! ’ 1300 30 ’ ’ ノ 0 120 20 ’ ・’ 1100 10 1年 2 3 4 学 小 5 6 1 2 3 1年 中学校 校 3 2 4 学 小 5 6 1 2 3 中学校 校 (第17図) (第18図) 一 体 重(男子) 体 重(女子) 補助世帯生徒 kg 一一一一一一一 ハ世帯生徒 ……一一 ハ世帯生徒 kg 50 50 40 一 1 ノ 40 ’ ’ ’ 30 30 ’ メ’ ,● ’ ,●’ ’ 20 一 20 〆 C ’ ●’ 黶@●’ ’ 10 10 0 0 1年 2 小 4 3 学 5 校 6 1 2 3 中学校 1年 2 小 4 3 学 5 校 6 1 2 3 中学校 一経済的家庭環境の児童生徒の身体発育・運動能カー− 61 (第19図) (第20図) 胸 囲(女子) 胸囲(男子) 補助世帯生徒 一一一一一一一 補助世帯生徒 ハ世帯生徒 一一一一一一 80 80 ハ世帯生徒 ,. ! 70 70 ,◆’ ’ ’ 60 ,●〆 60 ,.一 .、 ●’ 50 50 40 40 1年 2 3 4 学 小 5 6 2 | 3 1年 中学校 校 ・’ f 一・ノ 2 4 3 学 小 5 6 3 2 1 中学校 校 (第21図) (第22図) 学業成績(男子) 学業成績(女子) 補助世帯生徒 @ 補助世帯生徒 黶c…一 ハ世帯生徒 点 @一一…一般世帯生徒 点 5 5 4 4 ●. ,1、 一.、 ●、 @ ,’、 @ 、 一 、、一 3 一・、 ’ @ 、、’ 、、、 一r A 、r●’ 3 , ● 、、● @ 一.’ 2 2 1 | 0 0 1年 2 3 4 5 小 学 校 6 1 2 3 中学校 1年 2 3 4 5 小 学 校 6 1 2 3 中学校 62 一富田善太郎一 (5)結果の考察 結果を検討すれば次の諸点を指摘することが 結び できょう。 以上2つの調査測定の考察によって,経済的 1.身長・体重・胸囲の形態的発育において 家庭環境が児童生徒の身体発育・運動能力及び は,差は顕著ではないが,矢張り補助世帯の 学業成績に影響する傾向を見ることができる。 児童生徒の方がやや劣ると言わねばならない 一般に社会の生活程度が向上したとは言いな だろう。 がら,経済環境はなお児童生徒の身体発育に影 2・疾病異状者は補助世帯の方が明らかに多 響していることを認めねばならない。 い。特に白癬・鼻カタル・結膜炎・トラホー しかし,富裕な家庭の子弟の形態上の優越 ム等の伝染性疾患にかかっている者が多い。 が,そのままの間隔で成人にまで及ぶかにっい 近視・扁桃腺肥大は逆になっていることがわ ては疑問がある。第2図と第4図で見る通り, かる。これは補助世帯においては衛生管理が 中学時代までは明らかに優越している明治学園 不十分であることを示すものであろう。 の女子の身長と体重は高等学校時代においては 3.学業成績は明らかに補助世帯が悪い。こ 全国平均と同等になっている。即ちこの一例に の原因が遺伝的知能によるのか,家庭学習の も暗示される通り,富裕家庭の子弟は形態的に 時間不足或いは家庭学習指導の行なわれない 早熟であると言えるであろう。 アこめのものであるかは即断すること1まできな (註一一この問題については,昭和35戦九州体 い。恐らくそれ等多くの要因によるであろ 育学会においても論議された。早熟の傾向にある う・経済的家庭環境の児童生徒に及ぼす影響 ことは認められるが,晩熟の児童生徒は何才頃, は・身体的なものより寧ろ・学業成績及び心 どの程度まで,或いは完全に恢復するか等の点に 理的・性格的な面により強く出るのではない ついては,資料不足のために結論に達することは かという筆者の当初の予測は概むね裏づけら 出来なかった。) れたように思われる。
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