4 講 義 第3巻 金屬 材料 の磁 氣及 び電氣 的檢 査方 法(VIII) 鈴 17ボ 木 廣* し き 構 造 を有 す る 磁 化ユ イル ケ ッ トナ イ フ刃 の檢 査 方 法 無 破 壊 的檢 査 方 法 の 多 くは 棒,管,線 益 で長 さ254mm 捲數400回 等 の 如 く長 さに 沿 あ る.そ の 電 氣 抵 抗は1.22 ふ て斷 面 の 均 等 な 金屬 材 料 の檢 査 に 用 ひ ら れ る も の が 多 オ ー ム で 長 さ260mm,巾47 く寸 法 の 異 な る も の に對 す る檢 査 方 法 は餘 mm及 り 見 當 らな で び 厚 さ1.5∼3.4 mm い 。 從 つ て そ の利用 範圍 も可 なり制 限 され て 居 る わ け で の 試片 を挿 入 す る に適 合 す る あ る. 大 さ に な つ て 居 る.而 W.B.Kouwenhoven及 びA.C.Seletzky兩 Zsに 氏(37) をZxに は 試 片 の斷 面 積 に は 無 關 係 な即 ち 不 均等斷 面 を 有 す る 金 屬 材 料 の 磁 氣 的檢 査 方 法 を 考 案 し 一例 と し て ナ イ フ刄 の 檢 査 方 法 を 提 唱 し て 居 る.こ の方 法 は 寸法 の異 な るナ イ フ刃 の 材 質又 は燒 入 の 度 合 を檢 査 し て 常 に燒 入 の 均 一ーな 第77圖Kouwenhoven及 びSeletzky式 ボ ケ ットナ イ フ刃檢 査 方 法 の 電 氣 的 配線 圖 は 供 試 片 を挿 入 す る 様に な つ て 居 る 。R1瓦 及 びR2 は 夫 々 摺 動 可變 抵 抗(Slideresistance)及 優 良 ナ イ フ の 製 作 を目 的 と し て 研 究 された もの で あ る 。 の 抵 抗 は 前 者 は1目 若 し この 方法 に し て ナ イ フ刃 の檢 査 が 可 能 だ と す れ ば 啻 抗 が0.84オ 盛 が0.002888オー ー ム で あ る.次 して は標 準 とな るべ き試 片 にGは び 固 定抵 抗 で そ ム で 後者 は全 抵 米 國リ ーヅ ア ンド. に ナ イ フ刃 に 止 ま ら ず 日 本 刀 若 し くは そ の 他 の刃 具 の 材 ノー ス ラ ップ曾社 製 の ポ イ ン タ ー タ イ プ,交 流 ガ ル バ ノ 質 又 は燒 入,燒 戻 の 適 否 な ど を判 別 す る に も應用 され 得 メ ー タ ー で そ の 抵 抗 は250オ て價 値 あ る もの と 思 は れ る. 第77圖 *鐵 道 大臣 官 房 研究 所 第 二 科長 . 振 れ につき 1マ イ ク ロ ア ン ペ ア の 感 度 を有 す る も の で あ る.ガル は兩 氏 の 考 案 に 係 る ナ イ フ刃檢 査 方法 の 電 氣 的 配 線圖 を示 す もの に し てZx及 ー ム 、lmmの びZsは ノ メ ー タ ー の コ イ ル に はl1,110オ バ ー ム の 抵 抗 を シ ャン 共 に 全 く相 等 (37)W.B.Kouwenhoven,A.C.Seletzkv,Proc.Amer.Soc Test,Materials.,30 (1930II),298, 第1號 金 屬 材 料 の 磁氣 及 び電 氣 的 檢 査 方 怯(VIII 5 して調 節 を便 に され 一 で あ る こと を意 味 す る もの で ガル バ ノメー タ ーの 位 相 て居 る 。又 ガ ル バ ノ メ ー タ ー の 磁 場 の位 相 を 調 節 す る 爲 を θxの 値 に 保 つ て檢査 を行 へば 例 令斷 面 積 は異 なつ て に移 相變 成 器Eが 居 て も標 準 試 片 に對 しせ 供 試 片 の磁 氣的 性 質即 ち硬 度 又 トに 入 れ 指 針 の 制 御(Damping)に對 装 置 さ れ て 居 る.從 つ て こ の装 置 は 一 つ の 交 流 ブ リッヂ を 構 成 し て 居 る こ とに な る. コ イルZsに は材 質 な どを比 較 す る こ とが 出來 るわ けで あ る. ボ クットナ イ フ は ガル バ ノメー ターの磁 場 の 位 相關 係 を 調 節 す る爲 に2次 コ イル が 捲 か れ て 居 る.從 つ て2次 の如 き もの は 外形 コ イル に 誘發 され た 電壓 に よ りて 生 ず る ガル バ ノ メ ー タ ー は類 似 すれ ど もそ 、 の振 れ が 最 大 と な る や うな ガ ル バ ノ メ ー タ ー の 磁 場 の 位 の 寸法 形 状即 ち斷 相 を θtと し これ よ り90° ず れ た 位 相 を θmと す れ ば θι 面積 に於 ては 互 に と,θmな る兩 位 相 關 係に 於 て こ の ブ リッヂ が 平 衡 を保 つ 多 少 の 差 異 あ るは や うに調 節 す るR1の 挿 入 した標 準 免 れ難 い もの で あ 試 片 及 び 供 試 片 の 磁 氣 約 性 質 に よ つ て變 化 す る 計 りで な る.從 つ てか ゝる 値 はZs及 びZxに く又試片 の斷 面 積 に も關 係 す る もの で あ る.然 るに ガ ル バノメ ー タ ーの 磁 場 の 位 相 を 或 る特 定 の 位 置 に 保 つ 時 は R1は試片 の斷 面 積 に は 無 關 係 と な りRIの 値 は 全 く試 片 の 磁 氣的 性 質 の み に 關 係 す る こ と と な る.こ の特定の 位 相 を θxと命 名 す れ ば θxな る位 相 に 於 て ガ ル バ ノ メ ー タ ーの 振 れ が 零 と な る や う なR1を 測 定 す れば 試 片 の 斷 別又 は硬 度 別 に分 類 す る こ とは他 の 磁 氣 的檢 査 方法 に て は到 底 不可 能 に 屬 す る ことで あ るが 本 方 法 に よ りて 始 め て 檢 査 が 可 能 と さ れ た わ け で あ る. 第78圖 の 曲 線 は 次 式 に よ つ て 表 は さ れ る.即 ち R1=R0十Atgθ 面積 が 多 少變 化 し て も標 準 試 片 と供 試 片 と の 磁 氣 約 性 質 即 ち材 質又 は 硬 度 な ど を比 較 す る こ とが 出 來 る わ け で あ 種 類 の 成 品 を材 質 第78圖 試 片 の斷 面 積 が 異 なつ た場 合プ リツヂが平 衡 を保 つ爲 め の ガ ル バ ノメー ターの位相 の變 化 θ と摺 動 可變 抵 抗 の値R1と の關 係 茲にR1....曲 線 の彎 曲點 に 於 け るR0の 値 A......斷面 積 の 比 に 關 す る 常 數 る. こ の 装 置 に於 て は電 源 と して普通60サ を用 ふ る の で あ るが25∼140サ θ.....ガ イ クルの 交 流 イ クル を も用 ふ る こ と 第78圖 が出來 る. 標準 試片 と供 試 片兩 者 の斷 面 積 の差 異 の 許 され得 る範 ルバ ノメー ターの 位相 角 度 で あ る. は θ=180゜ ま で のR1の變 化 を 示 した もの で あ る が θ=360゜ に あ り て も 同 一 の變 化 が 繰 り返 へ さ れ 圍 を決 定 す る爲 に兩氏 は夫 々化 學 域分 及び 熱處 理 の 同一 る の み で あ る. なる試 片 にて斷面 積 の異 な る ものに つ き比 較 試驗 を行 つ て居 る.即 ち第78圖 はZsコ イル に標 準試 片 を 挿 入 し Roと 上式 に てS=1な る 場 合 に はA=0で な り曲 線 は 水平 線 と な る,こ あ るか らR1= れ は ガル バ ノメ ー タ Zxコ イル に夫 々斷面 積 の 異 な る 試 片 を挿 入 して ガル バ ー の 位 相 に無 關 係 に ブ リッヂ が平 衡 を 保 つ こ ど を 意 味 す ノメー ターの 磁 場 の 位 相 を種 々 に變 へ て ブ リッヂが 平衡 る も の で 標 準 試 片 と供 試 片 とが斷 面 積 が 同 一 な る場 合 は を保 つた 時 の 摺動 可變 抵 抗R1と ガル バ ノ メ ー タ ー の 位 相 の 如 何 に 拘 ら ず プ リ ッヂ は平 衡 ガル バ ノメー ターの 位 相 θとの關係 を示 す もの で あ る.圖 に てSは 供 試 片 と 標 準試 片 との斷 面 積 の比 を示 して居 る.即 ち に見 る如 くS=1な 本 装 置 に て 供 試 片 の 性 質 を判 別 す るに は 大體 次 の 如 き 操 作 を 行 へ ば よ い.即 S=供試片の斷面 標 準試片 積 の斷 面 積 で ある.第78圖 す るの で あ る. い2個 る場 合即 ち供試 片 ゐ斷面積 と標 準 試 片 の斷 面 積 が 全 く同 一 な る場合 に は ガ ち材 質 及 び斷 面 寸 法 が 共 に 相 等 し の 試 片 を第77圖 る 電 流 を送りRlを のZs及 びZxに 挿 入 し適 當 な 調節 し て ブ リツヂ を平 衡 せ し め る. こ の平 衡 は ブ リッヂ が 完全に平 衡 を保 つ 場 合 で ガ ル バ ノ ルバ ノメー ターの 磁 場 の位 相 が如 何 に變 化 し て もブ リヅ メ ー タ ー の 位相 に は 無 關 係 で あ る.次 ヂが平 衡 を保 つ 爲 め のR1の 氣 的 性 質 は 標 準 試 片 と 同一 で あ るが斷 面 積 の 異 な る試 片 値 は 常 に一 定 で あ る.そ の 理 由 は2試 片 の斷 面 積 及び磁 氣的 性 質 が 同 一 で あ る場 合 にはZx及 びZs兩 か らで あ る,第78圖 コ イル の イン ピ ー タ ンスが 相 等 し い にて 重要 な る こ とはS=4/1∼2の を 挿 入 し てR1を變 に コ イ ルZxに 磁 化 せ ず し て ガ ル バ ノ メ ー タ ー の位 相 を變 へ て ブリ ッヂ を平 衡 せ しむ れ ば こ の 時 の 位 相 角 度 が 即 ち 前 に 述 べ た θxで あ る.ガ ルバ ノ メー タ ー の 位 相 を 範圍 内 に 於 て各曲 線 が θxな る位相に 於 て は一點 に於 て か くの 如 く調 節 し て 置 き 種 々 の 供 試 片 をZxに 挿 入 して の場 合 若 相交つ て居 る事 で あ る.こ れ は ガル バ ノ メー タ ーの 位相 ブ リッヂ が平 衡 す る か 否 や を 見 る の で あ る.こ が θxの 時 に は 例令 標 準 試 片 と供 試 片 との斷 面積 に 差異 しR1を變 があつ て もブ リッヂ を平衡 せ しむ る爲 のR1の は 供 試 片 は 標 準 試 片 と 同 一 磁 氣 的 性 質 を有 す る こ と ゝな 値 は皆 同 更 す る こ と な く ブ リ ッヂ が平 衡 を保 つ 場 合 に 6 講義 第3巻 動 か す必 要 が あ に仕上 げた もの な どに 値 に應 じて 供 試片 の磁 氣的 性 質 は標 つ い て檢 査 を行 つ て居 準 試 片 と異 な ろ こ とが 判 か るの で あ る.こ の場 合 供 試 片 る,而 して標 準 試 片 と の 斷面 積に は 無關 係 で あ る こ とは上 述 の事 柄 に よ り明 ら して はA1群 か で あ る. の で あ る.か くの如 き る.こ れ.に反 して平 衡 させ る爲 にR1を つ た場 合 にはR1の 第79圖 試 片 に つ き實驗 した結 は燒 鈍 高 炭 素 鋼 製 スト リップにつ き この 方法 果 が 第81圖 に よつ て 試驗 した 結 果 の 一 例 を示 して居 る.試 片 の化 學 成 分 は第9表 に 示 して あ る.こ した 場 合 で 圖 の縦 軸 に 第81圖 ボ ケットナ イ フ刃 の磁 氣的檢査結果 片 の熱處 理 の一 例 を示 R1の 値 を示 し横 軸 に は試 片の 各群 と 斷面 積 の 比(S)の 値 を示 して居 る.茨而し て 標 準 試 片 と してA-1を 及び 第10 表に 示 され て居 る。試 の 結 果 は 電 源 に60cycle の交 流 を用 ひ勵 磁 電 流 を0.5Aに を撰 ん だ. せば 下 のや うで ある. No.71.76,77......927゜ 撰び そ よ り水 中燒 入 せ る もの れ に對 して斷 面 積 の 異 な る他 の 試 片 を比 較 した もの で あ No.72,80.........赤 色 の温 度 ま で燒 戻 せ る もの る.試片A群 No.73,74,75......燒 入,燒 戻 を 行 つ た もの は 標 準 試 片 と成分 が 同 一で たゞ 斷面 積 が 異 な る丈 けで あ るか らR1の され て 居 るがB,C及 びF群 値 も280附 近 に集 つ て表 は はAよ り全 く區別 され て 居 る と とが 判 か る.こ れ は 化 學成 分 の 相 異 に よる もの と 一 般 に燒 入 され た ナ イ フ刃 は 硬 度 高 くR1の 燒 鈍 さ れた 軟 か い刃 はR1の 又 第10表 に はR1の 値 が 大 で あ る. 値 の 外 に ブ リネ ル硬 度 が 示 さ れ 考 へ られ て 居 るが 第9表 の成 分 の 差 異 よ り判 ず るに他 に て 居 る が 二 三 の 例 外 を 除 き硬 度 とR1の 別 の原 因が 存 在 す る もの ゝや うで あ る. を 有 す る こ とが 窺 は れ る. 次 に第81圖 は 同 様 の 方 法 に よ リポ ケットナ イフ刃、 に つ き行 つ た 檢査 結 果 で あ る,ナ イフ双 を檢査 す る に は第 80圖 第10表 値 は 小 さく 値 は 一 定 の關係 ボ ケ ツ トナ イ フ刃 の磁 氣 的 檢 査結 果 とブ リネル 硬 度 との 關 係 に 示 す や うな 特 殊 の ユ イル を 用 意 し供 試 ナ イ フ と し て は刃 の全 長 が 約84 mm,幅 約18mm,厚 2.5mmを さ約 有 す る もの を採 用 した の で あ る.供 フ刃 はA群 試 ナイ 及 びB群 の二 種 に 分 た れ燒 入 に 當 りて は BはAよhも燒 第79圖燒鈍 高 炭 素鋼 ス トリップに 就 て の 檢 査 結 果 第9表燒同鈍 10度 入 温 度 を 高 く し た の で あ る、 各 試 片 群 に對 し て普 通 の 高 炭 素鋼 ス ト リップの 化學 成 分 以 上 述 べた や う にKouwenhoven氏 斷面 が 第79及 び81圖 の 結 果 に 見 る 如 く未 だ 充 分 な る結 果 に 到 達 し た もの と は 思 は れ な い.そ 及 びJ.H.Lampe兩 Kouwenhoven及 927゜ よ り水 中燒 入 を な した もの 及び 赤 色 の 温 度 まで燒 戻 を行 つ た もの等 を試片 と 氏(38)は 加 へ 以 下述 べ る や うな 結 果に達 燒 入 を な し た もの, の 方 法 に よつ て の 異 な る ナ イ フ刃 の 檢 査 が出 來 得 る わ け で は あ る びLampe兩 こ でKouwenhoven 上記 の 方 法 に 更 に 改 良 を し て 居 る. 氏 の 改 良 し た 主 な る點 は 1.磁 束 の 透 過 度 を よ く した こ と 2.装 置 を 一定 電 流 の 下 に て 操 作 せ ず に 一 定 電壓 の 下 に て 操 作 した こ と 第80圖,ポ し又 一 方刃 の 表 面 が 黒 皮 の ま ゝ.荒 仕 上 げ(Rough ケ ッ トナ イ フ刃 檢 査 用 磁 化 コイ ル grinding)の ま ゝ及 び 完 全 (38)W.B.Kouwenhoven, J.' H. Lampe, Proc. Amer. Soc Test. Materials, 31(1931 II) ,107. 第1號 金 屬 材 料 の 磁 氣 及 び電 氣 的 檢 査 方 法(VIII) 7 3、 感 度 を敏 感 にす る爲 に イ ン ビ ー タン ス を適 當 に した こ と 4.試 片の 選 別 に 最 も好 都合 の磁 化 力 を見出 した こ と な どで あ る.つ ま りナ イ フ刃の 材 質,硬 度 な ど を判 別 す るに最 も都 合 の よい す べ て の條 件 につ き改 良 を加へ て試 驗 した結果 を第11表 及び 第82圖 は 電源 に35v,60cyc1eの に示 して あ る.こ れ等 交 流 を用 ひ だ場 合 の 結 果 で あ る.又 供試 ナ イ フ刃は全 部843゜ よ り燒 入 した もの を種 々の温 度 に燒戻 し都 合I乃 至V群 に分 類 され て 居 る.又 第82圖 に に は改 良前 の測定結果 を も並記 し改 良 前 に 於 て選別の 不 満 足 な もの も改良 後 の 方法 に よれ ば 充分 選 別 され得 る ことを示 して居 る, 第11表ポ ケットナ イ フ刃 の磁 氣 的 檢 査 結 果 と硬度 との 關係 標準 群(230゜ に於 て30分 間燒 戻 せ る も の) 第82圖 ナ イ フ刃 の熱處 埋 の相 違 に よ る磁 氣的檢 査 結 果 の分 類 方 法 を考 案 した の で あ る.一 般 に電 氣 及 び磁氣的の 檢 査 方 法 と し て は 數 多 の 種 類 を擧 げ る こ と が 出 來 る I群(標 準熱處 理 を施 せ るも の) がSpooner氏 の 方 法 に よ れ ば 次 に 列擧 す る5つ の方 法 に比 較 し て 最 も 優 秀 な 結 果 が 得 られ た と稱 され て 居 る,即 II群(標 準熱處 理 を行 ひ刃 先 の20mmを鉛 浴槽 に て赤 熱 せ る もの) ち (1)de Forest式(40)磁 氣約 檢 査 方法 (2)比 抵 抗 に よ る檢 査 方 法 (3)AC電 位差 計に よ る磁 氣的 檢 査 方 法(第97 圖參 照) ⅠⅠI群(510゜に於こ30分 間 燒戻 せ る もの) (4)彈 動的 に 磁 束 密 度 を 測 定 す る 方 法 (5)Fahy氏 の 導 磁 率 計(DC並にAC)に 査 方法(第98圖參 IV群(455゜ 試驗 に 於 て30分 間 燒 戻 せ る も の) ducts に 供 し た 高 速 度 鋼 は 米 國Horne Co.製 よ る檢 照) の も の で11.4 mm角 Steel Pro- 材 を各種 温度に て 燒 入 及 び 燒 戻 を 行 つ た もの で あ る .試 片 の成分 は 次 に 示 す 如 く普 通 高 速 度 鋼 に 屬 す る もの で あ る. 0.79%C,0.176%Mn, V群(340゜に 於 て30分 間燒 戻 せ る もの) O.42%Si,0.031%P , 0.04%S,17.35%W,0.10%Ni,342%Cr, 0.88%V 第83圖 はSpooner式 示 す も の でCは 18Spooner式(39)鋼 棒 檢査方 法 高速度鋼 材 の 均等 性 や熱處 理 方法 の良 否 を判別 す る 目 的 にてTh.Spooner氏 は下 に述 べ るや うな 磁 氣 的 檢 査 (39) Th. Spooner, Proc. Amer. Soc. Test. Materials, 26(1926 II), 116. 檢 査 方法 の 電 氣 的 配線 圖 を 磁 化 コ イ ル,S1及 ル,Yは 磁 化 用 ヨ ー ク, R1は あ る.探 傷ユ イ ルS1及 びS2は びS2は 探傷 コイ 標 準 試 片, R2は 供試片で 交 流 ガル バ ノ メ ー タ ー G又 は 電 位 差 計 に 接續 され 互 に 示差 的 に 作 用 す る や う (40) de Forest, Proc. Amer. Soc. Test. Materials, 23 (1923 11), 611, 8 講 に な つ て る,又 義 交 流 ガ ル バ ノ メ ー タ ー は 移 相變 成 器F に よ つ て そ の 位 相 を調 整 す る こ とが 出 來 るや うに され て あ る. 磁 化ユ イ ルCに60cycleの クYに 交 流 を選 れ ば 磁 化 用ヨ ー よ り標 準 及 び 供 試兩 試 片 に 同 一 の 起 磁 力 が 作 用 第3巻 磁 場 の 位 相 角 を90° ず ら した 時 に生 ず る ガル バ ノネータ ーの振 れ は勵 流 電 流 の磁 化分 力IM に 比 例 す る こ と ゝな る.こ のIMは 探 傷 コイ ルSの 感應 起 電 力が 一定 の間 は ユ イル に挿 入 され た 試片 の導 磁 率 に逆 比 例 す る もので あ る. 又 コ イルCと す る や うに な つ て居 る. 今 標 準 試 片 に對 す る 探 傷 コ イ ルS1を よつ 七 ガ ルバ ノ メ ー タ ー に 接續 し 移 相變 よつ 流Iを 一 定 に した時 は ユイ て ガ ル バ ノ メ ー タ ー の 振 れ が 零又 は 最 大 な るや うに ス ウ ルSと ガ ル バ ノメー ターと ィッチK1を 上 方又 る こ と に よつ てS1と ス ウ ィッチK2を 片 の 鐵 損 失 の 差ΔEwに 比 例 す る 電壓 を表 は し他 の 一 つ 比 例 す る 電壓 を 示 す こ と ゝな る.從 片 に つ きΔEw並に ΔEBを つ て各 供 試 測 定 す る こ と に よ け鋼 の 受 け た 熱處 理 状 態 を判 斷 す る こ とが 出 來 る わ け で あ る. 第83圖 振 れ を 最 大 に す るや うに 上 方 に 入 れ た 場 合 は兩 試 下 方 に 入 れ た 場 合 は 感應 度 即 ち 導 磁 率 の 差 ス プー ナー 式 鋼棒 の電 磁 氣 的 檢 査 方法 試片 を挿 入 し な い時 の ガル バ ノメーターの 右 に入れ 示 差 的 に 接續 す れ ば ガ ル バ ノ メ ー タ ー の 振 れ の 中 一 つ即 ちK1を ΔEBに を接續 しSに は下 方 に 入れ て調整 して置 き次 に供 試 片 に對 す る 探 傷 コ イ ルS3を 即 ちK1を 成 器Fに 大 な る抵 抗R とが 直 列 に 接續 され その電 ス ウ ィヅチK2に 第84圖AC磁 氣 的檢 査 方法 と同一 位 相 とな りEは 場 の 位 相 を調 整 すれ ば第84 圖(c)に 示 す如 く磁 束 φ はI φ と90° 丈 け 位 相 を異に す る こ と ゝな る.若 し コイル 内 に試 片 を挿 入す れ ば磁 束 の増加 に よ りEも 増 加 し 且 つ試 片 内 に生 ず る損失 の爲 め それ に 相 當 した 丈 けEと φ と は 位相 の ずれ を生 ず るこ と ゝ 斯 くの如 く交流 な る.こ の時 の ガルバ ノ メー タ ーの振 れ は これ をEBと 電 磁 的檢 査 方 法 に すれ ば これ は 試 片 の導 磁率 に比 例 す る値 であ る.次にE よ り鋼 材 の材 質 の の磁 場 が φ と90° ずれた 時 の ガル でバノメー ターの振 れ 均 等性又 は熱處 理 Ewは 方法 の良 否程 度 を 試 片 の損 失 に比 例 す る こ と ゝな る.勵 磁 電 流 が 一 定 な る場 合,損 失Ewは 試 片 の鐵 損 失 の み な らず導 磁 率 測 定 す る爲 の原 理 に よつて も變化 す る もので あ る.何 とな れ ば導 磁 率 が大 を説 明 せ ん に 第 84圖(a)に 於 てC なれ ば感應 起 電 力 も大 とな りそ の爲に隕 失 を増 加 す るか 及 びSは 合 に は第84圖(c)に 夫 々供 試 棒 を周 回 し且つ らで あ る.從 つて 導磁 率 と損 失 とを區 別 す る必 要 あ る場 84圖(b)の 示 す や うな 方 法 を講 ず る よ りも第 や うな方 法 を採 用 す る こ とが 適 當 で あ る。de 同 一 方 向 に 捲 か れ た 磁 化 コ イ ル 及 び 探 傷 コ イ ル でCに Forest氏(40)の 磁 氣的檢 査 方 法 は即 ちEB及 は 抵 抗 を經て 電 源 よ り交 流 を送 るや うに な つ て 居 る 、 探 示 差 的 に ΔEB及 び△Ew躍 に 關 係 あ る數 値 を求 め る もの 傷 コ イ ルSは で あ る. 交 流 ガ ル バ ノ メ ー タ ーG又 は電 位差計に びEw或 は 示 す如 く 以 上の説 明 は試 片 の 鐵損 失 及び 導磁 率 を直 接 測 定 す る 勵 磁 電 流 の2つ の 分 力即 ち 一 つ は 試 片 の 導 磁 率 に 比 例 す 方法 につ いてゞ あ るが 供 試 片の 外 に 標 準 試 片 を並 用 して る もの をIMと し 他 の 一 つ は 鐵 損 失 に 比 例 す る もの を 所 謂 示 差 的 に測 定 す るの が茲 に述 べ るSpoorer氏 接續 され る や う に な つ て 居 る。 今 第84圖(b)に IWと し一 次 コ イルCに送 イルSに られ る電壓 を 調 整 して 探 傷 コ 生 ず る 感應 起 電 力Eを る 磁 束 φ も一 定 と な る.こ 一 定 に 保 てば 試 片 を 通 の 時C及 びS内 入 しな い 時 に は勵 磁 電 流IはEと90° し磁 束 φ と は 同 一 位 相 と な る.若 に試片 を挿 丈 け 位 相 を異 に の方 法 で ある.こ の場合に は第83圖 に 示 す如く ガ ルバ ノメ ー ターを探 傷 コイルS1に 接續 して標 準 試 片 に對 して ガ ルバ ノ メー ターの讀 み が 最 大又 は零 を示 すや うに し然 る 、 後標 準 及 び供 試兩 試 片 を周 回 す る探 傷 コ イルSi及 びS2 し ユ イル内 に試 片 を挿 を示 差的 に接續 して ガル バ ノメー ターの讀 み を測 定 す る 入 すれ ば試 片 に生 ず る履 歴 損 失 や渦 流 損 失 の 爲 に それ に の で あ る。 か くす る時 は ガル バ ノメー ター の振 れ は標准 相 當 した 丈 け 位 相 角 が 小 と な る.今 及 び 供 試 片の 導 磁率 に比 例 す る感應 起 電 力の差 ΔEB又 ス ウ ィッチSw に ガル バ ノ メー タ ー を よ つ て 探 傷 コ イ ルSに 接續 し最 大 の 振 れ を生 ず る や うに ガ ル バ ノ メ ー タ ー の 位相 を調 整 し然 る 後 コ イ ルCに ガ ル バ ノ メ ー タ ー を接續 し そ の 時 生 ず る は鐵 損 失 の差△Ewを 表 は す ことは 既 に説 明 した 通 りで あ る. 第85圖 は ス プ ーナ ー式 檢 査 方法(示 差 方 法)に よつ て ガ ル バ ノ メ ー タ ー の 振 れ を 測 れ ば それ が勵 磁 電 流 の 損 失 各 種 温 度 に燒 入 され た 高 速 度鋼 に つ き測 定 され た△EB 分 力Iwに 及び△Ewの 比 例 す る こ と ゝな る.又 ガル バ ノ メー ターの 値 を示 す もの で あ る.又第86,及 び87圖 は 第1號 金屬材料 の磁氣及び電氣的檢査方法(VIII)9 △EB及 び △Ewの 値 を 別 々 に 示 しだ もので あ る.圖 に の 時間 を要 し時間 が短 か けれ ば燒 入温 度 の 低 い場 合 と同 て明 らか な る如 く1296° に て燒 入 され た もの は燒 入温 度 様 の 結果 となり 燒 入に よつ て完 全 な る大 洲田組 織 が得 ら が低 か つ た爲 か 多少 の 偏倚 を生 じて居 る.又K試 れ ない の で あ る.か 片の ゝる場 合 に は △EBの 符 號は 負 の値 みは他 の試 片に比 して値 を異 に して 居 る こ と が 窺 は れ とな る.又 燒 入温度 に達 してか ら炭素 が固 溶 せ られ るに る.こ れ は化 學 成 分 の影 響 に よ るも の で あ る. は 或 る時間 を必 要 とす る.圖 に て明 らか な る如 く燒 入温 この示差 方 法 は燒 入温 度 の均 等 性 を檢 査 す るに は簡 單 度 に保 持 す る時間 は1∼2分間 で は 短 か く3分間 位が 良 に して迅速 な る方 法 と云 ふべ きで あ る.若 し も磁 化 コ イ 好 の結 果 を與 へ る こ とが判 か る.高 温 に保 持 す る時 間が ル を電 燈線 の如 き一 定 電壓 の電 源 に より磁 化 す る時 に は 餘 りに長 きに 失 すれ ば△EBが 電流の調 整 が不 必 要 とな り檢 査 が便 利に 行 はれ 得 るの で 脱 炭 に 基 因 す る もの で 第88圖 ある. の 時 に 脱炭 の 影響 が現 はれ始 め て居 る, 減 少す る.こ れ は 表 面 の に於 て も保 持 時間 が5分 この や うに考 察 すれ ば磁 氣的 檢 査 方 法 に よつ て最 も適 當 な る燒 入保 持 時間 を決 定 す る こ とが出 來 るの で あ る. 次 に第89圖 はACポ テ ン ショメー ター を 用 ひ て 示 差 的 に 各 種 燒 戻 温 度 と△Ewと の關 係 を求 めた もの で あ る,又 第90圖 は同 様 の測 定 を各種 燒 入 温 度 に燒 入 した もの に就 て な した もの で あ る. 第91及 び92圖 は 第85圖 スブー ナ ー式 檢 査 方法(示 差 方 法)に よる燒 入 温 度 と△EB 及び△Ewと の關 係 夫 々各種 燒戻 温 度 及 第86圖 燒 入温 度 と △ Eと の關 係 以 上 は 交 流 ガル バ ノメー タ ー を 用 ひた 時 の 結果 で あ るが び燒 入温 度 に就 て 磁 第88圖ACポテ ン シ ョ メー タ ー を 用 ひ て示 差 的 に測 定 し た結 果 を示 す 1000が ウスの 場 合 に も相 の方 似 的 の 結果 が得 られ るの で 直 流 を送 あ る. つ て兩 試 片 を磁 化 す る事 も出 第93及 來 るが 交流 に よる方 が 電 源 の 就 て感應 度B又 便 で 而 も測 定方 法 が簡單 な る 事 及び 檢 査 が 迅 速 に 行 はれ 得 燒 入温度 と △ Ewと の 關係 る事 な どの 利 益 が あ る爲 に交 び94圖 は夫 々各 種 燒 戻 温 度 及び燒 入温 度 に 得 易い 事,測 定 器械 が運 搬 に 第87圖 ウス の 場合 で あ るが,感應 度 が ひ て も同様 の結 果 が 得 られ る 法 は磁 化 コ イルCに た結 果 で あ る.兩 者 と も感應 度 が7000ガ そ の代 りに 交流 電 位差 計 を 用 の で あ る.又Spooner氏 化分 力(EHM)を 求 め 第89圖 燒 戻 温 度△Ew との關 係 流 が 用 ひ られ た ので あ る.併 は導 磁 率 μ の 増 加 率 を 示 し た もの で何 れ も燒 戻 後4日 聞時 効 硬 化 せ し めた もの につ い て ゞあ る. しなが ら高 感應 に て試 驗 す る場合 や試 片 の 斷 面積 が 大 な る場合 な どには直 流 を電 源 とす るの が よい,試 片 の 斷面 第95及 び96圖 は 夫 々 1396° 燒 入 試 片 と566° 燒 積 の大 な る時 に 交流 を用ふれ ば 渦 流 損 失が 大 となり發 熱 戻 試 片 に就 て の時 効 硬化 現 を起 し且 つ 直 流 に 比 し ス キ ン エ フエ クト(Skin effect) 象 と感應 度又 は導 磁 率 の 増 の爲 に表層 の み を檢査 す る弊 に陷 り易 い か らで あ る. 加 率 との關 係 を示 す もので あ る. 第88圖 はACガ ルバ ノメ ー ターの 代 りにACポ テン ショメー ター を用 ひ て 示 差的 方法 に よつ て得 られ た 結 果 で ある(第97圖參 照)。 この場合△EBの 以 上 の 實驗 結 果 に徴 し高 磁 氣 感應 に よ る磁 氣 的檢 査 符 號 が正 なる もの は標 準試 片 に比 し感應 度 の減 少即 ち導 磁 率 の減 少 を 意味 す る.又 燒 入温 度 に達 す るに は は少 くと も或 る一定 第90圖 燒 入 温 度 と△Ew との關 係 方法 は高 速 度 鋼 の 熱處 理後 の諸 性 質 を決 定 す るに良 好 10 講 第91圖 ACポ テ ン シ ョメー ター を用 ひ たAC導 磁率計 に よ り 各 種 燒 戻 温 度 に就 て 測 定 した磁 化 分 力 を示 す 第92圖ACポ テ ン シ ョメ ー ター を 用 ひたAC導 磁率計 に よ り各 種 燒 入温 度に 就 て 測 定 した 磁 化 分 力 を示 す 義 第3巻 第97圖ACポ テ ソ シ ョメー タ ー に よ る磁 氣 的 檢 査 方 法 第98圖 フ ェ イ式 パ ー ミ ア メ ー タ ー に よ る檢 査 方 法 法 に よる時 は判 別 が 容 易 で あ る と謂 はれ て 居 る. 第97圖 はACポ テ ン ショメー ター を用 ひた 磁 氣 的 檢 査 方 法 の 電 氣 的 配線 圖 を示 し又第98圖 は フェイ式パ ー ミア メ ー ター に よ る檢 査 方法 の電 氣 的 配 線 圖 を示 す もの で 何れ も交 流 に よる磁 氣 的 檢 査 方 法 の 一 例 で あ る. 19松 下 式(41)磁 氣 的 硬 度 測 定 方 法 金 屬 材 料 の磁 氣的 檢 査 方法 の原 理 は材 料 の機 械 的性質 又 は缺陷 と磁 氣 的 性 質 との 間 に緊 密 な る關 係が 存在 する に基 く もの で あ る。 故松 下 徳 次 郎 博 士 は今 よ り十八年 前 鋼 の物 理 的測 定 の一 方 法 として磁 氣 的硬 度 の測 完 方法 を 第93圖 各 種 温 度 に燒 戻 せ る 試 片 を4日間 時効 硬 化 した 場 合 のB又 は μ の層 加率 を 示す 第94圖 各 種温 度 に燒 戻 せ る 試 片 を4日 間 時 効 硬 化 した 場 合 のB又 は μの増 加 率 を 示す 採 用 した の で あ る.磁 氣 的 硬 度 とは頑 磁 力 を以つ て表 は され て居 る.頑 磁 力 の大 な ろ鋼 は 機械 的測 定 方 法 に よる 硬 度 も大 な る故 にか く命 名 された の で あ る. 磁 氣 的 硬 度 に 關 す る松 下 氏 の 研 究 は直 ち に金 屬材 料の 缺陷 を探 出せ ん とす る磁 氣 的 檢査 方法 に應 用す る ことは 困難 で あ るが その觀 念 に至 りて は磁 氣 的檢 査 方 法 に關係 す る と こ ろが大 で あ ろか ら茲 に紹 介 す る こ と ゝす る. 同氏 は各種 鋼 の各 種 熱處 理 状態 に於 け る 磁 氣 的 硬 度 を測 定 し鋼 の 熱 錬 方 法 を探 索 す る目的 に供 した ので あ る 第99圖 は 各 種炭 素 鋼 の 燒 入温 度 と磁 氣 的硬 度 を示 第95圖1297゜ 燒 入試片の各 種燒 戻 温 度に 就 て の 時 間 (日)と 時 効 現 象 との 關係 第96圖 各 種 温 度燒 人試 片 の 經 過 時間(日)と 時 効 現 象 と の關 係 な る方 法 で あ る と云 ふ こ とが 出來 る.詳 言 すれ ば ス プ ー ナ ー式 磁 氣 的檢 査 方 法 は熱處 理 高速 度 鋼 の次 の 如 き諸 性 質 を檢 査 す るこ とが 出來 る.即 ち (1)熱處 理 前 に於 け る試 片 の 化學 的並 に壓 延 に よ る 均 等性 (2)燒 入温 度 の 適 否 及 び酸 化,脱 炭 等 の 檢 出 (3)燒 戻 に よ る均等 性 又顯 微 鏡 組 織 や硬度に よつ て は高速 度 鋼の燒 入 温 度 の 適 否 を判別 し難 い や うな場 合 で も スプ ーナ ー式 磁 氣 的 方 第99圖 各種炭素鋼の 燒入温 度 と磁 氣 的 硬 度 との關係 (41)松 下,鐵 と鋼,8(1922),629∼638; 東 北 帝 大 理 科 報 告,11(1922)、471. 第100圖 燒 入温 度 と磁 氣 的 硬 度,試片1.2%及 び0.85%C炭 素鋼 第1號 第101圖 高 温 度 用 保 温 煉 瓦 の 熟經 燒 入温 度 と 第l02圖 度 燒 入温 と磁 氣 的 硬 度 試片1.2%C炭素 鋼 磁氣的硬度,試片1.2 %C炭素 鋼 11 す もの に して 度 が 第103圖(42)に これ に よれ ば 例 へ ば磁 氣的 硬 度 を測 定 す る こ とに よつ て鋼 材 の均 等性 炭 素 量 高 き鋼 や 機 械 的 性質 の差 異 等 を判定 す る こ とが 出 來 るわ けで あ は燒 入 温 度 を る.若 し鋼 材 の長手 に沿 ふ て磁 氣 的硬 度 が均 等 で あ るな 低 く炭 素 量 低 らば その鋼 材 は均 等 と稱 され 得 べ く又鋼 材 の長 手 に沿 ふ き鋼 は燒 入 温 て何處 か に磁 氣的 硬 度 を異 に す るや うな部 分 が 含 まれ て 示 す如 く變化 す るを以 て 磁 氣的 性 質 度 高 き時 に最 居 る時 に は その鋼 材 は不 均 等 で あ る と云 は な けれ ば な ら 高 磁 氣 的硬 度 な い.松 下 氏 の磁 氣的 硬 度 の 測 定方 法 は實 驗 室的 の もの を得 る こ とが に して 試 片 は極 小形 の もの に限 られ るの で あ るか ら一 般 工 業用 の金 屬 材料 を無 破壊 的 に檢 査 す る方 法 に對 して は 明 らか で あ る. 第100,101及 び102 圖 は各 種 燒 入液 に對 す る 第103圖 磁 氣 硬 度 に 及 ぼ す燒 戻 温度 の影響(試 片-0.75%C) 濟 直 に應 用 す るこ とは 困難 で あ る.從 つ て無 破 壌 的 の檢 査 方法 と して は これ まで數 項 に亘 つ て記述 した 如 く漏 洩 磁 燒 入温 度 と磁 氣 的 硬度 と 力 又は その他 の 物 理的 性質 を測 定 す るこ とに よつ て實 用 の 關 係 を示 して居 る.こ 的 檢 査 方 法 の出 現 の域 に まで進 歩發 展 しつ ゝあ るの で あ れ に よれ ば鋼 の磁 氣的 性 る(續 く) 質 は鋼 の種 類,燒 入 液 の 種類 及び燒 入温 度 に よつ て大 い に影 響 され る こ とが 判 か る,又 燒 入鋼 を燒 戻 す る場 合 の温 度 に よつ て も磁 氣 的 硬 (42)松 下,永 澤,東 653. 北 帝 大 理 科 報 告,16(1927),639∼
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