のうまい 場面構成 勧善懲悪のストーリーが 多 い 能 舞 は、 時 系 列 に よ り 大 ま か に5 つ の 場 面 で 構 成 されます。 ①道行き 神様や武士、姫など、鬼以 外の役が舞台に登場し、次の 場面に移るまでの舞。鬼退治 のために武士が旅に出るな ど、時間の流れを表すことが 多い。「道行き」、あるいは「あ ゆみ」と呼ばれる。 ②鬼拍子 ①神拍子 神楽の拍子 ⑤嬉し舞 観客からの拍手喝采の 中、善役が戦いに勝った喜 びを舞う。 ④立ち合い 善役と悪役とが激しくぶ つかる戦いのシーン。神楽 のクライマックス。 ④立ち合い拍子 ③安芸拍子 けることができます。 楽人が奏でる拍子は、大きく4つに分 動きです。 とする「飛び込み」が代表的な 大きく広げて相手を捕まえよう 鬼では、威ず厳を示すために見 え を 切 る「 頭 を 切 る 」、 両 腕 を あります。 う「八つを踏む」などの動作が 勢いよく八の字を描いて立ち合 両腕を水平にして回る「平舞」、 ひらまい 行 う 基 本 動 作 で す。 そ の ほ か、 べての役が舞の初めと終わりに うに動かすもので、鬼以外のす を上げ、腕を下から上に回すよ じんがく)です。これは、片膝 表的なものは、「順逆」(または、 じゅんぎゃく 各場面では、役ごとに多彩な 所作が繰り広げられますが、代 所作 舞と楽が一体となり、人々の心を熱くさせる神楽。 知識がなくてもその魅力を感じ取ることはできますが、知れば 知るほど、神楽の良さに気づくことができます。 神楽の基本知識をまとめました。 ②さぐり 鬼 が 出 現 す る 場 面。 あ た りを威嚇するような迫力あ る舞。 神楽の舞・場面構成・所作・奏楽 しん ぎ まい 神祇舞と能舞 神楽には、神様をお招きする 「神祇舞」(様式舞)と、お迎え した神様を楽しませるために舞 う「能舞」があり、舞のリズム がそれぞれ違います。 し 楽の上演は、儀式舞の「四 ほ神 う 方祓い」や「神降ろし」の演目 ではじまります。これから神楽 を舞い納めようとする場所を清 め、神様をお招きすることを意 味し、舞台の中央や四隅でゆっ くりと拝むような所作をするの ③からみ 善役と鬼などの悪役がい よ い よ 対 峙。 両 者 が に ら み 合い、押し問答をする。 笛 が特徴です。その後、娯楽的・ 手打ち鉦 演 劇 的 な 物 語 性 の あ る「 能 舞 」 奏楽のみならず、神 楽全体を指揮する重要 な楽器。団長などベテ ランが楽人を務めるこ とが多く、舞台監督的 な役割を果たす。 へと移ります。 楽器と楽人の 構成 てうちかね 神楽の奏楽は、基本的に大 太 鼓( 大 胴 )、 小 太 鼓、 笛、 手打鉦で構成され、主に大太 鼓の流れに合わせて演奏をし ます。観客から見て、手前か ら笛、手打鉦、小太鼓、一番 奥が大太鼓というのが基本的 な並び方です。 床に置いて演奏する 締太鼓で、小胴やコバ チとも呼ばれる。奏楽 の裏拍子を担当し、大 太鼓との呼吸が重要視 される。 手のひらサイズの金 属 製 打 楽 器。 両 手 で 持って、長時間小刻み に リ ズ ム を 取 る た め、 調子鉦とも呼ばれる。 笛 が メ ロ デ ィ ー を 担 当 し、 小太鼓や大太鼓が緩急自在に リズムを刻み、手打鉦の甲高 い音が場を引き締めます。大 太鼓は力強い響きで神楽全体 へいがしら をリードするため、昔は団長 に当たる幣頭が勤めるものと されていました。楽人と舞手 はきちんと分けられているわ けではなく、演目によって舞 に回ったり、奏楽を担当した りします。最近では、女性の 楽人もたくさん活躍するよう になりました。 大太鼓 4 5 道化役が出てきた時の拍子で、役柄通りの ひょうきんで軽い雰囲気です。アップビート で非常にノリの良い拍子です。 決闘のシーンで流れる拍子で、激しい舞に 合わせて、緊張感あふれる速いテンポで畳み かけていきます。 神様や武士などが登場する時や嬉し舞など で奏でられます。全体的に穏やかな雰囲気の 中、善役の華やかさや勇ましさを表現します。 鬼面をつけた悪役が登場し、悪事を働いた り、舞をする時に奏でられます。テンポを変 えながら恐ろしさや威圧感、狡猾(こうかつ) さなどを表現します。 神楽唯一のメロ ディー楽器で、奏楽の 流れをリードする。高 音を多用したロング トーンが、観客を陶酔 させる。 小太鼓 神祇舞の「神降ろし」 飛び込み
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