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平成 27 年度糸賀一雄記念未来賞
おおはら
受賞者のご紹介
ゆうすけ
大原 裕介氏(北海道当別町・36歳)
■現職
社会福祉法人ゆうゆう理事長、北海道医療大学客員教授
NPO 法人全国地域生活支援ネットワーク 代表理事
■経歴・活動内容
大学在学中に障害児の預かり事業を始められ、大学卒業後2005年にNPO
法人を設立される。2012年から社会福祉法人ゆうゆうの理事長を務めておら
れます。
大原さんは『「福祉」を「福祉」だけで成り立たせようとすることはむずかしい
し、おもしろくない。障害者や高齢者のためというよりも、かかわるすべての人
たちが大切にされるようなイメージで、福祉に関わることで地域が賑わい、地元
産業が活性化する。』そんな思いを持ちながら、障害者雇用の促進、福祉の魅力の
発信、福祉職員のネットワーク化などの活動を展開されています。
豪雪地帯である北海道当別町で、インフォーマルなつながりの中で、豊かな地
域生活を送るための支援活動をされており、子どもからお年寄りまで、障害のあ
るなしに関わらず、すべての人が支え、支えられる地域づくりを目指しておられ
ます。
チーム かなこ(大阪府大阪市)
■経歴・活動内容
代表の北村佳那子さんは胎児期のウイルス感染による後遺症により、レンノッ
クス症候群(てんかん)で低体温症などもある最重度の重複障害者です。彼女は地
域の小中学校で学び、大阪市立中央高校を卒業。大学進学をめざし、4年連続「大
学入試センター試験」にチャレンジ。高校卒業後、関西大学の「聴講生」として
2008 年4月から5年間学び、自主卒業されています。
「チームかなこ」は、かなこさんが地域で、自然にしなやかに生きる姿に触れ、
活動しようと集まった彼女と仲間たちの集団です。彼女が聴講生として通学して
いた2010年から「チームかなこ」としての活動を始めておられます
彼女が関西大学でのゼミへの参加、野球部主将や後輩たちとの交流など、学生
との関わりの中で、彼らの生き方、障害者への理解に大きく影響を及ぼすことと
なるなど、大学での彼女と学生との交流は、大学におけるインクルーシブ教育の
可能性にも少なからぬ影響を与えました。
2011 年 11 月、
「障害児を普通学校へ全国連絡会」全国交流集会(大阪)に「チー
ムかなこ」として「高校卒業後の進路」と題して発表。関大ゼミ生、関大ボラン
ティアサークルのメンバーとコラボレーションし、彼らとプレゼン内容を考え、
事例発表されており、参加者に衝撃を与えました。これらの取り組み以降、保育・
教育・福祉関係の職員研修や人権教育の講演依頼が増加しました。
現在、かなこさんは地域のグループホームで生活し、仲間と共に「チームかな
こ」として「重度の障害があってもいろんなことにチャレンジできること」
「共に
学び・生きること」
「ていねいに人と関わることの意味」を講演活動・市民活動を
通して伝え続けています。
今後は、地域での暮らしをいろいろなところと連携し充実させていき、今まで
の経験をより多くの人に伝えると共に、たくさんの人と出会い、多くの経験を重
ねていきたいと思っておられます。