人権・多様性の尊重、活気ある職場づくり

マネジメント
環境への取り組み
社会との取り組み
〜 社会・従業員とともに 〜
人権・多様性の尊重、活気ある職場づくり
当社は、人権・多様性の尊重は持続可能な社会形成の原則であると認識しています。
この原則のもと、人材の育成、女性の活躍推進、
雇用の多様性・ワーク・ライフ・バランス実現に配慮した施策の導入などに取り組み、
従業員一人ひとりが成長する働きやすい職場づくりに努めています。
人権・労働慣行基本方針
■ 社内研修と標語参加実績(2014年度) 単 体
▶
社内研修と標語
G4-DMA
当社は、人権・多様性の尊重は持続可能な社会形成
の原則であると認識し、2015 年 4 月に人権・労働慣
行基本方針を策定しました。
参加実績
本社階層別人権研修
381名
事業所人権研修
334名
トップ層研修
(関係会社107社を含む)
118名
人権週間標語
(従業員・家族)
【 人権・労働慣行基本方針 】
1. 人権尊重は経営基盤であるとの認識のもと、人権問
題の解決に努めます。
2. 多様性を尊重し、一切の差別・ハラスメントを認めま
せん。
3. 国際規範や各国の法令・労働慣行を踏まえ、労働者の
権利を尊重し、雇用において差別的取り扱いを行わ
ないとともに機会均等に努めます。
4. 安全と健康に配慮した労働条件や職場環境の整備に
努めます。
5. 一切の児童労働および強制労働は認めません。
人権尊重
1,446点
● 人権に関する相談窓口の運用
全事業所に配置しているセクシュアルハラスメント
相談委員や人権啓発推進委員を通じて発生防止のため
の啓発活動や苦情対応などの活動を行い、明るい職場
づくりに努めています。
■ セクハラ相談窓口
社内
社外
全事業所にセクハラ相談窓口員を配置
(46名)
「21世紀職業財団セクハラ・パワハラ相談窓口」に
電話とウェブ相談による対応を委託
人材の育成と評価
▶
G4-58, DMA, HR2
▶
G4-58, DMA, LA10, LA11, HR2
人権・労働慣行基本方針の下、従業員一人ひとりの
当社は従業員を当社グループの持続可能な発展を支
行動の規範となる「行動基準」に、
「人権を尊重し、国
える最も重要な経営資源「人財」と捉え国籍や性別な
籍、性別などによる差別をしません」
「ハラスメントの
どにかかわりなく多様な個性・価値観を持った人材の
ない職場をつくります」などの項目を掲げ、従業員は
個々が能力を最大限に発揮するよう「人材開発基本方
もとより事業活動に関係する人々の人権を尊重するよ
針」に則る長期的な人材育成制度と公正な評価制度を
う取り組んでいます。
整備しています。
● 人権啓発活動
当社の人 権啓発活動は1981年から継続しており、
2014年度は381名が階層別研修に参加するとともに、本
社以外の事業所主催の研修にも334名が参加しました。
一方、社外で行われる講習会などにも積極的に参加し、
人権についての学びを継続しています。また、関係会社
の人権研修にも積極的に対応しており、2014年度の研修
実績は1社38名でした。さらに、関係会社107社に対し
て人権啓発の冊子配布や情報提供を行いました。人権週
間では、協力企業も含めた従業員およびその家族を対象
に標語の募集を行い人権啓発の推進に努めました。
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TAIHEIYO CEMENT CSR REPORT 2015
【 人材開発基本方針 】
社内外に通用する人材の育成を目指します
1. 人材開発はOJTとこれを補完するOFF-JTを基本と
します
2. それぞれの分野および階層において次代を担う後継
者を育成します
3. 常にグループ経営を視野に入れ行動する人材を育成します
4. 世界に通ずるグローバルな人材を育成します
5. CSR推進の積極的な活動を通じ、環境への配慮、社会
への貢献が出来る人材を育成します
6. 自己啓発により、意欲溢れる視野の広い従業員とな
ることを支援・促進します
品質・技術・
研究開発
公正な取引
● 人材の育成
情報開示
人権・多様性の尊重、
活気ある職場づくり
安全で健康な
職場づくり
多様性の尊重
当社は、階層別集合教育やグローバル人材の育成
等、全社横断的施策とともに、組織活性の礎となる
社会との
コミュニケーション
▶
G4-DMA, LA10, LA12
● 女性の活躍推進
「個」の能力開発に主眼を置いた仕掛けについても企
当社は、女性の積極採用と定着を促進し、仕事と
図し、自主性・自立性を醸成する個人学習の機会を提
生活の両面を自律的にマネジメントできる人材づく
供することによって従業員の伸長意欲をかきたて、仕
りと、それを後押しする社内制度を充実させていき
事や教育を通じて従業員がキャリアの柱を主体的に見
ます。この具体的な取り組みを加速させるため 2013
出す風土づくりを推進しています。
年 12 月には下記の目標および基本方針を定め、社内
また、全従業員を対象に年 1 回、自己のキャリア形
外に公表しました。さらに 2015 年 7 月には専任組織
成、希望勤務地、家庭の事情などを申告する自己申告
であるダイバーシティ推進室を設置するとともに諸施
制度を実施し、従業員が長期にわたって定着し、能力
策への女性従業員の意見を取り入れる場として女性
を最大限に発揮できる環境の整備に努めています。
ワーキンググループを発足しました。当社の女性従業
教育体系については当社ホームページをご参照ください。
■http://www.taiheiyo-cement.co.jp
CSRの取り組み→ CSRレポート→資料編
員比率は、2015 年 4 月時点において約 6.3%ですが、
2020年までに10%以上とすることを目指して、女性
の採用を積極的に行っています。「女子学生のための
仕事説明会」を実施するなど採用面での取り組みの結
期待人材像
人材育成の観点から、新生太平洋セメントの創出という企
業変革に向けた期待人材像と求める要素三点を次のとおり
果、G コース(総合職)に占める女性比率は 2014 年 4
月入社では約 20%、2015 年 4 月入社では約 40%と
女性採用比率は年々上昇しています。
とします。
当社グループの持続的成長を担う、自負と使命感に溢れた人材
❶成長戦略の推進役として
「豊かな構想力」
「逞しい推進力」
「アグレッシブな姿勢」を有する人材
❷グローバルに活躍できる人材
❸グループ経営に貢献できる人材
目標および基本方針
1. 目標
❶女性採用比率の向上
2014 年度以降Gコース採用における女性採用比率を
30%以上とする。
● 人事評価制度
当社の人事評価制度は処遇を過度に意識しない育成
型評価システムを導入しており、被評価者へのフィー
ドバックを通じて、評価への納得性を高めると同時
に、育成のポイントなどについて、評価者と被評価者
の間の意見交換をより重視する仕組みとしています。
評価・育成スキルのさらなる向上と評価者のマネジ
メント力向上を目的とする「マネジメント(人事評価)
研修」を 2007 年度より実施しており、2014 年度ま
でにのべ約 560 名が受講しています。
❷適正な人材ポートフォリオの構築
2020 年までに女性従業員比率を 10%以上とする。
❸女性管理職登用の推進
2020 年までに新任管理職登用に占める女性割合 10%
を目指す。
2. 基本方針
「多様な人材の発想、価値観によるイノベーションを促進
し、更なる企業価値の向上を目指して」
・適正な人材ポートフォリオの構築にむけて、女性の積極
採用(アトラクション)と定着(リテンション)を促進する
・生産性の向上と、多様な人材の能力を最大限発揮できる
組織を構築するためにワーク・ライフ・マネジメントを
推進する
TAIHEIYO CEMENT CSR REPORT 2015
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マネジメント
環境への取り組み
社会との取り組み
● 障がい者雇用の推進
刻繰上げ繰下げ)を制度化しています。
当社は、2000 年度に「障がい者雇用促進委員会」を
設置し、特例子会社を3社設立するなど改善に取り組ん
2014年度の育児休業取得実績は、女性5名(取得率
100%)・男性 5 名となりました。
できました。その結果、雇用率は着実に改善され2014
年6月の報告時点では2.15%となり、法定雇用率2.0%
を達成しました。また、年間平均雇用率でも2.17%と
なり8 年連続で法定雇用率を達成しています。
◦ 次世代育成支援対策推進法に基づく取り組み
「次世代育成支援対策推進法」に基づき、2005 年度
より「一般事業主行動計画」を策定しています。2015
2014 年度には、障がい者雇用のさらなる拡大のた
め、植栽事業を展開する特例子会社でビニールハウス
年度からは4 期目となる「一般事業主行動計画」を策
定し、諸施策への取り組みを行っています。
の増設を行い 2 名の障がい者を新規採用しました。そ
の結果、2015 年 6 月の報告は2.26%となり法定雇用
率を達成しています。
計画期間:2015年4月~2017年3月までの2年間
目標1 年次有給休暇の取得促進のための措置を実施する
■ 障がい者雇用率の推移
(各年6月1日の実績) 単 体
雇用率
(%)
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0
1.49
当社
1.93
1.85
1.65
1.69
2000
2.15
2.05
1.82
1.76
対策
2.26
2011
2012
2013
2014
年休奨励日の設定、年次有給休暇の計画的付与の実
施等により、年次有給休暇取得率の向上を図る
民間企業平均
目標2 働き方の見直し・仕事と育児の両立に資する多様な
労働条件の整備に努める
法定雇用率2.0%
(2013年3月まで1.8%)
0.82
一般事業主行動計画
2015 (年)
● 定年後再雇用制度
対策
労使による専門委員会等を通じた多様な労働条件
のあり方の検討を進め、ワーク・ライフ・マネジメ
ント実現のための労働条件整備に努める
● 柔軟な働き方の実現
当社の再雇用制度は、厚生年金支給開始までは希望
当社は、就業に関する様々な制度を導入し、従業員
者全員を原則再雇用し、支給開始後も労使で協定した
各々のワーク・ライフ・マネジメントを実現するため状
再雇用基準に照らして 65 歳まで再雇用することとし
況に合わせた柔軟な働き方の実現に取り組んでいます。
ています。また、再雇用先をグループ会社まで広げ
て、再雇用者の職場確保に努めています。
柔軟な働き方を可能とする主な制度
◦フレックスタイム制度
働きやすい職場づくり
◦裁量労働制度
◦年次有給休暇の半日単位での取得制度
◦特別積立休暇(有効期間経過後の年次有給休暇積立)
● ワーク・ライフ・バランスの取り組み
◦ 育児・介護に対する支援
当社では、育児・介護休業の当初 5 日間有給化や子
の看護休暇・介護休暇の半日使用を認めるなど、育
児・介護を目的とした休業・休暇の取得支援を行って
いるほか、休業を希望しない従業員に対しても支援す
る措置(フレックスタイム制・短時間勤務・始終業時
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TAIHEIYO CEMENT CSR REPORT 2015
◦リフレッシュ制度
◦コース別人事管理制度(地域限定勤務) など
■ 休暇および労働時間の状況
項目
年次有給休暇取得率
時間外労働
(月平均)
※ 暦年
(1~12月)
実績
単体
2012年
2013年
2014年
62.0%
68.6%
72.3%
17.3時間
17.5時間
17.7時間
品質・技術・
研究開発
公正な取引
● ボランティア活動の支援
情報開示
人権・多様性の尊重、
活気ある職場づくり
安全で健康な
職場づくり
社会との
コミュニケーション
会」
ならびに当社管理職を対象としたコミュニケーショ
当社では、2012年6月より「ボランティア休暇制度」
ンスキル向上のためのe-ラーニングを実施しました。
を制定し、従業員の自発的なボランティア活動を支援し
ています。2014 年度までにのべ28 名が取得しました。
従業員の状況
▶
■ 従業員の状況
(各年度末実績)
● メンタルヘルスケア
単体 連結
「労働安全衛生法」などに基づき、当社全従業員対象
のメンタルヘルスチェックを実施しています(2014
年度受診率 89.6%)
。また、メンタルヘルス不全予防
に主眼を置き、心身の健康の保持増進や自己健康管理
の具体的方法の習得を目的とした研修会も実施してい
女性
従業員
臨時従業員
従業員
臨時従業員
男性
98
7
1,204
367
G4-10
(単位:名)
合計
1,612
21
11,855
815
1,710
28
13,059
1,182
※ 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は年間の平均人員の外数
健全な労使関係
ます。従業員とその家族も利用できる太平洋セメント
▶
G4-11, LA8
健康保険組合が契約するカウンセリング等をはじめ
当社の従業員の労働協約の対象者に対する労働組合
としたメンタルヘルスサポートシステム(無料相談窓
加入率は 100%です。相互信頼・相互理解を基本と
口)の設置など、職場環境の改善に努めています。
した労使間における交渉・意見交換の場である「労使
協議会」
「労使説明会」を随時開催しています。2014
● 従業員意識調査
年度は 24 回開催し、いわゆる交渉だけではなく、会
従業員の働きがい向上のため2013 年度に出向者を
社業績の説明、賃金・賞与の改定、制度・規程の改訂
含む当社全従業員を対象に従業員意識調査を実施しま
等幅広いテーマを取り上げ、会社と労組が互いに意志
した。調査により「役員の考えの浸透、経営理念を意識
を疎通させることを目的としています。また、労使協
した行動」
、
「職場コミュニケーション」
が不十分との結果
議会の諮問機関として 4 つの専門委員会を設置し積極
が得られたので、2014 年度に全事業所で「役員と語る
的な交渉・意見交換を図っています。
■ 従業員意識調査結果
■ 専門委員会の目的
仕事
5.0
全体的な気持ち
(総合)
業務負荷
4.0
コンプライアンス
良好
及第
注意
問題
当社/全体
他社平均
3.0
職場
2.0
お客様志向
トップマネジメント
上司
人事制度
委員会名
目的
人事・処遇制度
専門委員会
人事・処遇制度全般についての見直し検討を目的に設置。
雇用・就業形態
専門委員会
雇用・就業形態が多様化する中で人事・労務管理の運用に
関する検討を目的に設置。
労働時間
専門委員会
労働時間および労働時間管理等に関する問題点、労働時
間法制に対する対応についての検討を目的に設置。
ダイバーシティ
推進専門委員会
雇用の多様化を進めていく上で必要となる諸施策の検討
を目的に設置。
経営層と従業員の直接コミュニケーション
コミュニケーション活発化推進活動の一環として2014 年度は「役員と語る
会」と題し、役員と従業員の直接対話の場を設けました。当社全事業所と関係
会社 2 社の合計全国 20カ所で開催し、1,072 名の参加がありました。
役員と語る会の様子
(左:上磯工場、右:関西四国支店)
TAIHEIYO CEMENT CSR REPORT 2015
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