山内愛子

1 シーフードの今
17 June 2015 - 1
世界のおさかな事情
世界の魚資源の動向(FAO)
100
天然の水産資源は減っている!
•世界中で魚を消費する量が増加(特に中国)
60
50
限界まで利用
40
30
20
過剰に利用
10
'06
'00
'95
'90
'87
'83
0
'79
•人口の増加から食料需要は増加
2050年には90億人
70
'74
•水産庁によると、水産資源の4割以上は厳し
い状況
80
魚の種類数(割合:%)
•国連食料農業機関によると、人が食べる魚の
3割は子孫が維持できない状態
開発に余地
90
平成27年6月17日 - 2
「開拓」の時代から「回復」の時代へ
1950
2006
Swartz et al, 2010
サカナを巡る数字
世界の一人あたり年間水産物消費量=18 .8 kg (FAO,
2012)
天然水産物の漁獲= 79億トン/年間 (FAO, 2012)
世界の水産物消費量 = 154 億 トン /年間 (FAO,
2012)
2025年の水産物需要 =さらに 50 億トンが必要に
過剰漁獲による世界の経済損失=推定500億円以上 (
世界銀行, FAO, 2006)
違法漁業などによる生産額=年間推定400 – 900億円
(UN)
世界の食糧安全を考えるうえで、
シーフードは重要な資源!!
養殖:成長する産業
• 養殖業は世界で急成長を遂げる食糧生産手法で、世界中で食糧
となる水産物の半分を生産している。
• ここ15年間、8~10%の安定した急成長を示す産業である。
• 養殖水産業は農業生産の3倍の速度で急成長しつづけている。
• 水産物の消費率が現在と同程度であれば、世界の養殖生産は
2050年には50%の増加が必要となる。
平成27年6月17日 - 5
養殖が海に与える影響
• 海底環境および水質への影響 • 養殖場外への逃亡、生物多様性への影響
• 病害虫の感染
• 飼料の管理と調達
• 抗生物質・化学物質の使用
• 社会と労働に関する問題
責任ある養殖業が確立されれば、天然個体群、海洋環境、水質に、
養殖業がもたらす影響は大幅に削減される。
平成27年6月17日 - 6
2 シーフードの未来
17 June 2015 - 7
未来はどうなるの? 2030年予測
世界の魚類生産量とその推移予測
20000
[万㌧]
18000
16000
14000
12000
10000
8000
合計(実測)
合計(予測)
6000
漁業(実測)
4000
漁業(予測)
養殖(実測)
2000
養殖(予測)
0
世界銀行レポート「Fish to 2030」より引用
平成27年6月17日 - 8
未来はどうなるの? 2030年予測
世界銀行レポートより引用
平成27年6月17日 - 9
養殖も天然魚が必要
世界の魚粉の利用
100%
90%
80%
70%
60%
その他
50%
水産養殖
養鶏
40%
養豚
30%
20%
10%
0%
1960
1980
2010
世界銀行レポートより引用
平成27年6月17日 - 10
3 選ぶことで海を守る
17 June 2015 - 11
合法であればサステナブル??陸の事例から考える
写真:植林地予定地で「保護」されているラミンの立木、「保護(=合法)」と解釈?
海の生物多様性保全に寄与する「ツール」
科学的な根拠に基づいて、資源をしっかり管理する
「しくみ」と消費者も含む全ての関係者が関与する
「ツール」が必要。
・定量的・定性的に評価できる基準づくり
・船から食卓までの透明性の確保
・グローバルに利用できる「ものさし」
パネルディスカッション1
目的:
1 問題意識の共有
2 セクターごとの取り
組みの限界と課題
3 セクターを超えた連
携の可能性
4 セッション1,2へ
の導入
多様なパネリスト:
1 リテイラー
2 産地
3 研究者
4 消費者
5 (NGO)