ファイブスター・バリコレ・ファンドの「直近の世界の株価急落と ファンドの

平成 27 年 8 月 26 日
ファイブスター・バリコレ・ファンドの「直近の世界の株価急落と
ファンドの運用状況に関して」のお知らせについて
記
当社が運用を行うファイブスター・バリコレ・ファンドの「直近の世界の株価
急落とファンドの運用状況に関して」の臨時レポートをお知らせいたします。
出所:チャータード・インベストメント・マネジャーズ・ピーティーイー・エルティーディー
(Chartered Investment Managers Pte Ltd)
直近の世界の株価急落とファンドの運用状況に関して
中国株式市場は6月半ばより下落し始め、7月には一旦小康状態となったも
のの、8月 18 日以降再び急落しました。その結果、中国を代表する株価指数で
ある上海総合指数は 6 月 12 日の高値から 8 月 25 日までに 42.3%下落していま
す。中国株式市場の 8 月の急落の影響で、日米欧の株価も 8 月直近の高値から
10%強の下落に見舞われました。
上海総合指数は 6 月 12 日の高値に至る過去 1 年間に 2.5 倍の上昇を記録しま
した。その急激な上昇の過程では中国の個人投資家が借り入れによって株式投
資に参入したケースも多々有ったものと思われ、そのような投資家が株式市場
の下落によって損失を蒙り、急速に手じまいをする為の売却が更なる売却を呼
んでいる可能性が有ります。
中国の景気を見るうえで注目される製造業購買担当者景気指数(PMI)は、毎
月上下動を繰り返してはいるものの、緩やかな下落傾向で、7 月末の数字は好不
況の境目を示す 50.0 でした。また、中国の米ドルベースの輸出入金額も 2015
年に入って力強さを欠いています。有効求人倍率も 2014 年末の 1.15 をピーク
に 2015 年には下落傾向で、直近は 1.06 でした。
この中国の弱い経済活動と 8 月に入ってからの株価の急落を受けて、中国は
株式の売却制限や人民元の切り下げ、政策金利の引き下げ、そして預金準備率の
引き下げと次々と手を打って来ています。これ以上の株価下落と景気悪化が起
これば、国内政情不安の遠因にもなりかねません。従って、必要とあれば、更な
る株価・景気対策を打つものと思います。また、株価の調整も既に大幅に起こっ
た為、近々株価は落ち着きを取り戻すのではないかと考えます。
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日米欧の株式市場に関しては、特に米国株式市場に注目しています。今回の株
価下落は中国株式市場の下落が直接のきっかけとなりましたが、今年中に米国
の最初の政策金利の引き上げが有ると予想する向きが一時期には過半数となっ
たことから、その利上げの株価に与える影響を先取りする動きが始まっている
と考えます。今回の利上げは、金融緩和の期間が 6 年にも及び、更に大規模な量
的緩和も行った点で過去の利上げと比較するのに困難が伴います。しかし、1994
年、1999 年、2004 年のそれぞれの利上げ開始時には米国株式市場は概ね 10%
程度の下落を経験しています。従って、今回の中国株式市場の下落が引き金とな
った下落率と同程度であり、利上げはある程度織り込まれたとも解釈できます。
また、仮に米国株式市場が今後も下落を続けるような状況の場合には、政策金利
の引き上げ時期を先送りする事も十分考えられるでしょう。
米国の代表的な株価指数である S&P500 株価指数の PER(株価収益率)は現在
の予想利益に基づくと 15.8 倍で、これは過去の平均値に極めて近い数値です。
従って、景気鈍化等の理由で利益予想が下方修正されない限り、株価のレベルと
しては正常な範囲だと考えます。また、失業率の低下に見られる様に、米国景気
は徐々にではありますが順調に回復している状況です。これらの点から考え、米
国株式市場の下落に関しても今後は回復の機会を伺っていく局面が近づいてい
るものと考えます。
当ファンドの運用は、過去の価格モメンタム(「価格の勢い」、「価格の上下動の方向
性」などの意味合いを指します。)に基づき資産配分を行う事を基本としており、過去
数ヶ月上昇してきた世界の株式にロング(買い付けること及び買いのポジションを保有
することをいいます。
)の分散投資を行うと共に、ファンドの一部は価格下落のモメ
ンタムが強い株式のショート(売り付けること及び売りのポジションを保有することをい
います。
)を行っています。直近の世界的な株価下落によって、基準価額の下落を
招いておりますが、上述したように、今回の下落は長期の株価下落局面に繋がる
ものではないものと考えております。また、今回の株価下落の結果各資産の価格
モメンタムの変化が起こり、ファンドの資産配分を変化させる必要が有るか否
かは、今後の金融市場の動向を注視しながら判断して行きます。
引き続き慎重に世界の金融市場に目を配りつつ、一定以下のリスクのもとで
運用成績の最大化を目指して努力を積み重ねてまいります。
以上
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