人工衛星等 の 打上げ及び 人 工衛 星 の 管理 に関する 法律案

総則
人工衛星等 の 打上げ及び 人工衛 星の管理に関する 法律案要綱
第一
目的
(第一条関係)
「宇宙の開発及び 利用に関す る 諸条約」とは、月その他の天体を 含む 宇宙空間の探 査及び 利用にお
定義
上及び経済社会の発展に寄 与することを目的と すること。
するとともに、公共の安全を確保し、あわせて 、当該損害の被害者の保護を図り、もって国民生活の向
害の賠償に関する制度を設けることにより、宇宙の開発及び 利用に関する諸条約を 的 確かつ円滑に実施
衛星等の打上げ 及び 人工衛星の管理 に係る許可に関する 制度並びに人工衛星等 の落下等により生ずる損
こ の法律は 、 宇宙 基本法(平成 二十年法律第四十三号 )の基本理念にのっと り、我が国における 人工
一
二
1
ける国家活動を律する原則に関する条約(以下「 宇宙空間探査等条 約」という。)、宇宙飛行士の救
助及び送還並 びに宇宙空間に打ち 上げられた 物体 の返 還 に 関 す る 協 定 、 宇 宙 物 体 に よ り 引き 起 こ され
る損害について の国際的責任に関する条約及び宇宙空間に打ち上げられ た物体の登録に関する条約と
すること。
「 人工 衛 星 」と は 、 地 球を 回 る 軌 道 若し く は そ の外 に 投 入 し 、 又 は 地 球 以 外 の 天 体 上 に 配 置 し て 使
「人工衛星等」とは、人工衛星及びその打上げ用ロケットとすること 。
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3
「打上げ施 設」とは 、人工衛星 の打上げ用ロケ ット を 発射する機能を有す る施設とすること。
用する人工の物体とすること。
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「 人 工 衛 星 等 の 打 上 げ 」 と は 、 自 ら 又 は 他 の 者 が 管 理 し 、及 び 運 営 す る 打 上 げ 施 設 を 用 いて 、 人 工
「人工衛星管理設備」とは、人工衛星に搭載された無線設備(電磁波を利用して、符号を送り、又
達した時点で当該人工衛星を分離することとすること。
衛 星 の 打 上 げ 用 ロ ケ ッ ト に 人 工 衛 星 を 搭載 し た 上 で 、こ れ を 発 射 して 加 速 し 、 一 定 の 速 度 及 び 高 度 に
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は 受け る た め の 電気 的 設 備及 び こ れ と 電気 通 信 回 線で 接 続し た 電 子 計 算 機を い う 。 ) か ら 送 信 され た
当該人工衛星の位置、姿勢及び 状態を示す信号を 直接若しくは他の無線設備を経由して電磁波を利用
して 受信する方法により把握し 、又は当該人工衛星に向けて信号を 直接若しくは他の無線設備を経由
して送信し、反射される信号を 直接若しくは他の無線設備を経由して 受信する方法その他の方法によ
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りその位置を 把握するとともに、人工衛星の位置、姿勢及び状態を 制御するための信号を当該人工衛
星に搭載され た無線設備に直接 又は他の無線設備を経 由して 電磁波を 利用して 送信する 機能を有する
無 線 設 備と す ること 。
「 人 工 衛 星 の管 理 」 と は 、 人 工 衛 星 管 理 設 備 を 用 いて 、 人 工 衛 星 の 位 置 、 姿 勢 及 び 状 態 を 把 握し 、
これを制御することとすること。
「ロケット 落下等損害」とは、人工衛星の打上げ用ロケ ットが発射された後の全 部若しくは一 部の
人 工 衛 星 が 正 常 に 分 離 されて いな い 状 態 に お け る 人 工 衛 星 等 又 は 全 部 の 人 工 衛 星 が 正 常 に 分 離 され た
後の 人工衛星の打上げ用ロケ ット の落下 、衝突 又は爆発により、地 表若しくは水面 又は飛 行中の航空
機その他の飛しょう体において 人の生命、身体又は財産に生じた損害とすること。ただし、当該人工
衛星等の打上げを 行う者の従業 者その他の当該人工衛星等の打上げを 行う者と業務上密接な関係を有
する者として 内閣府令で定める者がその業務 上受けた損害を除くこととすること。
「ロケット 落下等損害賠償責任保険契約」とは 、人工衛星等の打上げを行う者のロケット 落下等損
害 ( テ ロリ ズ ム の 行為 そ の 他 そ の発 生を 保険契 約 に おけ る財 産 上 の 給 付 の条件 と し た 場合に 適 正な 保
険 料を 算出す ることが困難なも のとして 内閣府令で 定 める事由を 主たる原因とする人工衛星等 の落下
、衝突又は爆発によるロケット 落下等損害(以下 「特定ロケット 落下等損害」という。 )を 除く。)
の 賠 償 の 責 任 が 発 生 し た 場 合 に お いて 、こ れ を そ の 者 が 賠 償 す るこ と に よ り 生ず る 損 失を 保 険 者 ( 保
険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外
国損害保険会社等で、責任保険の引受けを行う者に限る。以下同じ。)が埋めることを約し、保険契
約者が保険者に保険料を支払うことを約する契約とすること。
「ロケット 落下等損害賠償補償契約」とは、人工衛星等の打上げを行う者のロケット 落下等損害の
又は財 産に生じた損害とするこ と。ただし、当該 人工衛星の管理を 行う 者の従業者その他の 当該人工
又 は 爆 発 に よ り 、 地 表 若 し く は 水面 又 は 飛 行 中 の 航空 機 そ の 他 の 飛 し ょ う 体 に お いて 人 の 生 命 、 身 体
「 人 工 衛 星 落下 等 損 害 」 と は 、 人 工 衛 星 の 打 上 げ 用ロ ケ ット か ら 正 常 に 分 離 され た 人 工 衛 星 の 落下
ことにより生ずる損失を政府が補償することを約する契約とするこ と。
損 害 を 賠 償 す る た め の 措 置 に よ って は 埋 め るこ と ができ な いロケ ッ ト 落下 等 損 害 を そ の 者 が 賠 償 す る
賠 償 の 責 任 が 発 生 し た 場 合 に お いて 、 ロ ケ ット 落下 等 損 害 賠 償 責 任 保 険 契 約 そ の 他 の ロ ケ ッ ト 落下 等
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三
第二
一
二
(第二条関係)
衛星の管理を 行う者と業務上密 接な関係を有する者として内閣府令で定める者がその業務上受けた損
害を除くこととすること。
こ の法律 の施 行に 当た って の配 慮
国 は 、こ の 法 律 の施 行に 当た っ て は 、 宇宙 基 本 法第 十 六 条 に 規定 す る 民 間 事 業 者 に よる 宇宙 開 発 利 用
(第三条関係)
の促進に関する 施策 の一 環と して 、 我が国の人工衛星等 の打上げ及び 人工衛星 の管理に関係する 産業 の
技術力及び国際競 争力の強化を図るよう適切な配慮をするも のとすること。
人工衛星等 の打上げに係る許可等
人工衛星等の打上げに係る許可
国 内 に 所 在 し 、 又 は 日 本 国 籍 を 有 す る 船 舶 若 し く は 航 空 機 に 搭 載 さ れ た 打 上 げ 施 設 を 用 いて 人工 衛 星
(第四条関係)
等 の打上げを 行おうと する者は 、 その都度 、内閣総 理 大臣 の許 可を 受け なければ ならな いも のと するこ
と。
欠格事由
欠格事 由 に 該 当 す る 者 は 、 人工 衛 星 等 の 打 上 げ に 係 る 許 可を 受け るこ と ができ な いも のと す るこ と 。
三
四
許可の基準
(第五条関係)
内閣総理 大臣 は 、許可の申 請に 係る人工衛星の打上げ用ロケ ット の設 計が その飛 行経路及び 打上げ施
設の周辺の安全を確保するための安全に関する基準( 以下「ロケット安全 基準」という。)に適合して
いると認め、許 可の申 請に係る人工 衛星の打上げ用ロ ケ ット の打上げ施設がそ の飛行経路及び 打上げ 施
設の周辺の安全を 確保するための打上げ 施設の安全に関する 基準として その型式に 応じて定める基準(
以下「型式別施設安全 基準」という。)に適合して いると認め、かつ、許可の申請に係る人工衛星等の
打 上 げ の 方 法を 定 め た 計 画 ( 以 下 「 ロ ケ ット 打 上 げ 計画 」 と い う 。 ) の 内 容 が 公 共 の 安 全 を 確 保 す る 上
(第六条関係)
で 適 切 な も ので あ って 申 請者 が こ れ を 実 行す る 十 分 な能 力を 有 す ると 認 めると き で なけ れ ば 、許 可を し
て は な ら な い も のと す るこ と 。
変更の許可等
人工衛星等 の 打上げに 係る許 可を 受け た者( 以下 「 打上げ実施者 」と いう。 )は 、人工 衛星 の打上げ
用 ロ ケ ット の 設 計等 を 変 更 し よ う と す る と き ( ロ ケ ット 安 全 基 準 の変 更 が あ っ た 場 合 に お いて 当 該 許 可
五
六
七
に係る人工衛星 の打上げ用ロケット の設計がロケット安全 基準に適合 しなくなったとき 及び 型式別施設
安 全 基 準 に 変 更 が あ っ た 場 合 に お いて 当該 許 可 に 係 る 打 上 げ 施 設 が 型 式 別 施 設 安 全 基 準 に 適 合 し な く な
ったときを含む 。)は 、内閣総理 大臣の許可を 受け なけ ればならないものとすること。(第七条関係)
設計合致義務等
打上げ実施者 は 、人工衛星等の打上げを 行うに当たって は 、当該人工衛星等の打上げに係る人工衛星
の打上げ用ロケットを許可に係る設計に合致するようにするとともに、災害その他やむを得ない事由の
(第八条関係)
ある場合を除くほか、ロケット 打上げ計画の定めるところ に従わ なければならないも のとすること。
損害賠償担保措置を講ずべき義務
(第九条関係)
打上げ実施者は、損害賠償担保措置を講じて いなけれ ば 、許 可を 受け た 人工衛 星等 の 打上げを 行って
はならないも のとすること。
承継
打上げ実施者が許可を受けた人工衛星等の打上げに係る事業の譲渡を行う場合、打上げ実施者である
八
法人が合併により消滅することと なる場合又は打上げ実施者で ある法 人が分割により許 可を受けた人工
衛星等の打上げ に係る事業を承継させる場合において 、あらかじめ内 閣総理大臣の認可を 受けたときは
、 譲 受 人 、合 併 後 存 続 す る 法 人 若 し く は 合 併 に よ り 設 立 され た 法 人 又 は 分 割 に よ り 当 該 事 業 を 承 継 し た
法人は、打上げ実施者のこ の法律 の 規定による地位を 承 継す る も のと し 、こ れ ら の認 可を し な い 旨 の 処
(第十条関係)
分があったとき(これらの認可の申 請がない場合にあっては、当該事業の譲渡、合併又は分割があった
とき )は、その許 可は効力を失うものと すること。
死亡等による許可の失効
承継等の認可をしない旨の処分があったとき(これらの認可の申 請がない場合にあっては、当該事業
の譲渡、合併又は分割があったとき )のほか、死亡 したとき 、法人が 解散したとき及び 人工衛星等 の打
上げを 終えたときは、その許可は 効力を失うものと し、死亡したとき はその相続人が、法人が破産手続
開始の決定によ り解 散したときは その破産管財 人が 、法人が合併及び 破産手続開始 の決定以外の事由に
より解散したときはその清算人が 、人工衛星等の打上げを終えたときは打上げ実施者で あった個人又は
打上げ実施者で あった法人を代表する役員が、それ ぞれ 該 当 す るこ と と な っ た と き か ら 三 十 日 以 内 に 、
九
十
そ の 旨 を 内 閣 総 理 大 臣 に 届 け 出 な け れ ば な ら な いこ と と す る こ と 。
許可の取消し
(第十一条関係)
(第十二条関係)
内閣総理大臣は、打上げ実施者が許可の取消事由に該 当するときは 、 人工衛星等 の打上げに 係る許可
を 取 り 消すこと がで き るも のと す るこ と 。
人工衛星の打上げ用ロケ ット の 型式認定
(第十三条関係)
内閣総理 大臣は 、申 請により、人工衛星 の打上げ用ロケ ット の設計について 型式認 定を 行うも のとす
設計等の変更
ること 。
十一
型式認定を受けた者は、人工衛星の打上げ用ロケ ット の設計等を変更しようとするとき(ロケット安
全基準の変更があった場合において 、当該型式認定を 受けた人工衛星 の打上げ用ロケットがロケット安
(第十四条関係)
全 基準に適合し なくなったときを 含む 。)は 、内閣総理 大臣の認定を 受けなければなら ないも のとする
型式認定の取消し
こと。
十二
(第十五条関係)
内閣総理大臣は、型式認定を受けた者が認定の取消事由に該当するときは、その型式認定を取り消す
適合認定
ことができるも のとすること。
十三
内閣総理大臣は、申請により、国内に所在し、又は日 本国籍を有する船舶 若しくは航空機に搭載 され
た打上げ施設に ついて 、これを用いて 行う人工衛星等の 打上げに係る人工衛星 の打上げ用ロケット の型
打上げ施設の場所等 の変更
(第十六条関係)
式(その設計が型式認定等を受けたものに限る。 )ごと に 、適合認定を 行うも のと すること 。
十四
適合認定を受けた者は、打上げ施設の場所、構造及び設備等を変更しようとするとき(型式別施設安
全基準の変更があった場合において、当該適合認定を受けた打上げ施設が型式別施設安全基準に適合し
適合認定の取消し
(第十七条関係)
なくなったときを含む。)は、内閣総理大臣の認定を受けなければならないものとすること。
十五
(第十八条関係)
内閣総理大臣は、適合認定を受けた者が認定の取消事由に該当するときは、その適合認定を取り消す
ことができるも のとすること。
国立研究開発法人宇宙航空研 究開発機構の特例
国立研究開発 法人宇宙航空研究開発機構(以下「機構 」と いう。)が、その行った人工衛星の打上げ
欠格事由
閣総理 大臣 の許 可を 受け なけれ ば なら な いも のと す るこ と 。
(第十九条関係)
(第二十条関係)
国 内 に 所 在 す る 人 工 衛 星 管 理 設 備 を 用 いて 人工 衛 星 の 管 理 を 行 お う と す る 者 は 、 人 工 衛 星 ご と に 、 内
人工衛星の管理に係る許可
人工衛星の管理に係る許可等
げ施設について 適 合認定の申 請を 行うと きは 、簡略化された 手続によることができ るも のとすること。
用ロケ ット の設 計について 型式認定 の申 請を 行うとき 、 又は 、機構が 、その管理し 、及び運 営する打上
十六
第三
一
二
欠格事 由 に 該 当 す る 者 は 、 人工 衛 星 の 管 理 に 係 る 許 可を 受け るこ と がで き な いも のと す るこ と 。
三
四
許可の基準
(第二十一条関係)
内閣総理大臣は、許可の申請に 係る人工衛星の利用の目的及び方法が 基本理念に即したもので あり、
かつ、宇宙の開発及び利用に関する諸条約の的確かつ円滑な実施及び公共の安全の確保に支障を及ぼす
お それ が な いも ので あ る と 認 め 、 許 可 の申 請 に 係 る 人工 衛 星 の 構 造が 宇宙 空 間 探 査等 条 約第 九 条 に 規 定
す る 月 そ の 他 の 天 体 を 含む 宇 宙 空 間 の 有 害 な 汚 染 並 び に そ の 平 和 的 な 探 査 及 び 利 用 に おけ る 他 国 の 活 動
に対する潜在的に有害 な干渉(以下「宇宙空間の有害 な汚染等」という。)の防止並び に公共の安全の
確 保 に 支 障 を 及 ぼ す お それ の な いも のと して 定 める 基 準 に 適 合 す る も のと 認 め 、 か つ 、 許 可 の申 請 に 係
る 人工 衛 星 の 管 理 の方 法を 定 め た 計画 ( 以下 「 管 理 計画 」と い う 。 ) に お いて 宇宙 空 間 の有 害 な 汚 染 等
を防止するた めに必要なも のとして 定める措置及び 人工衛星の管理 の 終了に伴い講ずる措置( 以下「終
(第二十二条関係)
了措置」と いう。)を講ずること と されて おり申 請者が当該管理 計画を実 行する十分な能力を有すると
認めるときでなければ、許可を してはならないも のとすること。
変更の許可等
五
六
七
人 工 衛 星 の 管 理 に 係 る 許 可を 受 け た 者 ( 以 下 「 人 工 衛 星 管 理 者 」 と い う 。 ) は 、 終 了 措 置 の 内 容や 管
(第二十三条関係)
理 計画等を変更しようとするとき は 、内閣総理 大臣 の許可を 受け なけ ればならないも のとすること。
管理計画の遵守
(第二十四条関係)
人工衛星管理 者は 、人工衛星の管理を 行うに当たって は 、災害 その他やむ を 得 な い事 由 のある 場合を
除くほか、管理計画の定めるところに従わなければならないものとすること。
事故時の措置
人工衛星管理者は、許可に 係る人工衛星の他の物体と の衝突その他 の事故の発生により、終了措置を
講ず るこ と なく 人工衛星 の管理 を 行うこと ができ な く なり、かつ、回復する見込みがな いときは、速や
かに、その旨、当該事故の状況及び当該事故の発生後の人工衛星の位置の特定に資する事項を内閣総理
(第二十五条関係)
大臣 に 届け 出 な け れ ば なら な いも のと し 、こ の場合 に お いて 、 そ の許 可は 効 力を 失うも のと す るこ と 。
承継
八
人工衛星管理 者が許 可を 受け た 人工衛星 の管理 に 係る事業 の譲渡を 行う場合 、人工衛 星管理者で ある
法人が合併により消滅することと なる場合又は人工衛星管理者である法人が 分割に よ り 許 可を 受け た 人
工 衛 星 の 管 理 に 係る 事 業 を 承 継 さ せ る 場 合 に お いて 、あ ら か じ め 内 閣 総 理 大 臣 の 認 可を 受け たと き は 、
譲 受 人 、 合 併 後 存 続 す る 法 人 若 し く は 合 併 に よ り 設 立 され た 法 人 又 は 分 割 に よ り 当 該 事 業 を 承 継 し た 法
人 は 、 人 工 衛 星 管理 者 のこ の 法 律 の 規 定 に よ る 地 位 を 承 継す るも のと し 、こ れ ら の認 可を し な い旨 の 処
分があったとき(これらの認可の申 請が ない場合にあって は、当該事業の譲渡、合併又は 分割があった
とき)は 、その許 可は 効力を失うも のと し、当該処分があった日(これらの認可の申 請がない場合にあ
(第二十六条関係)
って は、当該事業の譲渡、合併又は分割の日)から百二十日以内に終了措置を講じなければならないも
のと すること 。
死亡の届出等
人工衛星管理者が死亡したときは、相続人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければな
らないも のとす るとともに、その許可は効力を 失うものとし、人工衛 星管理者が死亡し たとき にその者
に 代わ って 人工 衛 星 の 管 理 を 行 う 者 は 、 当 該 人工 衛 星の 管 理 に 係 る 事 業 の 譲 渡 に つ いて 内 閣 総 理 大 臣 の
九
十
(第二十七条関係)
認 可を 受け た 場 合 を 除き 、 そ の死 亡 の日 か ら 百 二十 日 以内に 終 了 措 置 を 講 じ なけれ ば な ら な いも のと す
ること 。
終了措置
人工衛星管理 者は 、許可に係る 管理計画の定めるとこ ろ に より人工衛 星 の 管理を 終了し ようとす ると
(第二十八条関係)
きは、あらかじ め、その旨を内閣総理大臣に届け出ると と も に 、 終了措置を 講 じ なけれ ば ならな いも の
とし、終了措置が 講じられたときは、その許可は効力を失うものとすること。
解散の届出等
人工衛星管理者である法人が合併以外の事由に より解 散したときは 、その清算人又は破産管財人は、
遅滞なく 、その旨を内閣総理大臣に届け出るととも に 、その許可は効力を失うものと し 、その清算法人
(清算中若し くは特別 清算中の法人又は破産手続開始後の法人をいう。)は 、当該人工衛星の管理に係
(第二十九条関係)
る 事 業 の 譲 渡 に つ いて 内 閣 総 理 大 臣 の認 可を 受け た 場 合 を 除き 、 そ の 解 散 の日 から 百 二 十 日 以内 に 終 了
許可の取消し等
措置を講じなければならないも のとすること。
十一
第四
一
二
内閣総理大臣は、人工衛星管理者が許可の取消事 由に 該当するときは、許可を取り消すことができる
も のと し 、 許 可 を 取 り 消 され た 人 工 衛 星 管 理 者 は 、 当該 人工 衛 星 の 管 理 に 係 る 事 業 の 譲 渡 に つ いて 内 閣
(第三十条関係)
総理大臣の認可を受けた場合を除き 、その取消しの日から百二十日以内に終了措置を講じなければなら
な いも のと す る こ と 。
内閣総理大臣による監督
立入検査等
内 閣 総 理 大 臣 は 、こ の 法 律 の 施 行 に 必 要 な 限 度 に お いて 、 打 上 げ 実 施 者 、 型 式 認 定 を 受け た 者 、 適 合
認定を受けた者若しくは人工衛星管理者に対し 必要な報告を求め、又はその職員に、こ れらの者の事務
(第三十一条関係)
所その他の事業所に立ち入り、これらの者の帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質
問させること ができるものとすること。
指導等
内閣総理大臣は、基本理念にのっとり、打上げ実施者、型式認定を 受けた者、適合認定を受けた者又
は人工衛星管理者に対し、宇宙の開発及び利用に関する諸条約の的確かつ円滑な実施及び公共の安全の
三
四
確保を図るため、必要な指導、助言及び勧告をすることができるも のとすること。(第三十二条関係)
是正命令
内閣総理 大臣 は 、型式認定を 受けた 人工衛星の打上げ用ロケ ット の設 計がロケ ット 安全 基準に適合せ
ず 、 又 は ロ ケ ッ ト 安 全 基 準 に 適 合 し な く な る お それ が あ る と 認 める と き は 、当 該 型 式 認 定 を 受 け た 者 に
対し、ロケット 安全基準に適合させるため、又はロケ ッ ト 安 全 基 準 に 適 合 し な く な る お それ を な く す る
た めに 必要 な 設 計 の変 更を 命ず ること が で き るも のとし、適合認定を受けた打上げ施設が型式別施設安
全 基 準 に 適 合 せ ず 、 又 は 型 式 別 施 設 安 全 基 準 に 適 合 し な く な る お それ が あ る と 認 め る と き は 、 当 該 適 合
認 定 を 受け た 者 に 対 し 、 型 式 別 施 設 安 全 基 準 に 適 合 させ る た め 、 又 は 型式 別 施 設 安 全 基 準 に 適 合 し な く
なるおそれをなくするために必要な措置をとるべきことを命ずること ができるものとし 、人工衛星管理
(第三十三条関係)
者が管理計画 の遵守義務に違反して いると認めるときは、当該人工衛星管理者に対し、当該違反を是正
するため必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとすること。
許可等の条件
この法律に基づく許可又は認可には、条件を付し 、及びこれを変更することができるものと すること。
第五
一
二
三
ロケット 落下等損害の賠償
無過失責任
(第三十四条関係)
国 内 に 所 在 し 、 又 は 日 本 国 籍 を 有 す る 船 舶 若 し く は 航 空 機 に 搭 載 され た 打 上 げ 施 設 を 用 いて 人工 衛 星
(第三十五条関係)
等の打上げを行う者は、当該人工衛星等の打上げに伴いロケット 落下等損害を 与えたときは、その損害
を賠償する責任を 負うものとすること。
責任の集中
人工 衛星等の打上げを 行う者がロケット 落下等 損 害を 与 え た 場 合 に お いて 、 そ の 損 害 を 賠 償 す る 責 任
を負うべき 当該人工衛星等の打上げを 行う者以外の者は、その損害を賠償する責任を 負わないものとす
るが、原子力損害の賠償に関する 法律(昭和三十六 年法律第百四十七 号)の適用を 排除 するも のと解し
(第三十六条関係)
て は な ら な い も のと し 、 ま た 、 ロ ケ ッ ト 落 下 等 損 害 に つ いて は 製 造 物 責 任 法 ( 平 成 六 年 法 律 第 八 十 五 号
)の規定は適用しないものとすること。
賠 償 に つ いて の し ん 酌
四
五
(第三十七条関係)
ロケット落下等損害の発生に関して天災その他の 不可抗力が競合したときは、裁判所は、損害賠償の
責 任 及 び 額 を 定 める に つ いて 、こ れ を し ん 酌 す る こ と が で き る も の と す る こ と 。
求償権
人工衛星等の 打上げを 行う者が ロケット 落下等損害を 与 え た 場 合 に お いて 、他 に そ の 損 害 の 発 生 の 原
因 に つ いて 責任 を 負 う べ き 者 が あ る と き は 、 そ の 損 害 を 賠 償 し た 者 は 、 そ の 者 に対 し て 求 償 権 を 有 す る
も のと す る が 、 当 該 責 任を 負 う べき 者 が 当 該 人工衛 星 等 の 打 上 げ の 用 に 供 され た 資 材 そ の 他 の 物 品 又は
役務の提供をした者( 当該人工衛星等の打上げの用に 供 され た 打 上 げ 施 設 を 管 理 し 、 及 び 運 営 す る 者 を
(第三十八条関係)
除 く 。 )で あ る と き は 、 当 該 損 害 が そ の 者 又 は そ の 者 の 従 業 者 の 故 意 に よ り 生 じ た も の で あ る 場 合 に 限
り、その者に対して求償権を有するものとすること。
ロケット 落下等損害賠償責任保険契約
ロケット落下等損害の被害者は 、その損害賠償請求権に関し、ロケ ット落下等損害賠償責任保険契約
の保険金について 、他の債権者に先立って 弁済を受け る権利を有するものとし、被保険者は、ロケット
落下 等 損 害 の 被 害 者 に 対 す る 損 害 賠 償 額 に つ いて 、 自 己 が 支 払 っ た 限 度 又 は 当 該 被 害 者 の 承 諾が あ っ た
六
(第三十九条関係)
限 度 に お いて の み 、 保 険 者 に 対 し て 保 険 金 の 支 払 を 請求 す るこ と が で き る も のと す るこ と 。
ロケット落下等損害賠償補償契約
政府は 、打上げ実施者を 相手方として 、打上げ実施者 の特定ロケット 落下 等損害の賠償の責任が 発生
し た 場 合 に お い て 、こ れ を 打 上 げ 実 施 者 が 賠 償 す るこ と に よ り 生ず る 損 失を 損 害 賠 償 担 保 措 置 の 賠 償 措
置額に相当する金額を 超えない範囲内で 政府が補償することを約するロケット落下等損害賠償補償契約
を締結することができ るものとするほか、政府は、打上げ実施者を相手方として 、打上げ実施者のロケ
ット 落 下 等 損 害 の 賠 償 の 責 任 が 発 生 し た 場 合 に お いて 、 ロ ケ ット 落下 等 損 害 賠 償 責 任 保 険 契 約 、 ロ ケ ッ
ト 落下等損害賠償補償契約その他のロケット 落下等損害を賠償するた めの措置によって は埋めることが
できないロケ ット 落下等損害を打上げ実施者が賠償することにより生ずる損失を、我が国の人工衛星等
の打上げに関係する産業の国際競争力の強化の観点 から措置すること が適当なものと して定める金額か
ら 当該 打上げ実 施 者 のロケ ット 落 下 等 損害 の賠 償 に 充て られ る損 害 賠 償担 保措 置 の賠 償 措 置 額に 相当す
る 金 額を 控除し た 金 額を 超え な い 範囲内で 政 府が補 償することを約するロケット 落下等損害賠償補償契
七
八
九
約を締結するこ と ができ るも のと すること 。
ロケット落下等損害賠償補償契約の期間
(第四十条関係)
(第四十一条関係)
ロケット落下等損害賠償補償契約の期間は、その締結の時から当該ロケット落下等損害賠償補償契約
に係る人工衛星等の打上げを終える時までとすること。
補償金
政府がロケット落下等損害賠償補償契約により補償する金額は、当該ロケット落下等損害賠償補償契
約の期間内におけ る人工衛星等の打上げにより与えたロケット 落下等損害を 打上げ実施 者が賠償するこ
(第四十二条関係)
とにより生ず る損失について当該ロケット落下等損害賠償補償契約に係る契約金額まで とするも のと す
ること 。
ロケット 落下等損害賠償補償契約の締結の限度
政府は、一会 計年度内に締結す るロケット 落下等 損害賠償補償契約に係る契約金額の合計額が会計年
(第四十三条関係)
度ごとに国会の議決を経た金額を 超えない範囲内で 、ロケット 落下等損害賠償補償契約を締結するもの
とすること。
十
時効
(第四十四条関係)
補償金の支払を 受ける権利は 、これを 行使するこ とができ る時から 三 年を経過したとき は 、時効によ
代位
って 消滅するも のとするこ と。
十一
政 府 は 、 ロ ケ ッ ト 落 下 等 損 害 賠 償 補 償 契 約 に よ り 補 償 し た 場 合 に お いて 、 当 該 ロ ケ ッ ト 落下 等 損 害 賠
償補償契約の相手方である打上げ実施者が第三者に対 して求償権を有するときは、政府が補償した金額
補償金の返還
(第四十五条関係)
又は当該求償権の金額のうち いずれ か少ない 金額を限度として 当該求償権を取得するも のとすること。
十二
政 府 は 、 ロ ケ ッ ト 落 下 等 損 害 賠 償 補 償 契 約 に 基 づ き 補 償 金 を 支 払 っ た 場 合 に お いて 、 当 該 ロ ケ ッ ト 落
(第四十六条関係)
下等損害賠償補償契約の相手方で ある打上げ実施者が返還事由に該当するときは、当該 打上げ実施者か
業務の管掌
ら 、 政令で 定 め るところ に よ り 、 そ の返 還を させる も のと す るこ と 。
十三
ロケット 落下等損害賠償補償契 約に係る政府の業 務は 、内閣総理大臣が管掌するものとし、内閣総理
(第四十七条関係)
大臣は、ロケット 落下等損害賠償補償契約を締結し ようとするときは 、あらかじめ、財 務大臣に協議し
業務の委託
なければ ならな いも のと すること 。
十四
(第四十八条関係)
政府は、政令で定めるところ に より、ロケット 落下等損害賠償補償契約に基づく業務の一部を保険者
損害賠償担保措 置として の供託
に 委託 す るこ と が で き る も のと す るこ と 。
十五
損害賠償担保措置として の 供託は、打上げ実施者の主たる事務所( 国内に事務所がな い場合にあって
は 、許 可 に 係 る 打 上 げ 施 設 の 場 所 ) の最 寄 り の 法 務 局 又は 地 方 法 務 局 に 、 金 銭 又 は 内 閣 府 令で 定 め る 有
(第四十九条関係)
価証券(社債 、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定
供託物の還 付
する振替債を含む。)によりするものと すること。
十六
ロケット落下等損害の被害者は、その損害賠償請求権に関し、打上げ実施者が損害賠償担保措置とし
供託物の取戻し
(第五十条関係)
て 供 託 し た 金 銭 又 は 有 価 証 券 に つ いて 、 他 の 債 権 者 に先 立 って 弁 済 を 受け る 権 利を 有 す る も のと す るこ
と。
十七
打上げ実施者 は 、人工衛星等の 打上げを 終え、かつ、ロケット 落下等損害を 与えないことが明ら かと
(第五十一条関係)
なった場合等に おいて は 、内閣総理 大臣の承認を 受けて 、供託した 金銭 又は有 価証券を 取り戻すこと が
無過失責任
人工衛星落下等損害の賠償
(第五十二条関係)
供託 に関する事項について は 、内閣府令・法務 省令で 定 めることができ るも のとすること。
内閣府令・法務省令への委任
できるものと すること。
十八
第六
一
国 内 に 所 在 す る 人 工 衛 星 管 理 設 備 を 用 いて 人工 衛 星 の 管 理 を 行 う 者 は 、 当 該 人 工 衛 星 の 管 理 に 伴 い 人
工衛星落下等損害を与えたときは 、その損害を賠償する責任を負うものとすること。
二
第七
一
二
三
賠 償 に つ いて の し ん 酌
(第五十三条関係)
(第五十四条関係)
人工衛星落下等損害の発生に関して天災その他の不可抗力が競合したときは、裁判所は、損害賠償の
責 任 及 び 額 を 定 める に つ いて 、こ れ を し ん 酌 す る こ と が で き る も の と す る こ と 。
雑則
宇宙政策委員会の意見の聴取
(第五十六条関係)
(第五十五条関係)
内 閣 府 令 を 定 め る に 当 た って の 宇 宙 政 策 委 員 会 へ の 意 見 聴 取 に つ いて 定 め るこ と 。
財務大臣との協議
内 閣 府 令 を 定 め る に 当 た って の 財 務 大 臣 へ の 協 議 に つ いて 定 め るこ と 。
国に対する適用除外
国 が 行 う 人 工 衛 星 等 の 打 上 げ 及 び 人工 衛 星 の 管 理 に つ いて は 、 許 可 の 適 用 除 外 と す る こ と 。
(第五十七条関係)
四
五
第八
第九
一
二
三
経過措置
この法律における所要の経過措 置を定めることができるものと すること
内閣府令への委任
(第五十八条関係)
(第五十九条関係)
(附則第四条関係)
(附則第二条及び第三条関係)
(附則第一条関係)
(第六十条から第六十五条まで関係)
こ の法律 の施 行に関し必要な事 項を内閣府令で 定 めるも のとすること。
罰則
こ の法律に おけ る 罰則を 定 めるも のと す ること 。
附則
施行期日
こ の 法律 の施 行期日 に つ いて 定 めるこ と 。
準備行為
こ の 法律 の 準 備 行為 に つ いて 定 めるこ と 。
経過措置
こ の法律の施 行に伴う所要の経 過措置を定めるこ と。
四
五
六
検討
こ の 法 律 の 検 討 に つ いて 定 め る こ と 。
関係法律の整備
こ の法律 の施 行に伴う関係法律 の規定 の整 備を 行うこ と。
政令への委任
(附則第五条関係)
(附則第六条から第九条まで関係)
(附則第十条関係)
こ の法律 の施 行に 伴い必要な経過措置( 罰則に関する経過措 置を含む 。 )を 政令で 定 めるも のとする
こと。