切り下株利用によるカーネーショ ンー 一斉二度切り栽培の作型”

切り下株利用によるカーネーション
」斉二摩切り栽培の作型
1.試験のねらい
一斉二度切り栽培の作型の拡大を図るため、本県主要品種における定植時期別一度切りおよび
二度切り栽培における開花時期を検討し作型設定の資とする。
2.試験方法
一輸咲き晶種ではアメリカ系晶種のノラ、ヨーロッパ系晶種のフランシスコ、レッドコルソー、
サンドローサ、スプレー咲き品種ではヨーロッパ系晶種のファンタジア、ロニア、アリセッタを
用いて平成元年5月から平成2年2月までの10か月間、毎月上旬に定植して検討した。定植一週
間後に5節位でピンチし、主茎当たり4本の一次分枝を開花枝として仕立てた。開花枝は基部の
5節位で収穫(一度切り)を行った。収穫後に残った4本の一次分枝の切り下には、それぞれ5
節位の腋芽を残し、主茎当たり4本の二次分枝を仕立てて開花させ、二度目の収穫(二度切り)
を行った。
一輸咲き晶種は満開時、スプレー咲き晶種は2輸開花時を開花日とし、切り花長、虹数、切作
重、上部茎径(1節と2節の節間部)、下部茎径(切り花の下から1節と2節の節間部)を調査した。
3 試験結果およぴ考察
(1)定植時期と開花時期
いずれの晶種でも花芽分化および花らいの発達が、薄暮時を除く自然日長が12時間以下にな
る9∼3月に行われると、到花日数が長くなった。一方、3∼9月の長日期では到花日数が短
縮され、100日程度の差になった。アリセッタはいずれの定植時期も他の晶種に比べて開花が
遅れた。特に、短日期には開花が70∼90日と大幅に遅れた。また、いずれの品種も一度切り、
二度切りとの間に到花日数の差はなかった。
開花姶めから終わりまでの開花期間の巾は、いずれの晶種も、花らい発達初期が高温期にあ
たると、他の時期に比べ40∼50日程度長くなった。これは向短日条件下でさらに拡大した。こ
のような傾向は二度切りほど著しかった。これは、一度切りの採花日に巾があり、切り下から
の芽め伸長に較差ができて更に巾が長くなったためと思われた。また、晩生晶種のアリセッタ
では、他の晶種に比べどの作型でも開花期問の幅が長くなった。
(2)定植時期と晶質
いずれの晶種も8月の高温期に開花すると切り花重で20.7∼40.5g、切り花長で18.7∼
45.9㎝劣り、商晶性が低下した。したがってこの時期に開花期が遭遇しないよう定植時期を選
ぷことが大切であると思われた。
4 成果の要約
生産性の高い施設利用型の本県幸坦地域における一斉二度切り栽培の定植適期は、ノラ、フラ
ンシスヲ、レッドヲルソ、サンドローサで6月、7月、12月、1月、2月、ファンタジア、ロニ
アで6月、7月、1i月、12月、1月、アリセッタは5月、9月、10月、1ユ月であった。
以上のことに基づいて、一斉二度切り栽培における定植期と開花期の関係を示す晶種別作型モ
デル(図」1)を作成した。
(担当者花き部鈴木正史)
一87一
晶種名
ノ ラ
5 6 7 8 9
10 11 工2
1 2 3 4 5
6789101112
上中下上中下上中下上中下上中下上申下上中下上中下上中下上中下上中下上中下上中下上中下上
下 申下 中下 中下
下上中下
1 2 3 4 5 月
下中下 中下 申下 中下旬
…一・…一…一一・一一口
…一一一一一…一一口
一.・・一一一… →===コ
111・二
……一・一一一…1・・一・一一一口
一一・・一一一・一一一一一一・“一・⊂:二:==コ’
一一一一一一一一一〔二==ニコ
ー一一・一一一一一一[==:=二==コ
フランシスコ
一…一…一一・…ロ
ー…・r…・・一・・一口
レツドコルソ
…一一ロ
ー一・一一一一一一一{二二二二==コ
・一一・一一一一・一一一一二・一・一一・一一・一一一一{=コ
電
サンドローサ
…一……1…口
…1一ロ
ー一… 一一… 一仁==二=二=コ
…1・……二…・一一口
一一一一一一一一一一一・・一・一一→=====コ
一一一一一一一一一一→===二=二:]
ファンクジア
一…一…・……一一…一一一口
……一1一一一一仁
一1−1・一口
ロニア
アリセッタ
◇ 定植 一一度切り
図一1
平坦地栽培のための晶種別有望作型モデル
一一一二度切り
口 闘花時期