福島・岩村選手兼任監督、「何 苦楚魂」を就活生に注入…後 期へ意欲 岩村明憲選手兼任監督【拡大】 野球の独立リーグ、ルートインBCリーグ・福島ホープスの岩村明憲選手兼任監督(36) が、3日に開幕(新潟戦、福島・開成山)する後期へ向け、巻き返しを誓った。東京都内で 行われた大学の野球部員を対象にした就活(就職活動)イベントで熱弁を振るった岩村監督は座右の銘「何苦楚魂」を 就活生に注入。自らが率いるホープスも前期の最下位から這い上がり、東日本大震災からの復興の希望(ホープ)と なる。 ヤクルト、楽天、米大リーグ、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)…国内だけでなく、世界の大舞台で戦った 岩村監督の言葉に、就活中の学生たちは目を輝かせながらメモを取る。 「一塁まで全力疾走を怠った選手はレギュラーでも外す。なぜか? 社会で通用しないから。そのときにできる全力の ことをする。それだけは覚えておいてほしい」 前期最終戦翌日の6月30日、岩村監督はヤクルト時代の同僚で就職支援サービス「J.C.O.S」(野球の力)キャリ アコンサルタントを務める城友博氏(46)の依頼に福島から東京・新宿区へ駆けつけ、熱いトークを繰り広げた。 もちろん学生には、師匠である元ヤクルト監督、中西太氏から伝授された座右の銘「何苦楚魂」も注入された。 「意味は『何事にも苦しむことが礎となる』。『後に必ずプラスになるから今頑張れ、今苦しめ』が根底にある。デカイ人 間になるためには、困難があった方がいい。社会に出たら初めは困難が多いけど、自分のためと思って何苦楚魂と唱 えながら頑張ってほしい」 学生へのエールは自らへのエールでもある。福島は創設1年目の前期、東地区で8勝25敗4分け。最下位(4位)。 兼任の選手としての出場は6試合(14打数7安打、6打点)にとどまった。 「正直、目先の勝利にこだわりたくなるけど、勝利にこだわったら選手の将来が潰される。教育の課程で勝てば二重 の喜びになる」。勝ちたかったら自分がフル出場すればいい。そこを我慢し、若手選手を起用し、育てることが今の使 命だ。 後期での巻き返しへ向け、光明もあった。6月23日に行われた巨人2軍との練習試合に4-2で勝った。「選手には 『巨人というブランドに勝てるんだからやれよ』と言ったんだよ」と岩村監督。大きな自信を胸にホープスが後期に挑む。 (塚沢健太郎)
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