相馬逸人 オックスフォード大学特別サマープログラム 僕は3

相馬逸人
オックスフォード大学特別サマープログラム
僕は3年生の8月15日から9月14日までの1か月間、京都大学のジョン万プログラ
ム オックスフォード大学特別サマープログラムに参加した。募集は4月くらいにジョン
万のホームページまたは京都大学国際交流推進機構のホームページに掲載される。まず説
明会に出席し、その後、書類(志望動機とプログラムで得られた成果を将来どう生かすの
か)とTOEFLの点数を提出し、それが一次審査となる。一次審査を通った人にはメー
ルで面接日程が送られる。面接は、その場でお題が与えられ、それについて2分間英語で
話す、というものである。面接に合格するとこのプログラムに参加できることになる。午
前の英語のクラスは事前にオンラインで受けるオックスフォード大学が用意したテストの
成績により分けられる。このテストは、ジョン万に合格してから2週間後くらいに受ける
ことになる。すべて選択形式で、リスニングと文法問題で、全部で80分与えられる。一
つの問題に正解すれば次の問題は難しくなり、不正解すると次の問題は簡単になる、とい
うシステムのテストである。初めに難易度が易、中、難と分けられていて、自分のレベル
を自分で設定する。難は結構難しいので、中あたりを選択することをすすめる。
英語の勉強について説明する。僕はリスニングの勉強として CNN student news という
のを見ている。毎日10分間の短いニュースであり、ネットですぐに見つかる。朝ごはん
を食べながらリスニングの勉強をしている。また、ジョン万の面接対策としてDMM英会
話というオンライン英会話を利用していた。これもおすすめである。月4000円弱で毎
日30分外国人(フィリピン人やセルビア人が多い)と英会話できる。これはスピーキン
グの練習になる。リーディングとライティングに関しては、大学受験で結構勉強している
と思うので特に何もしなくていいのではないだろうか。また、オックスフォード大学での
英語は British English なので、この面接に受かってからはBBCのラジオを聞いてイギリ
ス英語に慣れるようにした。
次に、ジョン万プログラム オックスフォード大学特別サマープログラムについて説明
する。自己負担費用は往復の航空機代20万円ほどだけである。オックスフォードでのカ
レッジ寮、毎日3食、授業料はすべて京都大学が負担してくれ、実質100万円弱京都大
学が負担してくれることになる。授業は毎週月曜日から金曜日の5日間であり、午前2コ
マ は 英 語 の 授 業 、 午 後 2 コ マ は 専 門 科 目 ( 今 年 は cosmology, political economy,
anthropology, woman in literature の4科目から選択)である。講義はすべて英語である
ため、授業を通じてリスニングが鍛えられる。1か月間の最後にIELTSを受験するた
め、午前の英語講義はIELTSに沿った内容を勉強する。授業では議論をすることが多
く、生徒参加型の授業であったためスピーキング力も鍛えられた。また、クラスにより差
があるが、基本的に毎日英語の宿題が出される。英語は成績順にクラス分けされ、Aから
Eクラスまで分けられる。僕はBクラスで英語の授業を受けた。Bクラスの先生はとても
熱心に指導してくれた。5クラスの中で最も熱心に指導していただいた先生だったようで
ある。下のクラスの先生はあまりやる気がなくて評判があまりよくなかったようである。
こういうことを考えると、事前のクラス分けテストは頑張ったほうがよいと思う。1か月
間できるだけ友達同士の会話でも英語を使うことにより、英語力は実際かなり伸びたと感
じた。午後の授業で僕は cosmology をとっていた。こちらは先生が一方的に講義する形だ
ったため日本での講義とそんなに変わらなかった。先生の英語がとても速く、リスニング
の勉強になった。午前の英語の先生は意識してはきはきとしゃべるため、聞き取りやすい
のに対し、午後の先生はそういう面は意識していないため、かなり英語が速かった。
土日は自由に観光できる。ロンドンまではバス一本で2時間弱かけて行ける。他にもた
くさんの観光地があるため、たくさん観光できる。1か月間いることにより、45人の京
大生はお互いとても仲良くなれる。みんなとても意欲的な学生ばかりであるため、お互い
に刺激し合い、高めあうことができる。ここで得られた友情はこれからも大切にしたいと
思う。3人のオックスフォード大学生のTAがついていて、彼らともとても仲良くなれる。
彼らは毎日のように夜にイベントを企画してくれる。パブに行ったり、スイーツのお店に
連れて行ってくれたり、サッカーをしたり、カラオケをしたり、そういうことを通じて京
大生同士も本当に仲良くなれる。1か月が終わるころにはいつまでもこのメンバーで勉強
したいって思えるくらい団結していた。実際、帰国後のプログラムメンバーの facebook な
どを見ていると、このプログラムで出会った友達や友情についてこれからも大切にしたい
財産だと書いている人が数多く見られた。
このプログラムに少しでも興味があれば是非参加すべきだと思う。僕は部活を1か月休
んだことにより、周りからそれなりに叩かれたが、それでも絶対に参加して良かったと思
っている。本当に夢のような充実した1か月だった。こんなに素晴らしい仲間に囲まれて、
イギリス文化に触れあえて、英語の勉強になって、楽しくて貴重な機会はそんなにない。
オックスフォード大学は英語圏最古の大学であり、世界ランキングでも常に10位以内に
入っている。このプログラムは2回生以上が募集対象であり、2回生の諸君は是非このプ
ログラムに応募するべきだと思う。おそらく倍率は4倍くらいだったと推測される。僕は
昨年このプログラムに参加した友達からこのプログラムについて教えてもらった。留学に
行きたいと思っている京大生は結構いると思う。しかし、国際交流推進機構のホームペー
ジを頻繁にチェックしている人はそんなに多くない。そして、実際に留学している生徒は
もっと少ない。でも、もしもこのジョン万プログラムに、ボタン一つで応募できたとする
と、おそらくもっと多くの生徒が応募していることだろう。結局、留学するまでの申請手
続きなどがややこしく見えるから、多くの生徒が留学したいと思っていても行動に移さな
いのかもしれない。京都大学がこんなに貴重な機会を提供しているのだから、是非そうい
うのに参加するべきだと思うし、参加したら絶対によかったと思えると僕は確信している。
留学に限ったことではないが、行動力が鍵になるのかもしれない。僕はTOEFLを受け
た時が自分にとっての分かれ目だったと思っている。今年の1月に受けたのだが、受験申
請がすべて英語だったため、途中で少しめんどくさいと感じてやめてしまおうかとちらっ
と考えた。でもTOEFLに申し込んで受験した。そのため、ジョン万の募集がかかった
時も、TOEFLのスコアどうせあるし、受かるかわからんけど志望動機だけでも書いて
みて、応募してみようか、という気になれたのである。正直、TOEFLのスコアがなか
ったら、医学部の授業もテストも結構忙しいし、留学なんてまあいいかということで応募
すらしていなかったと思う。だから、留学に少しでも興味のある1,2回生には是非とも
TOEFLを受験することから始めてみてはいかがだろうか。