◇三菱重工子会社、デンマーク海運会社向けに主機排熱回収システムを受注 三菱重工グループの三菱重工舶用機械エンジン(本社:長崎市)は10月2日、韓国の大宇造船海洋 (Daewoo Shipbuilding&Marine Engineering Co.,Ltd.:DSME)から、デンマークの海運会社マース クライン(Maersk Line)が建造する超大型コンテナ船 11 隻に搭載する主機排熱回収システム(WHRS: Waste Heat Recovery System)を受注したと発表した。舶用エンジンの排ガスを最大限に回収・利用し て電力を発生させる同社独自の舶用システムで、これにより、2010 年の市場投入以来、WHRS の受注累計 は 87 隻分となった。 WHRS は、排ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせ、それらを最適制御することで、広い運転域か らの排熱を回収して燃費効率を高めるシステムで、環境負荷低減にも貢献する。 今回受注した WHRS11 隻分は、マースクラインの 19,600TEU コンテナ船に搭載されるもの。これに先立 って WHRS は同社が保有する当時世界最大・最高効率のコンテナ船 トリプル E 級 (Triple-E, 18,300TEU) シリーズなどにも採用された実績を持ち、同社保有船への搭載は今回で4シリーズ目、同社向け受注累計は 計 69 隻分となる。 マースクラインは、デンマークの首都コペンハーゲンに本拠を置く世界最大級の海運コングロマリット A.P.モラー・マースク(A.P.Moller Maersk A/S)傘下の海運企業。同グループは世界各地に拠点 を持ち、海運のほか、石油・ガス採掘などの事業も手掛けている。 WHRS は三菱重工グループが長く培った舶用技術を結集させた三菱重工舶用機械エンジンのベストセラ ー製品。これまで世界で87隻分を受注(今回分含む。うち 64 隻分がすでに就航)、その世界シェアは 90% 超に達している。今回の受注は WHRS の優れた性能とこれら実績が高く評価されたことによるもの。 三菱重工舶用機械エンジンは、WHRS のほか、2ストローク低速エンジン、MET 過給機、プロペラ、舶 用ボイラー/タービン、デッキクレーン、甲板機械、フィンスタビライザー、舵取機など、世界でも類を見 ないほどの幅広い舶用機械・エンジンのラインナップを有して、世界の市場で高い信頼を獲得している。
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