日本株「ストック・ピック」 NO.35

マンスリー・レポート
日本株「ストック・ピック」
NO.35
TOKAI TOKYO RESEARCH
2015 年 4 月号
目 次
今月のポイント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.1
「16/3 期予想への注目度高まる」
ストック・ピック銘柄
継続(JPX 日経インデックス 400 採用)
◆東ソー(4042)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.2
新規紹介
◆オークマ(6103)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.5
継続(JPX 日経インデックス 400 採用)
◆TDK(6762)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.8
新規紹介(JPX 日経インデックス 400 採用)
◆大同メタル工業(7245)・・・・・・・・・・・・・・・・
P.12
新規紹介(JPX 日経インデックス 400 採用)
◆オリックス(8591)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.15
東海東京調査センター 投資調査部
2015 年 4 月のマンスリー・レポート日本株
今月の
ポイント
「16/3 期予想への注目度高まる」
○3月期末の配当権利落ち、機関投資家のポジション調整などを通過し、4月相場は順調なスタート
を切った。4月下旬からの15/3期決算の発表に向けて、好調な業績への期待感から株価は堅調な
動きが期待される。市場の注目は16/3期の予想、さらに、新年度に際して打ち出される新たな経営
戦略や中期的な成長戦略にシフトしよう。
○4月の銘柄は、いずれも当調査センターのアナリストが16/3期の好調を予想する銘柄を選出。化
学から東ソー、機械からオークマ、電子部品ではTDK、リースからオリックスと、各業界の中核銘柄
を中心に選定した。自動車部品からは軸受大手の大同メタル工業を選出した。 (川又 信之)
継続
東ソー(4042)
■
ニッチ市場向け機能商品の好調が業績をけん引
■
16/3期の営業利益は前期比2ケタ増に
■
株価は業績好調を織り込み水準切り上げへ
新規
オークマ(6103)
■
「グローバル70」のもと、受注高が着実に増加基調へ
■
16/3期営業利益は前期比30%増を見込む
■
株価に出遅れ感。今後、1400円を目指す展開を予想
継続
TDK(6762)
■
時代のニーズとともに成長を遂げる先進企業
■
重点事業に集中、持続的な成長の実現を目指す
■
株価は、利益成長を織り込みながら下値切上げへ
新規
大同メタル工業(7245)
■
すべての産業分野で「すべり軸受」の世界トップを目指す
■
16/3期営業利益は前期比23%増と伸長を予想
■
株価は、三角もち合いを脱して戻りを試す展開へ
新規
JPX日経インデックス400採用
オリックス(8591)
■
高付加価値サービスの提供で、持続的な利益成長を実現
■
16/3期純利益は前期比11%増を予想
■
株価は、利益成長を織り込み下値切上げの展開へ
JPX日経インデックス400採用
JPX日経インデックス400採用
JPX日経インデックス400採用
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1/20
ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.603
東ソー
連結
13/3
14/3
15/3推
16/3予
売上高
6,684 ( -3% )
7,722 ( 16% )
7,940 ( 3% )
7,670 ( -3% )
経常利益
244 (
415 (
533 (
590 (
335 (
495 (
563 (
590 (
3% )
70% )
28% )
11% )
売買単位
1,000 株
(4042)
営業利益
2015 年 4 月 3 日
東海東京調査センター
投資調査部 川又 信之
純利益
168 (
295 (
14% ) 注616 (
373 (
5% )
一株当たり
利益
配当
株価
(4/2時点)
643.0円
36% )
80% )
28.2
6.0 PER(15/3期推)
47% )
75% )
49.4
6.0
〃 (16/3期予)
6.3 倍
10.3 倍
108% ) 注102.8
10.0 PBR(14/3期実績)
1.76 倍
-39% )
12.0 ROE(14/3期実績)
14.5 %
62.3
注)推定・予想は東海東京調査センター(中原 周一)
(単位:億円、%、円)
注:14年10月実施の企業買収の影響で15/3期に法人税等が262億円減少、純利益、1株当たり利益はカサ上げを見込む(一過性)。
■ ニッチ市場向け機能商品の好調が業績をけん引
■ 16/3 期の営業利益は前期比 2 ケタ増に
■ 株価は業績好調を織り込み水準切り上げへ
「JPX 日経インデックス 400 採用銘柄」
【概要】 総合化学大手。機能商品、石油化学、クロル・アルカリが三本柱
■ニッチ市場向け機能商品の好調が業績をけん引
同社は、機能商品事業および石油化学事業、クロル・アルカリ事業が
三本柱の総合化学大手。利益面では機能商品事業と石油化学事業の
寄与度が大きい。
営業利益の 46%を占める(14/3 期、図表 1)機能商品事業が好調。同事
業はバイオ関連(医薬品等)、有機化成品(硬化剤、紙力増強剤などの原材料)、
高機能材料(半導体製造の材料、排気ガス浄化装置向け触媒、電池材料等)など
ニッチ市場向けの細かな商品を積み上げたもの。円安効果や原材料市
況改善効果、納入先の増産効果、などにより取引条件の改善が進んで
おり、同事業の利益は今後成長が見込まれる。
図表 1 :事業別の営業利益の推移
700 億円
600
533
500
244
131
100
0
90
13/3
135
140
192
14/3
石油化学
機能商品
148
200
105
628
その他
415
400
300
590
293
328
361
15/3推 16/3予 17/3予
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 推定・予想は東海東京調査センター
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ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
営業利益のもう一つの柱である石油化学事業は、エチレンなど石油化
学原料の外販と、自動車部品などに使用されるクロロプレンゴムや特殊
合成ゴムのクロロスルホン化ポリエチレンなど。この事業も、円安を背景
に交易条件の改善が進んでいる。15/3 期は設備の大型の定期修繕(4
年に 1 度)を実施したため減益になったと推定するが、その影響が一巡す
る 16/3 期には再び増益になると当調査センターはみている。
■ 16/3 期の営業利益は前期比 2 ケタ増に
15/3 期の業績を、当調査センターは前期比 3%増収、28%営業増
益になったと推定。会社計画(同 5%増収、20%営業増益)に対し、営業利益
の上ブレを見込んでいる。
主な要因は、機能商品の好調を見込むため。15/3 期の機能商品事
業の売上高を前期比 8%増の 1,653 億円と推定している。機能商品の
売上高営業利益率は 14/3 期の 12.5%から 17.7%に向上を見込む。高
採算の機能商品の増収増益により会社全体の同利益率も 14/3 期の
5.4%から 6.7%に上昇したと推定(図表 2)。
図表 2:営業利益と売上高営業利益率の推移
800
億円
売上高営業利益率(右目盛)
700
600
500
3.5 300
533
3.7 8.0 % 9
8
6.7 5.4 4.9 400
7.7 7
590
628
3
335
237
244
12/3
13/3
5
4
415
200
6
営業利益(左目盛)
2
1
0
100
11/3
14/3
15/3推 16/3予 17/3予
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 推定・予想は東海東京調査センター
なお、15/3 期は、14 年 10 月に実施した企業買収(日本ポリウレタン工
業)に伴い税負担が
262 億円軽減されるため、純利益および一株当たり
利益がカサ上げされる。この効果は一過性のため、16/3 期の純利益お
よび一株当たり利益は減益と予想している。
16/3 期も機能商品が数量増と円安メリットによりけん引し、営業利益
は前期比 11%増の 590 億円と 2 ケタ増を持続すると予想する。
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ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
■ 株価は業績好調を織り込み水準切り上げへ
株価は2月3日の14年4-12月期(第3四半期)決算発表後、急落した。会
社が15/3通期計画を据え置いたことに対する、失望売りとみられる。事
前の15/3期QUICKコンセンサス予想(各社アナリスト予想の平均)は会社計
画を上回っていた(図表3)。当調査センターは、15/3期の営業利益につ
いて533億円と、会社計画を上回ったと推定している。
一株当たり利益でみると、14/3期にすでに直近のピークである07/3
期の水準を上回った。一時的要因カサ上げの影響を除く15/3期推定、
16/3期予想の1株当たり利益はさらに更新を予想。足元の株価は上昇
したが、07/3期当時の株価と比べて割高感はない(図表4)。当調査セン
ターは、株価はチャート上の節目となる07年10月の高値828円を視野に
入れて水準を切り上げるとみる。
図表 3:株価(日足)と 15/3 期営業利益予想の推移
700
円
666.0(15/1/29)
東ソー株価(日足)
650
600
550
521.0(15/2/17)
500
450
会社は15/3期の計画
据え置きを発表(15/2/3)
400
億円
25日移動平均線
350
540
520
500
480
460
440
注)当調査センター予想は533億円
15/3期営業利益予想
会社計画
QC予想(各社アナリスト予想の平均)
14/10/10 14/11/11 14/12/10
15/1/14
15/2/12
15/3/12
15/4/7
出所:QUICK より東海東京調査センター作成 QC 予想は各社アナリスト予想の平均
図表 4:株価(月足)と一株当たり利益の推移
円 (06/2) 828.0(07/10)
800
717.0
東ソー株価(月足)
600
(15/1)
666.0
(14/1)
496.0
400
200
0
45.7 47.6 351.0
(14/3)
円
147.0(12/10)
133.0(09/2)
120
102.8
一株当たり利益
62.3 80
49.4 注
40
赤字
推
予
0
06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3
出所:QUICK より東海東京調査センター作成 15/3 期推定、16/3 期予想は東海東京調査センター
注:14 年 10 月実施の企業買収の影響で 15/3 期に法人税等が 262 億円減少、一株当たり利益はカサ上げを見込
む(一過性)
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ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.604
オークマ
連結
13/3
14/3
15/3推
16/3予
売上高
1,337 ( -5% )
1,343 ( 0% )
1,680 ( 25% )
1,800 ( 7% )
営業利益
売買単位
1000 株
(6103)
経常利益
108 ( -5% )
93 ( -14% )
143 ( 53% )
186 ( 30% )
101 (
95 (
138 (
181 (
純利益
75 ( -9% )
79 ( 5% )
103 ( 30% )
128 ( 24% )
0% )
-6% )
45% )
31% )
一株当たり
利益 配当
2015 年 4 月 3 日
東海東京調査センター
投資調査部 廣瀬 治
株価
1,098.0円
(4/2時点)
46.2
10.0 PER(15/3期推)
17.4 倍
48.6
10.0
14.0 倍
63.0
13.0 PBR(14/3期実績)
1.62 倍
78.3
15.0 ROE(14/3期実績)
7.4 %
〃 (16/3期予)
注)推定・予想は東海東京調査センター予想(大平 光行)。
(単位:億円、%、円)
■ 「グローバル 70」のもと、受注高が着実に増加基調へ
■ 16/3 期営業利益は前期比 30%増を見込む
■ 株価に出遅れ感。今後、1400 円を目指す展開を予想
【概要】 工作機械の大手。産業機械向け大型工作機械に強み
■ 「グローバル 70」のもと、受注高が着実に増加基調へ
工作機械の大手。産業機械向け大型工作機械に強みを持ち、とくに
切削型工作機械では国内受注シェア首位を誇る。
同社は、2011 年より「グローバル 70」の指針を掲げる。これは、海外売
上高比率を 70%以上に高めるもの(2011/3 期実績: 60.7%)。この実現に
向けて、「日本で作って世界で勝つ」をスローガンに国内での生産効率
の向上や新技術開発などで製品競争力の強化などを図り、先進国で同
社が強みとする需要(航空機・医療機器、等)を確実に獲得。さらに、アジア
途上国などの新市場・新顧客の開拓にも積極的に取り組んでいる。
これらの取り組みが実り、受注高は着実に増加基調をたどっている
図1 受注高の推移(四半期) ~ リーマンショックから着実に回復
600
538
億円
480 500
465
400
300
200
100
(推・予)
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
0
07
08
09
10
11
12
13
14
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。推定・予想は東海東京調査センター
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15
16
月
年
ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
(図1)。なお、海外売上高構成比は、11/3
期の 60.7%から 14 年 4-12
月期に 65.5%と順調に高まっている。
■ 16/3 期営業利益は前期比 30%増を見込む
15/3 期について、当調査センターは、「売上高 1680 億円(前期比 25%
増)、営業利益
143 億円(同 53%増)、純利益 103 億円(同 30%増)」と推定
する。受注高が前期比 18%増の 1760 億円と伸長したことが寄与したと
みる。円安進行や国内企業による更新投資の活発化などが追い風とな
った。
続く 16/3 期は同 7%増収、同 30%営業増益を予想する。国内外の設
備投資マインドは前期に引き続き堅調とみており、同社の受注高は前期
比 5%増の 1850 億円を見込む。国内では自動車部品、北米では航空
機や医療機器など同社が強みを持つ分野の引き合いが強いとみる。
営業増益は、増収効果に加えて、生産効率の高まりなどによる収益
性の改善やドル高・円安効果などが寄与する見込み。15/3 期に大幅な
受注増加で混乱した生産現場も落ち着き、生産効率の高まりなどで収
益性の改善が進むと見込む。
前提為替レートは、1 米ドル=120 円(15/3 期推:110 円/ドル)、1 ユーロ=
125 円(同:138 円/ユーロ)と想定。営業利益ベースでの対ドルでの円安効
果は約 30 億円で、対ユーロでの円高影響(約▲20 億円)を上回るとみる
(当調査センター試算)。
図 2 売上高と営業利益の推移
億円
2138
営業利益
2000
1800
売上高
1500
272
1000
600
500
1680
302
400
億円
300
120
113
108
93
21
143
186
200
100
0
500
‐100
0
‐200
▲150
07/3期
09/3期
11/3期
13/3期
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。推定・予想は当調査センター
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6/20
15/3期推 16/3期予
ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
■ 株価に出遅れ感。今後、1400 円を目指す展開を予想
株価は、15年3月17日に高値1199円を付けた後、一旦調整局面にあ
る(図3)。だが、当調査センターは、株価は出遅れ感があり、再び上昇ト
レンドをたどるとみる。受注高は07年の水準に迫りつつあるが、株価は
07年高値の約半値水準であるためだ (図4)。信用買い残も減少傾向に
あり、株式需給も改善している。
当調査センターでは、今後、株価は16/3期予想PER18倍に相当する
1400円を目指す展開を予想する。PER18倍は、過去のPER推移から見
て達成可能な水準と考える。
図 3 株価チャート(週足)と信用買い残の推移
1400
円
1200
オークマ(週足)
(14/1/16)
(15/3/17)
1220円
1199円
(13/5/23)
(14/6/19)
1066円
1039円
1000
800
13週移動平均線
769
709
(14/4/14)
(13/8/1)
千株
(14/10/21)
655
600
5000
信用買い残
4000
3000
400
2000
1000
200
13/04/01
13/09/30
14/03/31
0
15/03/30
14/09/29
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。
図 4 株価チャート(月足)と受注高(四半期)の推移
2500
円
(07/7)
2165円
2000
オークマ株
(月足)
(14/1)
1500
1220円
1000
709
500
0
(14/10)
億円
284
538
480
465
(08/12)
‐500
受注高
(予 想)
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
4‐6
7‐9
10‐12
1‐3
‐1000
07
08
09
10
11
12
13
14
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。推定・予測は東海東京調査センター
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7/20
15
16
600
500
400
300
200
100
0
月
年
ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.605
TDK
連結
13/3
14/3
15/3推
16/3予
売上高
8,418 ( 5% )
9,845 ( 17% )
10,854 ( 10% )
11,305 ( 4% )
営業利益
220 (
366 (
売買単位
100 株
(6762)
税前利益
7% )
66% )
740 ( 102% )
950 ( 28% )
一株当たり
利益 配当
純利益
197 ( 35% )
397 ( 101% )
720 ( 81% )
960 ( 33% )
11 (
162 (
2015 年 4 月 3 日
東海東京調査センター
投資調査部 廣瀬 治
-)
9.5
- ) 129.5
株価
(4/2時点)
8,500.0円
70.0 PER(15/3期推)
24.0 倍
70.0
17.0 倍
〃 (16/3期予)
445 ( 173% ) 353.7 90.0 PBR(14/3期実績) 1.68 倍
630 ( 42% ) 500.7 110.0 ROE(14/3期実績) 2.7 %
注)推定・予想は東海東京調査センター(萩原幸一朗)。14/3期より非継続となった事業について過年度の数値を一部組み替えている
(単位:億円、%、円)
■ 時代のニーズとともに成長を遂げる先進企業
■ 重点事業に集中、持続的な成長の実現を目指す
■ 株価は、利益成長を織り込みながら下値切上げへ
「JPX 日経インデックス 400 採用銘柄」
【概要】 電子部品大手。HDD用磁気ヘッドが収益の柱
■ 時代のニーズとともに成長を遂げる先進企業
同社は、日本で生まれた画期的な電子素材“フェライト(磁性体)”の工業
化を目的として 1935 年に設立。その後、音楽ライフを一変させたカセッ
トテープ、パソコンなどの大容量記録メディアとして用いられる HDD(ハー
ドディスクドライブ)の磁気ヘッドなど、フェライト技術をコアに、時代が求め
る画期的な商品の創出により成長を遂げている。
現在、事業の柱は、HDD の磁気ヘッドを主力とする「磁気応用製品」。
同社は、ナノメートルレベル(10 億分の1)の薄膜技術など世界最高水準
の技術力で、業界をリードしている。ほか、家電製品や自動車などでさま
ざまな機能を実現する「受動部品(コンデンサ、等)」、電池を含む「フィルム
応用製品」などを展開している(図1)。
図1 事業セグメント別売上高構成比(2014/3 期)
フィルム応用製品
13.1%
その他
2.0%
受動部品
47.9%
磁気応用製品
37.0%
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。
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8/20
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東海東京調査センター
■ 重点事業に集中、持続的な成長の実現を目指す
同社は、重点市場とする「自動車」「ICT(情報通信技術)」「産業機器・エ
ネルギー」に経営資源を集中、また M&A を通じて新たな技術を拡充す
ることで、持続的な成長の実現を目指している。
■ 自動車市場・・・カーエレクトロニクス化の進展や環境自動車(電気自
動車、ハイブリッド車、等)市場の拡大を背景に、車載向け電子部品の
需要が拡大している。同社は、成長する同市場に向けて、環境自動車
用パワートレイン系(動力系統)部品の強化や HDD 用ヘッド技術を応用
した車載向けセンサの投入などで事業を拡大させる計画である。
図 2 自動車市場向け売上高の推移
2000
1707
(億円)
1500
1105
1268
1427
1000
500
0
11/3期
12/3期
13/3期
14/3期
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。
■ ICT 市場・・・スマートフォンやタブレット端末市場が成長を遂げる中
で、電子部品の搭載数が増加、さらに技術革新が進展している。このよ
うな環境下、同社は、HDD 関連部品を安定した収益源として、手振れ補
正部品などカメラモジュールやリチウムポリマー電池などの開発・販売に
注力している。
図 3 ICT 市場向け売上高の推移
6000
(億円)
ICT(HDD関連部
5000
2524
4000
3000
2538
2051
2300
ICT(HDD関連部品
2000
1000
2110
2176
2377
11/3期
12/3期
13/3期
品)
2970
を除く)
・カメラモジュール
・電池、など
0
14/3期
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。
■ 産業機器・エネルギー市場・・・家庭用燃料電池や太陽光発電システ
ムの普及、電力小売自由化など電力改革の進展などにより、HEMS(家
庭内エネルギー管理システム)市場が拡大している。この成長市場に対
して、同社はパワーマネジメント(電源制御)関連部品を投入している。
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東海東京調査センター
これらの施策が実り、同社の業績は 09/3 期を底に着実に回復歩調に
ある。なお、12/3 期は東日本大震災やタイ洪水の影響などで減収減益
となった(図 4)。
15/3 期について、当調査センターは、売上高を前期比 10%増の 1 兆
854 億円、営業利益を同 102%増の 740 億円と、会社計画(売上高 1 兆
800 億円、営業利益 700 億円)を上回ったとみる。売上高は、スマートフォンな
どを中心に ICT 市場向けが好調で、過去最高を更新。利益面では、増
収効果と生産性改善などで、減損損失(金属磁石関連設備の減損、電源事業
ののれんの減損)などを吸収したと推定する。
続く 16/3 期は前期比 28%営業増益を見込む。スマートフォンや自動
車向けの増販や生産性向上に加えて、前期計上した減損損失がなくな
ること、などが寄与する見込み。
なお、スマートフォンの需要について、当調査センターは 2013-18 年
の 5 年間の平均成長率を+13%と、高い成長が続くと予想する(図 5)。
図 4 業績は回復歩調に -売上高と営業利益の推移-
12,000
億円
1,600
1,400
億円
売上高
10,000
1050
950
8,000
795
6,000
871
4,000
1,000
800
600
269
2,000
740
643
565 598 605
1,200
営業利益
366
400
205 220
200
0
0
▲543
(2,000)
推定・予想
‐200
‐600
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。推定・予想は東海東京調査センター。14/3 期より非
継続となった事業について過年度の数値を一部組み替えている。
図 5 スマートフォンの需要見通し
20
億台
2013-18年
18.7
平均成長率 +13%
15
10
12.8
10.1
5
2013年
14年
18年予
出所:各種資料より東海東京調査センター作成。18 年予想は東海東京調査センター。
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(暦年)
ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
■ 株価は、利益成長を織り込みながら下値切上げへ
株価は、15年3月17日に高値9260円を付けたが、その後一旦調整と
なった(図6)。3月末を前にした利益確定売りに押されたようだ。
だが、東海東京調査センターでは16/3期の営業利益は過去最高益
となった08/3期を上回ると予想するが、現在の株価はリーマンショック
前の07年7月の高値11,990円に比べ約3割下回る水準(図7)。今後、株
価は、利益成長を織り込みながら下値切上げに転じると予想する。
図 6 株価チャート(週足)と信用買い残の推移
(15/3/17)
円
9260.0
TDK(週足)
9000
(14/12/8)
7900.0
8000
7000
(14/1/23)
6000
5360.0
(13/5/23)
4700.0
5000
13週移動平均線
4000
4045.0
千株
(14/5/21)
3265.0
3000
(13/6/27)
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
信用買い残
2000
1000
0
12/08/06
13/02/04
13/08/05
14/02/03
14/08/04
15/02/02
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。
図 7 株価チャート(月足)と営業利益の推移
13000
円
(07/7)
TDK(月足)
11990.0
11000
(15/3)
9260.0
9000
7000
(10/4)
16/3期
6590.0
630
17/3期
700
5000
714
3000
452
2565.0
445
純利益
(08/12)
1000
135
▲631
▲24
11
12/3期
13/3期
162
推定・予想
‐1000
08/3期
09/3期
10/3期
11/3期
14/3期
15/3期
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。推定・予想は東海東京調査センター。
14/3 期より非継続となった事業について過年度の数値を一部組み替えている。
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億円
800
700
600
500
400
300
200
100
0
‐100
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東海東京調査センター
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.606
大同メタル工業
連結
売上高
営業利益
13/3
14/3
708 (
773 (
15/3推
16/3予
850 ( 10% )
890 ( 5% )
1% )
9% )
62 ( -34% )
73 ( 17% )
80 (
9% )
98 ( 23% )
経常利益
(7245)
純利益
69 ( -23% )
80 ( 16% )
87 (
8% )
105 ( 21% )
43 ( -19% )
47 ( 8% )
47 ( -1% )
58 ( 23% )
売買単位
100 株
2015 年 4 月 3 日
東海東京調査センター
投資調査部 廣瀬 治
一株当たり
利益 配当
株価
(4/2時点)
1,279.0円
110.1
14.0 PER(15/3期推)
10.8 倍
118.9
17.0
118.0
20.0 PBR(14/3期実績)
1.31 倍
145.6
22.0 ROE(14/3期実績)
13.1 %
〃 (16/3期予)
注)推定・予想は東海東京調査センター(三浦 勇介)。
8.8 倍
(単位:億円、%、円)
■ すべての産業分野で「すべり軸受」の世界トップを目指す
■ 16/3 期営業利益は前期比 23%増と伸長を予想
■ 株価は、三角もち合いを脱して戻りを試す展開へ
「JPX 日経インデックス 400 採用銘柄」
【概要】 自動車エンジン用すべり軸受の世界大手
■ すべての産業分野で「すべり軸受」の世界トップを目指す
すべり軸受の専業で最大手。同社は、自動車エンジン用で世界シェ
ア 3 割(13 年暦年同社試算)。船舶エンジン用でも世界トップを誇る。
軸受は、「転がり軸受」と「すべり軸受」に分類される(図 1)。同社が主力
とするのは「すべり軸受」。軸受は、回転する軸(シャフト)を支える部品で、
回転する部分がある機械には必ずといってよいほど使用される。すべり
(メタル)軸受は、軸と軸受との間に油などを使用し、その油が軸の滑らか
な回転を支える。対して、転がり (ボール) 軸受は滑らかな軸の回転にボ
ールを使用するものである。
14/3 期の事業別売上高構成比は、自動車用エンジン軸受 65%、自
動車用エンジン以外軸受(ターボチャージャ用、等)19%、非自動車用軸受
図1 軸受の分類 ~ 油膜で回転を支えるすべり軸受
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。
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12/20
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東海東京調査センター
(建設機械、船舶用、等)15%、ほか1%。
同社は、2013/3 期から 18/3 期までの中期経営計画の目標として
「2018/3 期に売上高 1,110 億円、営業利益 167 億円以上、売上高営業
利益率 15%以上」を掲げる。15 年 4 月よりスタートする中期経営計画の
後半では、前半で取り組んだ(1)生産・販売・開発のグローバル体制の構
築、(2)非自動車分野の開拓、などをベースに、自動車および非自動車
分野全てにおいて世界トップシェアを目指す方針である。
■ 16/3 期営業利益、前期比 23%増と伸長を予想
近年、自動車市場では排ガス規制や燃費規制などが強化される方向
にある。このことは、優れた材料開発と生産技術を持つ同社にとって飛
躍のチャンス。
自動車用エンジン軸受は、軸を滑らかに回転させることで、(1)エネル
ギー損失の低減、(2)発熱の抑制、などで貢献するためだ。また、各国そ
れぞれ異なる環境規制などに対して、欧州・アジア・中国・日本・北米の
“世界 5 極体制”で応じることで、市場シェアの拡大が可能となる。
15/3 期について、東海東京調査センターは、売上高を前期比 10%増
の 850 億円、営業利益を同 9%増の 80 億円と、会社計画(売上高 850 億
円、営業利益 78 億円)をほぼ達成したと推定する(図 2)。円安進行と自動車
向け軸受などの伸長、などが寄与したとみる。
続く、16/3 期は前期比 5%増収、同 23%営業増益を予想。自動車用
および船舶用軸受の増収効果やメキシコ新工場の収益改善が寄与す
る見込み。
図 2 業績の推移と中期経営計画の目標
1110億円 250
1,200
億円
1,000
800
200
167億円以上
売上高(左軸)
600
95
400
200
0
過去最高益更新
98
118
億円
100
80
営業利益(右軸)
150
50
0
(200)
構造改革
の実施
(400)
09/3期
11/3期
13/3期
推定・予想
15/3期
17/3期
‐50
18/3
期計画
18/3期
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。推定・予想は当調査センター。計画は会社公表の目標値
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東海東京調査センター
■ 株価は三角もち合いを脱して戻りを試す展開へ
株価は、三角もち合いを脱して戻りを試す展開に (図3) 。16/3期予想
PER8.8倍で、株価に割安感があるとみる。今後、株価は、利益成長を確
認しながら長期上昇軌道をたどろう(図4)。
東海東京調査センターでは、株価は16/3期予想一株当たり利益に
PER11倍を乗じた1600円を目指すと予想。PER11 倍は、自動車部品業
界の来期予想PER の平均値である(当調査センター予想)。
図 3 株価チャート(日足)と出来高の推移
円
1600
(14/10/1)
1496
(14/7/3)
1500
大同メタ
(日足)
(14/11/26)
1440
1410
1400
1300
1200
(14/4/7)
1176
1150
1100
(14/10/17)
(15/1/22)
972
900
千株
700
1043
25日移動平均線
1000
(14/5/14)
600
出来高
500
400
800
300
200
700
100
600
0
14/4/1
14/6/13
14/8/25
14/11/7
15/1/26
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。
図 4 株価チャート(月足)と営業利益の推移
1900
円
大同メタ
(月足)
(14/10)
1496
1400
(12/04)
1046
1043
900
(15/01)
400
472
95
118
(12/11)
98
80
175
140
億円
90
(09/11)
‐100
40
営業利益
▲ 10
‐600
09/3期
10/3期
11/3期
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期推 16/3期予 17/3期予
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。推定・予想は東海東京調査センター。
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14/20
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東海東京調査センター
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.607
オリックス
連結
営業収益
13/3
14/3
10,557 (
13,416 (
15/3推
16/3予
20,622 (
22,940 (
営業利益
税前利益
9% ) 1,508 (
23% )
27% ) 2,009 (
33% )
-(
-(
-)
54% )
11% )
-)
1,725 (
2,837 (
3,394 (
3,945 (
売買単位
100 株
(8591)
一株当たり
利益 配当
純利益
1,119 ( 34% )
64% ) 1,867 ( 67% )
20% ) 2,308 ( 24% )
16% ) 2,564 ( 11% )
35% )
2015 年 4 月 3 日
東海東京調査センター
投資調査部 廣瀬 治
株価
(4/2時点)
1,719.5円
102.9
13.0 PER(15/3期推)
9.8 倍
147.3
23.0
8.8 倍
176.1
33.0 PBR(14/3期実績)
1.17 倍
195.7
38.0 ROE(14/3期実績)
10.5 %
〃 (16/3期予)
注)推定・予想は東海東京調査センター(摩嶋 竜生)。13年4月1日付で普通株式1株を10株に分割。一株当たり指標は分割を遡及修正済
み。13/3期および14/3期実績は14/3期提出の決算短信をもとに作成。営業利益は未予想
(単位:億円、%、円)
■ 高付加価値サービスの提供で、持続的な利益成長を実現
■ 16/3 期純利益は前期比 11%増を予想
■ 株価は、利益成長を織り込み下値切上げの展開へ
「JPX 日経インデックス 400 採用銘柄」
【概要】 総合リース国内トップ。事業多角化や海外展開で業界をリード
■ 高付加価値サービスの提供で、持続的な利益成長を実現
日本のリース産業のパイオニア。1964 年にリース事業を開始して以降、
事業環境の変化に適応し、法人向けを主体とするファイナンス(リース、融
資等)、投資銀行業務(M&A、債権買取、不動産投融資等)・金融商品の開発・
提案を推進。また、グループ力を活かした不動産開発や生損保販売な
ど隣接分野に次々に進出してきた(図1)。創業翌年から一度も赤字に陥
ることなく、利益を計上し続けている。
同社の強みは、(1)分散された事業ポートフォリオ、(2)国内外に広が
るネットワーク、(3)バランスのとれた資金調達構造(金融機関借入、社債、
等)、など。これらを活かして、従来の金融機能に付加価値の高いサービ
スを加えて新規事業に参入し、時代のニーズを捉えて事業発展を加速・
図1 事業セグメント別税前利益構成比(2014/3 期、連結調整前)
海外
法人金融サービス
リース、融資、債権投資、
投資銀行、アセットマネジメント、
融資、リース、各種手数料ビジネス
24%
メンテナンスリース
8%
13%
税前利益
17%
14年3月期
(連結調整前)
リテール
6%
32%
生命保険、銀行、
カードローン
自動車リース、レンタカー、
カーシェアリング、
電子計測器・IT関連機器などの
レンタルおよびリース
不動産
不動産開発・賃貸・ファイナンス、
施設運営・不動産投資法人(REIT)
の資産運用・管理、不動産投資顧問
事業投資
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。
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15/20
環境エネルギー関連、
プリンシパル・インベストメント、
サービサー(債権回収)
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東海東京調査センター
強化させている。たとえば、新規事業として、カーシェアリング、電力小
売りや産業廃棄物処理などが挙げられる。
■ 16/3 期純利益は前期比 11%増を予想
同社は、「金融+サービス」の加速化で、収益が増加している。とりわ
け、14/3 期は、資産運用会社・ロベコの買収(連結化)などで、純利益が
前期比 67%増と伸長した(図 2)。
15/3 期純利益について、東海東京調査センターは、前期比 24%増の
2308 億円と、会社計画 2150 億円を上回り、過去最高益を更新したと推
定する。14 年 4-12 月期純利益は、前年同期比 58%増の 1867 億円と、
通期会社計画に対する進捗率が 87%に達し、順調に推移したとみるた
め。15/3 期純利益には、ハートフォード生命の買収などに伴う一時的な
利益計上の影響があったが、これら要因を除いても前期比 2 ケタ増益と
なったと見込む。
続く 16/3 期純利益は同 11%増を見込む。保険販売などの手数料ビ
ジネスの伸長、自動車リースの安定的な拡大などが寄与するとみる。な
お、15/3 期並みの一時的な利益の計上を前提とした。一時的な利益に
ついて、現在公表された案件はないが、会社への取材活動を通じての
見方である。
図 2 リーマンショックから着実に回復 -営業収益と純利益の推移-
推定・予想
30000
億円
25000
20000
営業収益(左軸)
4000
億円
15000
10000
5000
5000
純利益(右軸)
2308
2564
1953
0
2770 3000
2000
1000
‐5000
0
‐10000
出所:会社資料より東海東京調査センター作成。推定・予想は東海東京調査センター。
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東海東京調査センター
■ 株価は、利益成長を織り込み下値切上げの展開へ
株価は、15年2月3日の安値1299.0円を底に下値を切上げ、3月17日
に高値1820.5円を付けた。その後、調整局面にあるが、3月末を前にし
て利益確定売りが出たようだ(図3)。純利益は15/3期に過去最高を更新
したとみている。今後、株価は、利益成長を織り込みつつ上昇軌道をた
どろう(図4)。
調査センターでは、株価は一時的利益を控除した16/3期調整後一
株当たり利益156円に平均PER13倍を乗じた2028円を目指すと予想す
る。平均PER13倍は13年1月以降の同社のPER 平均値である。
図 3 株価チャート(週足)と信用買い残の推移
円
オリックス
(週足)
2000
(13/11/29)
(15/3/17)
1920.0
1820.5
(14/7/4)
1728.0
1500
1305.0
(14/3/25)
1000
1295.5
1299.0
(14/10/28) (15/2/3)
13週移動平均線
千株
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
信用買い残
500
637.0(12/6/4)
0
12/04/02
12/10/01
13/04/01
13/09/30
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。
14/03/31
14/09/29
15/03/30
図 4 株価チャート(月足)と純利益の推移
円
4000
(2006/4)
オリックス
(月足)
3815.0
3500
3000
2500
(2013/11)
17/3期予
1920.0
2000
2770
1500
1000
500
2308
1965
2000
170.7
1500
(2009/2)
推定・予想
純利益
‐500
04/3期
06/3期
08/3期
1000
500
10/3期
12/3期
14/3期
出所:QUICK より東海東京調査センター作成。推定・予想は東海東京調査センター。
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17/20
億円
3000
2500
1867
0
‐1000
2564
16/3期
0
ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
【レーティングの定義】
投資判断の定義
Outperform
Neutral
Underperform
NR
今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して 15%以上上回るとアナリスが予想
今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して±15%未満とアナリストが予想
今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して 15%以上下回るとアナリストが予想
レーティング、目標株価を付与せず
【レポート利用に関する注意事項】
このレポートは、東海東京調査センター(以下「弊社」)が作成し、弊社の許諾を受けた証券会社、及び情報
提供会社等から直接提供する形でのみ配布いたしております。提供されたお客様限りでご利用ください。この
レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。
投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されておりますが、弊社は、その正確性及び
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予告なく変わる場合があります。このレポートの一切の権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断
で複製又は転送等を行わないようにお願いいたします。
レーティングの表記は、TOPIX に対して Outperform、Neutral、Underperform の 3 段階で区分表記していま
す。また、レーティングが無い場合は「NR」と表記しています。対象期間は、投資評価が付与された日を起点と
して、6 ヵ月程度を想定しております。アナリストがレポートにおいて企業の目標株価に言及した場合、その目標
株価はアナリストによる当該企業の業績予想に基づくもので、期間は 6 ヵ月程度を想定しております。実際の
株価は、当該企業の業績動向や、当該企業に関わる市場や経済環境などのリスク要因により、目標株価に達
しない可能性があります。
このレポートで述べられている見解は、当該証券又は発行会社に関する執筆者の意見を正確に反映したも
のです。執筆者の過去、現在そして将来の報酬のいかなる部分も、直接、間接を問わず、このレポートの投資
判断や記述内容に関連するものではありません。
弊社は、このレポートを含め、経済・金融・証券等に関する各種情報を作成し、東海東京証券に提供すること
を主たる事業内容としており、弊社の収入は主に東海東京証券から得ております。
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご覧下さい。
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ストラテジーを読みやすく、明快に!
東海東京調査センター
【金融商品取引法に基づく留意事項】
このレポートは、東海東京調査センターが作成し、東海東京証券株式会社が許諾を受けて提供いたして
おります。投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
金融商品取引法に基づきお客様にご留意いただきたい事項を以下に記載させていただきます
東海東京証券の概要
商 号 等 : 東海東京証券株式会社
金融商品取引業者
東海財務局長(金商)第140号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融
商品取引業協会
リスクについて
◎ 国内外の金融商品取引所に上場されている有価証券(上場有価証券等)の売買等にあたって
は、株式相場、金利水準等の変動や、投資信託、投資証券、受益証券発行信託の受益証券
等の裏付けとなっている株式、債券、投資信託、不動産、商品等(裏付け資産)の価格や評価
額の変動に伴い、上場有価証券等の価格等が変動することによって損失が生じるおそれがあり
ます。
◎ 上場有価証券等の発行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合や、裏付け資産の発
行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合、上場有価証券等の価格が変動すること
によって損失が生じるおそれがあります。
◎ 新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行使でき
る期間に制限がありますのでご留意ください。
◎ 上場有価証券等が外国証券である場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することに
より、為替相場が円高になる過程では外国証券を円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる
過程では外国証券を円貨換算した価値は上昇することになります。したがって、為替相場の状
況によっては為替差損が生じるおそれがあります。
※ 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場合
には、その最終的な裏付け資産を含みます。
※ 新規公開株式、新規公開の投資証券及び非上場債券等についても、上記と同様のリスクがあり
ます。
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東海東京調査センター
手数料等諸費用について
Ⅰ 国内の金融商品取引所に上場されている有価証券等
国内の取引所金融商品市場における上場有価証券等の売買等についてお支払いいただく委託手数料
等は、次の通りです。
(1)国内の金融商品取引所に上場されている株券等(新株予約権付社債券を除く。)
委託手数料の上限は、約定代金の1.242%(税込)になります。
(2) 国内の金融商品取引所に上場されている新株予約権付社債券等
委託手数料の上限は、約定代金の1.08%(税込)になります。
※上記金額が2,700円(税込)に満たない場合には、2,700円(税込)になります。
Ⅱ 外国金融商品市場等に上場されている株券等
外国株券等(外国の預託証券、投資信託等を含みます。)の取引には、国内の取引所金融商品市場に
おける外国株券等の売買等のほか、外国金融商品市場等における委託取引と国内店頭取引の2通りの
方法があります。
(1) 外国金融商品市場等における委託取引
① 国内取次ぎ手数料
国内取次ぎ手数料が約定代金に対して掛ります。
当該手数料の上限は、約定代金の1.404%(税込)になります。
② 外国金融商品市場等における委託手数料等
外国株券等の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における委託手数料及び公租公
課その他の諸費用が発生します。当該諸費用は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて
決定されますので、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。
(2) 国内店頭取引
お客様に提示する売り・買い参考価格は、直近の外国金融商品市場等における取引価格等を基
準に合理的かつ適正な方法で算出した社内価格を仲値として、仲値と売り・買い参考価格との差
がそれぞれ原則として2.75%(手数料相当額)となるように設定したものです。当該参考価格には
手数料相当額が含まれているため、別途手数料は頂戴いたしません。
※ 外国株券等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際の為替レートは、外国為替市場の動
向をふまえて当社が決定した為替レートによるものといたします。
Ⅲ その他
募集、売出し又は相対取引の場合は、購入対価をお支払いいただきます。また、お客様との合意に基づ
き、別途手数料をいただくことがあります。
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