2015/07/18 第 1 日目 「基本的疾患の評価と

講演内容の要約 (文章; 松戸整形外科病院
2015/07/18
第 1 日目
PT 小泉香織)
「基本的疾患の評価と初期治療について」
初日は上肢基礎疾患の評価と初期治療についての講義であった。
1.肩のセッションでは北里大学の見目先生より腱板断裂を中心とした基礎疾
患の評価と治療についてお話いただいた。MRI の見方のポイントや麻痺を見逃
さないこと、疼痛の強い時期における投薬の注意点、注射の有用性について知
ることが出来た。その後松戸整形外科病院
理学療法士の遊佐先生より理学療
法士としての炎症期の対応や注意点、痛みの強い時期の肩甲骨からのアプロー
チの有効性についてご講義頂いた。客観的な指標だけでは判断できない肩疾患
に対しては、医師・セラピストの2部門が連携して評価を実施する必要がある
というお話が印象的であった。
2.肘のセッションでは金澤病院の高橋仁先生より、総論と小児・成人について
の各論をお話頂いた。総論では肘の解剖・機能とともに、問診・外観・圧痛・
可動域をきちんと見て診断を下すことの大切さを強調されていた。
各論では日常の診察で出会うことの多い疾患と、初期治療の注意点などを説明
して頂き、質疑では外側上顆炎について活発な議論が展開された。基本をとて
も大切にする姿勢と熱意のこもった講義であった。
3.手のセッションでは岩倉菜穂子先生より総論を、芝山先生・村上先生よりそ
れぞれ各論についてお話いただいた。
岩倉先生は手の神経走行・神経支配を体系立てて解説され、各論の病態の理解
に必要な知識を得ることができた。複雑に感じる神経支配であるが、整理され
た内容だったので、とても理解がしやすかった。
その後、芝山先生より手根管症候群・肘部管症候群・橈骨神経麻痺について、
村上先生より狭窄性腱鞘炎(ばね指・ドケルバン病、ECU 腱鞘炎など)につい
てそれぞれの病態・診断及び初期治療についてご説明いただいた。
2015/07/18
第 2 日目「症例から学ぶ」
1.肩のセッションでは、荻野先生から日常診療における理学所見や画像診断の
大切さ、初期治療での注射や理学療法(pain control)の大切さを実際の症例を
交えてご説明いただいた。また理学療法士の保田先生からは、腱板断裂手術後
の装具固定期間中、及び装具 off 後のリハビリテーションや評価の着眼点につい
てお話し頂いた。どちらもクイズ形式で展開され、指名されるので、眠気も吹
き飛ぶ刺激的な2日目の幕開けとなった。
2.肘のセッションでは落合先生より肘の基本的疾患として小学生から中学生
で好発する内側上顆下端裂離、内側上顆骨端線離解についてと高校生から成人
に好発する尺骨神経障害、変形性肘関節症についての診断・初期治療について
お話し頂いた。その後、理学療法士の萬谷先生による症例提示により保存療法
における肘関節疾患のリハビリテーションの進め方についてお話し頂いた。
3.手のセッションでは JCHO 東京城東病院
国司俊一先生をオーガナイザー
として、複数の症例が提示された。1日目の「手の基本的疾患の評価と初期治療」
の講義内容をもとにして、実際の症例ではどのように診断していくかをお話し
頂いた。1 日目の講義内容である、手の支配神経、ばね指の話を中心に、クイズ
形式で参加者に意見を聞きながら、緊張感がある中で症例検討が進められた。