玉川の風 No.3

生徒・教職員の皆さんへ
そして保護者、地域の皆様へ
2015.9.7 No.3
「 さあ出発しよう、悪戦苦闘を突き抜けて。 決められた決勝点は
取り除くことができないのだ ! 」
(ホイットマン「大道の歌」)
今年の玉中祭は、9月10日が文化の部(合唱コンクール)、9月18日が体育の部(体育祭)、8月27日から9月18日までが展
示の部(科学部・美術部)です。2学期開始から玉中祭が終わるまでの約1か月は、「玉中輝き月間」と銘打って全校生徒が玉中
祭の準備や練習に取り組みます。8月26日には、2学期始業式の後「玉中輝き月間オープニングセレモニー」を行いました。
セレモニーでは、元びわ湖ホール声楽アンサンブルメンバーで第82回日本音楽コンクール声楽部門第2位になった山本康寛
氏の指導で、合唱コンクールの全校合唱曲「ひとつになる」を合唱。今年の玉中祭スローガン「声帯爆発!」の趣旨説明、テーマ
ソング「がむしゃら行進曲」の演奏に続き、合唱コンクールの発表順や体育祭綱引きの組合せの抽選が行われると、会場は一気
に玉中祭モードに。例年より1週間早い玉中祭に向けて元気に2学期をスタートしました。この模様は ZTV で紹介されました。
吹奏楽部の演奏「ひとつになる」
「がむしゃら行進曲」
「玉中ケータイルール」の策定へ
発表順を決める抽選を見守る
情報モラル研修に大きな反響
生徒会がアンケート調査実施
8月31日、全校生徒が「情報モラル研修」を受けました。NIT情報技術推進ネットワーク(株)代表の篠原嘉一氏は、近年ネット
トラブルにより深刻な被害や事件が相次いでいる現状を紹介し、健康で安全な生活のためにも、犯罪被害を防止するためにも、
「夜9時以降は放置する」など学校としての‘ケータイルール’づくりが有効であると強調しました。講話の後、生徒会が全校生徒
にアンケートを取ったところ、「メールやラインで1日100件以上送受信する」「携帯やスマホが気になって勉強に集中できないこと
がある」「家庭学習の時間が減った」「睡眠不足になることがある」「家族に注意を受けたこ
とがある」 という生徒がそれぞれ100人以上いることがわかりました。一方、「家庭で使用
ルールを決めている」という生徒も149人いました。生徒会では今後学級討議を経て‘玉中
ケータイルール’の作成をめざしますが、各家庭でのルール作りも考えてみてください。
おめでとう。 英検で玉中が「優良団体賞」受賞!
昨年度の英語検定結果を受け、玉川中学校が優良団体賞を受賞しました。文部科学省は
「中学3年生で英検3級以上の取得者は9.5%、取得はしていないが英検3級以上の英語
力を有すると思われる生徒は16.0%、合わせて25.5%」 と説明していますが、本校では
英検3級以上を取得している3年生の割合は50%です。玉中生の英語力に自信と誇りを!中中学校第 3 学年に所属して
いる生徒のうち英検 3 級以上を取得している生徒は 9.5%。取得はしてないが英検 3 級以上相当の英
語力を有すると思われる生徒は 16.0%で、合わせると 25.5%となる。学校第 3 学年に所属してい
る生徒のうち英検 3 級以上を取得している生徒は 9.5%。取得はしてないが英検 3 級以上相当の英語
中国湖南省訪日メンバーと交流会 「環境問題は世界の共通課題!」
9月3日、中国湖南省から環境問題の専門家チームが来校されました。「中国湖南省における都市汚水処理場運転技術
と住民の環境意識向上のためのプロジェクト」事業で訪日しているメンバーです。同訪日団との交流は昨年度に引き続き
2年目です。一行は、2年5組の理科の授業を参観。2学期から本校に180台のタブレットパソコンが配置されたこと
から、1人1台のタブレット PC を使った授業が行われ、強い関心を持って参観しておられました。
授業後、生徒と訪日メンバーで環境問題をテーマに意見交流会を持ちました。瀧りんさんが汚水処理をテーマにした環
境学習の様子を紹介した後、生徒から中国の環境問題を尋ねる質問が相次ぎました。最後に大倉秦世君が日本の第一印象
を尋ねると、湖南省水資源研究利用協力センターの彭清輝部長が「空が青く空気が澄み、町がきれいで人は幸せそうでし
た。よい環境は人間の幸福をもたらすと思いました。
」と答えました。
交流会では、共感を伝える言葉に詰まり「謝謝!」と言って爆笑をか
ったり、もう一歩突っ込んだ説明や再質問ができず悔しい思いをした
りする場面もありました。しかし、中国でも環境問題に真剣に取り組
んでいることは誰もが強く実感したようです。
若い時に失敗を恐れずこういう経験をすることは貴重です。本校で
は今後とも海外の人や専門家と直接語り合う機会を大切にしていきた
いと思います。この日の様子は各新聞・テレビで報道されました。
日本書紀に学ぶ
「短気は禁物!」
久しぶりに日本書紀を読みました。その中の話を一つ紹介します。日本書紀は、奈良時代の720年に完成した日本の
古い歴史書です。神代の話に続いて神武天皇から第41代持統天皇の時代までの歴史を綴っています。今回気がついたの
ですが、この41人の天皇の中で人に殺された天皇は1人だけです。当時の人々は、天皇は神々の子孫であり、神々に守
護されていると信じていました。権力の頂点にいる天皇に逆らうということは考えられなかった時代です。その天皇が人
に殺されるというのは、よほどのことと言わなければならないでしょう。一体誰が、どういう訳で殺されたのか。日本書
紀にはその理由と経緯が簡潔に書かれています。殺されたのは第33代崇峻(すしゅん)天皇(在位 587〜592)です。
いのしし
蘇我馬子(そがのうまこ)の振舞いを憎く思っていた崇峻天皇は、ある時献上された猪を指さして「いつかこの猪の首を
斬るように憎いやつを斬りたいものだ」と言ったのです。このことが「朝廷に武器が集められている」という話と共に蘇
我馬子の耳に入り、自分が殺されると思った馬子は人を使って崇峻天皇を暗殺したのです。その書きぶりから見て、日本
書紀編纂者の舎人親王(とねりしんのう)らは天皇を神々の子孫と敬っていたはずですが、崇峻天皇が殺されたのはその短
気な言動の結果であると考えていたことも間違いないと思われます。日本書紀には、たとえ天皇でもカッとした気持ちを
感情のまま言葉にするようでは身を亡ぼすということを、歴史の事実としてきちんと書き残しているわけです。
おい
いさ
別の文献には、崇峻天皇の甥にあたる聖徳太子がその短気を諫めたけれども天皇は戒めを守れなかったと記していま
す。諸書の記述を見ると、崇峻天皇が怒りやカッとする気持ちを抑えらない人物だったことはどうやら事実のようです。
私達も多かれ少なかれカッとした気持ちをそのまま口にしてしまうことがある
と思います。しかし、それは必ずよくない結果をもたらします。友達に対する言
葉、ネットに書き込む言葉に注意しましょう。孔子は九回熟慮した末に言葉を発
した(九思一言)と言われます。それぐらいよく考えて言葉を使う習慣が言語力
と人格を鍛えるのです。歴史の中には教訓がいっぱい詰まっています。深く歴史
を学び、賢い生き方を身につけていきたいものですね。
暗殺即日に葬られた崇峻天皇の陵(奈良県)
を
(文責
利倉)
湖南師範大学の鄢清輝館長、
湖南省水資源研究利用センターの彭清輝部長、湖南省環境保護庁の張立副調査研究員