胃癌の発生母地に関す る研究

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胃癌の発生母地に関すろ研究
金沢大学医学部久留外科教室(主任 久留勝敏授)
木 元 正 二
8ε夢 」三幅。
(昭和29年9月24日受附)
次
目
緒 論
第1節 検:索例及び検:索法
第1章完成されたる胃癌より,その母地を推定し
第2節 検索成績
得るか
第1項 各心痛の発生頻度とその年代的変遷.
第1節 粘膜筋層の態度
癌の発生部位,大きさ,年齢等との間
第1項慢性胃炎を母地とする胃癌
の関係
第2項 牢板状或いは有茎性腺腫を母地とする
第2項 :Borrmannの肉眼的分類との関係
胃癌
第3項 臨床的検索の結果と癌の型との間の関
第3項 潰瘍の辺縁より発生せる胃癌
聯
第2節 癌性潰:瘍の底の示す変化
第4章 総括及び考按
第3節 癌性潰瘍辺縁粘膜の朕況
第5章結論
第4節 癌軒昂と建隔せる胃粘膜の態度
:文 献
第5節 癌病婦の増殖形態
附 表
附 懸
第2章埋入組織より発生せる胃癌について
第3章 検索の成績
論
緒
胃癌の発生母地に関しては,従来より
るもなお帰一する所を知らない有様である.し
1)胃壁内亀入組織(特に副膵,食道粘膜)
かし乍らとれら研究者が対象とした材料は,何
より. 騨
れも極めて初期の潰瘍癌に属するものであっ
2)慢性胃潰瘍の辺縁より.
て,一部Hauserの規準を拡大伸展した者と錐
3)腺腫,ポリープより.
も,梢ヒ進捗したものを考察の対象に加うる程
4)所謂胃炎より.
度で,日常我々外科医の治療の対象となる如き
の四形態が挙げられる.殊に所謂潰瘍癌の発
大きな完成した胃癌は,遠く問題の将外にある
生に関しては前世紀末より今世紀の初頭にかけ
如き観があった.然るに実際問題として我々外
て多数の重要なる研究の発表が見られている.
科医が日常遭遇する胃癌は,相当進捗せるもの
しか.し乍らとれらの大部はHauser 27)の提唱し
が紹対多数であって,∼これら完成した胃癌の発
た潰瘍癌判定に関する病理組織学的規準の問題
生母地は大部分不明とされていた訳である.時
を再検討するに絡始し,発生頻度が研究者によ
としてヒの種手術材料を対象としてその発生母
って著しき差異を示すという点に論孚の申心が
地に対する見解を発表した学者もないではない
存在する如く考えられるが,ヒの点は今日に至
が(Mayo−Robson 47), Wilson−MacCarty 72),彼
【35】
650
元
木
等;が潰瘍癌発生学度を極めて高率に評価した結
胃炎,胃ポープ,胃潰瘍,胃癌の間に存する蔚
論は,病理組織学的検索の愼重を欠く点から,「
接な関蓮を張序し,殆んどすべての胃癌は慢性
一般的の支持を得ていない現歌である.
胃炎を母地とするかの如き結論を発表した.本
さて,今若し日常外科的に切除される胃癌の
読には賛否未だ牛し,余等も胃炎が直接癌の発
癸生母:地が判明し,夫々の母地から発生する胃
生母地をなす如き見解には賛意を表し難いが,
癌の頻度が推定され得るならば,とれは胃癌の
慢性胃炎に継発する粘膜の変化,殊に化生は飾
治療上のみならす,予防上に向っても極めて重
る程度迄胃癌発生母地として重要覗すべき位置
要な示唆を与えるものであろう.
を占めるものと考える.以下胃炎:癌という文字
既に1925年にOrator 53),1931年にPuchert 53)
を使用するが,これは必ずしもKolljetznyの
は数例の症例についてではあるが,胃癌周囲粘
いう意味としてではなく,ポリープ,潰瘍,迷
膜の変化が,すべて軌を一にするものでなく,
暗組織等を母地とする∼二となく,胃粘膜より直
症例により著しく異なる像を示すことに着目
接発生した胃癌を意味するとととする.
し,との所見をとらえて原発性胃癌と二次性胃
私は職前,戦中,職後を含む1938−1950年に
癌との判定に利用し得べきことを示唆した.又
亘る当教室に於て切除された総数280例の胃癌
Bru㎜and Pearl lb(1926)は腺腫,ポリープよ
の標本を精査し,それぞれの症例が上述の四つ
りの癌化に関し考察を加え,萎縮性胃炎より肥
の可能なる母地の何れから発生したものと考え
厚性胃炎:の段階を経てポリープの形成を見た症
るのが最も適当であるかの問題を,病理組織学
例を報告し,Anschtttz u. Wanke 3)(1931)は完
的に検討しようと試みた.一方叉それらの標本
成された癌から逆に潰瘍癌の判定が可能なりや
の示した肉眼的所見或いはそれらの症例につい
否やの問題を検討した.
て調べられた臨床的野検査の結果と,病理組織
1921年:Konjetzny 37)は初めて慢性胃炎が胃
学的の変化との間に何らかの関連を附し得るか
癌の発生母地として極めて重要な意義を有すべ
の問題を検討し,一定の結論を得たと信ずるの
きものなることを主張し,次いで1938年に18年
でヒヒにヒれを報告する.
圏に亘る多数の自家胃切除材料を中心としての
第1章完成されたる胃癌よりその母地を推定し得るか
第1節 粘膜筋暦の態度
めに,鮮明に粘膜筋層を穿通しつつある早期の
第1項所謂慢性胃炎を母地と
像は比較的屡々遭遇し得られる所である(附図
する胃癌(胃炎癌と略称す>
第1).
K:or導etZny 37)の所謂慢性萎縮性:或》・は:萎縮増
叉ヒの種:病変が一層進展した場合でも,内腔
殖性胃炎を母地として癌が発生する場合に歴て
に面した部の壊死脱落による二次性潰瘍が未だ
は,基底膜を被って増殖せる異型性の細胞群は
形成されてV・ない場倉は,粘膜筋群は癌組織に
細胞集を形成しつつ粘膜下に浸潤増殖し,一路
よって切断されつづもなおその連続性を保持し
悪性化の途を辿ることは,かかる種類の初期癌
ているものである.この際粘膜回暦は迅速に粘
と自さるる標本の検討から知られている所であ
膜下へ進行した癌組織浸潤,円形細胞浸潤等の
る (Ewing 22), Moutier馬1), Pr加z 55), Sa五to 59),
ため,屡々全体として一様に挙上せられ,ヒれ
Verse 70), Dietrich 18),薄田65),鈴木64)).而も
と準行して著明に肥厚した粘膜下組織を証明す
かかる変化は時として比較的広範囲の粘膜に多
るのを常とする(附図第2).
中心性に起り,時としては孤立性に現われるた
胃炎癌は本来肉眼的に:Borrmann第IV型に
【36】
胃癌の発生母地に関する研究
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属し,潰瘍叉は腫瘤を作ることなく粘膜に滑っ
筋暦は一画周囲に圧排せられ上向の傾向は一暦
て禰塑性に拡がるのを特徴とするものである
が,癌組織の非雫等性増殖から屡々一部に壊死
顕著となり,殆んど垂直或いはそれ以上の角度
崩懸鯛を来し,その結果潰瘍を形成して,肉眼
この形の癌に凡ても勿論屡々先端が壊死に陥
をなして「はね返る」像を呈するものである.
的に:Barrmann:第III型乃至第II型(潰瘍型)
り二次的に潰瘍を形成するが,かかる場合でも
に移行するが,∼二の揚合に側ても粘膜筋暦の態
潰瘍辺縁の粘膜筋層が著明に上方に「はね返る」
度は極めて特異であって,多少の上向(癌組織
像を示すことによって,容易にその母地を推定
の辺縁近く迄大きな組織崩壊が起つた場合)叉
するヒとが出来るのである.
は下向の動揺を示しつつも,断端は後述するポ
更に叉かかる;場合に著明な所見は上述の如く
リープ癌や,一
ラ瘍癌め場合と著しく相違し,健
「はね返り」の態度を取った粘膜筋層に対する健
常胃粘膜及び癌組織の位置的関係であって,上
常なる固有筋暦に雫行ずる態度を示すものであ
る.従って癌性潰瘍の辺縁に於て,粘膜筋膜は
述の粘膜略暦を境として一側は健常なる胃粘膜
断端として露出せられた如き像をとる可能性が
(それは勿論後述するが如きポリープ癌に特有
多い(附図第3). 1
な辺縁粘膜像を示すが),他側は癌組織と画然
叉粘膜筋暦自体も四型癌の場合と異なり,著
と帰せらるる点である.特に最後に述べた所見
明な肥厚を示すか,然らざれば癌細胞集の穿通
は胃炎癌病竈の末端に射て粘膜筋暦が矛傑上向
又は淋巴管内栓塞により個々の通弊の分離した
の所見を示す如き場合に観て鑑別上製に重要な
如き像を示すヒとが多い.
意義を有するものであろう(附図第4).
第2項雫板歌或いは有茎性腺腫を母
∼二の形の胃癌に於ては,一般に粘膜筋暦の肥
地とする胃癌(ポリープ癌と略称す)
厚は著明でなく,叉筋繊維に解離を見ることも
胃に於ける良性腺腫の癌への悪変は1888年
ない.
Menetri6r 43)により初めて記載せられた.その
第3項 潰瘍の辺縁より発生せる
後Hauser 26), Wechselmann 73), Rosenbach u.
胃癌(潰瘍癌と略称す)
Dfsquを58), Met11engracht 49), K:onjetzny 37・38),
胃潰瘍の癌性悪変を想わせる像は既に1839年
Christopher 16),Chamberlain 15),Brunn and pear1
Cruverhierの病理図に図示せられているが,初
11),Dietrich 18), K:antor 32),本邦に於ても逢沢
2),:沓掛41,42),山川74),田宮67),石山31),土
期潰瘍癌の検索からHauserが1883年に与えた
病理組織学的規準は,今日に於てもなお判定規
肥20)等の類似報告を見,直腸癌に於ける同檬な
準としてゆるがざる地位を占めている.即ち潰
:事態の頻発は久留敏授39)の詳細報告された所で
瘍から発生した癌の場合の粘膜筋暦は,潰瘍辺
ある.かかる形の発生形式に属する胃癌は,元
縁に於て特有な下方旋回の態度を示し,あたか
来肉眼的にBorrmann第1型に属し,管腔に向
も辺縁に向って著明に上向する固有筋暦と相擁
ってexpansiveな発育を営むものであって,粘
合せんとするような像を示すものであって,ヒ
膜筋層はポリープの中心部をなす結締織と共に
の像は:Neucomb 52)以下多数の学者の均しく重
大きく上方に隆起歌をなして「はね上る」形態
要冷する所である(附図第5).進捗した胃癌
を取るととを特徴とする.勿論早晩粘膜筋暦は
に於ては辺縁部粘膜筋暦自体も屡々切断せら
その先端より悪性化せる腺細胞群,腺組織によ
れ,多少の変化を受けるのは勿論であるが,な
り浸潤を蒙るが,もともとポリープ癌には腺癌
お且つその残像はヒれを追跡するに難くなV・の
が羅対多数で,癌化して後も浸潤性発育よりも
である(附図第6).
eXpansiveな増殖形態を取る傾向が強いために,
しかし乍ら屡々潰瘍の黒縁に於て粘膜筋暦の
粘膜下に浸入した癌組織の増殖に件って,粘膜
態度は多少その趣を異にし,峻急なる側(多く
【37】
652
木
元
噴門側)に於ては定型的像を示すととが多いの
潰瘍を形成する場合は,肉眼的にその母地を推
に反し,峻急ならざる側(多く幽門側)に於て
定するヒとは殆んど不可能となる.而も顕微鏡
は多種帰環の形態を取り,定型的の像を示さな
的には種々の条件の中特に粘膜明暦がその辺縁
い場合が少なくない.木塚35)が下方旋回像なき
に対して示す特異な態度によって能くその母地
症例として記載したような像は,主として斯く
に対し推定を加え得るものである.
の如き場合を示すものであろう.従って粘膜筋
は,胃炎癌,ポリープ癌の場合に比し少なく,
以上に述べた所を模式化すると附図第7の如
くである.かかる根本的差異に基因する特異の
所見を,更に以下に述べる他の所見と併せて考
そのものの上を癌組織,叉は比較的癌浸潤の彊
察する時は母地の判定は一層確実となるのであ
暦断端が直接癌性潰瘍の辺縁に愚拙するヒと
度でない粘膜組織,或いは再生上皮が覆い,そ
る.
の内方に潰瘍面が存するのを原則とする.しか
第2節 癌性潰瘍の底の示す変化
し乍ら癌の浸潤が更に進行し潰瘍辺縁を構成す
発生母地を推定するに当って,従来指摘され
る上述の組織が更に崩壊に陥る場合には,上に
て来た潰瘍底の変化としては,潰瘍底の清澤
述べた如き胃炎癌の型に類似した姿となり屡々
度,腓豚組織の多寡,底を構成する細胞の種
判定を困難ならしめるが,実際上は後述する如
類,血管並びに淋巴管の変化,貧血或V・は充血
く,潰瘍癌の浸潤形式は,潰瘍縁より初まって
の程度,固有筋層の存否,その態度,癌細胞の
旋回せる粘膜筋層の下をくぐり,或いはヒれを
浸潤形態等を挙げるヒとが出来る(附表第1).
穿通して迅速に粘膜下組織中を遠く迄浸潤する
今との中重要な2,3の事項について考察を加
:場合が多く,粘膜筋層の端の特有の像は比較的
えよう.
侵されすに遺残し,その走向を窺知し得る場合
=先ず腓豚組織については,Str・hmyer 63)は初
が多V・.叉辺縁は一方の側に於て強い破壊を蒙
め胃潰瘍より発生せざる原発癌に於ても叉浩化
る場合も,他側では厘々元の形で残存するヒと
性機転により癌病竈の脱落を見,その際併豚性
が多く,たとえ:繰る切片に於て薄縁共に崩壊し
変化の発生し得るヒとを提唱したが,ヒの種の
表っているような像を証明する場合でも,更に
仮説はOrator 53),:Finsterer 23)等;の響く反駁す
蓮続切片標本を以て詳細に検索すれば,どヒか
る所となり,後ヒれを徹回する必要に迫られ
に上述の像を示す部分を発見し,その母地を判
た.潰瘍底に於ける腓月邸且織の存在は,Hauser
じ得るものである.かくの如くにして特有な所
27)が初期潰瘍癌についてこれを指摘して以来,
見を全く喪失し,判定に困難を極める如き場合
SterDberg 61), Spilsbury 60),友田68・69),木塚35>,
は実際上極めて稀なのである.
綾部6),幅田24,25等の均しく重要覗する所であ
潰瘍癌の場合の粘膜筋暦は一般にポリープ癌
って,進捗せる胃癌に填てもなおその潰瘍より
の場合と同様,胃炎癌に見る如き著明削巴厚を
の発生を推定せしめる有力なる根拠の一つをな
示さないが,潰瘍の辺縁では粘膜筋暦が下方に
旋回を示す部に打て著明な肥厚を示すヒとが稀
すものと思考される.艮
次に固有筋層の断裂と,その断端の著明なる
でな叉(・と・の所見はAskanazy 5)が胃潰瘍につ
内層側への方向転換は’Hauser及び, Nα1comb
いて注意を喚起せる所に一致する.
52)の最も重要評した所見であって,初期潰瘍癌
さて上述の如く何れの変化を発生母地とする
を論じた:Buchner 11), KoDjetzDy 37), Mac Carty
場合も,増殖せる癌組織の壌死を原因とする二
44,46).H・rsley 29), Moszkowicz 50), Peyser 54),
次性の潰瘍が形成されない中に於ては,その母
Sternberg 61), Stoerk儒2), BueermaDn 13), Ffnsterer
地を判定するととは肉眼的にも又組織学的にる
23)3artlett 8),等の論文に均しくその存在を肯
決して困難ではない.∼遅れに反し一旦二次的に・
定された所見であるが,進捗した潰瘍癌に於て
【38】
胃癌の発生母地に関する研究
も,ヒの所見はなお・一般に明瞭に証明せられ
653
も亦,発生母地の推定に当り重要な根拠を提供
て,母地の判定に重:要な一役を担当し得るもの
するが,詳細は教室員山城の研究に譲る.
と信ずる.
一般に潰瘍癌に於ける周囲粘膜の肥厚は,
他の所見が充分潰瘍癌を疑わしむるに拘わら
GrUbchen,1・eiste11の肥厚と共に腺組織の増殖
す,固有筋層が完全に離断されていないような
を件うのを通則とし,少なく共後者に萎縮を証
場合,固有筋暦を構成する各筋が,一つの集束
明しないのが原則である.(肥厚性叉は肥厚増
をなして,内腔側に著明な方向転換を示す所見
殖性胃炎)に反し,ポリープ癌に於ては辺縁粘
を呈したならば,それは概ね標本作製の条件が
膜の肥厚はGrUbche11,:Leistenの肥大のみに由
最良でなかったものと考えてよい.即ち,切片
来し,腺組織は反って著しく萎縮するのを常と
が最初に存した潰瘍の部の中央を割面が通らな
し,時には完全に溝失して:さえいる(萎縮増殖
かったのではないかを疑い,再検査を行うべき
性胃炎).門閥:炎癌の胃粘膜に於ては,:Ko1〕jetzlly
である.
の張調した如くLeisten, Griibche11の萎縮と共
胃炎癌,ポリープ癌に干ては潰瘍を作った場
に腺組織の高度の萎縮或いは浩失を証明するの
合も,原則として國有筋層の態度は上述のもの
を原則とする(萎縮性胃炎).GrUl)chenの上皮
と全く異なるものである.即ち癌の進捗に憎い
細胞には勿論肥厚はないが,時として分枝,分
発生した潰瘍底の固有筋暦は,一般によく保持
芽,迂曲等の像を呈することもある(萎縮増殖
せられ,たとえ炎性細胞或いは癌細胞の浸潤を
性胃炎〉.
受ける場合も,その走向は方向転換を示さす,
斯くの如く母地を異にする三群の胃癌は夫々
よく本来の走向を維持するヒとが多V・.癌病竈
特有な辺縁粘膜像を件うものであるが,粘膜の
が高度に拡大し,癌浸潤が深くに及び,二次的
変化には移行型が多く,とれのみを以てしては
に発生した癌性潰瘍の拡大せる場合に於ても,
制定に困難な場合が少なくない.
癌細胞の浸潤により筋繊維の変性或いは幣束の
潰瘍癌に於ては潰瘍に近接する小範囲の部を
解離は著明となるが,固有門田全束としての方
取巻く粘膜には一般に著明なる肥厚が見られ,
向転換はなく,又解離せる筋繊維の間に一定の
との部では:Leisten, Grこibchenが肥大増殖する
秩序を認め得ないものである.更に進展の彊度
と共に,ヒれを覆う上皮細胞は高くなり,且つ
となった晩期癌で浸潤が固有筋暦の全部に及
原形質が薄染し,一方腺組織の増殖も稀ならす
び,筋層が殆んど変性消失するような場合であ
見られる.
っても,なお癌組織中に不規則に存在する筋繊
維を追跡し得るヒとが多Nへ とれらの所見は本
相当進捗した潰瘍癌で,異型化した上皮細
胞,炎症性の円形細胞の浸潤等により,粘膜深
来の潰瘍癌の進捗したものとの鑑別に充分な根
部の組織構造が凹い変形を蒙った場合に干て
拠を与えるものである.
も,なお且つ辺縁粘膜の表暦には高層にして,
叉胃炎癌に於ては,癌性潰瘍底の周辺部の固
薄染の円形細胞によって被覆された,1肥厚増殖
有筋暦の断端の境界が不鮮明で,固有筋暦の走
したLeistenの残存を認めるヒとは決して稀で
衆が一定の方向を示さないととも,鑑別点とし
はないのであって,かかる所見は胃炎癌の場合
て注目さるべきであろう.
にあっては殆んど観察されない所である.
以上述べ:た如き固有筋層に関する特異の所見
更に辺縁粘膜の完全に崩壌し去った晩期潰瘍
も叉腓豚組織の存否と共に母地の判定に有力な
癌に於てすら,潰瘍縁に続く粘膜の所見は,癌
目標を与えるものと思う.
による二次的影響を受けつつも,なお著明な肥
第3節 潰瘍辺縁粘膜の状況
厚性増殖性の像を呈するのが普通である.
癌性潰瘍辺縁並びに近傍に於ける粘膜の所見
然るにポリープ癌に於ては全く:事情を異にす
【39】
654
木
元
る.癌組織の崩壌による潰瘍の未だ発生せぬ段
を見たものと推定するのが正しいであろう(附
階のものでは,癌組織の所々に高い肥厚せる円
図第9,10).
柱細胞を以て被覆された,未だ癌化せぬ粘膜島
腸粘膜への化生は胃炎癌の場合の粘膜に最も
の介在を認めるヒと多く,癌性潰瘍を件う場合
著明であって,次いでポリープ癌,潰瘍癌の順
でも,朗述の如く「はね返った」粘膜筋暦を境
にこれを証明するヒとが出来る.
として一側に癌組織を認めると共に,その反対
化生に関しては今後研究を要すべき多くの興
側には上に述べ:たような性質を其黙する粘膜像
味ある問題を含んでいる.最:後に淋巴組織につ
を見るものであって,ヒの所見は胃炎癌と画然
いて一言しよう.
と区別され得る極めて特異な所見である.
Moszkow}cz 51B), Heyrovsky 30)は胃潰瘍に於て
なお潰瘍辺縁粘膜の充血歌況も時として診断
淋巴濾胞の多いととを指摘し,Borchardt 9)(86.
上に役立ち得る.即ち,Thiesenが∼これを指摘
4%),1)uchert 56)(86.7%)も胃潰瘍の胃粘膜に
し,友田68・69)も肉眼的所見として掌骨した如
大きな胚中枢を持つた淋巴濾胞の多いことを注
く,潰瘍癌に於ては充血が最も著明であり,ポ
意しているが,この所見は当然ある程度潰瘍癌
リープ癌∼これに次ぎ,胃炎癌にありては極めて
の判定に役立ち得るであろう.これらの点の詳
不鮮明である.
細は山城の論文に譲る.
Russe1小体の出現はBrunn and pear】1i),
第5節 癌病竈の増殖形態
Meulengracht 49)が,各々ポリープ癌の一症例に
癌野師の増殖形態は,その病理組織学的構造
ついて指摘した所で,ポリープ癌に歴ては比較
特に悪性度に関連して,いう迄もなく一様でな
的多く見られるようであり,胃炎癌とれに次
い.ポリープ癌型のものは当然腺癌が絶対多数
ぎ,潰瘍癌に於て最も少ないようであるが,ヒ
であって,eXpa1〕siveな増殖形態を取るのが原
の問題に関してはなお今後の詳細なる検索を必
則であり,胃炎癌は軍門癌が縄対多数で,浸潤
要としよう.
性の形態が原則である.潰瘍癌は腺癌型である
第4節 遠隔せる粘膜の態度
胃病竈より遠隔せる粘膜に於て各胃癌の鑑別
ヒともあるが,早くから輩下癌化の傾向を示
し,硬性癌的増殖の形態を取るとと多く,叉膠
に役立つ所見を求め得るであろうか.
様癌化の傾向も可成り顕著である.初期潰瘍癌
潰瘍癌,ポリープ癌に於ては,遠隔粘膜は概
について報・罪したAllschUtz 3),:KoDjetzny 37)は
して:正常の像を示すか,或V・は増殖肥厚性に傾
潰瘍癌は常に硬性癌なりとさえ言い,Orator 53)
き,胃炎は癌病竈部に限局の傾向を示すに反
は12例の潰瘍癌中7例が硬性癌であったととを
し,胃炎癌型のものでは,粘膜の変化は遠隔部
報じ,本邦に於ても友田68,69),木塚35),幅田
に至る迄広汎に萎縮性の像を呈する(萎縮性全
%・25)等ヒの読を支持するものが多い.私もヒ
胃炎).斯くの如く胃炎癌にありては粘膜の変
の見解に賛意を表し舞い(11例戦中10例は硬性
化は広汎であり,従って癌の発生は多中心性で
癌である).従って比較的初期の潰瘍癌の増殖
あって差支えな》・訳である.かかる見地から主
形態は,歩脚組織の存在と相侯って,極めて特
癌病竈以外の粘膜を精査すると遠隔の部に別
徴あるものである.胃潰瘍の辺縁に初発した四
個の初期粘膜癌を発見する場合がある(附図第
病i変は嗜んで,粘膜筋層の下方への屈曲の結果
8).叉主なる病竈がポリープ癌の像を呈する
狡隆となった粘膜下組織中に,速に浸潤して行
場合,遠隔粘膜を精査することによって,腺腫
くものの如くであって,この特異なる像は夙に
或V・は明らかに腺腫より癌化せると思われる小
Borrmann lo)の指摘した所である.底部胴氏組
さい別個の癌の併存を証明し得る場合がある.
織に対する癌細胞の浸潤は,腓砥細織の繊維の
かかるものは胃のポリポージスの上に癌の発生
方向に平行して,その聞隙を進行するヒとも叉
【40】
冑癌の発生母地に関する研究
655
極めて特異であり,幅田等の注意を喚起してい
自ら発育の形態を異にするのは当然であって,
る所である.
前者に対しては上述の如く,特異な浸潤性増殖
上述の如くポリープ癌の増殖形態は極めて膨
をなすが,他の部分に於ては屡々expansiveな
脹性eXpansiveであるのを特徴とし,ヒれに反
増殖形態も示し得るものである.従って癌組織
し胃炎癌は下町癌が縄対多数なる関係から,そ
の浸潤の方向と,その速力との関係は,比較的
の増殖形態は,干面的にも深部に向っても,比
初期の潰瘍癌の場合に於ては可成りの診断的価
較的一様な浸潤が特徴である.
値を:有するが,広汎な病竈の場合には大きな意
しかし乍ら潰瘍癌と難も,潰瘍底の陳男性の
義を置き難いものと結論出来よう,
併豚組織に対する三ど,Tl他(う組織た対するとでは
第2章過湿組織より発生せる胃癌について
胃癌発生母地としての迷入組織は極めて興味
併存した症例で,先にi教室の相野田1)が報告し
ある問題を提供している.胃壁に迷惜した副膵
たもので,故中村堕罪によって副膵の迷入とそ
に関しては:,古くEDge121)の記載以来, Klob
の癌性化と診断せられたものであるが,その後
36),、Zellker 76), Wagner 71),山極75),桂田34)等
の精査で発見せられた粘膜下組織中の迷入組織
多数の報告があり,最近では土肥19),叉敏室か
の像は寧ろ正常Blunner氏線に酷似している.
ら河崎33)の報告がある(附図第11).私の検索
他の2例は何れも食道粘膜の胃壁内迷入を母地
例中にはヒの外に未だ未報告の2症例が含まれ
て》・る.その中の1例は幽門輪の部に膵臓組織
として胃癌の発生を見たもので,一例は噴門部
で食道に近く存し,癌は扁ZF上皮癌で・あった
の迷入した例であり,他は幽門部近くの胃粘膜
が,他の1例は,噴門部食道に近くポリープ型
に迷入した食道粘膜の例である(附図第12).
の腺癌が存在すると共に一方幽門側粘膜に別個
前章迄に述べた三つの癌発生母地には,
に大きな扁雫上皮癌を証明した稀有な重複癌の
:Konjetznyの如く共通の原因を仮定する立場も
症例である.
あるが,ヒρ種の極端な所論には未だ多数反駁
Delhougne 17)は胃に於ける明野組織は,粘膜
の余地がある.何れにしてもとれらの母地の本
質的の相似点は,その後天的の誘因に重大な関
き,:Lauche 43>は副膵の諸種の形を系統的に表
連を有している点である.ヒれに反し迷入組織
示して,腸管の種々の凹形は畢寛と.れと関係づ
よりi漿膜下に至る胃壁各暦に存在し得ると附
を母地とした胃癌は,その原因に先天的な因子
けられる∼二とを,極めて適切に図示したが,若
を含んでいる点で,前三者と本態的に異なる点
し迷入組織が粘膜以下に存し,それが癌化した
を持っている.
場合を考えれば,その際の粘膜筋暦の態度は寧
さて完成した胃癌が埋入組織から出たか否か
ろポリープ癌の型に一致し,或る程度発育する
の判定が,病押部や癌組織の形態学的検索のみ
迄胃粘膜は殆んど変化を受けないであろうこと
からぼ,至難であるのはいう迄もな》・.明瞭に
は想像に難くない.従って附図第15に見るよう
その迷入組織の癌化を決定し得る如き場合は,
に癌の病児が粘膜下組織のみを占拠し,胃粘膜
むしろ例外であるとさえいい得られるであろ
は殆んど正常な外観を呈してこれを被覆するよ
う.私の検索例中にはかかる例外に属せしむべ
うな場合は,この種迷入組織よりの癌化を推定
き3例が含まれている(附図第13,14).その
グ
第1例は1個の腫瘍化しなV・迷入組織(後述)
するのが最も眞実に近いであろう.なお迷入門
ロ
膵よりの癌化を診断するためには,その母細胞
と,’各々の間に全く関連のない3個の癌病竈の
の癸見の外,癌を構成する細胞の特異性,特に
【41】
656
木
元
原型質が「エオヂン」に馴染する点微細なる穎
地の確認が困難なため,その発見が例外的にの
粒歌構造を有する点を証明すべきであろう.一
み成功するというのが滑歌ではなかろうか.
方迷入食道粘膜よりの癌化はすべて扁卒上皮癌
余等はこヒに癌化せざる押入組織の併存を確
の像を呈すべきことから,他の場合の癌との鑑
認し得たる例のみをヒの種の範疇に編入した
別は極めて容易であるべきである.
が,結論に拐げた分類困難の症例12例申の大多
実際上かかる迷入組織の癌化は我々の想像以
数はヒの種のものではないかと推定せられるの
上に多いものであろうに拘わらす,その発生母
である.
第3章検索の成績
第1節 検索例及び検索法
判定し,これを手術の行われた年代と対象して
検索した標本は一一部戦前の巡のを除き,大部分久留
その変遷を見ると,附表第二の如くなる.即ち
外濠教室に於て手術に依り切除せられたものである.
潰瘍癌41・4%,次いで胃炎癌41.王%,ポリー
総数280例に於げる検索であって,考察の便宜上手術
プ癌16.0%,畑野組織癌1。5%であった.而し
の行われた年代により,昭和17年迄の切除例を職工,
18年以降昭和20年に至る間のものも職中,21年より25
年末に至るものを戦後例として区別した.
検索法は原則として新鮮標本を病竈の反対側で噴門
より幽門の方向に開き,精密な肉眼的観察をなしたる
て潰瘍癌の頻度は戦前33.7%より職中42.1%,
職後47.6%となり,著明なる増加を示したこ
とを知る.
叉別に癌の発生部位,その大きさ,患者の年
後,これを10%フォルマリンに固定し,病竃の申央を
齢等と対比すると附表第3,4,5の如くなる.
通じて割を置き,割面の全域を組織標本となして観察
即ち先ず発生部位を幽門部小竿側(P。k),同じ
した.:又必要に応じこれと李行せる切片,或いは病変
く大轡側,(p.g),同じく前壁(P. V)及び後
に応じて適当な補助切片を作ってこれを検索した.
壁(P・H),小轡中央部(K:.M),胃体部前壁
組織標本の作製は型の如く,充分なる水洗の後,パ
ラフィン叉はツエロイジン包埋を行い,パラフィン切
片は通常8μ,ツエロイジン切片は通常15,μ,の厚さ
の切片を調製しこれに「ヘマトキシリソ・エオジン」
重染色及び山影繊維染色(Weigert氏法)を施して検
鏡した.これら検索と李行して胃潰瘍標本約20例を撰
定し,叉胃自体に癌,潰瘍の病竈を証明せざりし切片
.胃10例の標本と共に,その組織像を精査参考に供し
た.特にその中数例については,幽門輪より切除端に
(K6rp・V),同じく後壁(K6rp. H),及び大野
側(K6rp. g),噴門部(C.K)の9ツに分ち,
大きさについては肉眼的に癌置型の:最大径が
ヨ
3cm以下のものより,3.0∼5.Ocm,5.1∼7.O
cm,7.1∼10.Ocm及び10cm以上のものに分
け,年齢に於ても30歳以下のもの,61∼70歳,
41∼50歳,51∼60歳,61∼70歳,71歳以上のも
のに分け,その各々の発生頻度を調べると共
及ぶ小轡,胃前壁,後壁,大繊側等の広=汎な組織標本
に,既述せる胃癌の発生母地を推定するに,規
を作製し対象として観察した.本検:索に当っては,本
準とした病理組織学的な所見が,発生部位の各
学病理学宮田敢授の敢示を受けた点が多大である.こ
場合,年齢的高低,大きさの如何によって変動
こに特記して謝意を表する。
を来すや否やについて詳細に検索したものであ
第2節 検索成績
る.
第1項轡型癌の発生頻度とその
その結果は先ず発生:部位につV・ては:,各型の
年代的変遷,癌の発生部位,
癌共幽門小樽側に最も多v・が,その発生率は潰
大きさ,年齢等の間の関係
瘍癌36・9%,胃炎癌43.6%にして断然多く,
先ず第1章,第2章に述べたような病理組織
ポリープ癌では34.8%であったが,次いで多
学的の規準に基づいて:全症例の発生母地を学則
い部位は潰瘍癌では小門町央部の19.8%であ
【42】
胃癌の発生母地に関する研究
つたのに反し,胃炎癌では幽門後壁の16.3%
657
母地として発生し,二次的に変形を来したもの
に↓て,小轡中央部は9.0%にしか過ぎなかっ
と解釈した》・.IV型の例はすべて胃炎:を母地
た.
として発生したものと解さるべき条件を具備す
大きさについては各型の癌共,5.1∼7.Ocm
る.
のものが最も多く(潰瘍癌36.0%,胃炎癌39.0
第3項臨床的検索の結果と
%,ポリープ癌37.2%)唯ポリープ癌にては
7.1∼10.Ocmのものと同数であったことは悪
癌の型との聞の関連
性度と関怪して考える時興味深い点と思う.
その中でも病歴に基づきその発生母地を推定せ
数学的詳細は附表第7に示す如くであって,
年齢的には50∼60歳の患者が最も多数を占め
んとするヒとは,数例の特別な症例を除いては
ていたが,その割合は潰瘍癌に於ては41.4%
難中の難といえよう.参考迄に表中に揚げし%
に相当するが,胃炎:癌では46.3%の多きに当
は病理組織学的検索によって胃癌の型を類別
る.ポリープ癌では潰瘍癌同様41.8%であっ
後,強いてその病歴より母地を推定した比率を
た.次いで41∼50歳の症例が潰瘍癌,ポリープ
提げて見たもので,例えば胃潰瘍の悪変と推定
癌に於ては:,夫々34.2%,37.2%の多きに反し
し得るものは71%に過ぎない.これによって見
胃炎癌では,僅かに26.3%であった.
次に重要なととは病理組織像との蘭係である
ても病歴のみよりその胃癌の発生母地を推定す
るととは全く困難なことを知る.
が,何ら著明な差異を示していないことは第4
年齢については一部第;2項に於て述べた所で
章に述べる如くである.
あるが,各型の胃癌について50歳以下の比較的
第2項:BorrmaDnの肉眼的分類
年齢の低》・ものが幾%を歩むるかにつ》・て:調べ
と胃癌の発生母地との関係
た所,潰瘍癌に於ては48.6%にして殆んどそ
詳細は第6表に示す如くである,即ち,
の大牟が含まれるに反し,胃炎癌では37・2%
:Borrmann I型の胃癌例はすべてポリープを母
に過ぎなかったととは多少特異な点であろう.
地として発生したものと解釈せられる。1正型の
胃液に遊離塩酸を証明した比率は,潰瘍癌に
胃癌は:その56.8%は胃潰瘍を母地とし,25.0
於て最も高く (35.4%)胃炎癌に嘗てはそれ’よ
%は胃炎を母地として癸生し二次的潰瘍を形成
り低い(25.7%).
したもの,11.2%はポリープを母地として:同様
その外臨床的諸検査の結果と胃癌の型との間
二訳解に潰瘍型を呈したものと解さるべきであ
の男呼については,更に今後の検討,研究に侯
る.III型ではその25.6%は潰瘍を母地とし,
ち度v・.
48.7%は胃:炎を,19.2%はポリープを各々その
第4章総括及び考按
1.前世紀末より今世紀初頭にかけて潰瘍癌
く,ヒれらの数値は潰瘍癌の発生頻度の最小限
に関する研究は数多く,殊にその発生頻度を
論じた論文は極めて多数に上るが(Cabot and
界の意味を有するものであろう.換言すればこ
Adie 14),:Newcomb「2)の報告によるに1905年
瘍癌に相当する像を示すものが,たまたまどれ
より1915年間38論文,1915年中り1925年間22
論文の多きを数える).とれらが何れも初期潰
だけ発見されるかの数を表わすものに外ならな
瘍癌を対象としたものである∼二とは,冒頭に述
成された全胃癌の中で胃潰瘍を母地として発生
べた所であってAnschUtZ u. Wanke 3)のいう如
したものが幾何を占むるかの数を示すものでは
れらの数値は切除されπ胃癌標本の中で初期潰
いとV・えよう.即ち,とれらの数字は決して完
【43】
658
木
元
な》、のである.試にHauserの規定した潰瘍癌
についても略ヒ同様なごとがいい得られる.大
の規準を標準に取って,潰瘍辺縁にのみ確実な
きさについて:観察しても,3∼5Cmの小さい胃
る癌細胞の存在,特に潰瘍底に於ける細癌胞の
癌も10Cmに達する大きい胃癌も,母地を判
欠如の確認,定型的厚層なる腓豚組織並びに閉
定する根拠の上には著明な差異を示さないので
塞性動静脈炎の確認,固:有壁暦の定型的方向転
ある.年齢的関係について見ても略ζ同様であ
換断裂像の証明,辺縁粘膜に於ける粘膜筋層の
る.
著明な下方旋回像の確認等を目標として,教室
3.130rrmalmの肉眼約分i類とその発生母地
に於ける胃癌標本中の初期潰瘍癌の頻度を算出
との関係
すると,280例中11例の如き数となり,その比
:Borrmalmは周知の如く胃癌を肉眼的に4型
率(4.1%)は在来の多くの報告数値と大差な
に分っているが,今∼ニヒに:Borrmannの分類
いととを知る.いう迄もなくヒの数値は全体の
と発生母地との関連を見るに,附表第6に示す
胃癌切除例時に偶然遭遇し得られる初期潰瘍癌
如く:Borrmann第1型を呈するものは11例共悉
の例数を示すに過ぎないものであって,潰瘍か
くポリープ癌と制定さる黒きである.
ら胃癌が如何なる比率で癸生するかの数値或い
:Borrmann第II型を呈するものの過牛数91例
は胃癌の何%が潰瘍を母地としているかの数値
=56.8%は明らかに潰瘍病に属せしむべきであ
では即吟にないのである.然るに上述の如き私
るが,40例=25.0%は胃炎を母地とするもの,
の定めた判定根拠から上記全胃癌標本に対する
18例=11.2%は:ポリープ癌であると判定せられ
潰瘍癌の発生頻度を算出すると第2表に示す如
る.後二者は何れも癌組織の一部崩壊により二
く4L4%の如き約10倍の高値を示すので,そ
次的に潰瘍化せるものと解釈せられる.
の聞に著しい弓庭の存するのを知るのである.
Borrlnann第III型の外観を呈するものは,そ
の発生母地が多種多様であるのは自明の理であ
我々は勿論,我々の数値から世界人i類全体に
共通した胃癌の癸生母地の頻度を論じようとす
る、Borrmann第IV型は全部胃炎癌に属する
るような大それた意志を持つものではない.後
と解釈せられる.
述する如く,胃癌の癸生には人種的,地方的,
4.潰瘍癌発生頻度の年代的変遷
時代的に異なった複:雑多岐な因子が関蓮し,一
古来潰瘍癌発生頻度に関する数字が0%より
地方の賜る時代の少数の材料からその全般を推
100%に及び,殆んどすべての段階にあるヒと
は周知の事実である.この一見面妖なこと柄の
定し得るようなものではないヒとを知っている
からである,
原因として挙げられている所は,
2.附表第3,4,5に示した如く,個々の
1.病理学者と外科医との闇で検索材料に著
発生母地より発した胃癌の示す病理組織学的所
しい相違のあるとと.
見は,癌の発生部位,大きさ,患者の年齢等に
2.潰瘍癌の診断を与える病理組織学的規準
よっては著明な変動を示さないようである.
に対する見解の不一致.
例えば,潰瘍癌の部位的関係に於て,幽門部
3.臨床的事項,特に病歴を重要覗するか,
小唄側の胃癌も体部大轡側の胃癌も,粘膜筋暦
軽覗するかによる大きな差異.
の態度に関しては,何れも略ぐ同率に定型像を
4.癌の発生機構に炎症を重視する立場から
現わし(前者に於て70.0%,後者に於て75.0
潰瘍癌の独立性を否定せんとするKonje−
%),叉個有筋暦の態度に関して:は,両者共100
tznyの如き見解の信奉.
%定型的である.粘膜所見についても前者は肥
等であろう.
厚性癖は正常と見るべ:きものが97.5%,後者
私は以上の外になお次の如き2つの事情の介
に於ては75.0%の如き数字を示し,以下各項
在を指摘したい.
【44】
胃癌の発生母地に関する研究
(1)時代による変動
659
安等が精紳的弓に別て大いにその発生を誘発し
長期の湯船,自然災害等人聞の食生活,戦勢
たことも疑うべくもない.
生活に大きい影響を与える事態の出現は,時
かくて明らかに当地方に於て戦孚は胃潰瘍の
代的に胃潰瘍を多発せしめ,当然引続いて潰
多発を早い,必然的に潰瘍癌の頻発を惹起した
瘍癌の発生頻度を高め得る.
ものと推論し度いのである.
(2)地方的特性に基づく変動
既にNewco1・nb 52), Cabot and Adie 14)が指摘
塞冷にして長い冬期を逡る地方では,勢(熱
しているように,潰瘍癌の頻度を論じた90名の
性飲食物の撮取が普及し,而も刺戟i生嗜好物
研究者中より,第一次世界大職絡了後10力年間
特にアルコール飲料に対する欲求が高まる.
に現われた報告を取り上げてよ見う.窮乏最:も
これらの条件ば或.る程度胃潰瘍の多発を招来
甚だしかった敗戦国独乙と,職勝による繁栄国
し得るものと考えられる.
アメリカとの報告を比較して見るに,初期潰瘍
癌の頻度が独乙に於ては著明に高率を示してい
従ってかかる条件を,具えた過去10力理財の当
北陸地方の患者を対象とした当教室の材料で
は,当然他の多くの統計よりも潰瘍癌の頻度が
高くなり得るものと考える.若しヒの種の見解
るのを知るのである.
上記私の統計に於ても,職前,職中,職後を
比較するに,明らかに職申戦後を通じて,潰瘍
にして大過なくんば,將来同条件下にとった或
る特定の地方.理る民族に於ける,種類を異に
癌の多発を物語る如き数字の出たことは,正に
する胃癌(他の癌に関しても勿論同じ)の頻度
5.潰瘍癌に於ては,他型の胃癌患者の胃液
上記諸家の統計を裏書きするものとV・えよう.
の比較は,胃癌の発生原因の検討に大なる意義
に比して,その遊離塩酸の陽性率が最も高い.
を有し得るであろう.
抑々胃癌患者の胃液に於て,遊離塩酸の欠如
翻って,胃潰瘍発生の原因に関しては,今日
していることを以て,我々は胃癌の診断に日常
なお蝉茸なく,臨床的,病理組織学的或いは実
応用している所であるが,一方遊離塩酸を証明
験的研究を基;礎とした多数の仮説が行われてい
する胃癌,時には過酸症の症例が叉臨床上稀な
る.高梨の犬を用いた実験的研究からは米食と
らす経験する所である.との一見矛盾せるが如
刺戟性飲食物(アルコール,熱湯)との過食を
き問題の一端は,既述した如く,潰瘍癌,胃炎
重要平した.職時中に於ける当北陸地方住民の
食生活は,牛揚米麦を主とした不消化性食餌を
癌,ポリープ癌の各々に個有な胃粘膜の特性と
主とし,ヒれを補うに熱性飲食物特に自家製の
離塩酸の消長の原因の一部は,その胃癌の発生
不純なアルコール飲料を以て:した.とれらの食
母地如何による胃粘膜の器質的差異に起因する
考え合わすならば,胃癌患者に於ける胃液の遊
餌は正しく高梨の実験に使用した材料に髪髭た
ものと考えてよいのであるまいか.今後の研究
るものであって,潰瘍の発生に対し好適な誘因
に倹ち度v・、
をなしたものといえよう.一方過労,心痛,不
第5章結
論
エ 完成した胃癌からその発生母地を判定す
理の標本を精査し,特に粘膜筋暦の態度,辺縁
るヒとは,従来困難i覗されたが,一:方に於て:病
近傍粘膜の像,潰瘍底の所見,癌性浸潤の形
竈の極めて小さい癌が,その周囲に対し如何な
態,遠隔粘膜の像等を目標として充分な検討を
る関連を示すかを検し,.他方とれらの条件を充
加え,これを肉眼的所見ヒこに臨床的検査の結
分考慮に入れつつ,初期癌に属せざる多数の症
果と対照して,夫’々の症例の発生母地を推定す
【45】
660
木
元
潤した像を容易に認め得る場合がある.
る規準を樹立することに成功した.
規準として挙げらるべき重要な所見は,
a)先ず癌病竈の辺縁粘膜の粘膜筋暦の態度
e)遠隔粘膜は胃炎癌に於ては萎縮性汎胃炎
像が多く,腸粘膜へのMetaplasie(化生)
であって,潰瘍癌に曾ては下方旋回像が特
も強度であるが,ポリープ癌に於てはその
有であり,ポリープ癌に於ては蓮に胃腔に
程度が梢軽微で,潰瘍癌に於ては胃粘膜は
向ってはね返る態度を示すヒとが特有であ
.通常正常に近いか,或いは反って肥厚性の
る.これらに反し,胃炎癌に於ては通常健
ことも稀ではない.後の両者でも化生は胃
康な個有筋暦に平行する態度をとるもので
炎癌の場合に比較して軽度であるのが普通
ある.
である.
b)辺縁近傍粘膜は,潰瘍癌の場合には,肥
叉胃炎癌の周辺,遠隔粘膜に多申心性に
厚性増殖性胃炎の像を呈することが多く,
ポリープ癌に於ては萎縮増殖性胃炎像を,
小さな別個の癌竈部を見ることがあるし,
又胃炎癌にありては萎縮性:或いは萎縮増殖
のポリープ癌を、発見して,ポリポージスの
性の胃炎像を呈することが通常である.ヒ
母地の上に発達した胃癌であることを推測
の所見の外にポリープ癌,潰瘍癌に於て
し得る場合もある.
は,辺縁粘膜に充血を見るととが多いのに
反し,胃炎癌に射てかかる像を見ることが
f)迷入組織を母地とした胃癌であることを
結論するために,未だ癌化しない迷入組織
比較的少ない.
の一部を証明すること(例えば膵管組織叉
ポリープ癌の粘膜に良性の腺腫或いは別個
C)潰瘍癌については,潰瘍癌の場合には,
膵特等組織)は絶対的価値を有するが,こ
固有筋層の著明な方向転換切断像と共に大
の種の証明は寧ろ例外的にのみ可能であろ
小網膜等;を申心として著明な脱腿i組織の存
う。一般にこの種の症例では粘膜筋層の態
在を証明するのが普通であるのに反し,ポ
リープ癌,胃炎癌の場合には固有筋暦はそ
度はポリープ癌の場合に類似すべく,従つ
の走向を換えないで長く残存し,国辱組織
於ける繍生変化が極めて軽微で,癌組織の
を普通ヒれを認めない.叉潰瘍癌に於て
は,潰瘍部或いはその周囲の動脈に閉塞性
大部分が胃壁の粘膜外の黙る暦を限局して
動脈炎の像を証明すること極めて多く,叉
を考慮に入れ,充分な検討を必要とするで
時としてAskanazyが指摘した組織学的に
あろう.馬入食道粘膜より発生した癌は絶
異なった四つの組織像の形成がいとも著明
対多数扁亭上皮癌であるべき関係から,そ
に残存するのを認める.
の判定は寧ろ容易であろう.
d)ポリープ癌に於ては腺癌が多い関係上,
expaDsiveな増殖形態をとるに反し,胃炎
癌に潤ては輩純乎が多い関係上深部に向つ
て一様に浸潤する形態をとる.一般に胃炎
癌に於ては粘膜下組織,固有筋暦共に著明
て母地の判定の困難な場合の中,胃粘膜に
占拠するが如き場合には,この種の可能性
2.今以上の判定規準の上に立って,過去10
年間に久留外科教室に於て切除された280例の
胃癌の発生母地を判定すると,潰瘍癌41.4%,
ポ1」一プ癌16.0%,胃炎癌41.1%,迷入組.織
癌1.5%,不明4.3%の如き数字を得る.
に肥厚を呈していることが多い.
3.Borrman11の発表した胃癌の肉眼的分i類
潰瘍癌の場合にあっては,辺縁粘膜より
は,胃癌の発生母地の判定に関し可成り高い診
初まった癌性浸潤は,多く粘膜下組織中を
断的価値を有する.即ち工型はすべてポリープ
速かに遠く浸潤してゆくととが多い.底部
癌に属し,II型の節附数は潰瘍癌, IV型の殆
雄筆i組織に対して:は,腓豚組織の聞隙を浸
んど全部は慢性胃炎を母地とした胃癌と考えて
【46】
胃癌の発生母地に関する研究
661
惟される.今後も暫時の聞潰瘍癌の発生頻度が
差支えない.IH型中には種々の母地から発生
ゐ ゆロびヨ ニふいレずゆゆ が ゆくへ
な ヒびササリれつロ コアドリロ い ず ユゆ はや
他のものに比し高率を示すであろう.
した癌が混在する.
り ぴヰ ニニにみニがぬペヒ ア ニ
やおやゆ ぴねヨゆじレけ ねずけドアダ リ ほ ず
6.胃癌の発生母地を推定するに当り,臨床
4.発生母地と胃癌との聞の病理組織学的関
連に対し,発生部位,大きさ,患者の年齢等は
的諸検査の威績は縄対的の価値を有しなV・が,
重要な意義を有しない.
参考となし得る.
5.胃に於ける高度の潰瘍性病変は,職畑中
欄筆するに当り,終始御懇篤な御指導,御鞭燵を賜
当地方に於て蓋撚」ロし:たと考えら る・こ
わった恩師久留教授に対し,衷心より深甚の謝意を表
れに関連してム当敏室に鯉ゑ油画塑より戦
する次第である.
蝉吟蕊灘霞癌遡晦鍵:2なと思
文
献
1)相野田芳教:原発性同時性多発性胃癌2例・
一131(1893). 13)Bueermann W H.:
十至会雑誌.50,135−136(1947)・ 2)逢沢
Aclinical Pathological study Qf the carcinoma−
薫:胃ぽりぽ一ずす二就テ,慢性肥厚性胃炎及
tous gastric Ulcer, with particu!ar reference to
ソノ癌性変化二対スル知見・十全会雑誌・31,107
the grading oεmalignancy. West.∫. Surg. etc.
−149(1926). 3)Ans¢h五tz u. Wanke:
39,698−705,774−784(1931). 14)Cabot
Ueber das Ulcuscarcinom und das Carcinom im
Hand G. Adie=Etiologie of cancer oF the
Ulcus magen. Dtsch. Chir 234,424−465(1931).
sto加ach. Ann. Surg.82,86−108(1925).
4)Askanazy M::Zur:Pathogenese der Ma−
15)Chamberiain D T:Polyp oF stomach
genkrebse und 廿ber ikren gelegentlichen Urs−
as precancerous lesion. Surg. clin. N. Amer.
prung aus angeborenen epithelialen K:eimen in
18, 649−654 (1938)・ 16) Christopher.
der Magenwand.1Dtch, Med. Wsch.1,3−62,
F.:Malignant diffuse gastric polyposis. Ann
49−51(1923). 5) Askanazy M:言 ulcus
Surg. 玉06, 139−142 (1937). 17)
simplex rotundum. Henke u. Lubarsch,s Ha−
De盈hougne F.:曲er Pankreaskeime im Magen.
ndbuch.∀/1351−424(1926)・による.
Arch, Klin. Chir。玉297116−123(1924).
6)綾部正大:胃潰瘍癌の病理組織塾頭ビニ2,
18)Dietlich.:Gastritis u. Magencarcinom.
3ノ臨床症賦ニツイテ.臨床と研究.24,359−
Wien Klin. Wsch.1938,1玉26−1129. 19)
397(1947). 7)綾部正大:胃潰瘍二関ス
土肥清正:副膵について.東京医事新誌.36,
ル研究・日本浦化器病学会雑誌,46,6−11(1949).
3699−3706(1939)・ 20)土肥清正:消化
8):Bartlett 3 Cabot and Adieによる.
管癌腫と併存せせるポリープスに関する知見,特
9)]Borchardt H : 銭ber des Verhalten der
にポリープス前駆朕態について.附,直腸ポリポ
Magenschleimhaut beim Carcinoma Ventriculi,
・一
Wスの2例.癌.35ン503−544(1941)・
beim Ulcus Ventriculi und b6im Carcinoma ex
2ユ)E旺gel D.: Nebenspeicheldr置se. Henke
Ulcere. Virchows Archiv.275,790−811(1929).
u,:Lubarsch, s Handbuch. V/2259−275(1929).
10)Borrmann R:Geschwulste des Magens.
22)Ewing J.: The biginning oF gastric
Henke u.:Lubarsch,s Handbuch. v/I902−917
Cancer. Ann. Surg.67,715−724(1918).
(1926).・ 11) 正皇runn H and F. PearI :
23)Finsterer H.: chronische Gastritis und
diffuse gastric polyposis−adenopapi110matosis
Magencarcinom. Zbl. Chir.1937,160−163
gastrica. Surg. etc.43,559−598 (1926).
(1937)・ 24)福田重郎:胃潰瘍癌に関す
12)Bucher R:Beitrage zur:Lehre von
る研究.日本外科学会雑誌.43,708−709(1942
Karzinom, zur Casuistik und:Beurtheilung der
−3)・ 25)福田重郎:胃潰瘍癌について・
multiplen:Karzinome.:Beitr path. Anat.14,71
臨床医学,30,23−31(1942)・ 26)Hauser
【47】
662
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it
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-33)・ 53) Orator V. : Beitrage zur
33) :,ofmsbFXre : N il; UC V: as wa M・ iJ Ag cD 1 IPij v:D
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with Special reference to its relationship to
'
[ 48 ]
木元論文附圖 (1)
第 1 図
極めて初期の胃粘膜の悪性変化
(大○豊47」・♀)
1.割面を示す.
;5、蜘 ♂
「
∵轟
騨1
、賞=
旨購、
、管∫
=一
溜ゴ
譲㌶
こてやじ し
}晒1}qli耀1びllい{IP7}5りllll lP8ゆ妻llμlllj
》 }
2.切除胃標.本点線は割線を示す.
夏
訟
=野
7
『
一
血
必
コ蝋
ご
こ
ご
黛
鎚
ご
、 =r
T
ゴ
・ 、 ’ 一畷
罫婁ll韮Ll墾11絡IPI弓lil£loし1嚢講qjl\1翅5りξを遷IPII3}0『1霧『、
木元論文附圖
(2)
3.1の矢印の組織像(H・E・8倍)
1
餐
4.3の円弧の部の強拡大像(H・E・40倍)
濃染し, 多列上皮よりなる腺組織の
異所性変化をとりつつあるを示す.
磁趨1携縫襲 木 元 論 文 附 圖
(3)
第 2 図
胃
炎 癌 を 示 す
粘膜筋暦は切断せられているか点々として連続
1.胃炎癌に見る粘膜筋層の態度
性を保持し,全体として,固有筋層に牛験せる態度を示している.枯膜下組織及
ひ固有筋層は著明に肥厚す.又固有筋層の走向に変換を饗す,底部を一定方向に
走っている (黒○か○る,481・♀8・8倍) (ワイゲルト氏総力繊維染色)
2 胃炎癌における施膜筋層の連続性と粘膜下組織の著明な肥厚を示す なおII且管
の変化を離す Ol{○善○,47」・δ 88借, H E 染色)
〆
木元論文 附 囲
(4)
第 3 図
胃炎癌に於ける粘膜筋層の態度
粘膜筋層は固有筋暦にZF行しつつその断端を癌性潰瘍部に露出している.
粘膜筋層自体は肥厚し一部解離す.粘膜下組織,固有筋層共に肥厚著明な
るも方向転換なし.:叉血管壁の変化を見ず.
(申○喜O郎,45」・$・8・8倍,揮力繊i維染色)
q
・∵轡b轟ゆ蹄騨
ヂンリ
ゆ ズ ゆ
・ ♂.』裾欝瓦塗
。、、 麟識講
ポ∴論幽欝
づ 。禦ぎ
犠議
ご転画嚢
《’ 』 碗 毒 ,
も しな
繋欝,
∼/聾 ㌔歳、・
弘=章 レ 民P
せ べ を
粂『 3帆
て ん メ マこ ヒ ロノ
ギ あ タ にをコみい モ
鶴、ゑ轟露麹轟麟撫
木 元 論 文 附 圖
一
4図 ポリープ癌の辺縁の像 (5)
1粘膜筋層は胃腔に向って著明に「はね返
り」を示し,これを境として一側は癌組織,他側は萎縮増殖世のポリープ型の胃粘膜か椙
饗す癌は腺癌にして,膨脹姓増殖をなし,皮下組織の肥厚なく,辺縁においては固有筋
層,粘膜筋層か極めて接近す (盛○古O郎,38}δ HE十弾力繊維染色,96倍)
麹霧欝欝 ェ醸 懲細緊驚警馨讐驚讐, 、
。瀞.鍵門、 ・ ご響響転 乱㌶㌔
饗 ・講認ジひ烹/纒≧1滋瓢
譲1
い り ゆセヘ
羅 ビ .摯
ダ 5 ピ榊 諦 幅
避
灘蔑鰍
鍵 撃
」藤 洗
メ
麟驚セ
難;灘
軽薄 一名
タ め
趨 か逼犀轡蓄ビ
灘 轟
1 遮。
べ㌃ゴ爵、
よ 難 ・
脚 馨
施繍
翻瞬鍋
鄭 轟㍉
・蟻 今
凝
劉 。霧鰍幻
参\姦
酬
露1顯
轍継灘
警、懲
シ 粍瀞
攣 デ
三野三下灘輝。
迄 雫
蒙・ボ
護
㍉擁
遮h
・ ㌔! ,
卓 ♂転 棚
りぽ た
轍・融
ル
・露、 ・ _
撫馬
一偏・ 繍鰯瀞r〆寧
瀦騨麗郷 磐
簗
誰躯
獄 赤賦
ヨ ゼ サ
鰹薫艶鉱 鎌 酔・
2
相当進捗せろ段階のポリープ癌の辺縁における塩膜筋膳の態度 粘膜筋層は,癌組織
の侵襲を蒙りつつも,なお顕著に「はね返り」の像を示し,癌組織申にその残影を止
めている 癌は腺癌 薄膜下組織萎縮し辺縁粘膜にもポリープ癌型辺縁粘膜像を見
る (池○き○,38」 ♀ 8倍,HE十彊力繊維;染色)
木 元 論 文 附 圓
(6)
第5図 初期潰瘍癌(野Oは○,36」・♀・H・:E染色,72倍)
1.潰瘍の幽門側辺縁部を示す 他の債縷縷には,すへて癌細胞なし。↑印の部の膜粘下組織にのみ
限局して極めて小さい癌病変(膠様癌性軍懇懇)を見る 粘膜筋層は著明に下方旋回像を示す.
初期潰瘍癌 (大○武0,411ε11E染色,8倍)
2 潰瘍の噴門側辺縁部を示す 他の債凸部には,すへて癌細胞を詔めす ↑印の粘膜下
組織にのみ限局して小さい癌病変(般子臥細胞性腺癌)を見る 粘膜筋層は}方旋回
像を,固有筋層は債瘍底に向って方向転換断裂像を示し,債瘍辺縁,近傍粘膜には腺
組織のよく発達した肥厚性胃炎像を見る 淋巴組織本多い
麟 談
ドぷ v
晦
蚕,嚇、
鋳嚇語
惣 灘
録与。
《暖
窺 獅
艦
ほ
セま 竪枠 融
擾髪 艦が
縛
朗朗
宅 M
戸 一
ぞ ぜ
藤欝難
躰㌦
艶
距
裂/
曙竜ぺ、
/・
ま りかヘ
オ ない
, ♂ ら
∵峯
㌧. 》二
ア 〃旦
…↑ “
弓襲
響
.噛箋
豪灘
尋ψ脇
\叉搬㌶
葬 ぐ
譜_
窃躰唖 }
禽
ご∵・
㍗一 興
・擁
護 ビ 、
踏
峯 ダ
繰網
ズ難
嶺購
籔
木 元 論 文 附 圖
(7)
第 6 図
(得○あO,39」・♀・揮力繊維染色,4倍)
末期の潰瘍癌 辺縁粘膜筋層は著明な下方旋回像を示し,固有筋層は潰瘍底に向って方向転換をし,
潰瘍底において断裂す.潰瘍底には厚層な腓砥組織の形成を見るも,叉癌細胞の侵襲
強し,辺縁,近傍粘膜には著明なる肥厚,増殖性胃炎像を見る.
ま アコ
畿鋤
撫
ジね ノ ね ド
ヰぬタ へ ま マ
艶秘
隠、
菱
論
警
第 7 図
胃癌発生形態模式図
ハベリハへ れロバ
∫欝欝∵∴㌧帆凱、㌧W、懇
、㌧ノi ・ll{i;1ヒ、、:}・灘
! ↓ 、
諭臨識芝
lT ・i・ξ・・占li・奮、榔il…
↓ ↓
携総
蒸
.澄 湾
いも で ぞ
一汐鴨ぶ 凪鍛s
↓
1鍵蜂
_幽二_蕊_“_ k、 匁貯
↓ ↓ 饒』〆
コ鷺急1::懇懇憲灘.
↓ ,
↓ 教
へへ
“’h’響 舷鵬ゆλ㌧ ≧ 鶏
懸、
癖
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‘『 @ 酒脅∼ ゆτへ一理’ ヨi
ノ
山榊“ゐ。蕊扁義一.撫
、↓ 鮎 藤
一狐画{
ξ
縄盤箋㌃・
↑
ポリープ癌
↑ ↑
胃 炎 癌 潰 瘍 癌
↑
記入組織癌
木 元論 文 附 圖
(8)
第 8 図
胃癌の多申心性発生 写眞は割面を示す.
1.主癌より約4cm離れたる遠隔粘膜(0印)申に見られた,別個の極めて初期の粘膜癌.
(山○吉○門,54」.6)
2.上図○部の組織像(H・:E染色,40倍)
3.左.○部の強拡大(H・琶染色,100倍)
↑印は癌細胞を示す.
な
藤響鶏騨鞭霧楓
織曳獣 1灘漁
灘警
璽毒
慧・
購 》
噸、 鋭
鵡嫉
木元論文附圖 (9)
第 9 図
胃癌に併存するポリープ
1.一つの胃に2ケの胃癌(両者は組織学的検索において何ら蓮絡なく独立性なり)と2ケのポ
リPプ併存例.T1, T2:胃癌. P1, P2:ポリープ.(萄○清○,57j・δ)点線は割綜を示す・
、 甑 、項 ・ ハ
ゑ縮
織
ゐ
驚
轟
懸
繊紗で回妻捜》1響騨》旨醸i軋F∵骸脚∵・・∵熱・1≧・ 鞭i謬・績i婁轡二1磯ビ購・・べ・㍉至・・
1ノ認撫
・鶏
2・上.↑印P2の組織像.ポリープの先端は既に悪性変化しつつあり.(H・E染色,8倍)
木元論文附圖 (10)
第 10 図 胃癌に併存せるポリープ
1.胃癌と併存した悪性腺腫(中O喜O郎,45j・δ・H・E染色10・4倍)先端は既に癌と同じ構造を示して
いるが未だ著明な浸潤性発育を示していない.粘膜筋層は胃腔に向って「はね返り」を示している.
2.胃癌の色辺に見られたポリポリージス.その主なるものは既に悪性変化しつつあり.
(坂○他○郎,601・δ・H・E染色,5・6倍)
木元論文附圖
(11)
第 11 図
幽門部胃壁内に迷回せる副膵
P=点線は割線を示す.(申○章○郎,221・♂)
鷺
擁遼
鵡
磐
三
越
鷲愚
繋㌦1汰‘画;轟
, 参
左図○印の部の組織像 (H・E染色,25倍)
同 ま:割 面 を 示す.
粘膜下組織申に膵線組織を認む.
木元論文附圖 (12)
第 12 図
幽門部近く,小匙側胃粘膜中に迷霧せる食道粘膜
1.切除を示す.(北○長○郎,541・6)
本症例にはこれと別個に比較的小さい癌腫併存す.(↑印)
奎
鵜
懇
へ’畦織
灘聡
羅
2.上・○印部の組織像(H・E染色,10.2倍)
寸 ぢ
3・左図翻印部の強拡大(H・E染色,35・2倍)
木 元 論 文 附 圖
第 13図
(13)
一つの胃に各々独立した3ケの胃癌(↑)と1ケの腺腫(わの併存例.
1.胃癌は胃壁内に迷入せる副膵より癌化したものである.
腺腫は:Brunner氏腺よりなる. (池○弥O,43 j.6)
三
ξ
婆
ζ
繕
雛
㌫,跨鳥ミ繍許
’讐舞擁㍉㌦ミ
鷺 . ’
暫纂冗≧ ’唖
∫ ㍗ 詳 臼 ご 戸舜
2ハ D婁
…
娠
{
舞ギ
2・上図・習癌の一つ(δ一δの部)の組織像(H・:E染色,6倍)
筋暦に浸潤した膵腺,排泄管の癌化像を認む.
4, .
ちチげまゆ ぢひヌ
冠隷講読訟5室
柳 .∼職
藩
考 擬
ミ無
ダ
鰹
獲
羅
奮
響電導磁議:理論
木 元論 文 附 圓
(14)
第 15 図
胃壁内灘入組織よりの癌化を疑わしむる胃癌例 (越○作○郎,54」・8)
1.業病竈部は粘膜下のみに存在し,これを被覆する胃粘膜には極めて小さい潰瘍が存在す
る外異常を認めない.点線は割線を示す.1,H,は下図割面の1,H,に相当す.
、 轟幽・
藪
心嚢
潮雲糊
濡
二
建議
蒙
「
鷺
=
=
鷺
磁
瓢、
窓る
壷1;
叢㌻
同上の割面を示す
ぐ .’瀧
蒜㌢
−電髪 沁
憲撃層 。
郎
1
輕 歪
イ∵滞∵簿勢
詮婦一’論一瓢謝騨・
2
2i;:
.i撃
か む
7
で渉
鷲・
「騨二∫
ρ島3 ㌔
峠
嗣こ
’
4》
ご腹
乙
磁
許
11
へ・
騒
сs ’窺
幾
繋灘戴慈騰羅瑚轟L撲ヨ1∼ll」燃灘灘蜂緋癒
尾
木元論 文 附岡
(15)
第 i4 図
粘膜下組綴中に迷入せる扁4立上皮より癌化せると思われる胃の扁2F上皮癌
辺繍’膜筋層はポリープ型の如く上方に「はね返り」を不している 粘膜
には熟明な変北を詔あない (山○栄○,31」・δ II:L:染色,8倍)
鍵欝講義騨
薄
、 、 轟
ま み
. 嘩鷺讃な
欝欝∵
驚ド∴射讃響
暴〆 二ざ∴
懸羅馬,
纏露ジ塊∴
だ
ヅ
懸瓢、
、職ぺぞ\懇懇
㌻覧
贈 、
無〆
劉二1∵噺礁∴ ベ
繋ぐ
遜㌔ピゴ
ザ 臓
@ ∴極物
戸
蹄噂 族 物 染
ピ な
、.
参柳 」 } 1炉ビ 帰 毫 一
ゆ ぽ
タ ル ^ 晦
欝欝 ミ
参
㌃
ボ 謝
㌻ _
ど
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欝
厚
㌦ 聾細
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轄
wタ 輝奪脚
メ
す
寧
㍗・、 3 ,
転 ♂
彦
灘臨㌦罫鉱甑
お
_!蝋
距“ 妊 多 甑 ㍉珍
663
胃癌の発生母地に関する研究
cancer of the Stomach. Proc. Roy. Soc. Med.
友田正信: 胃亜に十二指腸潰瘍の悪性i変化につ
15,25−29(1922). 61)Sternberg C.=
いて.実地医家と臨床.10,627−633(1933)・
Die pathologie des Magencarcinoms. Wien・
69)友田正信:胃及び十二指腸潰瘍の悪性変化
Med・Wsch.44,1411一ユ414(1930)・ 62)
グレンッゲビFト.11,8−10(1932). 70)
Stoerk O.: Zur Frage des Ulkuskarzinoms
Vers63 Ueber die Histogenesis des Schleimh.
des Magens. Wien. Klin. Wsch.38,347−352
autkarzinoms. Verhd. Dtsh.:Path. Ges.1908,
(1925). 63)Strohmyer F.:Untersuch−
95−99・ 71)Wagner B.:Henke u
ungen廿ber d訊s Ulkuskarzinoエn des Magens.
:Lubarsch,s Handbuch V/2259−275(1929)・に
:Beitr.:Path. Anat.54,1−67(1912). 64)
よる. 72)W董lson. L. B andW. C.
鈴木芳彦3Ueber das Fr廿hstadium des UIkus−
Mac Carty = The Pathological relationships
karzinom亀und den beginnenden OberH蕊chlichen
oF gastric ulcer and gastric carcinoma・Amer・
Schleimhautkrebs des Magens. Mittellungen Uber
J・Med. sci.コ38,846−852(1909)・ 73)
allgemeine:Pathologie und pathologische Amto−
Wechselmann L,.::Polyps und Carcinom im
mie.10,219−246(1939−1943). 65)薄
Magen−Darmkana1.}≧eitr. Klin. Chir.70,855
田七郎:胃癌の組織発生についての研究・.新潟
−904(1910)・ 74)山川章太郎3油断の
県衛生試験所研究報告.10,1−14(1950).
ならぬ胃ポリープ.臨床の日本.8,717−726
66)高梨利助:胃潰瘍の好発部位及び慢性潰瘍
(1940). 75)山極勝三郎:余が癌腫観.
となる理由について.日本医事新報.1942,2222
癌.2,309−319(1909). 76)Zenkfr F
−2224,2282−2284,2327−2329・ 67)田宮
A。=Nebenpankreas in der Darmwand. Virch・
知恥夫・野崎秀英:胃の良性腫瘍について.グ
ows Arch.21,369−376(1861).
レンツゲビー1・.9,557−589(1935)・ 68)
附表設 明
附表第1
癌性潰瘍の底の示す変化
附表第2
i発生母地を異にした各胃癌の発生頻度と
位,大きさ,年齢等との関係
附表第5
その年代的i変遷
附表第3
附表第4
ポリープ癌における各判定根拠と癌発生
部位,大きさ,年齢等との関係
潰瘍癌における各判定根拠と癌発生部
附表第6
130rrmaDnの肉眼的分類との関係
位,大きさ,年齢等との関係
附表第7
臨床的槍索の結果と癌の型との聞の関連
胃炎癌における各判定根拠と癌発生部
【49】
664
木
元
附表第1 癌性潰瘍の底の示す変化
潰
瘍
著明,非著明の差はあるが,必ず存在し,
丹翔氏組織
と細胞の
種類
炎
胃
癌
Askamzyの4層を形成す.表層より結締
高高細胞,肥脾細胞,肉芽層には結締織母
細胞,プラスマ細胞,白血球,淋巴球特に
一礼ヂン嗜好性白血球が四坐に見ちる
癌
ポリープ癌
証明せず.細胞の種類にも特有な
る像を見ず
胃炎癌の場合に
略ヒ同じ
相当進捗せる場合に於ても残存を
暗示する筋繊維の片鱗を止む,方
向変換なく多くは肥厚して底部に
詔む
心当進捗した場
合に於ても嚴存
するを詔む
“
(Redwitz, Askanazy,:Nicalaysen)時に紡
錘朕結締織細胞が著明に見られる
固有筋層
血管の変
化像
充貧血状
況
潰瘍底部
の清深,
汚繊その
他
多くの場合欠如する外,辺縁部に於ては特
有なる集束をなして方向転換するの像を見
る
閉塞性:叉は肥厚性,動灘脈内膜炎の像を盛
んど確実に認むる場合が多い.
一般に充血強し.潰瘍底より一定の距離に
整然とならんだ肉芽層の毛細血管像を見る
ことあり
一般に二二な感あり.淋巴管の新生増殖,
拡張を見ることあり.癌細胞浸澗と腓豚組
織との特異的な配列関係を見る
血管内膜炎像を認むことあるも,
一般に顕著ならず,周囲との関係
により,癌の侵襲に基づく二i欠的
変化を思わしむ時に反対に拡大,
充血を見ることあり
胃炎癌に略ヒ同
じ
特有なる規則性を詔め難し.時に
貧血,時に大小不同而も潰瘍底よ
り不規則な距離で雑然たる充血,
出血像を見ること多し
大小不同の血管
の拡張と出血を
見ること胃炎癌
の場合より一般
に多し
癌組織の二二し去ったという感を
いだかしめる如き不浄な底部像を
示すことが多い
時に未だ腺腫像
を見ることあり・
その他は胃炎癌
に類す
迷入組織よりの癌化による場合は,特異な迷入組織の片鱗を示す。特殊組織像の存在を捉えるこ
とあり.重要なる鑑別点なり
附表第2 発生母地を異¢した各胃癌の発生頻度とその年代的変遷
頻
度
年代による変遷
職 申
職 後
戦 前
1943一王945
1946−1950
4
3
1
(1・5%)
(3・9%)
(0・9%)
1938一ユ942
迷入組織癌
潰 瘍 癌
ポリープ癌
胃 炎 癌
計
111
30
32
49
(41・4%)
(33・7%)
(42・1%)
(47・6%)
43
14
13
16
(16・0%)
(14・6%)
(17・1%)
(15・5%)
110
45
28
37
(41・1%)
(51・7%)
(36・9%)
(36・0%)
268
89
備考=不明12(4・3%)総計280
【50〕
76
103
665
胃癌の発生母地に関する研究
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667
胃癌の発生母地に関する研究
附表第4 胃炎癌における各判定根拠と癌発生部位,大きさ,年齢等との関係
子
潰瘍底め所見
粘膜筋暦の態度
拠
非定
定型的 型的
分
計
:P.〕K:
.P・9
48
切断
清浄
部
P.∀
42
6【40
14
0
12・7%
:P.H
位
、に
分
P4
5
43
11
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7・1%
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18
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き
18
1
16・3%
類
大
13
手2・7% 92・8%
18
連 続
1
よ
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一一
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gl?弓%し.1%[76㌦ 、1411%185?婦18%lg}ll%18.呈%
発
生
筋暦の
汚臓
43・6% 87・5% 12・5%183・3% 10・4% 89・5%
14
辺縁粘膜
43
5 36
5.1∼7.0 39・0% 38
88・3% 11・6% 83・7%
1 42 142欠1141
2・3%lg7・6%ig7・6%lg5・3%
4
玉2・1%
26
2
37
4.6%
86・0%
6
13.9%
15
3
78.7%
7
21・2%
る
分
類
7.1∼10.0
10.1∼
21∼30歳
年
31∼40
18
0
11
10
1
5
0
10・0% i90・9%
5
18
5
13
6
i3
8
11
1
4
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1
215
7
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47
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7・8%
16
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18・.1%
9・0% 54・5% i27・2% 72・7%
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16・3%
3
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2
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6・3% 75・7% 14・2% 71・1% 28.5%71.1%
1
齢
に
18
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2g1 26 3 24 4
25!28欠1
26・3%} 89・6% 10・3% 82・7% 13・7% 86・2%lg6・5%
51∼60
51
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49
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46・3% 96・0% 3・9% 72.5% 17・6% 82・3%
分
類
71∼
16・3%
【53】
668
木
元
附表第5 ポリープ癌における各判定根拠と癌発生部位,大きさ,年齢等との関係
判
根
1粘膜筋層の態度
定
拠
分
的ね)
計
一調
十\
P.K
P・9
定(三
型はり
六
15
34・8%
4
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非
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一
88.3%
11・6%
13
2
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13・3%
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100%1
1潰瘍底筋層
著存
非
明
著
な在
明
7916%12。.1%
辺縁粘膜の所見
胃肥組縮 胃肥組常 両萎
小大織 小大織
者
窩との 窩との
共縮
の腺萎 の腺正
7913%1、3.1%6.弓%
腺
腫
の
共
存
20
46・5%
13
86・6%
2
13.3%
2
2
50・0%
50・0%
3
20・0%
2
5
33・3%
1
3
75・0% 25・0%
0
2
50・0%
10
66・6%
13・3%
発
生
部
位
に
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P.H
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分
K6rp・V
1
0
1
0
1
0
0
1
12
10
1
1
1
91・6%
8・3%
10
83・3%
2
11
27・9%
83・3%
8・3%
8・3%
7
4
100%
0
0
2
50・0%
0
0
1
1
2・3%
4
9・3%
3
6・9%
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K6rp.9
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さ
に
よ
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分
類
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1
3
66・6%
33・3%
33・3%
0
1
1
3
0
0
1
1
0
1
0
1
0
0
0
1
0
ユ
0
0
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1
1
1
2
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2
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2
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0
0
5
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4
25・0%
1
6・2%
7
43・7%
16
37・2%
2
12・5%
2
12・5%
6
39・3%
0
8
1
88・8% ,11・1%
15
1
14
93・7%
6・2%
75.0%
14
75・0%
2
12・5%
10
62・5%
2
12・5%
11
6
39・3%
12
68・7%
75・0%
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
コ
0
5
100%
0
31∼40
5
11・6%
41∼50
16
15
51∼60
18
16
61∼70
3
齢
2
2
1
9
8
23・2% 88・8%
11・1%
116
7.1∼10.0
1
2
33・3%
66・6%
2
2
50・0%
50・0%
2・3%
2
21∼30歳
に
1
cm
3.1∼5.0
0
58・3%
2・3%1
0∼3.O
10.0∼
年
1
4
100%
11・6%
1
3
2
40・0%
60.0%
13
3
0
0
5
100%
0
0
13
2
1
14
3
1
0
3
60・0%
7
37.2%
よ
る
41・8%
88・8%
2
11・1%
15
83・3%
3
16・6%
77・7%
16・6%
5・5%
9
50・0%
分
類
71∼
6・9%
1
1
2
66・6% 33・3%
1
0
3
1CO%
0
1
1
1
1
1
0
1
0
0
1
2・3%
【54】
669
胃癌の発生母地に関する研究
(掃留飽粛榊)
底Q嵐鼠
(闘…翠髄)
瞳Qi難目
(浄鱈思)
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(侍叔遷)
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