ふ 氏 り が は せ が わ な 名 長谷川 あきら 職 晃 名 准教授 取得学位 博士(人間科学) 早稲田大学大学院人間科学研究科人間科学専攻 受賞歴等 日本パーソナリティ心理学会第 18 回大会 大会発表賞等 認知行動療法、臨床心理学演習Ⅰ、Ⅱ、心理学課題研究Ⅰ、Ⅱ、臨床心理学特論、 主な担当科目 臨床心理面接特論、心理療法特論(認知行動療法)、臨床心理基礎実習、課題研究Ⅰ、 特別研究 日本心理学会、日本パーソナリティ心理学会、日本感情心理学会、日本認知療法学 所属学会 会、日本行動療法学会、日本行動医学会、日本健康心理学会、日本うつ病学会、 日本心理臨床学会、日本カウンセリング学会、日本心身医学会、日本ストレス学会 教 育 業 績 実施 事項 概要 年月(日) 【教育方法の実践例】 1)淑徳大学にて「カウンセリング論」を担当 平成 20 年 9 月 カウンセリングに関する理論を、なるべく学生本人の 実体験と突き合わせながら講義を行った。また、実際 に不快な感情を緩和するための技法を学生本人に実 施させ、カウンセリングに関する理解を深められるよ うに工夫した。 2)東海学院大学にて「性格心理学」を担当 平成 25 年 4 月 性格を測定する質問紙を実施し、心理検査法に関する ※東海学院大学での「認知行動療法」や「人 理解や自分自身の性格に関する理解を深められるよ 間理解の心理学」の授業でも同様の試みを行 うにした。また、授業後にリアクションペーパーに記 った。 入を求め、それを評価の対象とすることで、学生が物 事を考える機会を増やした。それに加えて、学生から 出た質問に対して次の授業で返答し、学生の理解を促 した。 3)東海学院大学にて、4 年生を対象とした「心 平成 25 年 4 月 前期中に卒業研究の計画の発表会を 3 回行い、学生間 理学課題研究Ⅰ・Ⅱ」を担当 で議論を行ったり、刺激し合える機会を設けた。その ※東海学院大学の 3 年生を対象とした「臨床 他、授業外で個別指導を行い、文献検索、論文理解、 心理学演習Ⅰ・Ⅱ」や、2 年生を対象とした レジュメのまとめ方などの指導を行った。後期には授 「心理学講読演習Ⅰ・Ⅱ」の授業でも同様の 業内外を問わず、分析方法や論文のまとめ方に関する 試みを行った。 指導を行った。 【作成した教科書,教材】 1)淑徳大学で行った「カウンセリング論」の 平成 20 年 9 月 授業の資料を作成 行動療法、認知行動療法、精神分析、クライエント中 心療法の理論と実施方法に関する資料を作成し、授業 で用いた。 2)東京電機大学で行った「教育心理学」の授 平成 22 年 4 月 業の資料を作成 3)東海学院大学で行った「性格心理学」の授 発達、性格、学習、動機づけ、発達障害などに関する 資料を作成し、授業で用いた。 平成 25 年 4 月 業の資料を作成 性格の類型論と特性論、性格の形成過程などに関する 資料を作成し、授業で用いた。また、前年度行った授 業に対する学生の感想や評価を踏まえ、学生の理解を 促せるように資料を改良した。 ※その他、東京電機大学で行った「教育相談」 の授業、東海学院大学で行った「認知行動療 法」や「人間理解の心理学」の授業でも独自 に資料を作成し、授業で用いた。 【教育上の能力に関する大学等の評価】 1)学生による授業評価 平成 26 年 3 月 平成 25 年度に担当した授業では、学生による授業評価 が 4.24 点であった。平成 25 年度のデータは公表され ていないが、例年、大学の専任教員全体における授業 評価の平均が 4.2 点前後であり、それと同等の値であ った。 【実務の経験を有する者についての特記事項】 1)東海学院大学大学院の臨床心理学専攻の大 平成 24 年 4 月 相談室で個人面接を行っている大学院生や、医療機関 学院生を対象とした実習のスーパービジョン から や相談室で社会的スキル訓練の実習を行っている大 の実施 学院生に対してスーパービジョンを行い、クライエン トの状態の見立てやセッションの進め方について指 導を行った。 2)東海学院大学短期大学部生涯学習センター 平成 24 年 5 月 年間で全 15 回の講座の中で 3 回を担当し、心理査定、 の臨床心理士資格試験講座の講師を担当 から平成 25 年 医療、統計や過去問の解説などを行った。 9月 3)看護系の指導者養成を目的とした講習会で 平成 24 年 10 平成 24 年度岐阜県保健師助産師看護師短期実習指導 の講師を担当 月 者講習会(特定分野)にて、教育心理学に関する講習 を行った。 【その他】 1)高等学校での出張授業 平成 23 年 6 月 岐阜県、愛知県、富山県の高校にて、「考えすぎない から 人生へ:臨床心理学の入門」、「やる気を引き出す工 夫」、 「性格心理学:あなたと私はなぜ違う」、 「恋愛と 人間関係の心理学」といった題目の出張授業を 11 回 行った。 2)岐阜県立関高等学校の 1 年生の生徒を対象 平成 23 年 8 月 対人魅力に関する講義とアサーショントレーニング に高大連携の授業の実施 平成 24 年 8 月 に関する実習を行った。 研 分 品・演目などの名称 著 書 1.パーソナリティ心理学ハ ンドブック ・ 区 単 共 著書・論文・発表テーマ・作 共著 究 業 発行 ・ 発表 年月 (日) 平成 績 発行所/誌名・巻号/学 会・展覧会・演奏会の 備考 名称(会場名) 福村出版 13 章 3 節 抑うつを単独で 25 年 3 執筆した。抑うつと関連する 月 パーソナリティ特性に関す る諸理論と、関連する研究結 果について概観した。この分 野は、抑うつと神経症傾向と の関連性が検討から始まり、 その後、反すう、過度に概括 化された自伝的記憶、社会的 問題解決、回避行動といった 細分化された反応へと研究 の焦点が移っていった。以上 の概観の後、ミクロな反応の 相互作用をも考慮し、議論を 進めていく必要があるとい う提案を行った。 (pp.380-385) 編者:二宮克美・浮谷秀一・ 堀毛一也・安藤寿康・藤田主 一・小塩真司・渡邊芳之 13 章 3 節執筆者:長谷川晃 論 文 1.抑うつ的反すうに関する 共著 平成 パーソナリティ研 資料論文。抑うつと関連する ポジティブな信念の確信度 21 年 9 究、第 18 巻第 1 号 思考パターンである抑うつ的 と抑うつ的反すう傾向との 月 反すうを促す要因として、抑 関連性 うつ的反すうに関するポジテ ィブな信念の確信度を取り上 げた。まず、この信念を測定 の対象とした尺度を作成し た。次に、作成された尺度と 抑うつ的反すうを測定する尺 度を大学生 368 名に対して実 施し、この信念の一部が抑う つ的反すうと関連することが 示唆された。 (pp.21-34) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 長谷川晃・金築優・根建金男 2.抑うつ的反すうを促す反 共著 平成 パーソナリティ研 ショートレポート。反すうす すうする利益に関する信念 22 年 3 究、第 18 巻第 3 号 る利益に関する信念(抑うつ の内容 月 的反すうに関するポジティブ な信念の一種)の中で、どのよ うな内容の信念が抑うつ的反 すう傾向と関連性が強いのか 検討を行った。大学生 155 名 を対象とした調査の結果、特 に反すうが自己や状況の洞察 につながるという内容の信念 が抑うつ的反すうとの関連性 が強いことが示された。 (pp.248-251) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 長谷川晃・金築優・根建金男 3.初期統合失調症(中安)症 共著 平成 最新精神医学、第 15 研究報告。初期統合失調の診 例における Wisconsin Card 22 年 5 巻第 3 号 断基準に合致する大学生(59 Sorting Test の成績 月 名)と合致しない大学生(24 名) に対して、Wisconsin Card Sorting Test(WCST)を実施し た。その結果、初期統合失調 症群の方が、WCST のサブス ケールであるエラー総数やネ ルソン型保続性エラー数が多 く、概念化レベルにおいて少 なかった。 (pp.285-293) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 長谷川晃・田中健滋・長江信 和・金築優 平成 感情心理学研究、第 展望論文。John D. Teasdale の 予防とマインドフルネス認 22 年 7 18 巻第 1 号 情動処理理論の解説と関連す 知療法の観点から 月 4.うつ病の異常心理学:再発 共著 るデータのレビュー、 Mindfulness-Based Cognitive Therapy の理論的背景とその 効果、近年大うつ病性障害の 研究で活躍する Ed Watkins と Jutta Joormann の動向と上記の 理論との関連性を論じた。 (pp.51-63) 共同での執筆につき担当部分 抽出不可。 伊藤義徳・長谷川晃・甲田宗 良 5.日本語版抑うつ状態チェ ックリストの改訂 共著 平成 パーソナリティ研 ショートレポート。先行研究 22 年 8 究、第 19 巻第 1 号 にて問題点が指摘された日本 月 語版抑うつ状態チェックリス トを改訂した。改訂版の項目 原案を大学生に対して実施 し、因子分析の結果を踏まえ て、改訂版の項目を決定した。 続いて他の大学生を対象とし た調査を実施し、尺度の構成 概念妥当性を確認した。 (pp.68-71) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 長谷川晃・伊藤義徳・矢澤美 香子・根建金男 6.日本語版 Experiences 共著 平成 パーソナリティ研 ショートレポート。自己のネ Questionnaire の作成と信頼 22 年 究、第 19 巻第 2 号 ガティブな思考や感情を心の 性・妥当性の検討 11 月 中で生じた一時の出来事であ るという認識を指す、 「脱中心 化」を測定の対象とした、 Experiences Questionnaire の翻 訳を行った。大学生を対象と した 3 つの調査により、日本 語版の信頼性や妥当性が概ね 確認された。 (pp.174-177) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 栗原愛・長谷川晃・根建金男 平成 行動医学研究、第 17 原著論文。第 2 著者以降の方 ネガティブな信念と抑うつ 23 年 4 巻第 1 号 の協力を得て研究を実施し、 との関連性 月 7.抑うつ的反すうに関する 共著 論文を執筆した。抑うつ的反 すうに関するネガティブな信 念の確信度を測定する尺度を 作成し、その信頼性・妥当性 を確認した。続いて、作成し た尺度を用いた調査を実施し た結果、この信念は、抑うつ 的反すうの影響を統制した上 でも、抑うつと関連すること が示唆された。 (pp.16-24) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 長谷川晃・金築優・井合真海 子・根建金男 平成 パーソナリティ研 ショートレポート大学生 166 ィブな反すうが抑うつに及 23 年 4 究、第 19 巻第 3 号 名に対して、4 週間の間隔をあ ぼす影響の比較 月 8.抑うつ的反すうとネガテ 共著 けて 2 度調査を実施した。そ の結果、1 回目の調査で測定し た抑うつやネガティブな反す うの影響を統制した上でも、 抑うつ的反すうは 4 週間後の 抑うつと関連することが示さ れた。研究や臨床実践におい て、抑うつ的反すうを取り上 げる意義が示唆された。 (pp.270-273) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 長谷川晃・根建金男 9.抑うつ的反すうと関連す る信念の内容 共著 平成 感情心理学研究、第 原著論文。著者が以前に行っ 23 年 5 18 巻第 3 号 た研究で抽出した抑うつ的反 月 すうに関するポジティブな信 念の中で、特にどの内容の信 念が抑うつ的反すうと関連性 が強いのか検討を行った。そ の結果、反すうすることが自 己や状況の洞察に繋がるとい う内容の信念と反すうしない と悪影響が生じるという内容 の信念が特に抑うつ的反すう と関連することが示唆され た。 (pp.151-162) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 長谷川晃・根建金男 10.抑うつ的反すうの持続を 単著 測定する面接課題の作成 平成 感情心理学研究、第 資料論文。抑うつ的反すうの 25 年 2 20 巻第 2 号 持続を測定する面接法である 月 抑うつ的反すう面接課題(DRI 課題)を 61 名の大学生に実施 し、その課題の中で案出され た反すうのステップ数の妥当 性を検討した。DRI 課題の中 で案出されたステップ数は、 抑うつと正の有意な相関関係 にあり、抑うつ的反すうの自 己記入式尺度と正の有意傾向 の相関関係が示された。これ らの結果より、反すうのステ ップ数がある程度の妥当性を 有していることが示唆され た。 (pp.47-55) 平成 Psychological Original article。抑うつ的反す initial validation of the 25 年 6 Reports, Vol.112 うの頻度を測定する Japanese version of the 月 (3) Ruminative Responses 11. Translation and 単著 Ruminative Responses Scale(RRS)は、世界中で幅広く Scale. 使用されている。著者は RRS の日本語版を作成した。大学 生より得られたデータについ て、確認的因子分析の実施、 他変数との相関関係の算出、 再検査信頼性の検討を行った 結果、RRS の十分な信頼性、 妥当性が確認された。RRS は 日本の抑うつを対象とした研 究や臨床実践で活用できる尺 度であることが示唆された。 (pp.716- 726) 12.抑うつ的反すうの能動性 単著 平成 パーソナリティ研 資料論文。反すう傾向の高い に焦点を当てた介入プログ 25 年 7 究、第 22 巻第 1 号 大学生を介入プログラムを受 ラムの効果:大学生の高反す 月 ける実験群と介入を受けない う傾向者を対象とした予備 統制群に振り分けた。介入プ 的検討 ログラムは、抑うつ的反すう に関するポジティブな信念を 反証し、抑うつ的反すうの持 続を導くプラン・目標を弱め ることに焦点を置いた 2 週間 のトレーニングから構成され た。その結果、実験群のみ抑 うつ的反すうの頻度と、反す うすることで自己や状況の洞 察が得られるという信念の確 信度が減少し、この 2 変数の 変化は連動していた。 (pp.48-60) 平成 Psychological Original article。大学生 378 名 predictions of the Brooding 25 年 Reports, Vol.113 に対して 8 週間の間隔を空け and Reflection subscales of 10 月 (2) て 2 度調査を行った。その結 13.Longitudinal 共著 the Japanese Ruminative 果、最初の調査で測定された Responses Scale for Ruminative Responses Scale の depression. 考え込みと反省という 2 下位 尺度の両方が、追跡期間であ る 8 週間で経験された最も強 い抑うつ状態と関連してい た。また、考え込みと反省の 再検査信頼性については、先 行研究と同等の値が得られ た。 共同研究につき担当部分抽出 不可。 Hasegawa, A., Koda, M., Hattori, Y., Kondo, T., & Kawaguchi, J. (pp.566-585) 14.反すうに関するメタ認知 共著 的信念 平成 Depression 総説論文。反すうに関するメ 26 年 3 Frontier, Vol.12 タ認知的信念の研究の動向を 月 (1) 概観した。反すうに関するポ ジティブな信念が反すうを導 き,ネガティブな信念が抑う つの悪化を導くという仮説 は,国内で行われた研究でも 支持された。また,反すうは 自己や状況の洞察を得るとい う目標を達成しようとするた めに持続することが示唆され た。今後は、メタ認知的信念 の変容に着目したメタ認知療 法が日本人にも適用可能であ るのかを検証することが望ま れる。 (pp.73-79) 「Ⅲ.反すうとメタ認知的信 念を扱う介入の効果研究」以 外の約 7 割の執筆を担当した。 長谷川晃・宮﨑球一・根建金 男 平成 Psychological Original article。過去に大うつ and past depression in 26 年 6 Reports, Vol.114 病エピソードを経験したこと Japanese university 月 (3) のある大学生と経験したこと 15. Depressive rumination 共著 students: Comparison of のない大学生の間で、 Brooding and Reflection Ruminative Responses Scale の 考え込みと反省という 2 下位 尺度に差があるのかを 2 つの 研究で検討した。その結果、 考え込みは一貫して過去に経 験された大うつ病エピソード との関連が示されたが、反省 については一貫した結果が得 られなかった。 (pp.653-674) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 Hasegawa, A., Koda, M., Hattori, Y., Kondo, T., & Kawaguchi, J. 平成 Journal of Research Studies。大学生 227 and social problem solving 27 年 5 Cognitive 名に、反すうや社会的問題解 in Japanese university 月 Psychotherapy, 決の指標に回答を求めた。そ Vol.29 (2) の結果、抑うつの影響を統制 16. Depressive rumination 共著 students. しても、反すうやその不適応 的側面である考え込みはネガ ティブな問題志向や回避型ス タイルとの関連が示された。 反すうは回避的な問題解決と の相互作用を経て抑うつを強 めていることが示唆された。 一方、反すうの適応的な側面 である反省はポジティブな問 題志向や合理的問題解決との 関連が示された。 (pp. 134-152) 共同研究につき担当部分抽出 不可。 Hasegawa, A., Yoshida, T., Hattori, Y., Nishimura, H., Morimoto, H., & Tanno, Y. 17.Prospective associations of depressive rumination and social 共著 in Psychological Original article。大学生 161 名 press Reports, Vol.116 を対象に縦断的調査を行い、 (3) 反すうと社会的問題解決の各 problem solving with 側面が 6 ヵ月後の抑うつと関 depression: A 6 month 連しているのか検討した。そ longitudinal study. の結果、先行研究で相互作用 することが示唆された反すう と回避型スタイルは将来の抑 うつとの関連が認められなか ったが、衝動的/不注意型スタ イルは将来の抑うつと関連す ることが示された。以上につ いて反すうの持続過程と衝動 性という観点から考察した。 共同研究につき担当部分抽出 不可。 Hasegawa, A., Hattori, Y., Nishimura, H., & Tanno, Y. そ の 他 1.マインドフルネス&アク 共著 平成 ブレーン出版 “Mindfulness and セプタンス:認知行動療法の 19 年 5 Acceptance: Expanding the 新次元 月 Cognitive-Behavioral Tradition”の訳本であり、第 7 章行動活性化における行 為の発見:実証的知見に支持 された介入方法とその変化 のメカニズムに関する研究 を分担訳した。行動分析理論 に基づいた介入アプローチ である行動活性化が大うつ 病性障害の及ぼす効果や、そ の効果を導くメカニズムの 仮説を述べた章である。 (pp.217-239) 監訳:武藤崇・伊藤義徳・杉 浦義典 第 7 章翻訳担当者:長谷川晃 2.抑うつエピソード経験者 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。情動形容詞とネガ と未経験者が喚起する抑う 20 年 2 学研究、第 7 巻 ティブな自己視点形容詞と つ気分の構成成分の差異お 月 よび量的差異 共著 いう、抑うつ気分に関わる 2 下位尺度から構成される、日 本語版抑うつ状態チェック リストを作成した。この尺度 を大うつ病エピソードの A 基準に合致する状態を経験 した大学生(11 名)と経験し ていない大学生(24 名)に実 施したところ、前者の方が情 動形容詞の得点が高かった。 (pp.35-45) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 長谷川晃・伊藤義徳・金築智 美・根建金男 3.数息観が抑うつエピソー 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。過去に DSM-Ⅳの ド経験者の認知の変容に及 21 年 3 学研究、第 8 巻 大うつ病エピソードの A 基 ぼす効果 月 共著 準に合致する状態を経験し た大学生 15 名を、2 週間で 10 回、1 日 20 分の坐禅を実 施する実験群と、実施しない 統制群とに振り分けた。その 結果、実験群の方が、自己の 思考や感情から距離を置く スキルと、それらを論理的に 分析するスキルが増加する ことが示された。 (pp.31-43) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 長谷川晃・伊藤義徳・金築智 美・根建金男 4.社会的場面における自己 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。大学生 33 名に、 陳述の特徴と社会不安傾向 21 年 3 学研究、第 8 巻 初対面の異性と会話をする との関連 月 共著 実験を実施した。実験参加者 の会話場面で生じた思考と 社交不安傾向との関連性を 検討した結果、相手と視線を 合わせることに関する否定 的な自己陳述と、自己の会話 スキルに関する否定的な自 己陳述が社会不安と関連性 が強いことが示唆された。 (pp.67-77) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 谷口恵実子・長谷川晃・藤岡 緑・根建金男 5.抑うつ傾向と自伝的記憶 共著 の硬着性との関連性 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。大学生 22 名を対 21 年 3 学研究、第 8 巻 象に、1 ヵ月の間隔をあけて 2 度、人生において重要なポ 月 ジティブな出来事とネガテ ィブな出来事を想起させ、筆 記させた。その結果、抑うつ 傾向高群は低群より、ポジテ ィブな出来事とネガティブ な出来事の再想起数が多い ことが示され、抑うつと自伝 的記憶の硬着性との関連性 が示唆された。 (pp.79-87) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 髙島麻巳子・長谷川晃・中島 義明 6.抑うつ的反すう傾向の高 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。抑うつ的反すう傾 い大学生が保持する抑うつ 22 年 3 学研究、第 9 巻 向の高い大学生 10 名より、 的反すうに関する信念の内 月 容 共著 各サンプルが強固に保持す る信念の内容を聴取した。そ の結果、これらのサンプルに は、反すうが自己の性格、感 情、行動、および状況に関す る洞察に繋がるという内容 の信念や、反すうが状況・感 情の悪化の防止や軽減に繋 がるというニュアンスの信 念が保持されやすいことが 示唆された。 (pp.49-59) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 長谷川晃・井合真海子・根建 金男 7.注意集中を促す自己教示 共著 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。テスト不安傾向の 訓練がテスト中の認知的干 22 年 3 学研究、第 9 巻 高い大学生 26 名を、2 週間 渉の緩和に及ぼす効果 月 で 7 回の自己教示訓練を行 う実験群と、特別な介入を実 施しない統制群とに振り分 けた。実験の結果、アナグラ ム課題の成績には群間に差 が認められなかった。しか し、統制群よりも実験群の方 が、アナグラムテスト中に生 じる認知的干渉の制御困難 性や気分状態が改善するこ とが示された。 (pp.61-73) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 井合真海子・長谷川晃・矢部 純子・根建金男 8.大学生が知覚した親の養 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。大学生 173 名に抑 育態度及び心理的自立と抑 22 年 3 学研究、第 9 巻 うつ、不安、知覚された親の うつ・不安との関連性 月 共著 養育態度、心理的自立に回答 を求めた。その結果、知覚さ れた親の養育態度が心理的 自立を高め、間接的に抑うつ や不安を低減させることが 示唆された。また男性の対象 者では母親の“同一化”と抑 うつ・不安との間に関連性が 示され、女性の対象者では父 親の“自律性の否定”と抑う つ・不安との間に関連性が示 された。 (pp.115-125) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 小川真理子・長谷川晃・小俣 和義 9.行動調節に焦点化した自 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。大学生 17 名を 2 己教示訓練が大学生のスピ 23 年 3 学研究、第 10 巻 週間で 7 回の自己教示訓練 ーチ不安の低減に及ぼす効 月 共著 を行う実験群と、特別な介入 果 を受けない統制群に振り分 けた。実験の結果、統制群よ りも実験群の方がスピーチ 課題前の状態不安が減少し、 この効果は自己効力感の増 加によって媒介されていた。 また、実験群ではスピーチパ フォーマンス遂行に関わる 思考が増加することが示さ れた。 (pp.35-46) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 長谷川晃・阿部朋典・藤岡 緑・根建金男 10.見せかけの自己行動の遂 平成 早稲田大学臨床心理 原著論文。大学生 166 名に対 行に関わる認知的変数と抑 23 年 3 学研究、第 10 巻 して見せかけの自己行動の うつとの関連性 月 共著 頻度や関連する認知的変数、 抑うつの質問紙を実施した。 尺度間の相関係数より、見せ かけの自己行動の遂行に関 わる認知的変数の中でも、自 己に焦点をあてた動機や嫌 悪的な結果を回避するとい う動機は抑うつの増加と関 連し、他者との関係を親密化 させるという動機は抑うつ の減少と関連していた。 (pp.81-90) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 小川真理子・三村和貴・長谷 川晃・根建金男 11.反すうの認知行動モデ 単著 平成 東海学院大学・東海 先行研究で抑うつ的反すう ル:大学生の抑うつ予防に 24 年 学院大学短期大学部 に従事しやすい個人は持続 向けた基礎研究 10 月 学術交流集会報告書 的な抑うつ状態やうつ病に 2011 年度版 陥りやすいことが確認され ている。著者らは抑うつ的反 すうが個人の能動性によっ て持続されているという仮 説を立て、その仮説に添って 構成した介入プログラムを 行った。仮説通り抑うつ的反 すうの頻度は低減し、抑うつ 的反すうの持続過程に関す る理論的示唆が得られた。し かし、抑うつ傾向の低減効果 は示されず、実践への応用に 関わる課題が示唆された。 (pp.12-16) 平成 東海学院大学・東海 Ruminative Responses Scale しての反すう:大学生のう 25 年 2 学院大学短期大学 の日本語版を用い、調査時点 つ病の予防に向けた検討 月 部学術交流集会報 では抑うつ傾向が低いが、過 告書 2012 年度版 去に大うつ病エピソードを 12.うつ病の脆弱性要因と 単著 経験した大学生は経験した ことがない大学生より反す うしやすいことを検証した 2 つの研究の結果を報告し た。最後に、抑うつ的反すう を軽減できることが確認さ れたマインドフルネストレ ーニングを行うことにより、 高反すう傾向者の抑うつを 予防できる可能性について 言及した。 (pp.7-13) 13.抑うつ的反すう面接課題 平成 東海学院大学紀要、 著者が作成した DRI 課題の の実施前後で生じる気分の 25 年 3 第6号 実施前後で生じる気分の変 変化 月 単著 化を確認し、本課題の性質に 関する基礎的資料を得るこ とを目的とした。61 名の大 学生が本研究に参加した。実 験の結果、DRI 課題の実施前 から後に掛けて抑うつ気分 が増加し、ポジティブ気分が 減少するが、不安気分は変化 しないことが示された。以上 のことから、DRI 課題の回答 中に生じる認知過程が抑う つ的反すうと類似したもの であることが示唆された。 (pp.261-268) 14.質問紙法・面接法で測定 単著 平成 東海学院大学紀要、 抑うつ的反すうを測定する された抑うつ的反すうとメ 25 年 3 第6号 自己記入式尺度と著者が作 タ認知的信念の関連性 月 成した DRI 課題の両方を用 い、各指標の得点が抑うつ的 反すうに関するポジティブ な信念と同様の関連性を示 すのか検討した。実験の結 果、DRI 課題のステップ数は 信念とほとんど関連性が示 されなかった。自己記入式尺 度以外の方法で抑うつ的反 すうを測定し、抑うつ的反す うの持続過程を特定するた めの研究を行う必要性が示 唆された。 (pp.269-275) 15.日本語版 Ruminative 単著 平成 東海学院論叢 Ruminative Responses Scale Responses Scale の下位尺度 25 年 3 より、抑うつと関連が強い考 と自己志向的完全主義の関 月 え込みと、関連が弱い反省と 連性:考え込みと反省的熟 いう 2 下位尺度が抽出され 考の比較 た。本研究では、この 2 下位 尺度が自己志向的完全主義 の各次元とどのような関連 があるのかを検討した。大学 生 297 名が日本語版 RRS、 新完全主義尺度といった尺 度に回答した。その結果、考 え込みはミスを過度に気に する傾向と関連し、反省は自 分に高い目標を課す傾向と 関連していた。 (pp.68-80) 16.賞賛獲得欲求と拒否回避 共著 平成 東海心理臨床研究、 研究論文。賞賛獲得欲求と拒 欲求が演技行動に及ぼす影 26 年 3 第9号 否回避欲求が対人場面で生 響:対人場面間での比較 月 じる演技行動に及ぼす影響 について検討した。その結 果、賞賛獲得欲求は全場面で の好印象演技の増加と関連 していた。一方、拒否回避欲 求は先生以外の状況では調 和的演技の増加と関連して いたが、先生状況では好印象 演技の増加と関連していた。 賞賛獲得欲求と拒否回避欲 求が対人場面での諸反応に 及ぼす影響を検討する際、文 脈的な要因を考慮する必要 性が示唆された。 (pp.2-9) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 長谷川晃・伊藤公子 17.制御焦点の達成・不達成 共著 平成 東海心理臨床研究、 制御焦点理論に基づき、促進 が感情の質に与える影響の 26 年 3 第9号 焦点や予防焦点のシステム 検討 月 の活性化しやすさによって、 各焦点の達成・不達成の場面 によって強まる感情が異な るのか検討を行った。大学生 164 名に対して質問紙調査 を行った。促進焦点の活性化 しやすい群は、促進焦点の達 成場面において肯定的気分 が強まり、予防焦点の活性化 しやすい群は、予防焦点の不 達成場面においては不安気 分が強まるという結果が得 られた。以上より仮説が一部 支持された。 (pp.30-39) 共同研究につき担当部分抽 出不可。 渡辺将成・長谷川晃 18.第 42 回ヨーロッパ認知行 動療法学会に参加して 単著 平成 認知療法 NEWS、第 2012 年 8 月 29 日から 9 月 1 27 年 2 66 号 日にスイスのジュネーブで 月 開催された第 42 回ヨーロッ パ認知行動療法学会の報告 を行った。本大会で開催され たセッションの概要を報告 した上で、特に会期間中に活 躍していた Emily Holmes の 招待講演やシンポジウムで の話題提供の内容を述べた。 その中で、彼女が紹介したフ ラッシュバックの脆弱性や テトリスがフラッシュバッ クの改善に及ぼす効果を扱 ったアナログ研究について 言及した。 (pp. 1-2) 19. 不登校経験をもつ大学生 共著 の成長過程 平成 東海学院大学紀要、 大学入学以前に不登校を経 27 年 3 第8号 験した大学生の成長過程に ついて検討した。研究 1 では 月 不登校経験群の方が未経験 群よりもレジリエンスの得 点が低い傾向にあることが 示された。しかし、不登校経 験のポジティブな側面に意 味づけをしたり、自己成長感 が高かった者はレジリエン ス得点が高かった。研究 2 では不登校経験者 3 名に面 接調査を行った。参加者は不 登校経験から生じる不利益 を認めながらも、そこに自分 なりの価値を見出していた。 共同研究につき担当部分抽 出不可。 浮田あすか・福島裕人・長谷 川晃 20.平成 26 年度 東海学院大 学大学院附属心理臨床セン ター活動報告 単著 印刷 東海心理臨床研究、 平成 26 年度の東海学院大学 中 第 10 号 大学院心理臨床センターの 活動報告を行った。報告を行 った内容は、スタッフの構 成、新規の申込者数とその性 別・年齢の構成、申し込み経 路や相談内容、および月別・ 面接種別回数であった。平成 26 年度には新規申し込み者 数や相談室で行った面接回 数が減少した。そのため、新 規申し込み件数を増やすた めに広報活動を積極的に行 っていく必要があると考え られた。
© Copyright 2024 ExpyDoc