平成27年 - 第一工業大学

第一工業大学の社会貢献
研究・地域
研究・地域連携
連携シーズ
シーズ集
集
2015 年度
学校法人 都築教育学園
第一工業大学
第一工業大学は、「地域とともに歩む、地域に開かれた大学」を目
指し、地域の自治体、産業界、教育機関、市民団体等との連携活動を
積極的に推進し、地域に新たな価値を創造する地方創生に取り組んで
まいります。
「研究・地域連携シーズ集」は、本学の教育研究活動、産学官共同
研究・受託研究、地域づくり活動等の成果を分かりやすく紹介し、地
域連携活動の推進に寄与することを目的としております。純粋な工学
系分野に留まらず、医療、福祉、農業、食品、教育、まちづくり等を
含む幅広い分野について、本学が有する研究・地域連携に関するシー
ズを掲載しています。
「研究・地域連携シーズ集」の掲載内容にご関心をお持ちの方は、
下記お問い合わせ先までお気軽にご相談下さい。
<お問い合わせ>
第一工業大学
社会連携センター
電話:0995-47-0593
電子メール:[email protected]
第一工業大学 研究・地域連携シーズ一覧表
テーマ
(1/2)
担当学科
2015.9.26
分類
教員名
1 夏休み自由研究講座 「ロケットはなぜ飛ぶのだろう?」
航空工学科
教育(宇宙工学) 髙口教授
2 無人航空機の研究と防災・災害救助等への活用
航空工学科
航空工学
中村教授
3 身近な流体力学~その原理と応用
航空工学科
航空工学
齊藤教授
4 飛行機が飛ぶためには何が必要だろう?
航空工学科
航空工学
脇教授
5 最初期の宇宙と量子論
航空工学科
宇宙工学
古川准教授
6 航空遺産から未来への継承について
航空工学科
地域づくり
坂口准教授
7 PC活用によるペーパーレス教育の実施
航空工学科
航空整備
本田准教授
8 飛行機の仕事
航空工学科
航空整備
宮田講師
9 セスナ機の操縦席の移設
航空工学科
航空整備
瀧田講師
航空工学科
パイロット
寺町助教
情報電子システム工学科
地域づくり
當金教授
12 MF帯アイソレータの開発
情報電子システム工学科
制御システム
若井教授
13 人によりそうコンピュータ
情報電子システム工学科 知的情報ネットワーク
14 無線通信技術を用いた産業ロボット制御システムの研究
情報電子システム工学科
制御システム
斉教授、岡村准教授
15 マイコンカーラリー大会開催による高大連携
情報電子システム工学科
制御システム
岡村准教授
16 低電圧動作・低消費電力・高精度アナログLSI技術
情報電子システム工学科
制御システム
永石准教授
17 画像処理・画像情報処理の応用
情報電子システム工学科
制御システム
内村准教授
18 ICTを活用した機器・システムの開発
情報電子システム工学科 知的情報ネットワーク
19 植物油バイオディーゼル燃料の燃焼・燃料に関する研究
機械システム工学科
環境技術
板倉教授
20 リアプノフ法による非線形制御システムの安定解析
機械システム工学科
機械工学
宮城教授
21 車造りの生産技術
機械システム工学科
自動車工学
高野教授
22 発声障害者のための発生補助装置に関する研究
機械システム工学科
医療福祉ロボット 大惠准教授
23 感音性片耳難聴者用補聴デバイスに関する研究
機械システム工学科
医療福祉ロボット 大惠准教授
24 好熱菌を活用した高度リサイクルによる早期樹林化技術
自然環境工学科
環境技術
岡林教授
25 六次産業化に向けた新規きのこ栽培・加工法の開発
自然環境工学科
植物バイオ
吉本教授
26 きのこを利用した機能性食品の開発
自然環境工学科
植物バイオ
吉本教授
27 きのこ廃菌床を利用した各種作物の高付加価値化
自然環境工学科
植物バイオ
吉本教授
28 好塩性微細藻類を利用した東日本大震災被災水田の除塩
自然環境工学科
環境技術
吉本教授
29 六次産業化を企図した料理レシピブックの制作
自然環境工学科
地域づくり
吉本教授
30 地域の若者が地域で楽しむためのロックフェスの開催
自然環境工学科
地域づくり
吉本教授
31 デジカメによる写真測量
自然環境工学科
土木工学
田中准教授
32 土木遺産に関する調査・研究
自然環境工学科
地域づくり
本田講師
10 今後のパイロット不足に必要な教育環境について
11
限界集落等の高齢者に対するパソコン及びタブレット端末・操作技術の
出前指導
初鹿野教授
山田講師
第一工業大学 研究・地域連携シーズ一覧表
テーマ
33
楽しい水の実験(土木工学のすばらしさを知ろう)
~大人から子どもまで~
(2/2)
担当学科
2015.9.26
分類
教員名
自然環境工学科
教育(土木工学) 難波講師
34 地域遺産を活用した地域活性化
自然環境工学科
地域づくり
羽野講師
35 持久走の陸上教室
自然環境工学科
教育(スポーツ)
岩元助教
建築デザイン学科
建築工学
福島教授
37 木造住宅制振構造標準化を目指した制振デバイス(制振金物)の開発 建築デザイン学科
建築工学
古田教授
38 文化・福祉に着目した地域づくり
建築デザイン学科
地域づくり
河原准教授
39 既存RC造建築物の改修工事における調査研究
建築デザイン学科
建築工学
位田講師
40 不登校の理解と対応
共通教育センター
教育(心理)
切手教授
41 教育と福祉の協働、とりわけ英国の事例を中心として
共通教育センター
教育(福祉)
岩橋教授
42 生涯スポーツ(ソフトボール競技)
共通教育センター
教育(スポーツ)
竹下講師
43 PCの使い方
共通教育センター
教育(情報)
福永講師
44 政策立案ワークショップ
共通教育センター
教育(政策)
村岡助教
36
震災後の事業継続を考慮した施設計画
(BCP:Business Continuity Plan)
分野
教育
キーワード
ペットボトルロケット
夏休み自由研究講座
「ロケットはなぜ飛ぶのだろう?」
研究・地域連携
テーマ
航空工学科
髙口 裕芝
教授
Hiroshi Kouguchi
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
人工衛星は、天気予報を初めとして、位置情報(ナビゲーション)、携帯電話の利便性向上など、生活に
密接した大変有用な情報を我々にもたらしてくれます。大災害発生時には、いち早く災害の状況に関する情
報を得たり、通信手段の確保等、我々は様々な恩恵を人工衛星から受けています。
これらの人工衛星は所定の軌道に投入されて初めてその機能を充分に発揮することができます。人工衛星
を所定の軌道に投入するロケットとはどのようなものか?その歴史、飛しょう原理、飛行機との違い、ロ
ケットの役割について平易に説明します。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
(ロケットの歴史)ロケットの誕生から近代ロケットの幕開けとなったV2号、「こうのとり」を
軌道に乗せるために現在も運用されているロケットについて簡単に説明します。
⇒
⇒
(飛しょう原理)ロケットの飛しょう原理は、ゴム風船が飛ぶ原理と同じです。その原理より、
ロケットの推力はどの様にして発生するのか、どの様に求めることができるのかについて説明し
ます。
(飛行機との違い)飛行機は空気が無い環境では飛ぶことはできませんが、ロケットは空気が無
い宇宙空間でも飛ぶことができます。その理由そしてそれぞれが飛ぶ原理の違いを説明します。
(ロケットの役割)人工衛星の運用期間に比較すると、ロケットは大変短い時間でその役割を終
えてしまいます。それはロケットが持つ役割に大きな理由があります。その理由の説明によりロ
ケットの役割を説明します。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
鹿児島県は国内で唯一、大型ロケットを発射することができる本格的な打上げセンターを2カ所
有する自治体です。宇宙という実生活からかけ離れた空間に関係した事は、難しい、と、とかく
敬遠されがちだと思います。平易に説明してなじんで頂くことができれば、接する環境は身近に
存在しています。若い方々に身近に感じて頂き関心を持ってもらうことにより、より地元への関
心・意識が高まる効果が期待できると思います。
分野
航空工学
研究・地域連携
テーマ
中村 愼悟
キーワード
ドローン、垂直離着陸機、テールシッタ、
デルタ・スリー・ヒンジ、充電機構
無人航空機の研究と防災・災害救助等への活用
航空工学科
教授
Shingo Nakamura
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
航空工学及びヘリコプタ力学に基づく飛行機とヘリコプタの長所を併せ持つ無人垂直離着陸機を
研究・開発する。航空機の長所である長い航続距離と高高度飛行により、現場に出向くことなく観
測機器を十分に配備した定点から離島や山岳まで到達し、観測点ではヘリコプタの長所である空
中停止や低速飛行によって十分な観測を行なう。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
ヘリコプタのテールロータに適用されているデルタ・スリー・ヒンジをメインローターに適用して
ヘリコプタが前進飛行時に受けるフラップバック現象を回避すると共に、飛行モード(飛行機とし
ての水平飛行時)に於いては、風車として発電機能を有する。このことによって、バッテリー容量
(持続時間)を飛躍的に大きくすることができる。また、目的地までは飛行モードで飛行するの
で、高高度を飛行することができる。これにより、山岳地帯上空まで到達可能であり、雲の上を
飛行すれば、ソーラーパネルによる充電が可能である。さらに、飛行モードでの飛行は、マルチ
コプタのようなヘリコプタモードの2~3倍の航続距離を得ることができる。テールシッタタイ
プにすることにより、垂直離着陸時の翼の抵抗を減少することができ、ストレイクの採用によ
り、垂直離陸から飛行モードに移る時の揚力の減少を抑えることができる。これらの性能は、例
えば鹿児島県のように多くの離島を抱える地域では、いちいち現場に赴いて限られた機材による
不十分な観測を避けて、装備がそろっている固定の場所から飛行機モードで到達できる遠方まで
飛行し、送られてくる映像から必要箇所をヘリコプタモードで十分に観測することができるの
で、火山活動等の防災や災害状況把握やその救助に大きな威力を発揮することが期待できる。
フラップバック(頭上げモーメント)
の発生
意図的に翼上面
に渦を発生させ
ることにより、翼の
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
例えば鹿児島県のように多くの離島を抱える地域では、いちいち現場に赴いて限られた機材によ
る不十分な観測を避けて、装備がそろっている固定の場所から飛行機モードで到達できる遠方ま
で飛行し、送られてくる映像から必要箇所をヘリコプタモードで十分に観測することができるの
で、火山活動等の防災や災害状況把握やその救助に大きな威力を発揮することが期待できる。
分野
航空工学
キーワード
研究・地域連携
テーマ
齊藤 孝
流体力学、飛行機、紙飛行機
身近な流体力学~その原理と応用
航空工学科
教授
Takashi Saito
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
流体力学は、特に、目に見えない空気を対象とした空気力学は、われわれの日常を取り巻いてい
る現象にもかかわらず、数式にのみによってしか理解できない難しい学問であるという先入観が
あります。しかし「ベルヌーイの定理」と呼ばれる気流の速度と圧力の関係がわかれば、理解で
きる日常の現象が多々あります。ここではそれらの例を紹介します。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
流体の速度と圧力の関係を最も洗練したかたちで利用しているのが飛行機の翼です。なぜ、
A380のような560トンもの大型機が、推力30トンのエンジン4発で浮いて、飛ぶのでしょう
か。このような飛行原理と、あわせて尾翼の効果について、解説します。最近の無尾翼機につい
ての飛行安定についても解説します。また、無尾翼機である紙飛行機を製作し、調整することか
ら飛行の安定について実感してもらいます。
尾翼の働き
大型機 A-380
無尾翼の全翼機 B-2
折り紙ヒコーキ
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
鹿児島空港を擁する霧島市は、上空を行く飛行機の姿がよく見受けられます。地域の特性から、
航空(および宇宙)を支える技術に関心をもつひとが増えれば、関連企業の誘致や航空・宇宙に
ちなんだ地域振興への関心の高まりが期待されます。
分野
研究・地域連携
テーマ
脇 裕之
航空工学
キーワード
ペットボトルロケット
「飛行機が飛ぶためには何が必要だろう?」
航空工学科
教授
Hiroyuki Waki
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
自動車は地上を走り、飛行機は空を飛びます。両者に働く力はどのように違うのでしょう?飛
行機に働く4つの力を考えるお手伝いをします。また、飛行機は用途によって、大きさ、重量、
速度が異なります。飛行機の種類によって飛行機の特徴がどのように変わるのでしょうか?飛行
機の種類とその特徴を考えるお手伝いをします。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
(飛行機に働く力)飛行機に働く4つの力について簡単に説明します。
(飛行機の種類)いろんな種類の飛行機があります。下の絵は代表的な飛行機の種類です。それ
ぞれ大きさと速度が異なります。そのため飛行機の特徴も変わります。その特徴について説明し
ます。
軽飛行機 輸送機
戦闘機 旅客機
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
鹿児島空港は霧島市にあり、毎日多くの飛行機が行き来しています。飛行機について少し学習す
れば、毎日見かける飛行機がもっと身近になり、科学への親近感が高まることが期待できます。
分野
宇宙工学
キーワード
研究・地域連携
テーマ
古川 靖
初期宇宙、マルチバース
最初期の宇宙と量子論
航空工学科
准教授
Yasushi Furukawa
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
宇宙は膨張していることが観測によって知られています。したがって、時間をさかのぼれば、宇
宙には始まりがあったということになります。現代物理学によると、宇宙の誕生は何度も起こる
はずで、我々が住むこの宇宙は、そうやって誕生したたくさんのマルチバース(多宇宙)の一つで
ある可能性があります。さまざまな宇宙が存在しえるということの可能性や意味を考えます。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
観測によって、宇宙は膨張して
いることが知られています。つ
まり、かつて宇宙は点のように
小さいミクロな宇宙だったとい
うことになります。ミクロな世
界の物理学(量子力学)の性質で
ある不確定性原理によって、真
空にも量子エネルギーの揺らぎ
が存在します。時空にもそのよ
うな量子ゆらぎがあると予想さ
れるので、宇宙は何もない
“無”から時空の量子揺らぎに
よって生まれて、時間や空間を
発展させていると考えることが
できます。しかもその量子ゆら
ぎは常にあるはずなので、宇宙
の誕生は何度も起こり、たくさ
んの宇宙が多重的に生まれてい
るはずです。このような多宇宙
をマルチバースといいます。さ
まざまな宇宙が無数に存在する
と考えると、いくつかの重要な
宇宙の謎に科学的な説明を与え
ることができます。
宇宙の誕生と進
マルチバー
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
宇宙論は、生活の中で直接何なの役に立つわけではありませんが、宇宙の根源的な謎を解明した
いという好奇心は多くの人が持っています。このような謎に今すぐ解答を与えられるわけではあ
りませんが、未解決の問題や現代の宇宙観を知ることによって、宇宙に対する好奇心をさらに刺
激することになるでしょう。
分野
地域づくり
キーワード
研究・地域連携
テーマ
坂口 行治
南からの風
航空遺産から未来への継承について
航空工学科
準教授
Yukiharu Sakaguchi
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
2機共に1937年を初期設計とする航空機で曽於市財部親水公園における昭和27年日本の航空再開時
から羽田空港で活躍していた読売新聞社取材機の保存管理、霧島市城山公園に展示提供管理している
海上保安庁で活躍した双発哨戒機の保存管理・展示の実績から各市公園管理課と連携した活動を実践
し多くの地域住民の協力のもと確実に地域と連携して航空環境を身近に提供しさらに活用できる連携
施策を研究します。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
両霧島市・曽於市の自治体との福利厚生・公園環境・教育委員会との連携を引き続き継続し航空機環
境を取り入れた航空教室他他自治体にはない積極的な取り組みを研究する。ロータリークラブ等を通
じ産業界への先進技術交流スポットとしても課題とし地域と連携した考察を今後も継続して行きま
す。
分野
航空整備
キーワード
研究・地域連携
テーマ
本田 文明
ペーパーレス、教育
PC活用によるペーパーレス教育の実施
航空工学科
准教授
Fmiaki Honda
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
整備士資格コースでは、国家試験を受験する為過去問題を繰り返し勉強する。また、大型機の勉
強をするためのマニュアルも必要である。授業やセルフスタディにPCを使用し、極力ペーパを使
用せず学業の効率化を目指す。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
CBTについて:AVSOFT社で開発したB-737-700 CBT(COMPUTER BASET TRAINING)
を使用して大型機のシステムを勉強する。ネット環境が有れば何処でも自己学習が出来、また教
育のツールとして使用できる。ネットを通して学習できるので、ペーパーマニュアルが不要であ
る。
国家試験受験対策:航空整備士になるためには、国家試験(学科)を受験し合格する必要があ
る。合格するためには、普段の授業はもとより合格するための対策として繰り返し過去に出題さ
れた国家試験問題を勉強させる必要がある。受験科目が4つであり、過去の出題をプリント(人
数分)すると膨大な枚数になる。従って、過去問題を整理しPCを利用して勉強し自己採点まで出
来る様にした。今後は実施される国家試験問題を追加するのみとなっている。これにより、今ま
でに要していた労力をも軽減できる様になった。学生はPCさえあれば、自分の好きな時間に学習
が出来るので学生にとってもメリットが有ると考える。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
PCとネットが使用できる環境が有れば何処でも学習が可能となる。また、ペーパーレスで学習が
出来る。従って、地球環境にも優しくかつ労力の軽減及び学習能率の向上に役立つものと考えま
す。
分野
航空整備
キーワード
研究・地域連携
テーマ
宮田 晴雄
空港で働く人
「飛行機の仕事」
航空学科
講師
HARUO MIYATA
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
霧島市にある鹿児島空港で働く人たちは職種によっていろんな知識や資格、そして経験をもって
います。 それらを職種ごとに紹介していきます。 又、パイロット、整備士、キャビン・アテ
ンダントなど直接飛行機に携わる仕事についても紹介し、きびしい訓練や試験などについても説
明していきます。 鹿児島県は2つのロケット基地があり航空宇宙関係にとても関心の高い県で
す。 将来のAIR MANが霧島市からたくさん誕生してほしいと思います。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
≪空港での仕事≫
航空機整備士、運航管 理者、管制官、旅客係、貨物係、、航空機誘導員、航空燃料係、空港消
防士、税関係、航空局員、機内清掃係、航空機牽引係、など
≪パイロット≫
5~6年間の訓練を行い、その訓練中に自家用操縦士、事業用操縦士、航空無線通信士、計器飛
行や航法、非常事態の処置などの免許を取り、何回も訓練をかさねてパイロットになれます。
又、パイロットは6カ月ごとに適正検査があり、技量とともに健康に関しても厳しい審査がおこ
なわれます。
≪整備士≫
4年~5年間、整備の仕事をしながら一等航空整備士の資格を取る為の勉強をしていきます。国
家試験に合格してもまだ一人前とはいえず、更にいろいろな整備経験を積み10年ぐらいで本物
の航空機整備士が誕生します。
≪キャビン・アテンダント≫
機内でお茶や食事を持ってきてくれますが、CAさんの本当の仕事は客室保安要員です。客室の
気温を調整したり、ドアーをあけたり、閉めたりしてくれます。非常時にはお客を誘導したり、
ライフ・ベストを付ける手伝いをしてくれます。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
航空業界へ羽ばたける人材の育成
分野
航空整備
キーワード
研究・地域連携
テーマ
瀧田 文男
MOCK UP
セスナ機の操縦席の移設
航空工学科
講師
Takita Fumio
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
セスナ機の操縦席計器盤を移設して 教室にて勉強できるMOCK UPを作成した。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
自治体・産業界へのアピールポイントを記入下さい。
鹿児島県内各地や霧島市などの地域課題に対して期待される効果、利用例を記載いただけますと
地域連携につながりやすいです。
分野
パイロット
研究・地域連携
テーマ
キーワード
パイロット教育
今後のパイロット不足に必要な教育環境について
寺町 秀晃
航空工学科
助教
Teramachi Hideaki
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
数年後、深刻な問題とされているエアライン各社のパイロット不足が懸念されておりますが、そのパイロッ
トを育てるために今しっかりとした教育環境を作っておかねばなりません。そのため、パイロット学生を正
しく評価するために実際の機体を使い、精密な飛行データを取得し、それを使った実践的教育を目指さなけ
ればなりません。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
こちらは双発機(バロン)を使用した計器飛行資格の試験科目にあたるスローフライトとスティープターンです。①か
ら⑤までに飛行機の姿勢が記載されています。これは各場面に合った機体の姿勢があらかじめ決められております。①
から⑤までの姿勢を間違いなく維持し飛行することによりスローフライトという科目が合格に至ります。この科目の内
容は飛行機の種類に関係なく一定に決められており、内容が決定したプロセスは基本的にどの場面でもパイロットが安
全に飛行できるかを見るために作られました。よって飛行機の運用の限界点まで条件を下げ飛行をさせます。スローフ
ライトなら下げられる最小スピードを維持し、それ以上下げると危険である状況をつくり、その状況下でいかに安全に
上昇降下、左右旋回ができるかを見ます。しかし新しく購入したバロンでこの科目を実施する場合、①から⑤までの数
字の部分をその機体に合った数字に変えなければなりません。よって新しい機体で訓練を始める場合各科目のこのよう
なデータをあらかじめ細かく取得しなければなりません。科目数は計器飛行の資格だけでも10種以上あります。これを
精密に取得することにより試験科目を正確に再現でき、且つ学生がその数値を正確に合わせ飛行することで学生の評価
が正しくできることにつながります。その数値にこだわりすぎると逆に数値を追いかける飛行になるため安定しない状
況も発生します。そのため私たちはコックピットから外の地平線や建物、山岳部なども数値合わせに取り入れておりま
す。地平線が窓からどのように見えたら数値も合ってくるのかという、数値を合わせやすくする飛行方法を研究してお
ります。エアラインに就職してから大型機の訓練に移りますと、いかに早く各場面の数値に姿勢を合わせられるかがパ
イロットとしてやっていけるかにかかってくると言われています。中には数値がなく、自分で訓練中に数値を分析し、
それに合わせるというハイレベルな訓練もあります。そのためにも基礎訓練にあたる初期訓練では正確に細かい数値ま
で合わせられる訓練を行います。訓練空域などは鹿児島の地誌的条件で考えますと桜島の降灰があるため訓練エリアが
制限されたり、風向きによっては飛行ルートを変えなければなりません。これは他の空港には無いユニークなものであ
り、逆にしっかりとした状況判断をしなければ飛行できない空港です。よって私たちはいかに良い判断ができる学生が
どのようにしたら育てられるかも研究しております。今後のパイロット不足を補うためにいかに優秀なパイロットを育
てるかが私たちの手にかかっていると思っていますので、今後、より良いしっかりとした教育環境を整えて行きたいと
考えています。
(スローフライ
(スティープター
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
今後パイロット不足が懸念されておりますが、どのエアライン会社もパイロットなら誰でも欲し
いわけではありません。パイロット不足を補うことは必要ですが、やはり優秀なパイロットが望
まれています。そのためにもより優秀なパイロットを育てることが未来の航空業界、航空産業を
支えることにつながると考えますし、これが期待される効果となり地域連携につながるのではな
分野
研究・地域連携
テーマ
地域づくり
キーワード
パソコン、スマホ、出前指導
限界集落等の高齢者に対するパソコン及びタブレッ
ト端末・操作技術の出前指導
當金 一郎
情報システム工学科
職位
教授
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
パソコンやスマートフォンの操作を習いたいが市街地から遠く離れているということであきらめ
ている高齢者に、こちらから(学生および教員が)出向いていきこれらの操作技術を指導するこ
とで地域の活性化に貢献する。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
以下の内容で活動を実施いたします。
1 市街地から遠く離れた集落の中から、パソコン&スマートフォン出前指導の希望者が多い箇
所を抽出。1フェーズごとに8月、9月、10月の3が月間で計6回の出前指導を実施します。
(全5フェーズ)
2 募集人数は1か所で5名、合計25名程と考えています。
3 テーマは「身近な古里のよさを発信しよう」とし、パソコンを操作して以下のような操作を
実施、作品を作成することを目標とします。
<フェーズ1>
①パソコンで文章を作る
②スキャナを用いて写真や絵を取り込む
③作成したものを印刷する
<フェーズ2>
①パソコンでポストカード用の文面を作る
②スキャナを用いて写真や絵を取り込む。
③取り込んだ写真、絵を加工あるいは更に制作を行う
④作成したものをポストカードに移して印刷する
<フェーズ3>
①スマートフォンの基本操作を身に付ける。
②パソコンにあるデータをメモリカード経由でスマートフォンに移す
③移したデータをメール等を用いて、お互いにあるいは身近な人に送信してみる
④送られてきたデータをメモリカード経由でパソコンに移してアルバムを作成する
<フェーズ4>
①スマートフォンで写真を撮る
②スマートフォンで撮った写真をパソコンに移す
③パソコン上の写真を修整、合成、部分取り出し等する
④加工した写真を印刷する
<フェーズ5>
①ホームページ作成ソフトの使い方を説明
②簡単なホームページを作ってみる
③これまで作成した文書や写真をホームページにしてみる
④大学のWebサーバに作成した作品を転送してインターネットで見てみる
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
現在霧島市には、高齢化が進行している集落が複数あります。これらの地域のお年寄りにパソコ
ンやスマホを用いたコミュニケーションを指導することで、その地域の新たな活性化が期待でき
ます。また指導援助する学生との触れ合いによる効果も大きいと考えられます。
分野
制御システム
キーワード
研究・地域連携
テーマ
若井 一顕
非常災害、防災時のアンテナ運用
MF帯アイソレータの開発
情報電子システム工学科
教授
Kazuaki Wakai
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
現在アイソレータは、VHF、UHF、及びSHF帯に関するものは実用化されている。中波帯、短
波帯でのアイソレータの活用例は無く新たなニーズが期待される。非常災害時設置する小型中波
アンテナの実数部のインピーダンスは低く、アイソレータは小型中波アンテナ特性劣化の緩衝を
目的としている。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
図1は本研究がターゲットとする中波帯アイソレータの位置づけである。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
中波帯での活用が期待される。島嶼地域での中波アンテナの塩害対策などに有効である。
分野
知的情報ネットワーク
研究・地域連携
テーマ
初鹿野 一雄
キーワード
センサーネットワーク、コンテキストアウェア
人によりそうコンピュータ
電子情報システム工学科
教授
Kazuo Hajikano
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
ICTの世界では大きなパラダイムシフトが起きようとしている。従来の利用者が計算機システ
ムに指示を与えサービスを得る仕組みから、計算機システムが現実世界に起きていることをリア
ルタイムに分析・理解(コンテキストアウェア)し、利用者に適切なサービスを提供する仕組み
への変化である。人によりそう計算機システムの構築を目的とする
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
・現実世界の理解のため、売上データといった従来の構造化データに加え、ツイッターでのつぶ
やきや、温湿度、位置情報などのセンサ情報、動画、音声といった実世界の物理量(非構造化
データ)をリアルタイムに収集して、分析することが必要である。
・システムの構成としては、生物に例えれば外界の情報を取り込む感覚器官に相当するセンサ群
(カメラ、マイクも含む)とこれらと脳に相当する情報を処理するデータセンタ、及びこれらを
つなぐ神経系であるネットワークから構成される。
・対象とする地域は全地球規模となる場合もあり、またサービス利用者への即応性、処理データ
の局所性なども考えられるために、人間でいえば脊椎反射に相当するように脳までいかない神経
系の途中での情報集約・分析・行動指示が必要となる。すなわちネットワーク内でも情報処理能
力が必要となる。
・スマフォに代表される端末での情報処理、ネットワーク内での情報処理、データセンタでの情
報処理の最適な機能分担は、いろいろな要因で時間的に変化する。条件変化により、処理機能を
端末、網内、データセンタ間で動かし最適に
配置する方法を研究対象とする。
・特に末梢神経と感覚器官に相当する、センサ系
と計算資源、ネットワーク資源を融合した小型・
安価なプラットフォームの
アークテクチャを研究
対象とする。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
研究としては、基盤技術の確立を目指しているが、そのアプリケーションとしては、各種センサ
を活用した社会インフラ監視、センサー、スマフォ、監視カメラ等を活用した要介護者などの見
守り等が挙げらえる。
分野
制御システム
研究・地域連携
テーマ
キーワード
ロボット制御、無線通信
無線通信技術を用いた産業ロボット制御システムの
研究
岡村・斉
情報電子システム工学科
准教授・教授
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
本研究開発では、工業用イーサネットの通信端末の低価格化および循環利用のため、無線LANシ
ステム(以下、産業用無線LANシステム)を開発設計し、本学科に既存ロボットモデルで検証を
踏まえ、実際の産業用無線LANシステムソリューション販売の事業化まで目指す。また、本研究
を通じて、区域大学、ロボット機器メーカとの連携活動を行う。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
○シーズの内容と特徴
産業用ロボットは、依然として国際競争力のある日本の工業製品であり、日本経済の持続発展の
ためにも、この牙城を死守する必要がある。自動車や電子機器、半導体製造などのFAやモーショ
ンコントーロールで必要不可欠な産業用ロボットでは、その制御通信は工業用イーサネットが使
われ、有線によってネットワーク化されている。しかしながら、工業用イーサネットは世界標準
規格が存在せず、表1に示すように各社独自の仕様により個別に製品化されており、共通性がな
いことよって通信システムの高価格化に陥っている。端末1台が数千ドルにもなる場合がある。
この状況により、大手メーカの供給する通信端末を使わざるを得ない中小のロボット製造企業の
成長を阻害している問題がある。さらに、有線ネットワークの場合、経年変化、ロボットの配置
変えおよび工場移設の度にネットワークの張り替えが必要となり、コストを削減することが出来
Protocol
Class
参加企業
備考
なかった。
EtherNet/IP
EtherCAT
SERCOS
PROFINET
Mechatrolink
A (>100ms)
C (31.25us~)
C (<1ms)
A, B, C
C (32.25us~64ms)
Rexroth, Cisco
ANCA
Altera, GmbH
SIEMENS
安川電機
伝送速度100Mbps, 最大局数65535局
伝送速度100Mbps, 最大局数62局
そこで、本課題では、工業用イーサネットの通信端末の低価格化および循環利用のため、無線
LANシステムを開発設計し、学科内に既存ロボット制御システム構築を通して実用化検証を目指
す(図1)。設計においては、有線と同様の高速な周期通信(複数端末で数百マイクロ秒以下)
が求められるため、本研究マルチユーザMIMO無線技術を利用する予定。
本研究は無線通信方式によりロボット制御が行えるため、電源以外のネットワーク配線を完全に
無くすことが可能となり、ロボットの配置変えや、工場移設がコストゼロで容易にできるメリッ
トもある。このため、産業用ロボット製造および工場における使用環境において、「個別化・多
様化ニーズに応じるための少量生産システムや、使い終わった後は循環利用が可能であるような
システムの構築が可能」となる。
技術仕様(案)
通信距離:50~100m
通信遅延:100us
図1実験用ロボット
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
鹿児島大学発研究課題として、無線システムと制御システムの融合により、システムの通信量削
減、電波利用効率、システムコスト削減、信頼性向上など技術課題をクリアし、鹿児島県、そし
て九州全体の産業界に提案し、実用化を図る。
分野
制御システム
研究・地域連携
テーマ
岡村 雅一
キーワード
ロボット・制御
マイコンカーラリー大会開催による高大連携
情報電子システム工学科
准教授
Masakazu Okamura
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
全国工業高等学校協会主催のジャパンマイコンカーラリー大会は、マイコンカーラリー競技をと
おしてメカトロ技術の基礎・基本の習得、自発的・創造的な学習態度の育成を図るとともに、も
のづくりによる課題解決型教育を推進し、新技術への夢を育む事を目的としています。この大会
に参加する高校生を、マイコンカーラリー第一工業大学杯を開催する事により、支援します。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
南九州の高校生を対象にした「マイコンカーラリー第一工業大学杯」を開催する事により、高校生が
マイコンカーラリー大会に参加する機会を増やし、南九州地区のレベルアップに寄与します。同時に
技術交流会としてセミナーを開催します。
また、大会に参加する高校生にとって一番大きな課題は、大会公式コースを使った調整がなかなかで
きない事です。第一工業大学内に常設してある大会仕様コースを地域に開放し、マイコンカーの調整、
大会前の合宿、等に活用していただきます。
マイコンカー 大会仕様コース
第一回第一工業大学杯の様子 セミナーの様子
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
第一工業大学杯やコースを活用した合宿により、マイコンカーに取組む高校生の部活動を活発に
し県内の高校生の間の交流を促進します。モノ作りに興味を持つ高校生の数をを増やす事によ
り、鹿児島県内の組込みシステム開発企業への就業人口の増加に貢献します。
分野
キーワード 低電圧、低消費電力、高精度、アナログ電子回路
制御システム
研究・地域連携
テーマ
低電圧動作・低消費電力・高精度アナログLSI技術
永石 初弘
情報システム 学科
准教授
Hatsuhiro Nagaishi
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
現在の高度情報化社会を支える技術としてディジタル技術がクローズアップされがちですが、い
くらディジタル化が進んでも、電子機器をデジタル回路だけで構成する事は不可能です。特に電
源回路は、アナログ技術がなければ実現出来ない機能で、電子機器にとってなくてはならない、
非常に重要なものです。そして、電源回路の性能は、LSIの最低動作電圧や待機時消費電力等の
性能に大きく影響を与えます。LSIの性能向上に寄与する、低消費電力で高精度なアナログLSI技
術の研究に取り組んでいます。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
図表、写真等を使用して、専門外の方に分かりやすく概要を記入下さい。
携帯電話・スマートフォンに代表される携帯電子機器やガスメータ等はバッテリにより動作し、
長時間に渡る連続動作が求められます。この様に限られた電力供給の元で長時間に渡り連続動作
が求められるアプリケーションにおいては、LSI全体の低消費電力化と共に、動作下限電圧の低
電圧化、バッテリ供給電圧の監視精度の高精度化が不可欠となります。その低電圧動作・低消費
電力化及び電圧監視精度の高精度化により連続動作の時間を延長する事が可能となるからです。
電圧を監視するには、バッテリ供給電圧や温度の変動に依存しない基準電圧源を必要し、一般的
にBGR(バンドギャップリファレンス)回路が広く用いられています。バッテリ供給電圧の電圧
監視精度を決定付けるBGR回路の出力電圧精度向上に関する研究、より低電圧まで動作可能な
BGR回路の研究に取り組んでいます。
バッテリ監視精度の違いによ
る連続動作時間の違い
バッテリ電
圧
・バッテリ動作
・長時間連続動作が必要
(ガスメータ:10年連続動作必
須)
基準電圧源の
・低電圧動作
化
・低消費電力
化
・高精度化
監視精度
(低)
LSI最低動作電
圧
時
間
バッテリ電
圧
監視精度
(高)
LSI最低動作電
圧
時
連続動作時間延 間
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
□バッテリ動作する電子機器の連続動作時間の延長。
長
分野
制御システム
キーワード
研究・地域連携
テーマ
内村 俊二
画像処理,画像情報処理,自動化
画像処理・画像情報処理の応用
情報電子システム工学科
准教授
Shunji Uchimura
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
携帯電話・スマートフォン等のデバイスやコンピュータが高性能化したことや、高機能の機器
が比較的安価で入手しやすくなったことで、画像から情報を自動抽出しコンピュータに判断させ
る画像情報処理が普及しつつあります。広い分野での応用を模索することで、地域産業への貢献
を目指したいと考えます。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
1.パターン識別系と画像情報処理について
目で見て得た情報や耳で聞いて得た情報などに基づいて何らかの判断をする行動は、生物が活
動するために重要な行動です。この行動をコンピュータ上で実現する分野を「パターン識別」と
いいます。基本的なパターン識別システムは、図1に示すように4パートで構成されます。
図1:パターン識別システムの構成
識別する対象に応じて基本システム構成を選択・調整することで、画像や音声などの識別に応
用できます。画像情報処理もまた、カメラで画像を取得し、画像処理を行い、目的の情報を画像
から抽出し、抽出した情報を使って判定する、というパターン識別の一つです。
2.これまでの実績
(1) 手書き文字識別のための特徴抽出系
脳の視覚細胞と同様の特性をもつGaborフィルタによる手書き
文字特徴を使って、高い識別率を実現しました。(図2)
(2) 識別系
最後の判別機能を担う識別系を数多く研究しました。
図2:手書き文字のGabor
特徴
(3) カメラ+画像処理
スマートフォンのカメラで撮影した画像を、スマートフォン内
で画像処理を行うアプリケーションを開発しています。(図3)
図3:2回に分けて撮影した画像を自動的に貼り合わせるアプリ
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
これまでに顔認証や製品の自動検査などで画像情報処理が実用化されています。カメラ・コンピュータ等
の機材が導入しやすくなったことで、さらに広い分野での応用が考えられます。その際のキーワードは「自
動化」になると考えます。人手を煩わせることなく、ある程度の作業を画像を利用してコンピュータにさせ
る、という課題へ皆様と共にチャレンジしていきたいと思います。
分野
知的情報ネットワーク
研究・地域連携
テーマ
山田 猛矢
キーワード
ICT,機器・システム開発
ICTを活用した機器・システムの開発
情報電子システム工学科
講師
Takeshi YAMADA
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
様々な分野で「コンピュータやインターネットを利用すれば,より効率的で便利な機器・シス
テムが作れるはず。しかし自分たちでは出来ない。何とか形にしたい」という要望をよく耳にし
ます。本研究室では,それに応えるべく「まだ世の中にない」,「安価で扱いやすい」機器・シ
ステムの開発を目的に研究・地域連携活動を行っています。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
・しらす斜面崩壊警報防災システムの開発
土木分野と共同で2014年4月から開発を行っています。
斜面崩壊警報防災システムとは,下概略図のように,しらす斜面に設置された各種センサーの
値(1)を,Wi-Fiを利用し(2)Webサーバに収集,それを解析することで,しらす斜面の崩壊
予測を行いWebで公開(3)することで住民が斜面状況を知ることができ(4),しらす斜面が
崩壊しそうな時は,それを住民にメールで知らせる(登録が必要)(5)というシステムです。
さらに,市役所等に設置された市全体の模型上にセンサーと連動した表示ランプを設置すること
で,市全体の危険地域が一目でわかるようになるというものです。
しらす斜面崩壊警報防災システムの概略
しらす斜面崩壊警報防災システムWebサイト
・歩行訓練支援システムの開発
リハビリ分野と共同で2012年4月から開発を行っています。
歩行訓練支援システムとは,トレッドミルにWebカメラ取り
付け,走行部を撮影し,画像処理を行うことで足の位置を検出
し理想的な足の踏み出し位置をトレッドミル前面のモニタにガ
イド表示するというものです。ガイドに合わせるように訓練す
ることで,より質の高い歩行訓練が可能となり,また過去デー
タと比較することで,回復具合も定量的にわかります。
・その他,現在行っている研究・開発
渋滞シミュレーション,ラジコン草刈り機の開発
Android用アプリ開発,ストレッチ器具の開発
訓練補助者用画
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
「しらす斜面崩壊警報防災システム」が実現することで,しらす斜面崩壊による人的被害が激減
します。また「歩行訓練支援システム」により,早期回復,歩行障害予防などに役立ちます。こ
れらは,現場の人々の小さな一声から始まりました。あなたの一声から,その分野の常識が変わ
ります。あなたのその想いを形にすべく微力ながらお手伝いさせていただきます。
分野
環境技術
研究・地域連携
テーマ
板倉 朗
キーワード
バイオディーゼル 再生可能エネルギー
植物油バイオディーゼル燃料の燃焼・燃料に関する
研究
機械システム工学科学科
教授
Akira ITAKURA
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
植物油から製造されるバイオディーゼル燃料(BDF)は、排出による地球温暖化の対策として再生
可能エネルギーであり、カーボンニュートラル燃料であるため、将来有望な燃料です。このバイ
オディーゼル燃料の燃焼及び、燃料特性に関する研究を行い地球温暖化防止に寄与することを目
的としています。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
世界の年平均気温は、長期的には100年あたり約0.7℃の割合で上昇しており、特に1990年代
半ば以降、高温となる年が多くなっています。この対策として私たちの研究では、燃料からのア
プローチを行っています
マウナロア観測所で測定した
大気中の二酸化炭素濃度
地球温暖化対策
CO2排出量の削
減
化石燃料の使用抑制
燃料からのアプローチ
バイオ燃料の利用
バイオディーゼル
・・・・・植物油+メタノール
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
地球温暖化対策としてのバイオ燃料の研究を行っており、植物油を採取する植物の栽培を通し
て、地域の活性化をはかれます。
鹿児島県内各地や霧島市などでは、ひまわりから採取されるひまわり油の製造による活性化が考
えられます。
分野
機械工学
研究・地域連携
テーマ
キーワード
リアプノフ関数
リアプノフ法による非線形制御システムの安定解析
機械システム工学科
宮城雅夫
教授
Norio Miyagi
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
これまで、多くの研究者の研究の中心は、安定論の立場からいかに非線形性を克服していくかに
あった。本研究の役割は、各種非線形性を克服した安定定理の確立及び簡単な手順によるリアプ
ノフ関数の求め方に主眼を置いている。これまで行ってきた数々の非線形システムの安定性の解
析が将来の工学システムの監視・制御技術に役立つものと思われる。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
リアプノフの安定理論
飛翔体やバネ・回転機などの機械システムはリ
アプノフ関数というものが見つかれば安定です
リアプノフ関数とは?
ⅰ) V x 0
v
ⅱ)V(x)=(
0
x
を満たす関数V(x)のことです
リアプノフ関数を用いたシステム制御
1
2
3
4
リアプノフ関数
( V関数 )
コンピュータにリアプノフ関数を組み込む
時々刻々のシステムデータをコンピュータに取り込んで、
そのデータからリアプノフ関数を計算
コンピュータはシステムの動きをつかむことができる
そこで、コンピュータはシステムに適切な制御指令を出す
ことができる
システムデータ
制 御
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
理論的な基礎研究なので、自治体・産業界との共同研究やウ応用などは、今の段階では難しいと
思われる
分野
自動車工学
キーワード
研究・地域連携
テーマ
高野 浩造
車造り・生産技術
車造りの生産技術
機械システム工学科
教授
工学部
Tarkao Kozo
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
日本の製造業は、新興国の追い上げにより厳しい状況にあります。こうした中、自動車産業は堅
調な競争力を維持し産業界を牽引しています。これは、商品開発が優れているのはもちろんのこ
と 、開発されたものをタイムリーに廉価・高品質で量産化する”生産技術”が優れているから
でもあります。これからは、ユーザーの多様性に対応した省資源、省エネの物造りが求められて
います。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
モノづくりの考え方、設備,システムづくりの考え方を示し、
商品(車)を合理的に生産するための 生産技術・生産設備の
開発と具現化について説明します。
・モノづくりの基本=人が 道具を使い 材料を変化させる
…図1参照
材料
人が
ミニマム
変化
ミニマム
モノ
道具
図1.モノづくりの基本
・いかにして設備をつくらずにすませるか ▶ 生産技術の競争力
…図2参照
システム
ライン
材料
・ロボット紹介の一つとして
医療用ロボットも紹介します。
・NO省加工
・検査に頼らない良品づくり
・工程を減らし 設備を少なく
・塑加工一貫で考え 工程を減らす
人
a)、ロボットスーツ b)、ロボット義手
写真1.医療用ロボットの例
・小さく生んで 大きく育てる
設備
・人にとってきつい仕事,
いやな仕事 の機械化
・設備はコンパクト、フレキシブル、
・使う人,保全発の設備づくり、
ハイスピード
自動化
・人に間違いを行わせないマシ ・品質はマシン内でつくられる
ン
図2.設備・システムづくりの考え方
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
大小メーカーと規模の違いはあれ、モノづくりの基本は同じです。素材から加工、組立て、品質
保証まで効率良く実施するのはもちろん、ユーザーの志向が多様化してきている現在は生産の”
柔軟性”も求められています。この様な観点から、色々な部品を商品化するに当たっての生産技
術の相談をさせて頂きます。また、生産現場における種々の”効率アップ、品質アップ”のアド
バイスをさせて頂きます。
分野
医療福祉ロボット
研究・地域連携
テーマ
大惠 克俊
キーワード
医療・福祉工学
発声障害者のための発声補助装置に関する研究
機械システム工学科
准教授
Katsutoshi Oe
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
喉頭癌や喉頭傷害,また呼吸管理などにより発声機能に障害を来すことは,不便であるばかりではなく,コ
ミュニケーションの面から多大な精神的苦痛を伴うことにつながります.そこで発声に障害を持つ患者さん
のための発声補助装置に関する研究を行っています.これらの装置は筋電位信号により制御され,使用者が
必要なときに機能を発揮でき,使用者のQOLを向上することが可能です.
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
発声障害は様々な原因により引き起こされるため,それぞれ対処方法が
異なります.本研究では,①喉頭癌や喉頭外傷などの外科的要因による発
声障害,②ALSや筋ジストロフィーへの対処である呼吸管理のための人工
呼吸器使用による発声障害,③気管切開孔維持のための気管カニューレや
気管開口部レティナ使用による発声障害に対応した医療福祉デバイスの開
発を目的としています.これらのデバイスは発声時に使用するものであり,
使用者の発声しようとする意識を検知して動作する必要があります.本研
究では,この発声意識の検出に頚部の筋電位信号を使用しています.それ
ぞれのデバイス名と詳細を以下に説明します.
①筋電位制御型人工喉頭
喉頭癌などにより声帯を摘出したり,喉頭外傷で声帯が損傷することで
発声が不可能となります.そこで声帯機能を代替ために使用される代表的
なものが,電気式人工喉頭です.現在用いられている電気式人工喉頭は使
用が容易ですが,その音声は機械的かつ単調であまり聞き取りやすくあり
ません.また使用時に手で保持し,オンオフを行う必要があります.そこ
で頚部の筋電位信号を検出し,オンオフと高さの制御を行うことで,ハン
ズフリー化と聞き取りやすさの向上を目指しています.これまでに,オン
オフ制御と,声の高さを高・中・低の三段階に制御することに成功してい
ます.
②筋電位制御型発声補助用小型ポンプ
人工呼吸器による呼吸管理下では,声帯に空気が流れないため発声する
ことができません.そこでこの空気の流れを作り出すものとして,筋電位
信号で発声意識を検出した際に動作し,声帯へ空気を流すことのできる小
型ポンプの使用に着目しました.これは圧電ポンプを複数使用しており,
流路形状の改良により,充分な流量と圧力を実現しています.現在は可搬
性の向上を目的とした小型化を進めています.
③筋電位制御型スピーキングバルブ
気管カニューレや開口部レティナを使用することで声帯へ流れる気流が
なくなり,発声が不可能となります.これらにスピーキングバルブを併用
することで再び発声が可能となりますが,現在のスピーキングバルブは任
意に開閉できないという機構上,息苦しさを感じることがあります.そこ
で,筋電位信号をで制御し,発声時にのみ動作するスピーキングバルブを
考案しました.試作品を用いた評価では,従来品と比べ楽な呼吸が実現さ
れました.現在は小型化と形状の最適化を進めています.
これらの医療福祉デバイスを実用化試験までを含め,体系立てて製作す
る環境を地域と協力して構築することで,「福祉に強い」町というイメー
ジにつながる可能性があります.
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
分野
医療福祉ロボット
研究・地域連携
テーマ
キーワード
医療・福祉工学
感音性片耳難聴者用補聴デバイスに関する研究
大惠 克俊
機械システム工学科
准教授
Katsutoshi Oe
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
片耳難聴を患うと片耳の聴力を失うため,音の来る方向が分からなくなります.難聴の原因が伝音性であれ
ば補聴器で治療可能ですが,感音性の場合には治療が不可能であり,非常に不便を感じます.そこで音の来
る方向を判断し,それを使用者に振動で指示する補聴デバイスを開発しています.本デバイスは耳かけユ
ニットと駆動ユニットとに分かれており,耳かけユニットにはマイクと振動子を,駆動ユニットには信号処
理回路を含めた駆動回路を内蔵しています.
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
感音性片耳難聴は補聴器で治療ができない難聴であり,片耳が聞こえないため話し掛けられた方向が分か
らず,コミュニケーションが取りにくかったり,自動車のクラクションのような危険信号の方向も分からな
いため,日常生活で危険にさらされる場合も生じます.前述の通り,従来の補聴器では治療が不可能ですの
で,それに代わる「音源の方向」を使用者に指示することに特化した補聴システムの実現を目指した研究で
す.使用者への方向指示は,受動感覚(注意していなくても反応しやすい)である聴覚の代替ですので,同
じ受動感覚の触覚を使用し,小型振動子により振動を与えることで呈示することにしました.図1にシステ
ムの模式図を示します.両耳の耳かけユニットに内蔵したマイクにより集音された音波は,駆動ユニット内
の方向判別システムにより音源の来る方向を判断し,音の来た方の耳かけユニットの振動子を震わせ,使用
者に方向を呈示します.図2に耳かけユニットの概略図を,図3にこれまでに作製した駆動ユニットを示し
ます.
現在は,耳かけユニット形状の最適化,駆動ユニットの小型化および音源方向判別システムに関する基礎
研究を進めています.この研究は比較的短期間での実用化が期待され,町ぐるみでの試作や試用による性能
評価などの研究開発を行うことで,「福祉に強い町」のイメージを作りあげることが期待されます.
図2 耳かけユニットの概略図
図1 補聴デバイスの模式図
図3 試作駆動ユニット
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
分野
環境技術
研究・地域連携
テーマ
キーワード
好熱菌・高度リサイクル・早期樹林化
好熱菌を活用した高度リサイクルによる早期樹林化技術
岡林 巧
自然環境工学科
教授
Takumi Okabayashi
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
本研究の目的は、下図に示す有機系廃棄物(A:食品残渣B:下水汚泥C:建設廃棄物等)を鹿児島の
ような火山生態系に存在する好熱菌で高温処理肥料化し、植生の生育基盤材を生産する高度リサ
イクルシステムを構築するとともに、その生育基盤材を利用した法面の環境・景観に配慮した早
期樹林化(植生復元)技術を開発・実用化するものです。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
ゼロ・エミッションを目指した高度リサイクル
早期樹林化プラントシステム
郷土種による
樹林化
植生復元
食品残渣
生育基盤材
下水汚泥
ミキサー混合処理
生育基
盤 材
生育基盤材
建設廃棄物
道路法面
生育基盤材
好熱菌
有機系廃棄物
有機物分解菌の 生育基盤材製品化 道路法面樹林化(植生復元)
包括固定処理
ナワシログミ(左)とマサキ(右)の法面植生状況と5年後の成育実証
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
日本は国土の約2/3の森林面積を有しますが、成熟した森林が多いためCO2吸収力は落ちて、逆に約750万t分の化石
燃料の削減が必要となります。このような背景の中、日本の道路総延長は約115万kmあり、この法面を早期樹林化す
れば少なく見積もっても総森林面積が4~5%増加することとなります。更に荒廃地の樹林化によって新規樹林、再生樹
林が可能となりCO2排出量の削減と有機系廃物のリサイクル化に大きく地域・社会貢献できます。
分野
植物バイオ
研究・地域連携
テーマ
吉本 博明
キーワード
きのこ、機能性、地域創生、六次産業化
六次産業化に向けた新規きのこ栽培・加工法の開発
自然環境工学科
教授・博士(農学)
Hiroaki Yoshimoto, Ph.D.
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
農業の六次産業化のポイントの一つとして、作物の高付加価値化が挙げられる。中でも、機能
性(いわゆる、健康効果)の付与、高機能化は、政府の機能性表示制度創設(2015年4月)に
も見られるように、国家戦略の一つである。本テーマでは、きのこの機能性についてR&Dをおこ
なっています。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
【培地基材による機能性の強化例】
抗癌効果、生活習慣病改善で知られるヒメマツ
タケは、稲わらや麦わらを培地として栽培される
きのこである。この稲わらを沖縄や鹿児島県の離
島で栽培されているサトウキビの未利用バイオマ
ス(畑で廃棄される)である梢頭部茎葉に代替え
し栽培したところ、血小板凝集抑制作用、ケモカ
イン遺伝子発現抑制作用などの強化が証明され
た。
【栄養剤による機能性強化例】
カルシウム不足の改善を企図して、カルシウム
リッチな貝化石を栄養剤として使用し、カルシウ
ムを強化したきのこの栽培に成功した。
図1 各種培地基材によるケモカイン遺伝子抑制
効果
【加工法による機能性の付与例】
生産量が最も多いエノキタケの夏場の生産量維
持(夏場は生産量が7割程度に低下)を目的とし
て、加工食品の検討をおこなった。加熱破砕処理
後、冷凍した〝えのき氷″(JA中野市)を開発し
たところ、生のエノキタケでは発現しなかったメ
タボ改善効果などが臨床試験の結果判明した。
【食品産業廃棄物の利用】
日本酒製造から排出される酒粕を栄養剤として
利用し、アミノ酸リッチなきのこの栽培に成功し
た。
図2 エノキ氷による脂質改善効果(ヒト臨床)
1日3個摂食し2か月目(2m)から血中脂質の改善
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
エビデンスの構築による地域ブランドの確立、農村の活性化、新規就農者、新規農業進出企業
の創出など地域経済への波及効果が期待できます。
また、焼酎かすなど地域の未利用資源の有効利用を通じて、食品産業のコスト改善、地域リサ
イクルの構築などに期待が持てます。
分野
植物バイオ
キーワード
研究・地域連携
テーマ
吉本 博明
きのこ、機能性、六次産業化
きのこを利用した機能性食品の開発
自然環境工学科
教授・博士(農学)
Hiroaki Yoshimoto, Ph.D.
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
医療費の高騰などを背景に、健康増進法など予防医学的見地から「病気にならないカラダづく
り」が求められている。その対応策の一つに、食品の薬理作用に着目したトクホなどをはじめと
した機能性食品の開発が挙げられる。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
【ヒメマツタケの市場動向】
ヒメマツタケ( Agaricus blazei )は、ブラジ
ルなどに自生する担子菌である。1980年代に抗
がん作用が発表されてから、一時ブームになり、
2000年代初頭には500億円の市場を形成するに
至った。
しかし、2006年、中国産原材料を使用した商
品から「ガンのプロモーション作用(発がん後、
ガンを発達させる作用)」があるとの厚生労働省
より回収命令が出され、市場は急速に縮小した。
しかし、食品安全委員会の指摘を受けて行われた
詳細な検討の結果、本プロモーション作用は、科
学的に否定された(2009年)。事件から約10年
が経過し、近年、再度、復活を望む声が上がりつ
つある。
なお、海外では風評被害もなく、積極的にエビ
デンスの構築が進められ、カワラタケ、マンネン
タケに次いでエビデンスの充実した機能性きのこ
となっている。
【著者らの研究成果】
著者らは、産学協働研究に基づいて、1990年
からエビデンスの構築を進め、これまで、抗炎症
作用、高血圧、糖尿病、腎機能不全、脂質異常
症、脳血管性痴呆症、喘息、アトピー性皮膚炎な
どに対する効果を培養細胞レベル、動物レベル、
ヒト臨床レベルで解明し、いくつかの特許を取得
している。
【これまで参画した大学】
東京農業大、九州大、福岡大、山口大、静岡県
図1 ヒメマツタケ CJ-01株
東京農大と(株)日本バイオ社が1990年代に確立し
本件に関連する特許
抗腎機能不全薬及び抗腎機能不全方法(第4348443号)
痴呆改善薬(第4293294号)
免疫調節薬及び抗炎症薬(特許公開)
論文
1.江口文陽 et al. DOCA-NaCl 左腎摘出ラットを用いたヒメマツ
タケ子実体熱水抽出物質の腎機能不全改善作用. 和漢医薬学
雑誌 16, 24–31 (1999).
2.菊川忠裕, 江口文陽, 安倍千之, 吉本博明 & 檜垣宮都. 新
規抗炎症物質 : 2系の関節炎モデルマウスに対するAgaricus
blazei Murri(CJ-01) の 影 響 . 炎 症
日本炎症学会雑誌
Japanese J. Inflamm. 19, 261–267 (1999).
3.江口文陽 et al. 自然発症高血圧ラットを用いたヒメマツタケ子
実体熱水抽出物質 (CJ-01) の降圧効果. 和漢医薬学雑誌 16,
201–207 (1999).
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
エビデンスの構築による地域ブランドの確立、農村の活性化、新規就農者、新規農業進出企業
の創出など地域経済への波及効果が期待できます。
また、焼酎かすなど地域の未利用資源の有効利用を通じて、食品産業のコスト改善、地域リサ
イクルの構築などに期待が持てます。
分野
植物バイオ
研究・地域連携
テーマ
吉本 博明
キーワード
廃菌床、環境リサイクル、環境保全型農業
きのこ廃菌床を利用した各種作物の高付加価値化
自然環境工学科
教授・博士(農学)
Hiroaki Yoshimoto, Ph.D.
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
きのこ廃菌床は、豊富な栄養素を含み、なおかつ、未利用有機物資源として有望なマテリアル
である。近年、植物病理に対する阻害効果も明らかにされ、廃棄物処理という側面ではなく、積
極的な利活用が望まれている。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
【各種作物に対する高付加価値化】
腐食菌であるヒメマツタケ廃菌床を各種作物に
基肥として使用した。
水稲に対する効果としては、食味値が、通常作
の
74に対して(標準値70)、86ポイントと
魚沼産のコシヒカリを凌駕するおいしさを達成し
た。
ナスなどの果菜類に対する効果としては、総ア
ミノ酸量の増加、糖度の増加(=おいしさ、品質
の向上)、秀品率の向上(=品質、収益性向
上)、根張りの向上(=生産性の向上)、収穫量
の増大、成り疲れの軽減(=品質、収益性向上)
などが明らかとなった。
※参考
【廃菌床を利用した抵抗性の発現】
菌床シイタケ廃菌床を、キュウリ苗に炭疽病菌
を接種しコントロールと比較した。コントロール
(通常の肥料)では、炭疽病菌が葉全体に蔓延し
たのに対し、シイタケ廃菌床区では、蔓延しな
かった。その原因として、全身獲得抵抗性
(Systemic Acquired Resistance, SAR ) 遺伝
Inagaki, H. et. al., mushroom science and
子の発現が確認され、シイタケ廃菌床が、作物の
図1 ヒメマツタケ廃菌床を施用したナスの根
慣行栽培(上)が一般的な根の状態。ASC
(下)が、ヒメマツタケ廃菌床を基肥として施用し
論文
1.吉本博明. 廃菌床の農業利用–ヒメマツタケ廃菌床の施用効
果 (特集 きのこ–医薬・機能性食品から環境浄化まで). バイオイ
ンダストリー 23, 77–85 (2006).
2.Yoshimoto, H., Eguchi, F., Kawakami, S., Higaki, M. & Ohga, S.
Effect of Agaricus blazei Spent Compost on the Eggplant
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
環境保全型農業への取り組みは、地域農村活性化、ブランドイメージの醸成に不可欠な要素で
ある。一方で、担い手不足などから取り組みが拡大していないのも事実である。環境保全型農業
のメリットを増大することによって、取り組みへのインセンティブを強化することが期待でき
る。
分野
環境技術
研究・地域連携
テーマ
吉本 博明
キーワード
環境修復、東日本大震災、塩害、微細藻類
好塩性微細藻類を利用した東日本大震災被災水田の
除塩
自然環境工学科
教授・博士(農学)
Hiroaki Yoshimoto, Ph.D.
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
東日本大震災の津波被害により、沿岸農地の大部分に塩害が生じた。これらの除塩を目的とし
て、好塩性微細藻類であるフォルミディウムを培養した土壌改良剤を利用して被害水田の早期除
塩を試みた。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
【除塩の一般的スキーム】
農林水産省の除塩マニュアルでは、瓦礫や汚泥
などの撤去の後、暗渠を利用した湛水~落水と石
灰施用が示されているが、暗渠が設置されていな
い水田や石灰施用による作土の固化、作物への阻
害作用などが懸念されている。
【微細藻類資材を用いた除塩試験】
高い塩分で知られる死海から分離された好塩性
微細藻類フォルミディウムを生分解性担体に培養
した土壌改良剤を土壌に施用し、宮城県の被災水
田、ならびに、群馬県の実験的にモデル水田で湛
水状態で培養した。
その結果、石灰施用区よりも短期間で塩分濃度
は低下し、なおかつ、土壌肥料効果を発揮した。
【フォルミディウムの土壌改良剤としての効果】
フォルミディウムの土壌肥料としての効果を検
討するために、米麦二毛作体系の水稲、小麦栽培
に供した結果、生育が向上し、アミノ酸総量など
の向上が確認された。
図1 フォルミディウムを使用した除塩試験
無湛水状態では緩徐な除塩が、フォルミディウム
図2 水田に繁茂するフォルミディウム
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
環境保全型農業への取り組みは、地域農村活性化、ブランドイメージの醸成に不可欠な要素で
ある。一方で、担い手不足などから取り組みが拡大していないのも事実である。環境保全型農業
のメリットを増大することによって、取り組みへのインセンティブを強化することが期待でき
る。
分野
キーワード きのこ、料理、消費者アピール、プロモーション
地域づくり
研究・地域連携
テーマ
吉本 博明
六次産業化を企図した料理レシピブックの制作
自然環境工学科
教授・博士(農学)
Hiroaki Yoshimoto, Ph.D.
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
農業の六次産業化のうち、三次産業分野である消費者へ直接アプローチする方法の一つとし
て、作物の利用法の提案が重要である。消費者に適切に、かつ、わかりやすく作物の特性や豆知
識、料理法を記した料理レシピの作成は、地域農業において最も求められながら、最も人材が不
足する分野である。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
【レシピブック制作の経緯】
ふるさと物産フェアなどで地域の農作物を販売
する中で、消費者から「これはどんな効能がある
のか?」「どのように調理すればおいしいの
か?」など、主に利用法に関する要望が多く寄せ
られた。そこで、国内で生産、販売されるきのこ
類25種類を網羅し、115種類の料理を提案したレ
シピブックを作成した。
【レシピブックの構成】
単にレシピを載せるだけではなく、それぞれの
きのこのミニ解説、コラム、おいしいきのこ料理
を提供する複数のレストランを紹介し、この1冊
で国内の栽培きのこの基本的な知識と調理法が学
べる構成とした。
また、撮影、編集デザイン、進行管理は、すべ
て私がおこなった。
【制作時の苦労話】
撮影は、料理研究家の先生の自宅スタジオを利
用させていただき、ボツになった料理を含む全
120品を3日、2日の計5日で撮影。撮影時間は、
平日の11時から18時までの7時間で調理~撮影を
完了させたが、多い日は20品を撮影するという強
行軍であった。
また、撮影機材もプロ用の高価な機材を使用せ
ず、アマチュアが使用する機材を使用。必要最小
限の機材で、美しく、プロ並みのクオリティを出
すことを目的とした。
今後、スマホでも十分なクオリティを出すべ
く、sまざまなノウハウを蓄積している。
図1 料理写真の一例
図2 からだにおいしい きのこ料理115
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
環境保全型農業への取り組みは、地域農村活性化、ブランドイメージの醸成に不可欠な要素で
ある。一方で、担い手不足などから取り組みが拡大していないのも事実である。環境保全型農業
のメリットを増大することによって、取り組みへのインセンティブを強化することが期待でき
る。
分野
地域づくり
研究・地域連携
テーマ
吉本 博明
キーワード
地域おこし、若者、イベント、音楽
地域の若者が地域で楽しむためのロックフェスの開
催
自然環境工学科
教授・博士(農学)
Hiroaki Yoshimoto, Ph.D.
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
「消滅可能性都市」(増田寛也元総務相)が指摘されている中、地方中枢拠点都市ならびに近
隣市町村の若者を大都市へ流出させない地方大学などの機能強化が叫ばれている。その対策の一
つとして、若者向けイベントの開催は、地域の若者同士の連帯を強化し、郷土への愛着を醸成す
るインキュベーターとして求められている。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
【開催の経緯】
スタートのきっかけは、他愛もない飲み会での
一人の20代独身女性の一言からである。K「福岡
におったときは、毎週のようにライブに行きよっ
たけど、人吉にはそれがないけんつまらん。福岡
に戻ろうかな。」私「じゃ、こっちからミュージ
シャン呼べばいいじゃん?」K「呼べると?」私
「やってみらな、わからんやろうもん」
即座にこの飲み会は、ロックフェスのキックオ
フミーティングになり、イベント名が「球磨の
ロック調子」(球磨地方の民謡に『六調子』とい
う民謡がある)と決まり、飲み仲間を中心に、具
体的な作業へと進展した。
【開催の概要】
2002年3月、第1回開催。ロックフェスは野外
が定番ということもあり、会場は人吉クラフト
パークで行われることが決定したが、当日はあい
にくの雨で、急きょ、会場を閉鎖したスーパーの
地下スペースで行うという波乱のスタートであっ
たが、その後回を重ね、結局、2005年まで毎
年、計5回開催。主要メンバーの結婚、出産等で
休止していたが、今年(2015年)活動再開。
図1 第1回開催準備作業
看板用ののれんを作成する第1期メンバー。
写真撮影は筆者。作成会場は、県地域振興
局の会議室。両端の二人は、その後結婚する。
ロゴデザインは、東京のデザイン事務所からU
ターンした若者(左2)。左3が、最初に声を上
【成功のポイント】
「成功させたい」「楽しみたい」という強いモ
チベーションを持った数人の中心的なメンバーの
図2 第1回開催前のスタッフミーティング
存在。ミーティングのたびに脱線しがちな話し合
当日は、ドリンク、スナック類の販売、受付、PA、
いを整理、方向づけする年長のオーガナイザーの
司会など各チームを事前に配置して運営。 皆が、
存在。運営ノウハウ(ミュージシャンへの交渉の
同級生、友達の友達など、持ちうる人脈をフル活
しかた、広告協賛の募集のしかた、PA基材など技
用して手作りで行われた。
術的な知識など)を持った人材が確保できたこ
と。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
郷土愛を持って地元を良くしようと考える若者の定住。自らの街は、自らの手で変えるという
当事者意識の醸成など、地域を活性化するための基本条件を備えた人材の育成につながります。
分野
土木工学
キーワード
研究・地域連携
テーマ
田中龍児
測量、GPS、伊能忠敬
デジカメによる写真測量
自然環境工学科
准教授
Ryoji TANAKA
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
写真測量は、写真画像から対象物の3次元座標を得る技術です。田中研究室では、市販のデジタ
ルカメラやスマートフォンを用いた写真測量の研究に取り組んでいます。今流行のドローン(無
人飛行機)など上空から撮影しなくても、水平・斜めに撮影した写真で地物の3D化が可能になり
ます。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
複数枚の写真の特徴的な点をマッチさせることに
より、一つひとつが点群データと呼ばれる、点の
集まりになります。それらの点は一つひとつが座
標をもつので、点と点の距離を求めたり、面積や
体積を算出できます。将来は、空中写真測量や航
空レーザー計測といった高額な測量に匹敵する精
度を目指しています。
阿蘇地区の斜面崩壊3D化
公園内を流れる小川の3D化
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
たとえば、がけ崩れなど人の入れない危険な場所の写真を撮影し二次災害の発生防止や、防災工
事に役立つでしょう。
また、埋蔵文化財遺跡発掘現場における3D画像は、遺構などの記録・保存のための重要な資料と
なるでしょう。
分野
地域づくり
キーワード
研究・地域連携
テーマ
本田 泰寛
土木史、土木遺産
土木遺産に関する調査・研究
自然環境工学科
講師
Yasuhiro Honda
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
世界遺産ブームや地方活性化の手段として、江戸期から近代に架けて建設された石橋や港湾な
どの土木構造物,いわゆる土木遺産も注目される機会が多くなってきました。土木遺産の保存や活
用を考えるためには、その土木遺産が持つ多様な価値や、地域社会の発展に対して果たしてきた
役割を明確にしておく必要があります。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
【土木遺産の調査】
○鹿児島県内の石造水路橋に関する調査・研究
水路橋は農業を基盤とした地域の営みを今に伝える貴重な物
証であり、地域づくりや地域学習などへの活用も考えられます
が、その多くが放置・撤去の瀬戸際にあります。本研究室では
現在、これらの水路橋の悉皆調査および今後の保存・活用に向
けた研究を実施しています。
平熊の石洗越(霧島市隼人町)
【土木遺産、土木事業に関する歴史研究】
○通潤橋建設事業の評価と分析
本研究では、重要文化財であり、重要文化的景観の一部でも
ある通潤橋(1854年完成、熊本県上益城郡山都町)の建設経
緯の分析を通じて、地方が主体となった地域開発制度の実態を
解明しました。
通潤橋
○錦帯橋と欧米の木造アーチ橋の比較研究
山口県岩国市は、1673年創建の錦帯橋を世界文化遺産とし
て登録するための活動を行っています。日本の木造技術の粋と
も言われる錦帯橋は、世界に数ある木橋と比較した場合どのよ
うな特質を持っていると言えるのか。これを明らかにするため
に、欧米各国の事例調査と比較研究を行いました(岩国市より
委託)。
錦帯橋
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
将来的に起こりうる保存/撤去の議論に対して学術的な視点を提供することが可能。土木構造物
は多様な機能を有することが多く、地域学習の有益な材料にもなり、土木遺産を活かしたまちづ
くりなどの事業推進においても、方策を考えるための多様なメニューの提供に資するものと考え
ています。
分野
教育
研究・地域連携
テーマ
難波 礼治
キーワード
水理学・工学教育・楽しく
楽しい水の実験(土木工学のすばらしさを知ろう)
~大人から子どもまで~
自然環境工学科
講師
Reiji Nanba
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
ここ数十年の間で,理科やものづくりに対して関心を抱く子どもたちが減少していることが問題
となっています.将来の日本を支える科学者や技術者不足へと繋がる重要な課題であります.
テーマでは,子どもたちが理科やものづくりに興味を持ってもらう一助として,楽しい水の実験
を提案します。子どもたちのみならず保護者や興味のある方は大歓迎です。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
レイノルズ実験装置による流れの
管路を流れている流体は、分子が規則正し
く一定の層をなして流れている層流と無数
開水路実験装置による流れの実
流速は、水路壁や水路底との
摩擦や水の粘性による内部摩
擦の影響を受けます。最大流速
は、摩擦の影響の小さい位置、
すなわち、水路壁や水路底から
一番遠い中央水面に生じます。
さらに、空気の抵抗を考慮して、
一般には水面より少し下方に生
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
これまでに多くの理工系学問を啓発するイベントを行ってきました。その結果、体験学習を通じ、子どもた
ちや保護者の皆様の理科・ものづくりに対する理解・感心が向上することがわかってきました。「水のたの
しい実験」では多くの皆様の体験学習を歓迎致します。水のことを学びますが、あわせて工学最古の学問で
ある土木工学のすばらしさを皆様にお伝えできたらと考えています。
分野
地域づくり
キーワード
研究・地域連携
テーマ
羽野 暁
景観・デザイン
地域遺産を活用した地域活性化
自然環境工学科
講師
Satoshi Hano
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
住民が豊かさを実感し誇りを持てる地方の創生が求められています。地域特有の歴史や文化、自
然を活かした地域づくりは、良好で個性的な地域景観を創造し、観光交流人口の増加等、地域活
性化につながることが期待できます。地域に潜在する文化資源に地域社会が気付き、価値付けす
ることで、地域づくりの核となる地域資産が創造されます。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
永く地域に在り住民に愛されている歴史的な土木構造物
は、地域づくりの核となることが期待される施設です。
例えば、右図に示す大正~昭和初期に建設された地域橋
梁は、非常にバラエティに富んだ特徴的な造形を有して
います。これらは地域活性化に資する貴重な地域資産で
す。現在老朽化に伴い各地で解体撤去が進められている
これらの地域資産を上手に利活用することで、地域の活
性化につなげることが期待できます。消え行く地域遺産
のアーカイブ資料の作成、地域遺産に関する歴史資料の
収集を通して、文化的価値評価に取り組んでいます。ま
た、得られた成果を地域に還元することで、地域の歴史
教育等にも貢献しています。
図1 アーカイブ資料 (上:記録図 下:意匠解説資料)
図2 地域に残る近代地域橋梁(福岡県抜粋)
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
地域橋梁のように地域にひっそりと残る土木構造物の保存・利活用のアドバイスや、解体撤去を
計画している土木構造物の地域での思い出共有など、地域資源を活かしたまちづくりのお手伝い
をさせていただきます。
分野
教育
キーワード
陸上競技
研究・地域連携
テーマ
岩元 泉
持久走の陸上教室
自然環境工学科
職位
助教
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
子供たちに走る楽しさを伝える
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
持久走大会に向けての陸上教室での指導様子
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
自治体主催のマラソン大会への参加
工学部
分野
建築工学
研究・地域連携
テーマ
福島順一
キーワード
耐震安全性 事業継続 BCP
震災後の事業継続を考慮した施設計画
(BCP:Business Continuity Plan)
建築デザイン学科
教授
Junichi Fukushima
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
建物骨組みの耐震安全性は向上してきたが、一方で、インフラ遮断や家具什器等の損壊によって、建物機
能が停止し長期間にわたって閉鎖されることが問題になってきた。特に、震災対策拠点や病院・消防等の施
設は、被災直後からその機能の素早い復活が求められている。そのためには、事業継続の考えを予め取り入
れた施設計画(BCP)が必須であり、早い対応が求められる。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
事業継続の評価は、被災前の建物機能に復活するまでの【期間の長短】で定まる。理想的には、建物機
能が途切れることなく継続することであるが、建物外の要因(電気・ガス・上水道下水道・通信などインフラ
の破壊)によって、建物自身の機能が大きく阻害されることもある。少なくともインフラ遮断対策を建物内部
に備えておくことが、BCP対策の根幹となる。2004年新潟県中越地震で被害を受けた「小千谷総合病院」
の例を以下に紹介した。全機能の復活に半年を要した。要は、一つ一つ万遍なく脱落対策を施しておくこと、
備蓄機能を備えておことく、この二点が肝要である。(写真は福島撮影による。)
耐震構造の建物内部ナースステーション
(カルテ類が散乱し、復活整理に数週間を
要した。)構造体は軽微。
給湯器の脱落。給水管が折損
し、施設内が水浸しになった。
きめ細かな対策がBCPの骨格
である。
電源車による緊急供電(病院施設のため優先的に対応)
非常用発電オイルが2日で無くなる。備蓄量の不足。
耐震構造の機械室内部の状況。ダクトが
落下して空調機能が停止した。吊り下げボ
ルトを補強しておけば、この様な損傷は防
げた。
同一敷地内にある免
震建物。激しい揺れに
も係らず食器棚は無事。
被害を受けた耐震建
物から入院患者を移送
する職員。
重要施設のBCP対策の一つに免震構造がある。部
分的な「免震フロアー」も効果的である。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
新築・既存に係らずBCP対応は必要ですが、そのためには対象建物の「耐震上の弱点」を探り出し、最
適対策を施すことになります。インフラ遮断等を想定して備蓄機能を付加することも必要になりましょう。
建物全機能を構成する個々の要素機能を上手く整理し、対策を立てなければなりません。専門家のアドバイ
スが必要になろうかと思います。お手伝いをさせて頂ければ幸いです。
分野
建築工学
研究・地域連携
テーマ
古田 智基
キーワード
木造住宅、制振構造
木造住宅制振構造標準化を目指した
制振デバイス(制振金物)の開発
建築デザイン学科
教授
Tomoki FURUTA
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
地域住民の減災・防災意識の向上を図り、「安全・安心」を住まい手が能動的に手に入れることにより「住
生活の質の向上」につなげ、豊かで質の高い社会基盤づくりに貢献するために、木造住宅制振構造標準化を
目指した制振デバイス(制振金物)を開発。現在、普及に向けた実装活動展開中。一昔前までは自動車のエ
アーバックはオプションであったが、現在は標準装備となっているのと同じく木造住宅に標準搭載可能。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
特許出願済み:特願2014-089800号, 特願2014-105970
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
地域の工務店,建築士事務所でも設計・施工でき、一般建売り住宅でも8万円/棟程度で制振構造を標準化することが
可能。設計法においては、壁量計算のみで設計できるように壁倍率を確保しており、制振効果は競合技術と同等以上の
性能を有している。既存制振デバイスは、高価で各構面に1箇所の設置を基本としているため、建物全体としての制振
効果が薄く、セットバックした形状や構面のスパン数が多い建物の場合は端部スパンの損傷は免れない。本制振金物
は、木造住宅の既存(在来)の筋かいに設置し、建物全体に均等に設置されるため建物全体の制振効果が大きい。
分野
研究・地域連携
テーマ
地域づくり
キーワード
文化遺産 福祉住環境
文化・福祉に着目した地域づくり
河原 洋子
建築デザイン学科
准教授
Yoko Kawahara
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
以下の3つについての研究、地域連携活動に関心があります。①地域にある歴史的な建造物・
景観など文化資源の発見・再認識・評価・保存・活用、②特に高齢者に配慮した居住環境の創
出、③上記に着目したまちづくり計画・活動
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
地方創生が謳われる今、地域の特色を示す文化遺産の役割はますます大きくなっています。こ
れまで、国内外において、古い建物や伝統的な集落を評価・保全するための調査研究を行ってき
ました。近年は薩摩川内市・入来麓重要伝統的建造物群保存地区において、住民が高齢化する中
で伝統的な建物や環境を保全すると共に、高齢者の居住環境について考えるまちづくり活動を実
施しています。住民の方々および本学学生と一緒にワークショップ・シンポジウムを開催しまし
た。
写真2 入来麓におけるまちづくり活動
写真は平成26年度に開催した鹿児島県の3つの重要伝建地区が
集まったシンポジウムと入来地区でのワークショップの光景です。
高齢化についての現状・問題・課題を検討し、伝統的な住宅の
住まい方を見直しました。
写真1 中国世界遺産麗江旧市街(河原撮影)
中国少数民族の一つ・ナシ族の居住地・麗江が世界遺産に登録されています。
写真は麗江にある白沙村の四方街と呼ばれる村の中心部です。ここにはいつも
ご高齢の方々がたくさん屯っていました。
世界遺産など伝統的な集落は高齢化が進んでいるところが多いと言われています。
白沙村ではご高齢者が生き生きと過ごされていました。日本ではどうでしょうか?
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
古い建物等の調査、文化財登録に向けた資料作成、まちづくりコーディネーター等をお引き受
けできます。現代の少子高齢社会では、若い人がこれらの活動を経験することが重要と考えてい
ます。学生と共にお手伝いさせてください。
分野
建築工学
研究・地域連携
テーマ
位田達哉
キーワード
建築改修工事
既存RC造建築物の改修工事における調査研究
建築デザイン学科
講師
Tatsuya Inden
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
サステナビリティの重要性があらゆる産業に根付きつつある。建築の分野では、建築ストック
の長期利用と有効活用のため、既存の建築物を改修によって継続的にメンテナンスし、可能な限
り長く供用することが求められている。しかしながら、実施にあたっての規格・規準は多岐にわ
たり、工法や材料の選定のための網羅的な調査と整理が必要不可欠である。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
RC造の建築物は、経年によってひび割れなどを生じ、構造耐力が低下する。建物を維持するた
めには、この経年劣化を適切に補修することが必要である。既存RC造建築物の改修のための標準
仕様書として国土交通省発行「公共建築改修工事標準仕様書(改修標仕)」が挙げられる。この
仕様書においては、RC躯体についてのひび割れや欠損などの不具合の補修方法を示すのみで、劣
化の原因には触れられていない。既存RC造建築物の延命化を図るにあたっては、多くの場合はひ
び割れを補修し、欠損部の断面修復だけでは一時的な問題解決に過ぎず、不十分な処理となって
いる。本来ならば、劣化原因を特定し、さらなる劣化の進行を抑制するほか、内在する劣化因子
を除去することが必要である。改修標仕の解説書である「建築改修工事監理指針」にある躯体補
修の記述は、補修工法を選定できるよう整理している。しかしながら、理論のベースはできてい
るものの、現業の建設技術者らが原因を特定し、適切な補修工法を選択し、施工を実施できるよ
うな構成にはなっておらず、RC躯体補修の標準化に対する取り組みを進め、改修工事の標準仕様
書を整備していく必要がある。
そこで、現在策定を進めている建設技術者の活用を意図した改修工事の標準仕様書について紹
介するとともに、躯体の補修を対象とした材料の品質規格を整理した結果を基にして具体的な事
例について解説する。
図1
中性化による鉄筋腐食の事例
(JCIコンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針)
図2
鉄筋腐食によるかぶりコンクリートのひび
割れパターン(R. D. Browne)
本研究は、一般社団法人日本建築学会「改修設計・改修工事小委員会」、公益社団法人日本コンクリート工学会 「既
設コンクリート構造物の維持管理と補修・補強技術に関する特別委員会」など、位田が委員として参加している調査研
究の結果の一部である。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
建築ストックの多い都市圏では緊急の課題である。特に九州地方では新築に匹敵する金額をか
けてまでの大規模な改修工事が脚光を浴びることは少ないが、人類が自然豊かな環境と共存して
いくためには避けては通れない道であろう。専門家であっても適切な判断の難しい技術体系を概
説する。
分野
教育
キーワード
研究・地域連携
テーマ
切手 純孝
不登校
不登校の理解と対応
共通教育センター
教授
sumitaka kitte
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
平成25年度の中学生の不登校の数は9万5442人で、37人に1人の割合となっています。これ
は1クラスに1人は不登校の生徒がいることになります。過去10年間を見ても、中学生の不登校
の数は約9万5千人前後の値を推移しており、生徒数の減少を勘案すると、相対的には横ばいかあ
るいは増加の傾向にあるといえます。そこで、学校の先生方や保護者の皆さんを対象に不登校へ
の正しい理解と適切な対応のあり方並びに不登校の予防について解説を行います。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
私は平成4年から10年までの7年間、鹿児島県総合教育センターの教育相談室で悩みを抱えた
児童生徒や保護者の相談に携わってきました。相談内容の中で最も多かったのが不登校に関する
ものでした。学校へ行きたくても行けない子どもたち、の相談の内容や年齢はそれぞれ異なりま
すが、どの保護者も「このままずっと学校に行けなくなるのではないか」「何が原因でこうなっ
たのか」「どのように対応したらいいのかわからない」「1日でも早く学校に行けるようになっ
てほしい」等々、悩みを抱え込んだ状況でした。
不登校は様々な要因が複雑に絡み合って起こる場合が多く、その原因を特定することは難しい
と言われております。しかし、原因が分からない場合でも、目の前にいる子どもの状態や状況を
観察し、分析することで、適切な対応が可能になる場合が多いのです。専門的かつ具体的なアド
バイスを行うことにより、子供たちはもちろん先生方や保護者の皆さんの悩みや不安を少しでも
軽減できると考えております。また、不登校傾向の子どもを早期に発見し、早期に対応すること
で、不登校を未然に防ぐ手立てや不登校の予防についても解説をします。
<具体的な内容>
・ 不登校の初期における対応
・ 不登校の進行期における対応
・ 不登校の回復期における対応
・ 不登校の予防対策
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
学校の先生方や保護者の皆さん方が不登校への正しい理解と適切な対応のあり方について理解
を深めることによって、不登校を早期に解決することに繋がると考えます。また、不登校傾向の
子どもたちに対する適切な対応を行うことで不登校を防ぐこともできると思います。
分野
教育
研究・地域連携
テーマ
岩橋 法雄
キーワード
教育福祉、イギリス
教育と福祉の協働、とりわけ英国の事例を中心とし
て
共通教育
教授
Norio Iwahashi
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
教育現場で起きている様々な諸問題は、学力の問題をはじめとして、いじめや非行、貧困など「教育」領域
だけの取り組みと努力だけでは解決できない問題が非常に増えている。教育以外の福祉や医療機関との連携
と協働を深め、子どもの全体的総合的な保護の必要が叫ばれている。スクール・ソーシャルワーカーなどの
取り組みも始まっている。イギリスでは教育福祉サービスとして展開されてきた教訓を明らかにする。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
分野
教育
キーワード
研究・地域連携
テーマ
竹下 俊一
生涯スポーツ
生涯スポーツ(ソフトボール競技)
共通教育センター
講師
Syunichi Takeshita
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
文部科学省にはスポーツ・青少年局に生涯スポーツに関する行政を管轄する部署として生涯ス
ポーツ課があり「国民のだれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことがで
きる生涯スポーツ社会の実現」のための最重要施策として総合型地域スポーツクラブの全国展開
を挙げています。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
生涯スポーツとは、その生涯を通じて、健康の保持・増進やレクリエーションを目的に「だれも
が、いつでも、どこでも気軽に参加できる」スポーツのことです。
その中でも、ソフトボールにおいて、同競技は、安全性も高く、年齢や性別に関わらずプレーし
やすいため世界的に普及しています。
文部科学省による「スポーツ振興基本計画」及びJOCによる「JOC GOLD PLAN」
の施策を受け、「オリンピック競技大会などの国際競技大会における我が国のトップレベルの競
技者の活動は、国民に夢や感動を与え、明るく活力ある社会の形成に寄与することから、こうし
た大会で活躍できる競技者の育成・強化を積極的に推進する。」このことから、霧島市におい
て、「生涯スポーツ」「ソフトボールの躍進・発展」を掲げ、ソフトボールを通じての人間形
成・健康維持作りのため楽しく指導していきます。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
今後日本を代表する選手層の強化と国際大会におけるメダル獲得率の安定化を図ることを目的と
する。にのっとり、鹿児島県ソフトボール協会の発展と、地域(霧島市)のスポーツ発展に貢献
します。
分野
教育
キーワード
PC基礎
研究・地域連携
テーマ
福永 知哉
PCの使い方
共通教育センター
講師
Tomoya Fukunaga
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
現代ではPC(パーソナルコンピュータ)は当然のように存在し使えることが当たり前となってお
り,仕事をする上で使用できることが前提条件となってます。また,知りたい情報を検索し得
る,情報を発信する,さまざまな人とコミュニケーションをとるなど,使用法は多岐にわたって
います。PCを使用することは生活を豊かすることにつながっていると言えます。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
1980年代,PCはプログラムの知識が無いと使いこなせるものではありませんでしたが,
GUI機能により、 知識が無い人でも直感的に操作ができるようになりました。また,性能が格段
に向上して、人間が行うと膨大に時間がかかる作業もわずかな時間で処理することができ,また
大容量の HDD が搭載可能となったため,たくさんの情報を保存することが可能になりました。
インターネットの普及により,世界中にある情報を簡単に得ることができたり,世界中の人とコ
ミュニケーションをとることも可能となりました。さらに金額も格段に安くなり,気軽に買うこ
とができるものとなりました。
PCが一家に数台となった現在では使えることが当たり前となっています。ネットワークと通し
て,旅行に行くためのチケットを予約する。必要な情報を検索し得る。メールをする。欲しいも
のを購入する。自分が持っている情報を世界中の人に伝える,などPCを通してできることはたく
さんあります。また社会人として文章や表計算のソフトを使い,より簡潔であり視覚的に分かり
やすい書類・企画書を作成したり,プレゼンテーション用の資料を作成したりすることは当たり
前のこととなっています。
図1 PCを使ってできる様々なこと
(イメージ)
図2 資料の作成の例
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
PCを使いたい。でも今さらPCの使い方を聞くには恥ずかしい。そのような方はまだまだ沢山い
らっしゃると思います。今は知りたい情報を得る,文章を書く,ものを買うなどはPCを通じて
行っています。PCへの苦手意識をなくし,PCを使ってさまざまなことができるようお手伝いを
させて頂きます。
分野
教育
キーワード
研究・地域連携
テーマ
村岡 敬明
政策・政治・若者
政策立案ワークショップ
共通教育センター
助教
Takaaki Muraoka
工学部
■ 研究・地域連携活動の背景および目的
近年、特に若い世代で政治や行政に対する関心が希薄になっている。その状況を改善するため
に、特定の行政課題について政策の企画・立案を疑似体験させ、政治への参加意欲と関心を呼び
起こす。
■ 研究・地域連携活動の概要紹介
テーマは誰でも参加できるもので、たとえば「日本の大学の国際化について」、「若者の低投票
率について」、「2020年に向けた未来提言」など,誰でも発言しやすい身近なテーマを設定す
る。
ワークショップの進行手順を以下に示す。
①複数の班に分かれ、各自の知識やこちらが用意した客観的資料に基づいて議論を深め、得られ
た成果を報告書、あるいはパワーポイントにまとめて、発表の準備をする。
②班別にまとめた報告書、あるいはパワーポイントを1グループあたり10分で発表させる。
③最後に発表した個々の内容について、私が詳細な講評を加える。
■ 期待される効果、応用例など、自治体・産業界へのアピールポイント
地方が抱える特有の問題や早期に解決してほしい身近な事項などを政策課題として取り上げ、そ
れに焦点を当てて詳細に検討することで、地域住民の政治への関心を喚起するだけでなく、検討
結果次第では地方の活性化にもつながることになる。