継続活動企画書(scope of work)

産業競争力懇談会(COCN)2015年度推進テーマ
継続活動企画書(scope of work)
【今年度のテーマのタイトル】
ワイヤレス電力伝送の普及インフラシステム
【リーダー企業・大学・法人】
株式会社
東芝
【継続提案内容】
1.提案の背景・理由
ワイヤレス電力伝送(WPT)技術の実用化に向けた制度化、国際協調、標準規格化が順調に進められている中で、WPT
装置の普及を促進させるためには、一般ユーザが自分の家以外のどこでもいつでも簡単に充電できるように、WPT 用の
充電インフラを整備していくことが必要である。そのインフラ整備には、設置事業者が設備投資した資金を回収でき、更
に利益も獲得できるビジネスモデルを構築することが重要になる。2015 年度の活動では、その普及促進のために、現在
普及の進んでいる有線系充電システムとの整合も意識して、WPT システムコンセプトの明確化、そのインフラシステム
を活用できるビジネスモデル候補の選定、普及を進めるための協調的枠組みの提案、インフラシステム実現のための課題
の抽出などを行った。2016 年度も継続し、ユーザとなる事業者との連携できるビジネスモデルの選定、インフラシステ
ム構築に向けたより詳細な枠組み検討と具体的な実施計画の策定、その前段に実施する実証実験の具体化を行いたい。
2.産業競争力強化上の目標・効果
WPT 技術の実用化に向けた研究開発、制度化、標準規格化などの取り組みにおいて、現在、我が国は世界的に見て上
位のポジションにあり、この国際競争力を維持し更に強固にしていくことで国内産業が発展することが期待される。本プ
ロジェクトにより、普及促進のためのシステムコンセプト、ビジネスモデルを意識したイノベーションを加速化させ、新
たな産業創出を行い、将来の望むべき社会像実現に向けた新たな産業や雇用を創出すべく革新的な技術基盤に基づいた産
業力強化を行っていく。一般 EV/PHEV のみならず、マイクロ EV、電動バイク、電動カート、ロボット、工場内搬送装
置なども対象とし、我が国が世界一環境に優しく、世界一安全・安心で、高齢者が世界一元気になるスマートモビリティ
社会の実現に貢献できるものと期待できる。実用化、事業化の経済効果としては、2022 年頃において、WPT インフラ普
及により、WPT 付 EV/PHEV 普及率を向上させ、WPT 付の EV および電動パーソナルモビリティ市場として 5000 億
円~7000 億円規模(国内)、WPT インフラおよび充電サービスの新規事業として 3000 億円~5000 億円規模(国内)と
なることを目標とする。また、構築した枠組みをパッケージとして海外展開できるようにもしたい。
3.検討内容と想定される課題(政策、技術・システム開発、規制改革、人材育成など)
以下に、各検討課題についての 2015 年度までの結果、2016 年度の目標ゴールを示す。
①
普通充電 WPT インフラシステム普及のためのシステムコンセプト・ビジネスモデルの構築
2015 年度成果 :WPT 普及のための、インフラシステムのコンセプトを明確化した。また、そのインフラシステ
ムを活用でき、投資資金を回収でき、利益を獲得できるビジネスモデル候補を選定した。
2016 年度目標 :ユーザとなる事業者との連携によるビジネスモデルの精査と最終候補の選定。
②
普通充電 WPT インフラシステム普及のため枠組み
2015 年度成果 :インフラ構築を行い、普及推進させるための、協調的枠組みを提案した。
2016 年度目標 :インフラ構築・普及推進のための協調的枠組みの基本設計を実施。
③
普及に向けたロードマップの提示
2015 年度成果:段階的普及を意識したロードマップを提示、その第一段階として実証実験を実施することとした。
2016 年度目標 :実証実験 WG を立ち上げ、具体的な実施内容の提示と計画を立案。
④
インフラシステム実現のための政策上、技術上の課題の検討
2015 年度成果 :政策上および技術上での課題を抽出し、決定した WPT インフラシステムの実現を考慮して、そ
の重要度付けを行った。
2016 年度目標 :重要課題に対する解決策の提案。関係府省庁・関係組織と連携した提言のまとめ。
4.想定される解決策と官民の分担
産業界として、①WPT 実用化への技術課題、政策的課題をクリアすること、②標準化推進等により使いやすい WPT
を安くユーザへ提供すること、③産業界連携により WPT インフラ普及を促進すること、新サービスによりユーザへ新し
い価値・利益を提供することを使命として、社会に大きく利益をもたらすスマートモビリティ社会の実現に尽力する。
法制度整備、規制緩和、補助金制度など普及促進へのサポート、実証実験の場の利用やサポート、大学などの研究成果
の活用などの点において、関係府省庁と意見交換、協議等を行い、2016 年度において提言としてまとめる。
5.推進テーマ活動の想定活動期間
2016 年度上期 :
・ビジネスモデルの精査と最終候補の選定。インフラ構築・普及推進のための協調的枠組みの基本設計。
・重要課題に対する解決策の提案。
・実証実験 WG 体制を構築し、実証実験の内容の精査、絞り込みを実施。併せて、実施体制、計画の検討、課題お
よび対策の検討を実施。
2016 年度下期 :
・各検討事項について最終的な決定・策定。
・関係府省と役割分担等について検討し、提言・提案としてまとめ。
6.出口目標と提言実現の推進主体案
出口目標として、①インフラシステムのコンセプト明確化とビジネスモデル候補の選定、②普及のための協調的枠組み
の設計と実施計画策定、③実証実験の実施内容決定と計画策定、④普及のための重要課題の明確化と対策の提案、⑤関係
省庁との連携による提言・提案のまとめ、を想定している。インフラシステム構築の推進主体としては推進テーマ検討参
加メンバー各社を中心に新たに合同会社などを設立し、提言実現の推進主体とすることを想定している。
7.推進体制案
・リーダーおよび事務局:(株)東芝(実証実験 WG 担当などのサブリーダを置く予定)
・メンバー(会員ならびに非会員) :(株)IHI、インテル(株)、クアルコムジャパン(株)、(株)国際社会経済研究所、清水建
設(株)、昭和飛行機工業(株)、住友電気工業(株)、大日本印刷(株)、(株)ダイフク、TDK(株)、東芝デジタルメディアエン
ジニアリング(株)、トヨタ自動車(株)、(株)豊田自動織機、長野日本無線(株)、日産自動車(株)、パナソニック(株)、(株)日
立製作所、富士電機(株)、古河電気工業(株)、三菱自動車工業(株)、三菱電機(株)、矢崎総業(株)、ヤマト運輸(株)、 産 業
技術総合研究所、京都大学、早稲田大学、電動車両用電力供給システム協議会(EVPOSSA)
※上記の他に、ビジネスモデルに関わる特にユーザサイドのメンバーへの参加を呼び掛ける予定。