山梨の観光振興の課題と原因 解決に向けての展望

甲府第一高等学校 SGH基調講演会2 (2015.6.5)
山梨の観光振興の課題と原因
解決に向けての展望
富士の国やまなし観光ナビゲーター
富士の国やまなし観光キャラバン隊長
1
(C) 雁屋哲・花咲アキラ・小学館
山梨県 観光部 観光企画・ブランド推進課長 仲田道弘
[email protected]
2
1 山梨県の概要
甲府市
3
周囲を山々に囲まれた緑豊かな県 県土の78%が森林
4,465k㎡
・日本の総面積の1/100
・東京都の2倍
・可居地面積 約1,000k㎡
・可住地面積は東京都の1/2
日照時間(年間) 2,462時間 1位
1 山梨県2,462 47 秋田県1,469
降水量(年間)
1 石川県3,318 47 山梨県939
快晴日数(年間)
939mm
47位
57日
4位
降水日数(年間) 67日
47位
気候(2014年)
甲府:標高270m 平均気温14.7℃
(最低−5.9℃∼最高37.7℃)
1 埼玉県70
1 秋田県187
47 岩手県5
47 山梨県67
・県全体の人口: 835,618人
(2015年5月現在)
・市町村数: 27
4
首都圏と中京圏の中心に位置
130万人
栃木
群馬
茨城
長野
岐阜
260万人
270万人
730万人
埼玉
800万人
山梨県
中京
200万人
神奈川
380万人
近畿以西
180万人
名古屋
480万人
東京
千葉
210万人
東京方面から
車で1.5∼2時間
静岡
名古屋方面から
車で3∼4時間
5
山梨県の日本一
6
2 山梨県の観光の概要
平成26年 観光入込客統計調査結果について
○山梨県観光入込客(実人数)は 3,001万7千人で、前年比 +1.1%
○観光消費額は、県全体で 4,460億円で、
前年比 +22.4%
7
︻圏域別 構成比︼
(平成26年)
峡中
14.6%
峡東
18.7%
富士・東部
46.2%
峡北
13.5%
峡南
7.0%
課題1 地域のかたより
○全体では微増。峡東、富士東部で増加、それ以外は減少
○峡中は 439万1千人であり、前年比 −4.3%
○峡東は 561万9千人であり、前年比 +4.5%
○峡南は 209万であり、前年比 −2.7%
○峡北は 404万7千人であり、前年比 −4.5%
○富士・東部は 1,387万であり、前年比 +4.1%
⇒ 地域資源の活用とPR、周遊観光の推進
︻月別 構成比︼
12月 2月
4.6% 3.6%
3月
6.9%
8月
15.9%
6月
7月
7.1%
10.0%
1月
7.4%
9月
4月
9.5%
8.0%
5月
11月
8.8% 10月 9.3%
8.8%
課題2 季節のかたより
○1年のうち8月が478万人(15.9%)と高く、次いで7
月、9月と続く。12月は138万人で前年比−10.7。1月
は25%増、2月は大雪の影響で30.9%の減。
⇒ 冬季観光の推進
その他の傾向
○観光客の居住地
東京都(26.2%)、神奈川県(16.1%)、静岡県(12.7%)。近隣都県からは県外観光客の74.1 %
○観光客の交通手段
マイカー(74.3%)が最も多く、次いでJR(13.0%)。観光バスが減少してJR利用の観光客が増加傾向。
○旅行目的(複数回答)
自然(36.3%)が最も多く、次いで、温泉(26.8%)と続くが、目的が分散傾向にある。
8
課題3 観光消費額の拡大
H26 県外観光客:宿泊:27,871円/人 日帰り:8,819円
観光消費額(一人)
交通費(県内分)
宿泊費
土産代
飲食費
入場料
その他
14,858円
1,896円
4,436円
2,573円
2,574円
1,041円
2,337円
(全県)4,460億円
→
569億円
→
1,332億円
→
772億円
→
773億円
→
312億円
→
701億円
(H24GDP参考)
※ 観光GDP 2,817億円
→ 雇用者報酬 1,549億円
→ 雇用者数 53,000人
※ 観光消費額が1%(45億円)
伸びると約530人の雇用が生
まれる。(1億円→12人)
(10.5%)
(推計GDP)2,817億円
→
385億円
→
933億円
→
529億円
→
483億円
→
130億円
→
358億円
産業全体
機械電子産業
食品産業
農業
2兆6,828億円
3,933億円(14.7%)
1,170億円( 4.4%)
584億円( 2.2%)
⇒ 宿泊滞在型観光の推進
⇒ 山梨県のブランド価値の向上
9
山梨県を訪れる外国人観光客の動向
資料:観光庁宿泊旅行統計調査
○H26年の外国人延べ宿泊者数は 94万2千人で、前年比 +91.3%
10
課題4 外国人宿泊者数の増加(前年2倍)
○外国人延べ宿泊者数(平成26年(1月∼12月)宿泊旅行統計調査)
全 国 44,822千人 (対前年同期比 133.8%)
山梨県
942千人 (対前年同期比 191.3%)
延べ宿泊者数
外国人延べ宿泊者数
1 東京都
54,285千人
1 東京都 13,453千人
2 北海道
32,394千人
2 大阪府
5,838千人
3 大阪府
26,776千人
3 北海道
4,035千人
4 千葉県
21,394千人
4 京都府
3,409千人
21 山梨県
7,545千人(8.9%増)
伸び率
全国1位!
10 山梨県
942千人(91.3%増)
外国人宿泊者の割合
山梨県の国別外国人宿泊者割合
1 東京都
24.8%
1 中国
44.5%
(18.0%)
2 大阪府
21.8%
2 台湾
17.2%
(21.1%)
3 京都府
18.2%
3 タイ
15.7%
( 4.9%)
4 千葉県
12.9%
4 香港
4.7%
( 6.9%)
5 山梨県
12.5%
5 インドネシア
3.5%
( 1.2%)
⇒ 外国人観光客の受入環境の整備
⇒ 外国人観光客の誘客促進
()は全国の比率
11
課題4 外国人宿泊者数の増加
○外国人延べ宿泊者数(平成27年(1月∼3月)宿泊旅行統計調査)
全 国 12,759千人 (対前年同期比 138.8%)
山梨県
309千人 (対前年同期比 176.1%)
延べ宿泊者数
H27.1∼3
外国人延べ宿泊者数
1 東京都
12,519千人
1 東京都
3,290千人
2 北海道
7,021千人
2 大阪府
1,529千人
3 千葉県
6,177千人
3 北海道
1,367千人
4 大阪府
5,796千人
4 千葉県
804千人
22 山梨県
1,704千人(31.6%増)
11 山梨県
309千人(76.1%増)
外国人宿泊者の割合
山梨県の国別外国人宿泊者割合
1 大阪府
26.4%
1 中国
55.7%
(27.7%)
2 東京都
26.3%
2 台湾
15.5%
(18.4%)
3 京都府
21.1%
3 タイ
13.8%
( 4.7%)
4 北海道
19.5%
4 香港
4.0%
( 8.1%)
5 山梨県
18.2%
5 マレーシア
1.9%
( 1.3%)
8人に1人
⇒ 外国人観光客の受入環境の整備
⇒ 外国人観光客の誘客促進
()は全国の比率
12
3 やまなし観光推進計画
2011∼2020年度の8年間
総合的な目標「やすらぎと感動の山梨」の実現
おもてなし戦略
県民が温かく旅行者を迎えるため、郷土教育や人材の育成、美しい景観づくりや
公衆トイレ、駐車場等の観光インフラの整備、魅力のある地域資源の育成と保全
を行い旅行者をもてなす。
地域資源活用戦略
旅行形態の変化や観光ニーズの多様化に対応するため、地域の特色ある資源を活
用して着地型観光商品を提供するとともに、宿泊・滞在型の観光地づくり等の推
進に取り組む。
インバウンド観光戦略
外国人旅行者の誘致を図るため、地域資源を活かした観光プロモーションを展開
するとともに、受入環境の整備に取り組む。また、海外との交流を促進する。さ
らに情報発信を充実強化する。
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おもてなしの推進
観光カレッジ
◆郷土教育・人材育成の充実
○観光客の満足度を向上させるため、小学
生に対する郷土教育、おもてなし教育
や、大学と連携した観光カレッジ(山梨学
講座)の開設などを実施
◆地域の良好な景観の形成並びに施設の整備、適切な管理
○市町村が整備する観光振興施設の整備
や維持管理費の一部を補助する「富士
の国やまなし観光振興施設整備費補助
金」、おもてなし森林景観の創出などを実
施
おもてなし森林景観創出
◆おもてなしに取り組む気運の醸成
○県民総参加でおもてなしの推進に取り組
めるよう、おもてなし宣言の募集など、
様々な啓発手段を展開する「おもてなし
推進事業」などを実施
14
多様な観光の推進
◆豊富な観光資源を活かした多様な観光形態の創出
○「ワインツーリズム」、「ジュエリーツーリズム」、「ス
ポーツツーリズム」「ウェルネスツーリズム」、「ペット
ツーリズム」など、産業や自然環境、歴史文化など豊
富な地域資源を活かす「SIT(Special Interest
Tourism)」を推進(大手旅行会社のファムトリップ等)
◆環境に配慮した山岳観光の推進
○世界遺産富士山における安全な登山を確保する
ための「富士山総合安全対策推進事業」やマイ
カー規制を有効に機能させるための「富士北麓駐
車場」の運営などを実施
◆ブランド価値向上を意識した観光情報の提供
○やまなしの観光と物産情報を首都圏に向けて発信
する「やまなし観光物産情報発信事業」や、ハロー
キティを活用して山梨の魅力を戦略的に発信する
「富士の国やまなしPR強化事業」など実施
15
地域資源の活用と周遊観光の推進(イメージ)
1)地域資源の活用
○地域資源
↓
○観光資源
↓
○観光商品
2)滞在と周遊
○滞在型観光
H11
H22
H26
平均 1.54泊
平均 1.41泊
平均 1.28泊
○周遊型観光
H11
H22
H26
平均 1.67地点
平均 1.60地点
平均 1.33地点
○一人当たり観光消費額
H11
H22
H26
平均 8,366円
平均 9,919円
平均 14,858円
16
インバウンド観光の推進
H25,H26はタイでトップセールスを実施
◆外国人旅行者の誘客促進
○中国・韓国・台湾に加え、タイ・インドネシアな
どの東南アジア地域を中心に、誘客に向けた
トップセールスなどを実施
○ガルーダ・インドネシア航空会社との業務連携
協定の締結によりLAWSONとの共同キャン
ペーン、サイクリングツアーを実施
○冬のインバウンド観光の推進
インバウンドホスピタリティ講座
◆外国人旅行客の受入環境整備
○旅館組合等が行う言語・歴史・習慣などに関する
研修などを支援する「インバウンドホスピタリティ
向上事業」などを実施
※近年急増しているインドネシアやマレーシアか
らの観光客(主にイスラム教徒)への対応など実
践的な講座を開催
○ホテル・旅館や観光施設の外国語対応、Free
Wi-Fi環境の整備、道路標識の英語表記の推進
などの実施
やまなしFree Wi-Fiプロジェクト
17
4 観光振興の基本的な考え方
•
•
•
•
デザイン
ビジターズ・インダストリー
ブランド
ホスピタリティ・マーケティング
ファンづくり
顧客
地域資源
体験/おもてなし
商品・サービス
感
動
情報伝達
地域ブランド:地域が持つブランド価値(イタリアの例)
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イタリア製品のブランド価値
1 製品そのものの価値(機能・所有価値)
2 ライフスタイルの提案(利用価値)
3 イタリアという国の持つイメージ(地域ブランド)
観光
観 国之光
○行ってみたい
○買ってみたい
○住んでみたい
19
◇ ピーター・ドラッカー
ビジネスの目的は顧客の創造である。
◇ ウォルター・ランドー
製品は工場で作られるが、
ブランドは顧客の心の中で創られる。
Fin
21
22