視 点 「子育て顧客層の住環境ニーズ の特徴と家づくりの方向性」 茨城セキスイハイム株式会社 代表取締役社長 寺内 勝 茨城県は、県北山間部を除きほぼ平坦な土地であることから、総面積が全 国24位であるにも関わらず、可住地面積は同4位と上位にランクされていま す。そのため宅地価格もそれほど高くなく、また土地柄などもあって、マイ ホームは戸建住宅が主流であるなど、戸建販売施工中心の当社にとっては比 較的恵まれた事業環境と考えております。 当社で初めてマイホームを購入されるお客様(一次取得者)の年齢層の中 心は、子育て顧客層とほぼ重なる30歳代であり、20歳代と併せると過半数 (54%)を占めています。従いまして、マイホームの購入動機として最も多い「子 ども達を良い環境で育てたい」に対し、如何に満足度が高い提案をできるか が、当社の経営戦略において重要な位置づけとなっております。 子育て顧客層のお客様の住環境ニーズの特徴は、生活スタイルを「お子様 中心」に据えることです。例えば、マイホームを建てる場所は、入学させた い学校等の「通学区」が最重要要素となります。また、マイホームの機能や 性能については、「(子ども達のために)健康・快適・安心・安全」な住環境 を求めます。加えて子育てや教育のための費用を捻出するため、出来る限り 光熱費を抑える「省エネ」も重要ニーズのひとつとなります。 そのような住環境ニーズに的確に対応し、ご満足頂くため、当社は様々な ご提案をしております。例えば、キッチンの脇に子ども達が母親と会話しな がら勉強できるスペースを設置した「お子様が賢く育つ家づくり」や、共働 き世帯が深夜に家事しやすい設計を施した「楽家事プラン」、そして、お子様 の健康を優先した換気空調システム「快適エアリー」などです。また、住宅 取得後に発生する費用を低減するために、LCC(Life Cycle Cost)の考え方 に基づき、他社より一歩先を行く、大容量ソーラーや蓄電池、高耐久部材で あるタイル外壁をご提案するなど、住宅取得後の負担を極力少なくするよう な取組みを実施しています。 当社の事業理念は「地球環境にやさしく、60年以上安心で快適に住み続ける ことのできる住まいの提供」です。お子様の世代はもとより、お孫様の世代や その先まで、安心して住まい続けることができる家こそ、本当に価値のある家 づくりの方向性であると信じ、今後も良質な住宅を提供してまいります。 16.3 ’ 3
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