シャドウイング練習法

シャドウイング練習法
シャドウイングとは、
「聞こえた音声を、すぐに影のように追いかけて発声していく」、つまり聞くこと
と話すことをほぼ同時に行う練習法です。英文を繰り返し聞きながら何度も発声することで、自然な英
語のリズム、イントネーションが身につきます。
また、自分の声を録音、再生することで、自分の発音を客観的に聞くことができ、よりきれいな発音へ
自身で修正していくことが可能です。
<イメージ> ♪Once upon a time・・・
声 Once upon a time・・・
STEP1 サイレント・シャドウイング
英文を表示して、英語の音声を聞きながら、心の中で声を出して同じように発声していきましょう。
音声をいきなりシャドウイングしようとすると、自分の声が邪魔になって、次の音声が聞き取りづ
らいものです。サイレント・シャドウイングはまったく声を出さないため、音による負担は少なく、
シャドウイングの導入としてとても始めやすい方法です。しかし、口の動きを伴わないため、どれ
くらい正確に自分が英文をとらえているのかわかりづらいという欠点があります。ですから、シャ
ドウイングという練習法に慣れれば、この段階は飛ばしていただいて構いません。
STEP2 マンブリング
英語を聞きながら、口の中でもごもご、ブツブツつぶやいてみましょう。
これを「マンブリング」といいます。聞き取れているつもりで音声をいきなりシャドウイングしよ
うとしても、なかなか口から音声が出てこないものです。マンブリングは口の動きが最小限ですむ
ため音声についていきやすく、自分の声に邪魔されることもほとんどありません。小さい声でも自
分の声で反応していくマンブリングは、シャドウイングの次段階として良い方法です。
マンブリングに挑戦してみて、単語がいくつか聞こえただけや、英文の断片しか言えなかったかも
しれません。初めはそれで大丈夫です。何度もブツブツつぶやいてみてください。確かに本文の単
語で知らないものが多いときには、シャドウイングをするのは、難しくなります。ですから、まず
初めにリーディングページで何度もそのストーリーを聞き込んでおくことも大切です。読み方がわ
からなかったり、気になる語については、リーディングページで何度も聞いたり、辞書で調べたり
してみてください。ですが、この段階でひとつひとつの単語について意味を覚える必要はありませ
ん。聞こえた通りに発音すればいいのです。
STEP3 プロソディ・シャドウイング
聞こえてくる英文を、そのまままねをして発声してみましょう。
できるだけ正確に英語で再現してみてください。
いわゆる「シャドウイング」はこの段階です。途中で言えなくなってもかまいません。音声を途中
で止めたりせず、素早くまた耳を澄まして、聞き取れたところから再度シャドウイングを再開しま
しょう。この段階では、聞こえた音声をそのまま再現することだけ意識してください。息継ぎの場
所も、そっくり聞こえたまま、まねをしてください。文の意味はあまり気にしなくて大丈夫です。
入ってくる音声の特徴を正確にとらえようとするこのシャドウイングを、特に「プロソディ・シャ
ドウイング」といいます。
STEP4 シンクロ・リーディング
英文を聞きながら、同時に英文を表示し、見ながら音読してみましょう。
これは「パラレル・リーディング」とも呼ばれる訓練法です。ポイントは次のふたつです。
1)遅れずについていくこと
2)音の強弱やイントネーションをつかむこと
シンクロ・リーディングでは、流れてくる音声そっくりに、まったく同じタイミングで英文を音読
してください。流れてくる音声と自分の声が重なって、まるで一人の声に聞こえるように音読でき
るというレベルがゴールです。これは英文を見ながら音読するわけですから、一見簡単そうですが、
音声と自分の声のリズムを合わせるのに意外と時間がかかるかもしれません。しかし英語のリズム
を習得したり、発音をよくしたりするのに、シンクロ・リーディングはとても効果的です。口の奥
を大きく、やわらかく使うことを意識してみましょう。
STEP5 コンテンツ・シャドウイング
音声がある程度、聞きとれてきたら、意味を意識してみましょう。
内容や聞こえた単語の意味をイメージしながら、シャドウイングしてみましょう。一文全てを日本
語に訳して頭の中に浮かべるのではありません。音声だけに意識を向けてシャドウイングするより
集中力が必要なのがわかるはずです。これを「コンテンツ・シャドウイング」といいます。声の大
きさはマンブリング程度でかまいません。シャドウイングしながら、同時に意味がさっとイメージ
できるようになれば、どんどんシャドウイングする長さを伸ばしていってください。