環境科学科 カリキュラム・ポリシー 環境問題の解決への技術対応は、複数の学問分野にまたがる幅広い知識と技術が必要です。本学科では、第1に地球と人類が直面する環境問題につ いての正しい知識の習得と環境意識の向上を、第2にそれらを解決する手段としての知識・技術を修得させることを目指しています。そのため、以下 の3コースに示す分野のいずれかに主軸を置いた実践的な教育を行っています。 1. 学修課題 ① エコ化学コース: 以下の知識を有し、化学物質の環境への負荷や安全性などを配慮できる幅広い視野をもった化学技術者を養成します。 (1) 環境、物質、分析に関係する学問を基礎とし、地球温暖化を防止する二酸化炭素削減に関わる新型二次電池や燃料電池、大気・水質浄化に関 わる光触媒を構成する物質の創製技術。 (2) それらの物質が有する物理的・化学的特性の実践的な評価技術。 (3) 新型二次電池や燃料電池を構成する物質の開発などの工学的分野、コンピュータや最先端分析機器を用いた解析技術。 ② バイオ化学コース: 以下の知識を有し、かつ生態系環境の影響などを考察できる幅広い視野をもった技術者を養成します。 (1) 生化学を基礎とし植物などが生産するバイオマスの材料やエネルギーへの利用技術。 (2) 化学物質の生体への影響の分析評価や新規化学物質の創製などの医療・食品への応用技術。 (3) バイオマスエネルギー利用などの工学的分野、生物に作用する薬や有害物質などの食品・健康分野の専門的知識。 ③ エネルギー機械コース: 以下の知識を基礎として、エネルギー機械・機器の開発、設計、製造およびその適切な取り扱い方法に関する知識を有 する技術者を養成します。 (1) 化石燃料から太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーまで、様々な1次エネルギーを利用可能な高次のエネルギーに効率よく変換する エネルギー変換技術 (2) 2次エネルギーである熱や電気を無駄なく貯蔵するエネルギー貯蔵技術および機械・機器のエネルギー消費を削減する省エネルギー技術 (3) エネルギー変換・貯蔵・利用に関連する機械工学および電気・電子分野の基礎知識と、様々なエネルギー資源の特性に関わる化学工学分野 の専門的知識。 2. 学修計画 (1) 初年次は、環境科学への動機付け、イメージ獲得のための教育(必修科目:地球環境の化学、地球環境の物理、環境社会学、環境科学入門) と、この分野の専門科目を学ぶための基礎学力の養成と基礎的な実験科目(生活化学実験、物理学実験)に重点をおいた教育を行います。ま た、学生全員が基礎を身に付けるように、グループ担任がキャリア入門等で学習支援を実施します。 (2) 2年次では、主として専門の基礎教育を行っています。環境科学科では、2年次後期に学生の希望を聞き、3コース(エコ化学、バイオ化学、 エネルギー機械)に分かれるので、そのコース分けを考えて専門科目・実験科目の履修をするように指導します。ただ、視野を広げるために は様々な分野の知識・体験が必要なので、あまりコースにとらわれすぎないように指導します。 (3) 3年次では、コース分けした専門分野の基礎をより深く学ぶと共に、それらの応用領域の教育を拡充していきます。また、カリキュラム以外 で環境科学科の教員有志による、国家試験である公害防止管理者試験、エネルギー管理士、気象予報士、eco検定などの資格支援講座が行わ れており、就職や将来に役立てられる資格取得の支援も行っています(これらは1年次から受講できる)。以上のように、より深い専門分野 の学習、および卒業後にむけた学ぶ姿勢の強化を図っています。 (4) 4年次では、卒業研究により、特定の分野の専門性を深めると共に、新しい課題に取り組む場合の手法を体得します。地球と人類が直面する 環境問題についての正しい知識の習得と環境意識の向上、およびそれらを解決する手段としての知識・技術を修得させることを目指して、包 括的な指示のもとで自ら進めていくことを体験し、主体的な行動力を身につけます。また、自ら進んでより高度な技術、情報を獲得する習慣 を身に付けます。 (5) 主要な科目においてクオーター制を導入し、四半期に同じ科目を週2回集中して受講することで、学修効果を高めます(カリキュラム・マッ プ中で Q マークの科目) 。 3. 進路分野 本学科の卒業生は、エネルギー変換・貯蔵・利用関連産業、化学製品・化粧品・食品・医薬品関連産業での技術者、エネルギー資源関係の化学工学 分野の技術者、大学院への進学などの進路を選択しています。 環境科学科 カリキュラム・マップ 1年次 前期 後期 キャリア入門 環境科学入門 2年次 3年次 前期 後期 前期 後期 エコ化学・バイオ化学・エネルギー機械コース共通科目 キャリア概論 大気と水の環境学 地球環境の化学 Q 地球環境の物理 Q 環境社会学 環境の数学 コンピュータリテラシー1 キャリアデザイン演習 地球科学 キャリア設計 プレゼミナール 気象観測 インターンシップ リサイクル論 4年次 前期 教育目標 後期 卒業研究 化学のちからとエネルギー機械技術のちからにより 環境倫理 地球環境の生物 環境問題を新たなコンセプトで考えることのできる 技術者を育成する Q プログラミング演習 環境・化学 環境・化学 プログラミング基礎演習 Q コンピュータ演習 シュミレーション コンピュータリテラシー2 エコ化学コース 基礎解析演習 微分積分1・演習 or or 基礎微積分1・演習 基礎微積分2・演習 物理学1・演習 物理学2 化学1 化学2 二次電池を構成する物質の開発 線形代数1 最先端分析機器を用いた解析技術の修得 化学物質の環境への負荷や安全性の配慮 幅広い視野をもった科学技術者を養成 バイオ化学コース エコ化学・バイオ化学コース推奨科目 機械分析 生物1 高分子化学 高分子材料 有機化学1 有機化学2 有機化学3 無機化学 無機材料化学 物理化学1 物理化学2 生物2 エコマテリアル 電気化学 環境と電池 ナノ化学 生化学 化学生物学 食品化学 物理学・実験 生態系環境への影響などの安全性の配慮 幅広い視野をもったバイオ技術者を養成 数理生物学 エコ化学実験1 Q バイオ化学実験1 生活化学実験 薬・有害物質など食品・健康分野の知識の修得 バイオ材料 化学実験 エネルギー機械コース エコ化学実験2 Q バイオ化学実験2 エネルギー機械・機器の開発 環境科学実験 エネルギー変換に関連する機械・電気工学の修得 エネルギー機械コース推奨科目 工学基礎製図 基礎電気回路 電気実験 CAD基礎 機械CAD 工業力学1 熱力学1 熱力学演習 医療・食品に使われる新規化学物質の開発 電気電子工学1 機械力学 材料力学 流体力学1 流体力学2 熱力学2 伝熱工学 電気電子工学2 機械・機器の適切な取り扱い方法の習熟 幅広い視野を持ったエネルギー機械技術者の養成 設計工学 必修科目 エネルギー変換工学 化学コース必修科目 空気調和・冷凍工学 機械コース必修科目 エネルギー機械実験1 エネルギー機械実験2 キャリア科目 エネルギー機械演習 総合科目(A:人間の探求、文化の理解、社会の認識と人権、自然の認識と科学の方法、人間・社会・文化とコンピュータ、総合ゼミナール、B:語学、C:健康の科学) Q :クォーター科目 ディプロマ・ポリシー 本学科の教育は、化学と機械工学の広範な知識の上に、確固とした自分の専門分野を有する技術者を育成することを目指しています。そのため、各コースに 対応する技術者として必要な、以下の能力を有する者に卒業資格を与えます。 (1) エコ化学コース: 新型二次電池や燃料電池を構成する物質の開発などの工学的分野、化学物質の環境への負荷や安全性などを配慮できる幅広い視野を もった化学技術者。 (2) バイオ化学コース: バイオマスエネルギー利用などの工学的分野、生物に作用する薬や有害物質などの食品・健康分野の知識を有し、かつ生態系環境の影 響などを考察できる幅広い視野をもった技術者。 (3) エネルギー機械コース: エネルギー変換・貯蔵・利用に関連する機械工学分野の知識と、様々なエネルギー資源の特性に関わる化学工学分野の知識を基礎 として、エネルギー機械・機器の開発、設計、製造およびその適切な取り扱い方法に関する知識を有する技術者。 工学部 環境科学科 推奨資格 1. 環境社会検定試験(eco検定) 資格試験科目 1年次配当科目 前期 環境全般 〇環境社会学 エコバイオ・エコ化学 〇地球環境の化学 機械 〇地球環境の物理 2年次配当科目 後期 前期 3年次配当科目 後期 前期 後期 △地球環境の生物 ○:卒業要件必修科目 □:卒業要件選択必修科目 △:卒業要件選択科目 工学部 環境科学科 推奨資格 2. 気象予報士【国家資格】 1年次配当科目 資格試験科目 学科一般(注1) 2年次配当科目 3年次配当科目 前期 後期 前期 後期 〇地球環境の物理 〇熱力学1(参考科目) △熱力学2(参考科目) △流体力学2(参考科目) △流体力学1(参考科目) △大気と水の環境学 〇地球環境の化学(参考科目) 前期 後期 気象予報士講座(非正規科目) 学科専門(注2) 実技1・2(注3) (注1)予報業務に関する一般知識 ・大気の構造 ・大気の熱力学 ・降水過程 ・大気における放射 ・大気の力学 ・気象現象 ・気候の変動 ・気象業務法その他の気象業務に関する法規 (注2)予報業務に関する専門知識 ・観測の成果の利用 ・数値予報 ・短期予報 ・中期予報 ・長期予報 ・局地予報 ・短時間予報 ・気象災害 ・予想の精度の評価 ・気象の予想の応用 (注3)実技試験の科目 ・気象概況及びその変動の把握 ・局地的な気象の予報 ・台風等緊急時における対応 △気象観測 気象予報士講座(非正規科目) △大気と水の環境学 △気象観測 気象予報士講座(非正規科目) ○:卒業要件必修科目 □:卒業要件選択必修科目 △:卒業要件選択科目
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