コミュニケーションアプリケーションにおける 社会的グルーミングのコスト

コミュニケーションアプリケーションにおける
社会的グルーミングのコスト分配戦略
Strategy of Social Grooming in a Communication Application
高野 雅典 1∗ 福田 一郎 1
Masanori Takano1 and Fukuda Ichiro1
1
株式会社 サイバーエージェント
1
CyberAgent, Inc.
Abstract:
Human and other primates construct social groups. They do social grooming to construct and
maintain social relationships in the groups. It is important to construct and maintain social
relationships to survive and breed for human who is social animal. However human need to pay
costs of social relationships, e.g., time. Therefore human have strategies to distribute their costs to
be advantageous in their groups. This study aims to investigate the strategies of social grooming.
For this purpose, we analyzed users behavior in a communication application 755. As results, we
found that their behavior followed a constraint on social grooming cost, and we observed difference
of their strategy on the constraint.
1
はじめに
ヒトや他の霊長類は集団を構成し,その中で社会的
関係を構築し生活している.そのような集団の中で社
会的関係を構築・維持する手段を社会的グルーミング
と言う.集団のメンバーとの良好な社会的関係の構築・
維持は個体にとって非常に重要である.例えば,類人
猿において集団内で同盟関係を構築し集団内の他個体
よりも有利に立ち回ろうとするような振る舞いが見ら
れる [Byrne 89, Whiten 97].また,ヒトの重要な社会
的行動の一つである協調行動においても社会的グルー
ミングが重要な役割を果たした可能性が指摘されてい
る [Takano 16, Takano 15].
このように社会的状況において他個体から利益を得
るためには集団内で社会関係を構築・維持することが
重要であり,ヒトを含む霊長類は社会的グルーミング
に多くの時間を割いている [Dunbar 03].しかし,社
会的グルーミングに時間を掛け過ぎることは,食料の
調達や生殖行動といった生存や繁殖に関する時間を削
ることになるため,どのような相手に対してどのぐら
いの時間を掛けてどのような社会的関係を構築・維持
するかという社会的グルーミングの戦略は重要である.
したがって,その戦略は社会集団で成功するための能
力の一つとして進化によって獲得されてきたはずであ
∗ 連絡先:株式会社 サイバーエージェント
〒 101-0021 東京都千代田区外神田 1 丁目 18 番 13 号 秋葉原ダイ
ビル 8 階
E-mail: takano [email protected]
る [Barkow 95, Dunbar 00, Dunbar 03].
そのような進化の例としてヒトの社会的グルーミン
グの効率化が挙げられる.ヒトの社会集団は 150 個体
程度と推定され [Dunbar 00],様々な社会ネットワーク
で検証されている(クリスマスカード [Hill 03],Twitter [Gonçalves 11],Facebook [Arnaboldi 13c] など).
これは数十個体程度とされる他の霊長類に比べて際立っ
て大きく,ヒトは多くの相手と社会的関係を構築・維
持しなければならない [Dunbar 00].他の霊長類では
主に “毛づくろい” によって実行される社会的グルー
ミングは,大きな社会集団で生活するヒトにとっては
時間が掛かり,また,一対一でしか実行できないため
効率が悪い.そのため,ヒトは毛づくろいをすること
は稀であり [Nelson 07],時間や手間がかからない視
線 [Kobayashi 97, Kobayashi 11] や一度に複数人に実
行可能なうわさ話 [Dunbar 04] といった効率的な社会
的グルーミングの手段が進化したと考えられている.
このような社会的グルーミングによって構成された社
会的関係のそれぞれの強さは一様ではなく階層的である
[Zhou 05].その各階層は社会的関係が強い順に,Support Clique,Syapthy Group,Affinity Group,Active
Network と呼ばれ,そのサイズはそれぞれ平均して 5
人,15 人,50 人,150 人とおおよそ 3 倍ずつ大きく
なるというフラクタル性を示す.この階層性とその階
層性のフラクタル性は,オフラインの社会ネットワー
ク [Zhou 05]・オンラインの社会ネットワーク(Facebook [Arnaboldi 12], Twitter [Arnaboldi 13b])で検証
表 1: アプリケーションの基本情報.
2
分析対象アプリケーションの仕様
本研究では 755(表 1)というコミュニケーションア
プリケーションを分析する.アプリケーションの基本的
な構成を図 1 に示す.このアプリケーションではユー
ザはチャットルームを作成し,そのチャットルームで発
言をする.このチャットルームはいつでもどのユーザで
あっても作ることができる.チャットルームは 1 人以上
!"#$#%&'$())*!
#)**,6'/$?)0$!"#$#%&'$())*!
のユーザが参加し,ユーザの独り言であったり,参加
+,--)!
+,:!
ユーザ間の会話が投稿される.このチャットルームに参
./,0$@!
./,0$!!
加しているユーザをチャットメンバー(図 1 の User A,
+1$23!
#)670&';-&=)6/<<<!
./,0$>!
./,0$"!
B, C)と呼ぶ.チャットメンバーとしてチャットルーム
!
4))5$*)06167!
/, +,--)!
に参加するためには,チャットメンバーの招待が必要で
6
)
./,0$A!
./,0$#!
/B
(,
ある.そのためチャットルームの参加者は限定される.
#)670&';-&=)6/<<<!
./,0$>!
ただし,このチャットルームでの発言は全てのユーザ
8%&69$:);<<!
が閲覧することができる.
./,0$!!
チャットルームではチャットメンバーが発言する以
外にも,全てのユーザがコメントを投稿することがで
図 1: 分析対象アプリケーション 755 の基本的な構成. きる.このコメントするユーザをコメンター(図 1 の
User X, Y, Z)と呼ぶ.コメンターのコメントはチャッ
トメンバーの発言とは別の画面に表示され,チャット
されている.特に Facebook のデータを用いた研究では
メンバーはその画面からコメントを選択してチャット
社会的関係の強さの指標とした “コミュニケーションの
ルーム内で返信をすることができる.コメンターが他
頻度” がべき分布に従うことが示されている [Arnaboldi 12].
のコメンターのコメントに返信をすることはできない.
このような社会的関係の強さの階層性,階層のフラク
したがってユーザ間のコミュニケーションはチャットメ
タル性,ロングテール性は弱い社会的関係が多く存在
ンバー同士とチャットメンバーとコメンターの間での
する一方で,非常に強い社会的関係も存在するという
み発生する.本研究ではチャットメンバーとコメンター
大きな偏りがあることを示している.この各階層は変
のコミュニケーションに焦点を当て,特にコメンター
化の早さも異なり,社会的関係が弱いほど流動的にな
の振る舞いに着目する.
る [Arnaboldi 13a].
コメンターは次の条件を満たすユーザを対象とした.
“親密さ” はコミュニケーションの頻度が高いほど高く
755 上での社会的関係の構築に関して分析したいため,
なりやすく,また,時間経過と共に減衰していく [Roberts 11]
長期に渡って高頻度で 755 を利用している(初めての
ため,社会的関係を構築・維持し続けるには時間という
インストール後,コメントを投稿した日数が 100 以上)
コストが掛かる.そのため,社会的関係から得られる
ユーザに限定してサンプリングした.この条件を満た
利得と社会的グルーミングのコストを調整する戦略に
すユーザの新規インストール時から 202 日目までの各
よって,このようなスケールフリー性というパターンが
コメンターが各チャットルームにコメントしたデータを
創発したと考えられる.本研究ではこの社会的グルー
分析した.ただし相互のコミュニケーションが有った
ミングにおけるコスト配分の戦略についてパターンを
場合についてのみ分析するため,一度以上返信があっ
発見することである.そのためにコミュニケーション
たコメントーとチャットルームの組合せについて,初
アプリケーション 755 のユーザの行動履歴を分析した.
めてのコメントから最後に返信が有ったコメントまで
755 は次節で述べる特徴のため Facebook や Twitter
のデータに限定して分析した.
といった先行研究で分析されたソーシャルネットワーキ
この 755 というコミュニケーションアプリケーショ
ングサービスに比べ,情報収集・拡散や議論は少なく,
ンは他の SNS に比べ以下の特徴をもつ.
他愛のないやり取りが多い.そのためコミュニケーショ
• Twitter より閉じたコミュニケーションの場であ
ンそのものを目的とした利用が多いと考えられ,直接
る.あらゆるチャットルームの発言,コメントは誰
的な利害に基づかない社会的グルーミングに絞った分
でも見ることができる.しかし,Twitter や Face析がしやすい環境であると言える.
book のような登録したチャットルームの新規投稿
を一覧するフィードはなく,チャットルームの発
言を見るためにはチャットルームのページを開か
ねばならない.また,チャットルームに投稿され
開発・運営
アプリケーション名
URL
7gogo Inc.
755
http://7gogo.jp/official/
たコメントはそのチャットルームのチャットメン
バーしか返信できないため,そのコメントの閲覧
者は主にそのチャットメンバーである.したがっ
て,Twitter のようなオープンな情報発信・収集
という使用方法はされにくい.
このような特徴から他の SNS に比べて「他者との他愛
のないやりとり」に特化したコミュニケーションの場
であると言える.また,らない相手とも容易にコミュ
ニケーションを開始できるため,755 というアプリケー
ション上で新たに知りあって社会的関係が構築してい
く過程の全データを分析対象とすることができる.し
たがって 755 のデータは,情報収集や議論を目的とし
ないコミュニケーション(社会的グルーミング)の分
析に適している.
frequency
1e+01
1
10
100
d
図 2: コメンターの各チャットルームへのコメント投稿
日数の頻度分布.べき指数は 1.98.
Day 10
Day 20
1.00
1.00
0.75
0.75
p(t+1)
• LINE やカカオトークよりも新たに話しかけやす
い.全てのユーザはあらゆるチャットルームにコ
メントすることができ,全く知らない相手とも容
易にコミュニケーションを開始することができる.
1e+03
p(t+1)
• Twitter・Facebook やブログのような議論をしづ
らい.コメントは 200 文字という文字数制限が
有り,また,そのコメントに対して返信できるの
はチャットメンバーのみである.そしてその返信
に対して返信することはできない.したがって
Twitter・Facebook やブログで見られるような議
論に発展しにくい.
1e+05
0.50
0.25
0.50
0.25
0.00
0.00
3
6
9
0
d(t)
10
15
20
d(t)
(a) 10 日目
3
5
(b) 20 日目
分析結果
Day 50
Day 100
1.00
1.00
p(t+1)
p(t+1)
p(t+1)
p(t+1)
最初に分析対象ユーザの社会的関係において,先行
0.75
0.75
研究のような社会的関係の強さの偏りの存在につい
0.50
0.50
0.25
0.25
て検証する.社会的関係の強さについて多くの先行研
0.00
0.00
究 [Roberts 11, Arnaboldi 12, Arnaboldi 13b, Arnaboldi 13a]
0
10
20
30
40
50
0
25
50
75
100
d(t)
d(t)
ではコミュニケーションの頻度を指標としている.コ
ミュニケーション頻度が “親密さ” と高い相関を示す
(c) 50 日目
(d) 100 日目
からである [Roberts 11].そのため本研究でもコメン
Day 150
Day 200
ター i のチャットルーム j へのコメント日数 dij を社会
1.00
1.00
的関係の強さとして採用する.
0.75
0.75
0.50
0.50
図 2 に dij の頻度分布を示す.dij の分布はべき分布
0.25
0.25
になっていることがわかる.これは Facebook のデー
0.00
0.00
タ分析による先行研究 [Arnaboldi 12] と類似の傾向を
0
50
100
150
0
50
100
150
200
d(t)
d(t)
示し,弱い社会的関係が多く存在する一方で,非常に
(e) 150 日目
(f) 200 日目
強い社会的関係も存在していたことを示す.
次にこのような偏った分布になった要因について分
図 3: コメンターの各チャットルームへのコメント投
析する.図 3 に t 日目までにコメントした日数 d(t) で
稿日数と次の日にそのチャットルームにコメントした
あった場合に,次の日 t + 1 にコメントした割合 p(t + 1)
割合.
を示す.同図よりこれまでにコメントした日数 d と次
の日に話しかける割合 p は比例関係にあり,コメント
日数が多いほど次の日もコメントしやすいことがわか
j
と書ける.i がコメントしたチャットルームの総数を Ni
とすると
!
Ci = Ni ×
cij /Ni
(2)
j
=
Ni mi
(3)
となる.ここで,mi はチャットルームにコメントした
"
日数の平均 j cij /Ni である.したがって,コメント
のコストがチャットルームによって変わらないと仮定
し,全てのコメンターが分析対象期間内に支払ったコ
ストが等しいとする(C = Ci )と,C = N m となり
コメントした相手数 N は平均日数 m に反比例するは
ずである.このモデルをベースモデルと呼ぶ.
図 4 に N, m の散布図とベースモデルの比較を示す.
同図よりコメンターの N と m は基本的には C = N ma
(a = 1.37)に従うことがわかる.a はロバスト線形
回帰を用いて求めた.ここからコメンターのコメント
には時間というコストについて制約が存在し,それは
C = N ma であったと言える.すなわち多くの相手と社
会的関係を構築するのであれば,強い社会的関係を構
1000
C=Nm
N
る.このような比例関係に基づく “多いものがより多
くなるという過程” は Yule-Simon 過程と呼ばれ,べ
き分布の生成過程の一つである [Clauset 09].したがっ
て,このような社会関係が強い相手との関係をより強
化しようとする行動の傾向が図 2 のような偏った分布
を生成したと考えられる.
多くの社会的関係を持つほど,強い社会的関係であ
るほど,社会的状況において利益を得られるのであれ
ば,可能な限り多くの強い社会的関係を持とうとする
はずであり,そうであればどのような他個体に対して
も高い確率で社会的関係を構築・維持する(コメント
をする)はずである.ところが上記の分析では社会的
関係の強い相手との関係をより強くする傾向を示した.
したがって,社会的関係の構築・維持に関して社会的グ
ルーミングのコスト上の制約があり,その制約のもと
で(社会的状況において利益が高くなりそうな)社会
的関係を構築した結果,このような行動の傾向になっ
たと考えられる.
そこでこのコストに関する制約とそれに基づくコメ
ンターの戦略について調べる.まずコストに関する制
約をこれまでにコメントした日数(社会的関係の強さ)
と過去にコメントしたことのあるチャットルーム(社
会的関係のある相手)の数で説明する単純なモデルを
考える.どのようなチャットルーム j にコメントした
際の一日あたりのコストが等しいと仮定すると,コメ
ンター i の分析対象期間内の総コストは各チャットルー
ム j にそれぞれコメントした日数 cij の和
!
Ci =
cij
(1)
a
C=Nm
10
1
10
100
m
図 4: N, m の散布図.青線は log10 (N ) に対する
log10 (m) の回帰直線で傾きは −a = −1.37.赤線はベー
スモデルで傾きは −1.
築するコストを支払うことはできず,強い社会的関係
を構築するのであれば,多くの相手と社会的関係を構
築するコストを支払うことはできなかったことを示唆
する.また,この制約 C = N ma はベースモデルの傾
きよりも小さくなった(a > 1).これはベースモデル
の仮定(チャットルームによってコメントした際の一日
あたりのコストは変わらない)に基づく場合に比べて,
コメント日数が少ない(もしくは一度もコメントして
ない)チャットルームのコメンターは他のチャットルー
ムにもコメントしがちで,コメント日数が多いチャット
ルームのコメンターは他のチャットルームにはコメン
トすることは少なかったことを表す.コメンターの支
払ったコスト Ci が同程度だとすると前者はベースモデ
ルよりもコメントのコストが低く,後者はベースモデ
ルよりもコメントのコストが高かったと言える.した
がって社会的グルーミングのコストは社会的関係が弱
いほど低く,社会的関係が強いほど高かったことが示
唆される.
このようにコメンターのコメント行動は C = N ma
という制約に従うが,その制約のもとでコメンターの
社会的関係の構築・維持戦略には多様性が存在する.図
4 の曲線 C = N ma の水平方向は構築した社会的関係
の傾向を表す.これは狭く深い社会的関係か広く浅い
社会的関係の両者間の重視度合いという社会的グルー
ミングのコスト分配の戦略を表していると言える.そ
の分布を図 5 に示す.X 軸の値が大きいほど m が大き
く N が小さい深く狭い社会的関係を持つコメンターで
あることを表す.同図から極端な社会的関係の構築戦
略を持つコメンターは少なく,中間的な戦略を持つコ
メンターが多かったことがわかる.曲線 C = N ma 上
における中央値は,コメントしたことのあるチャット
謝辞
400
本稿作成にあたり,詳細なコメントと洞察に富む助
言を与えて頂いた阿南工業高等専門学校 制御情報工学
科 一ノ瀬元喜助教に心からお礼を申し上げたい.
count
300
200
参考文献
100
0
0.00
0.25
0.50
0.75
1.00
Strategy
図 5: 社会的関係の広さ・深さの傾向.0 から 1 の範囲
になるように正規化している.X 軸の値が大きいほど
m が大きく N が小さい深く狭い社会的関係を持つこと
を表す.
ルーム数 N は 94.00,それの平均日数 m は 4.19 であっ
た.以上のように C = N ma の水平方向の軸を考える
ことでコメンターの “社会的関係における広さと深さ
の重視度合い” という戦略を表すことができた.
4
まとめ
本研究ではヒトの社会的グルーミングの戦略に関して
知見を得るためにコミュニケーションアプリケーション
755 のデータを分析した.その結果,先行研究 [Zhou 05,
Arnaboldi 12, Arnaboldi 13b] と同様に社会的関係の強
さには大きな偏りが存在し,それはべき分布に従うこ
とが示された.それは強い社会的関係がより強くなり
やすいという Yule-Simon 過程によって生成されたと考
えられる.
この会的関係の強さやそれを構築・維持するための
社会的グルーミング行動の偏りを生成したであろう時
間的コストの存在が示された.その制約は社会的関係
を持つ他個体の数 N と社会的関係の強さ(コメント日
数)の平均 m に基づき,C = N ma (a = 1.37)で表
される.これは多くの相手と社会的関係を構築するの
であれば,強い社会的関係を構築するコストを支払え
ず,強い社会的関係を構築するのであれば,多くの相
手と社会的関係を構築するコストを支払えないコスト
上の制約が存在することを示唆する.また,社会的関
係の強さによって社会的グルーミングのコストが異な
ることが示唆された.それは社会的関係の構築・維持
コストは社会的関係が弱いほど低く,社会的関係が強
いほど高いというものである.
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