調査結果

1
調査
1.1
美容教育の現状調査
1.1.1
わが国の美容教育の現状
美容師は国家資格であり、美容師法という法律によって定められている。こ
れらの資格を得るためには、国家試験に合格しなければならない。そして、国
家試験の受験資格を得るために、美容師なら美容学校で学ぶ必要がある。
美容は厚生労働省の管轄であり、美容師の養成施設と認定された学校はすべ
て「厚生労働大臣指定」を受けている。美容学校を調べると「○○専門学校」
「各種学校○○スクール」などがあるが、こうした専門学校や各種学校といっ
た呼称は文部科学省が定めた学校区分であり、美容師の養成施設かどうかとは
関係ない。重要なことは「厚生労働大臣指定」であることである。
養成施設には、昼間課程、夜間課程、そして通信課程がある。それぞれの特
徴は以下のようになる。
●昼間課程
修業年限(学習期間)は 2 年間で日中に授業を受ける。
●夜間課程
修業 年限(学 習 期間 )は 2 年 から 2 年 半 で、毎日 夕方 か ら行 われ る授 業 を受
ける。
●通信課程
修業年限(学習期間)は 3 年間で、教本による通信授業に加え、養成施設で
のスクーリング(面接授業)が必要である。
入学から理容師・美容師になるまでは、以下のような流れになる。
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図 3
入学から理容師・美容師になるまで
養 成 施 設 で あ る 美 容 学 校 で の 学 び に 関 し て 、 平 成 20 年 に 省 令 改 正 さ れ 、 こ
れ ま で に な か っ た「 単 位 制 」が 導 入 さ れ る こ と に な っ た 。1 単 位 は 30 時 間 か ら
45 時 間 ま で の 範 囲 で 学 校 が 決 め る 。 そ し て 、 卒 業 ま で に 必 要 な 単 位 数 は 67 単
位 で あ る 。 時 間 と し て は 2010 時 間 以 上 に な る 。 こ の 内 訳 は 大 き く 2 つ の 課 目
に 分 け ら れ る 。 一 つ 目 は 必 修 課 目 ( 47 単 位 ・ 1 410 時 間 ) で あ り 、 二 つ 目 は 選
択 必 修 課 目 ( 20 単 位 ・ 600 時 間 ) で あ る 。
必修課目・選択必修課目および単位数(時間数)は以下のようになる。
課
必
修
課
目
目
単位数(時間数)
関係法規・制度
1 単 位 ( 30 時 間 )
衛
生
管
理
3 単 位 ( 90 時 間 )
美
容
保
健
4 単 位 ( 1 20 時 間 )
美容の物理・化学
3 単 位 ( 90 単 位 )
美 容 文 化 論
3 単 位 ( 90 時 間 )
美容運営管理
2 単 位 ( 60 時 間 )
美容技術理論
4 単 位 ( 1 20 時 間 )
美
小
容
実
計
習
27 単 位 ( 810 時 間 )
47 単 位 ( 1410 時 間 )
選択必修課目
20 単 位 ( 600 時 間 )
6
合
図 4
計
67 単 位 ( 2010 時 間 )
必修課目と選択必修課目の単位数
養成施設には上記のような昼間課程・夜間課程の通学コース(修業年限 2 年
以上)のほかに、通信課程のコース(修業年限 3 年以上)がある。通信課程で
は、厚生労働省令で定められた必修課目と選択必修課目(それぞれ 8 課目)に
つ い て 、「 教 材 に よ る 通 信 授 業 」 と 「 面 接 授 業 ( ス ク ー リ ン グ )」 が 用 意 さ れ て
いる。通信課程の学生ははこの 2 つのカリキュラムを受講し、単位を修得した
後に、卒業資格を取得することができ、美容師国家試験の受験資格を得ること
ができる。
「教材による通信授業」について、社団法人日本理容美容教育センター(以
下「教育センター」という)は通信課程の学生の養成施設から業務委託を受け
ている。すなわち、養成施設に代わって学生の手元に教材を配本し、学生から
提出された報告課題(レポート)の添削業務を行っている。そして添削の結果
は教育センターより所属の養成施設に報告され、その報告に基づいて養成施設
より報告課題の単位認定がなされる。ちなみに、通信課程も学生が 3 年間で提
出 す べ き 報 告 課 題 数 は 、 1 年 次 18 通 ( 中 卒 者 講 習 用 9 通 別 途 追 加 提 出 )、 2 年
次 14 通 、 3 年 次 7 通 で あ る 。
通 信 課 程 の も う 一 つ の カ リ キ ュ ラ ム 、「 面 接 授 業 ( ス ク ー リ ン グ )」 は 夏 休 み
や春休みを利用して養成施設で行われ、必修課目すべてと、選択必修課目のう
ち実習を伴う課目について受講する。
「 面 接 授 業( ス ク ー リ ン グ )」に お い て は 、
その時期や日程、単位制・時間制などは養成施設によって異なるが、卒業まで
の 3 年 間 で 、 120 単 位 以 上 あ る い は 600 時 間 以 上 ( 美 容 所 の 従 事 者 は 60 単 位
以 上 あ る い は 30 0 時 間 以 上 ) を 受 け る こ と が 義 務 付 け ら れ て い る 。 た だ し 、 教
育 セ ン タ ー で は 選 択 必 修 課 目 の 関 係 上 、 1 26 単 位 あ る い は 630 時 間 ( 美 容 所 の
従 事 者 は 63 単 位 あ る い は 315 時 間 ) と 設 定 し て い る ( 図 5 参 照 )。
「 教 材 に よ る 通 信 授 業 」と「 面 接 授 業( ス ク ー リ ン グ )」を そ れ ぞ れ 修 了 し た
者は、卒業の資格を得て国家試験の受験に進むことができる。
なお、卒業証書は、報告課題とスクーリングの成績を総合的に判断し、所属
の養成施設から授与される。
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図 5
スクーリングの単位数・時間数
美容師国家試験は、厚生労働省が指定した試験機関である「財団法人理容師
美容師試験研修センター」により実施され、同法人が定めた受験地(養成施設
など)において受験することになる。内容は、実技試験と筆記試験の 2 回で合
否が決定する。
昼間課程・夜間課程の場合は 2 年次の 3 学期にあたる、2 月初旬(一部地域
は 1 月下旬から)に実技試験、3 月に学科試験が実施される。合格すれば卒業
と同時に美容師として社会に出ることができる。
通信課程では、8 月(一部地域は 7 月下旬から)に実技試験、9 月に学科試
験が行われ、こちらも同様に合格すれば卒業と同時に働くことができる。実際
に、ほとんどの学生は国家試験受験の前に就職先を決定しているため、合格を
前提に試験に臨んでいる。もちろん、プレッシャーも感じるが、学んだ成果が
そのまま出せれば、合格は難しくない。
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万が一国家試験に不合格になった場合は、半年後の国家試験に再チャレンジ
することになる。そのとき、前回の試験で、筆記試験と実技試験のうち、どち
らかが合格していれば、次に行われる試験は免除になる。すなわち、再チャレ
ンジでは、不合格だった方の試験だけを受け、合格すればよい。
図 6
国家試験の仕組み
●実技試験
国家試験で最初に行うのが実技試験である。実技試験では美容師の技術の基
礎を試されることになる。試験の内容は、財団法人日本理容師美容師試験研修
センターから発行されている、美容師実技試験課題「技術の解説及び図解」か
ら出題される。実技試験は減点方式で行われ、以下が合格ラインとなる。
( 1) 衛 生 上 の 取 扱 試 験 : 減 点 30 点 以 下
( 2) 基 礎 的 技 術 試 験
第 1 課 題 : 減 点 40 点 以 下
第 2 課 題 : 減 点 50 点 以 下
美容師実技試験
・美容の基礎的技術
第 1 課題:カッティング
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20 分
第 2 課 題 : ワ イ ン デ ィ ン グ 20 分
( オー ルウェー ブ の 場 合 2 5 分 )
・美容を行う場合の衛生上の取扱い
●筆記試験
試 験 は 10 0 点 満 点 で 6 0 点 以 上 が 合 格 だ が 、 1 課 目 で も 0 点 が あ る と 不 合 格
になる。
美容師筆記試験課目
・関係法規・制度
5 設問
・衛生管理
公衆衛生・環境衛生
5 設問
感染症
5 設問
衛生管理技術
5 設問
・美容保健
人体の構造及び機能
5 設問
皮膚科学
5 設問
・美容の物理・化学
物理
3 設問
化学
7 設問
・美容理論
10 設 問
合計
50 設 問
試 験 時 間 : 午 後 1 時 20 分 ~ 3 時
以上は、美容師養成施設の入学から卒業、美容師になるまでの流れである。
日本の美容教育のシステムは、上記のように、2 年の専門課程、3 年の通信
課 程 の ほ か に 、4 年 の 高 度 専 門 課 程 ( 大 学 院 入 学 資 格 )、 そ し て 、大 学 院 と な っ
ている。この教育制度の前提になっているのが、美容の国家試験制度である。
近 年 、大 学 ・ 短 期 大 学 で も 美 容 分 野 に 進 出 し て い る 。ま た 、2 006 年 に 専 門 学
校卒業後に大学院への入学資格が得られる「高度専門士」制度が新設されたこ
と で 、よ り 専 門 的 な 資 格 や ス キ ル の 習 得 を 目 的 と す る 4 年 制 学 科 を 持 つ 専 門 学
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校 が 増 え た 。 2008 年 に 、 美 容 業 界 初 の 専 門 職 大 学 院 「 ハ リ ウ ッ ド 大 学 院 大 学 」
を 開 校 し 、大 学 や 4 年 制 の 専 門 学 校 を 卒 業 し た 人 が さ ら に 学 べ る 環 境 が で き た 。
現 在 、 日 本 で は 美 容 師 養 成 施 設 は 26 6 校 あ り 、 う ち 専 門 課 程 を 持 つ 美 容 専 門
学 校 が 26 3 校 、高 度 専 門 課 程 を 持 つ 美 容 専 門 学 校 が 1 校 、短 期 大 学 が 4 校 、 大
学 が 1 校 で あ る 。 さ ら に 、 ビ ュ ー テ ィ ビ ジ ネ ス 研 究 科 (修 士 課 程 )を 持 つ 専 門 職
大学院が 1 校ある。約 6 万人の学生が美容師をめざして勉強しており、うち 2
万人の学生は美容通信課程で学んでいる。
●管理美容師について
美 容 師 法 第 12 条 の 3 に よ り 、 美 容 師 の 資 格 を 持 つ 従 業 者 の 数 が 常 時 2 人 以
上である美容所の開設者は、当該美容所を衛生的に管理させるために、美容所
ごとに、管理美容師を置かなければならないとされている。
管 理 美 容 師 の 資 格 は 、美 容 師 の 免 許 を 受 け た 後 3 年 以 上 美 容 の 業 務 に 従 事 し 、
かつ、厚生労働大臣の定める基準に従い都道府県知事が指定した講習会の課程
を修了した者でなければならないと規定されている。
講 習 科 目 は ① 公 衆 衛 生 ( 4 時 間 ) ② 美 容 所 の 衛 生 管 理 ( 14 時 間 ) で あ る 。
1.1.2
海外美容教育の現状
●中国の美容教育
中 国 の 美 容 教 育 シ ス テ ム は 、美 容 師 職 業 技 能 訓 練 校 ( 以 下「 訓 練 校 」と い う ) 、
中 等 職 業 技 能 学 校 と 職 業 高 等 学 校 、 職 業 学 院 (短 期 大 学 相 当 )、 大 学 と な っ て い
る。
訓 練 校 は 、現 在 政 府 に 登 録 さ れ て い る の が 700 校 で あ る 。こ れ は 、学 歴 と は
ならず、ただ技術だけを勉強する短期トレーニングスクールである。訓練校の
学習期間は、それぞれ 1 ヶ月、2 ヶ月、3 ヶ月、6 ヶ月、1 年である。
中等職業技能学校と職業高等学校の修業年限は 3 年間である。
中学校を卒業してから入学することになる。現在、政府に正式に登録されて
い る の は 140 校 と な る 。
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短 期 大 学 に 相 当 す る の は 、職 業 学 院 で あ る 。
「 大 学 専 科 」と も い う こ の 職 業 学
院 の 修 業 年 限 は 3 年 間 で あ る 。中 国 で 最 初 に 認 可 さ れ た 職 業 学 院 は 、中 国 の 首
都 で あ る 北 京 市 に あ る「 北 京 財 貿 職 業 学 院 」で 、今 年 で 14 年 目 に な る 。現 在 、
登 録 さ れ て い る 職 業 学 院 は 80 校 で あ り 、 卒 業 す る と 同 時 に 準 学 士 の 資 格 が 与
えられる。
現 在 、中 国 で 美 容 に 関 す る 勉 強 が で き る 大 学 は 3 校 で 、主 に 映 画 関 係 の 特 殊
メークアップとか「人物形象設計」といった学科となっている。
上述のような美容教育システムのほかに、中国の美容業には、師匠は弟子に
教 え る と い う「 徒 弟 制 度 」が あ り 、美 容 職 業 教 育 の 約 9.13% を 占 め て い る 。中
国首脳網「中国美容美髪業発展分析」の【美容職業教育を受ける状況】による
と 、店 内 見 習 い 9.13 %の ほ か に 、美 容 学 校 53.92%、企 業 や サ ロ ン 内 で の 教 育
訓 練 34.25% 、医 学 教 育 を 受 け た 経 歴 者 3. 83%、海 外 留 学 や 研 修 経 歴 者 2.48%
となっている。
また、中国の美容業における従業者の学歴はまだ低い。中国首脳網「中国美
容美髪業発展分析」の【中国美容師美髪師の学歴調査】によると、現在、中国
の 美 容 業 従 事 者 の 学 歴 は 、小 学 校 卒 業 者 3.57%、中 学 校 卒 業 者 31.53%、 高 等
学 校 卒 業 者 31.61% 、 中 等 職 業 技 能 学 校 卒 業 者 21.92% 、 大 学 専 科 (3 年 大 学 )
卒 業 者 7.44%、 大 学 卒 業 者 3.81% 、 大 学 院 修 了 者 0.13%と な っ て い る 。
中国の美容師資格制度
中国における美容教育の現状として、国が定めている美容に関する資格制度
の概要は以下の通りである。
①国家職業技能資格制度の種類
美容に関する国家職業技能資格制度には、次の 5 種類がある。
【 美 髪 師 】 (美 容 師 )
【 美 容 師 】 (エ ス テ テ ィ シ ャ ン )
【 化 粧 師 】 (メ イ ク ア ッ プ ア ー テ ィ ス ト )
【 美 甲 師 】 (ネ イ リ ス ト )
【 形 象 設 計 師 】 (ス タ イ リ ス ト )
②制度の正式名称
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「 美 髪 師 国 家 職 業 技 能 標 準 」 (美 容 師 国 家 職 業 技 能 基 準 )
「 美 容 師 国 家 職 業 技 能 標 準 」 (エ ス テ テ ィ シ ャ ン 国 家 職 業 技 能 基 準 )
「 化 粧 師 国 家 職 業 技 能 標 準 」 (メ イ ク ア ッ プ ア ー テ ィ ス ト 国 家 職 業 技 能 基 準 )
「 美 甲 師 国 家 職 業 技 能 標 準 」 (ネ イ リ ス ト 国 家 職 業 技 能 基 準 )
「 形 象 設 計 師 国 家 職 業 技 能 標 準 」 (ス タ イ リ ス ト 国 家 職 業 技 能 基 準 )
③ 「 国 家 職 業 技 能 基 準 」 (以 下 「 基 準 」 と い う )の 定 義
「 基 準 」 は 、「 中 華 人 民 共 和 国 労 働 法 」 の 関 連 規 定 に 基 づ き 、 職 業 教 育 、 職 業
訓練および職業技能の検定に科学的、規範的な根拠を提供するために、制定さ
れ た 。 ま た 、「 基 準 」 は 、「 中 華 人 民 共 和 国 職 業 分 類 大 典 」 を 根 拠 と し 、 現 時 点
における本職業の発展段階および就業人員に対する要求を客観的に反映するこ
とを目標として、経済の発展、科学技術の進歩と産業構造の変化が本職業に及
ぼす影響を十分に考慮したうえ、職業の活動範囲、作業内容、技能に対する要
求 お よ び 知 識 水 準 を 明 確 に 規 定 し て い る 。「 基 準 」 は 、 2000 年 5 月 10 日 か ら
施行された。
④ 「 美 容 師 国 家 職 業 技 能 基 準 (2009 年 改 訂 )」 の 概 要
「 美 容 師 国 家 職 業 技 能 基 準 (2009 年 改 訂 ) 」 (以 下 「 基 準 改 訂 」 )は 、 2000 年
か ら 施 行 さ れ た「 基 準 」の シ ス テ ム を さ ら に 完 備 さ せ 、2009 年 5 月 25 日 よ り
施行された。
「 基 準 改 訂 」 は 、 関 連 規 定 に 基 づ い て 美 容 師 の 職 業 を 、「 初 級 」・「 中 級 」・「 上
級 」・「 技 師 」・「 上 級 技 師 」 と い う 5 つ の 等 級 に 分 け 、「 職 業 概 況 」、「 基 本 的 な
要 求 」、
「 就 業 の 要 求 」お よ び「 比 重 表 」の 4 つ の 内 容 に よ っ て 構 成 さ れ て い る 。
以 下 は 、「 基 準 改 訂 」 の 「 職 業 概 況 」 の 主 な 要 点 を ま と め た も の で あ る 。
・職業名称:美容師
・所管機関:中華人民共和国人的資源と社会保障省
・受験資格:中学校卒業以上
・試験内容:筆記および実技
・等級、受講時間数および所定の実務年数
(受 講 時 間 以 外 に 所 定 の 実 務 年 数 を 必 要 と す る )
⑴初
級 受 講 360 時 間
⑵中
級 受 講 360 時 間 ( 累 計 720 時 間 ) + 実 務 2 年
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⑶上
級 受 講 280 時 間 ( 累 計 1000 時 間 )+ 実 務 2 年 (累 計 4 年 )
⑷技
師 受 講 160 時 間 ( 累 計 1160 時 間 )+ 実 務 3 年 (累 計 7 年 )
⑸ 上 級 技 師 受 講 16 0 時 間 ( 累 計 1320 時 間 )+ 実 務 3 年 ( 累 計 10 年 )
●韓国の美容教育
韓 国 の 美 容 教 育 機 関 は 、 主 に 通 信 制 課 程 (単 位 制 )、 職 業 訓 練 校 と し て の ア カ
デ ミ ー と ビ ュ ー テ ィ ス ク ー ル 、職 業 高 等 学 校 、旧 専 門 大 学 だ っ た 大 学 ( 短 期 大 学
相 当 ) 、 大 学 校 (4 年 ) 、 大 学 院 で あ る 。
現 在 、美 容 関 連 学 科 を 設 け て い る 教 育 機 関 と し て 、大 学 院 ( 博 士 課 程 ・ 修 士 課
程 )は 29 校 、大 学 校 ( 学 士 ) は 25 校 、大 学 ( 専 門 学 士 ・ 準 学 士 )は 80 校 、職 業 高
等 学 校 (美 容 専 攻 ) は 3 6 校 あ る 。
そのほかに、職業訓練校であるアカデミーおよびビューティスクールは、数
多 く あ り 、そ の 代 表 的 な 美 容 教 育 機 関 と し て は 、
「 ス ー ビ ン・ビ ュ ー テ ィ・ア カ
デ ミ ー 」、「 ユ ノ ・ ア カ デ ミ ー 」、「 M BC ア カ デ ミ ー ビ ュ ー テ ィ ス ク ー ル 」
「 C hris tia n C ha uve a u」、「 ア ル ン ダ ウ ン サ ラ ン ド ル 」 な ど 全 国 展 開 し て い る 。
そして、単位制の通信教育として、
⑴通信制高等学校・通信制大学校
⑵ 学 点 銀 行 制 (国 の 機 関 で あ る 生 涯 教 育 振 興 会 主 催 )
⑶サイバー大学校
⑷ eー ラ ー ニ ン グ 教 育 制
⑸学点交換制度
⑹ 共 同 学 位 制 (国 内 外 の 大 学 校 )
がある。
ま た 、卒 業 単 位 と し て 、大 学 院 は 修 士 課 程 45 単 位 以 上 、博 士 課 程 63 単 位 以
上 、 大 学 校 は 140 単 位 以 上 、 大 学 は 専 門 学 士 (2 年 )80 単 位 以 上 、 専 門 学 士 (3
年 )120 単 位 以 上 と な っ て い る 。
職 業 高 等 学 校 は 、学 校 に よ っ て 異 な る が 、出 席 率 が 2 /3 以 下 で あ れ ば 卒 業 で
きないことになっている。
職業訓練校は、3 ヶ月という短期コースから 1 年コースまであり、学点銀行
制も実施している。
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美 容 通 信 教 育 の 場 合 は 、大 学 校 140 学 点 ( 専 攻 : 60 学 点 以 上 、教 養 科 目 : 30
学 点 以 上 ) 、 大 学 専 門 学 士 2 年 制 80 学 点 ( 専 攻 : 45 学 点 以 上 、 教 養 : 15 学 点
以 上 ) 、大 学 専 門 学 士 3 年 制 120 学 点 (専 攻:54 学 点 以 上 、教 養:21 学 点 以 上 )
を取得すればそれぞれの卒業を認める。
・免許および資格について
韓 国 で は 「 美 容 師 (一 般 )免 許 」 (ヘ ア ー )と 「 美 容 師 (皮 膚 )免 許 」 (エ ス テ )が
分 か れ て い る 。職 業 高 等 学 校 以 上 の 美 容 関 連 学 科 、ま た は 専 攻 を 卒 業 す れ ば「 美
容 師 ( 一 般 ) 免 許 」、 ま た は 「 美 容 師 (皮 膚 ) 免 許 」 を 取 得 す る こ と が で き る 。
美容師免許は、美容室の開業許可を申請する時に必要なものである。市長、
郡 長 、区 長 が 免 許 証 を 発 行 す る 。 免 許 の ほ か に 、
「 美 容 師 ( 一 般 )資 格 」 と「 美 容
師 (皮 膚 )資 格 」 が あ る 。 こ れ は 、 日 本 の よ う に 公 式 な 美 容 教 育 機 関 で 教 育 を 受
けなくても、誰でも受けることができる。例えば、中学校を卒業しても、高等
学校を卒業しても、資格を取ることができる。そのときに、上述のような職業
訓練校で、短期で 3 ヶ月ないし 6 ヶ月勉強すれば、資格を取ることができる。
すなわち、学歴不要で受験資格制限なし、誰でも受けられる。
美容師資格は、美容師として働くために必須の資格である。そして政府の保
健福祉部が資格証を発行する。
美 容 師 資 格 に は 、【 技 能 士 】 と し て の 「 美 容 師 ( 一 般 ) 資 格 」・「 美 容 師 ( 皮 膚 )
資格」と【技能匠】としての「美容匠」の 2 種類ある。美容師資格試験の主催
は 韓 国 産 業 人 力 公 団 で あ る 。受 験 資 格 制 限 が な い「 美 容 師 (一 般 )」・「 美 容 師 (皮
膚 )」 に 対 し 、「 美 容 匠 」 は 、 美 容 師 資 格 を 取 得 し て 8 年 以 上 か 、 ま た は 職 歴 が
11 年 以 上 の 実 務 経 験 者 が 受 験 資 格 と な っ て い る 。 美 容 技 能 匠 の 資 格 試 験 と は 、
美容に関しての最高級熟練技能を以て現場で働いている人を対象に、美容の高
度専門人材の養成を目的として実施する資格試験である。
●台湾の美容教育
台湾の職業教育は盛んである。特に美容教育は、職業教育の中でも非常に人
気がある。
台 湾 で は 、エ ス テ テ ィ シ ャ ン の こ と を「 美 容 師 」と い い 、美 容 師 の こ と を「 美
髪師」という。「美容師」と「美髪師」は、それぞれに免許がある。そのレベ
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ル認定は、「丙級」と「乙級」の 2 種類に分かれている。「丙級」は、一番ベ
ー シ ッ ク な レ ベ ル で 、「 乙 級 」は 、技 術 が 高 く 、か つ 、マ ネ ジ メ ン ト や 教 育 指
導ができる。従って、「乙級」を取得した人は、大体管理職か、美容の先生に
なる。
免許を取得したい人は、まず、短期の美容・美髪セミナーの授業を、3 ヶ月
ないし半年受けて、技能検定試験に合格すれば、「丙級」、または「乙級」の
免許をもらえることになっている。
今まで、台湾の長期の 1 年以上の美容・美髪教育は、3 年制の職業高等学校
しかなかったが、ここ数年は、若い人にはファッション、スタイリスト、化粧
品マネジメント、など、ビューティに関係する学科は非常に人気があるため、
全国の大学や美術学院、科技大学では続々とファッション科や美容学科が新設
され、台湾の美容教育は、急速な勢いでいきなり大学院の水準まで上がってい
る。
台湾の美容教育システムは、それぞれ以下のようになる。
①短期コースの職業訓練校や職業訓練センター
② 高 級 職 業 学 校 (通 称 : 「 高 職 」 )
中等教育機関で、日本の職業高等学校に相当する。
③ 五 年 制 専 科 学 校 (通 称 : 「 五 専 」 )
中 学 校 卒 業 後 に 入 学 で き る 機 関 で あ る 。修 業 期 間 は 5 年 で あ り 、日 本 の 高 等
専門学校に相当する。現在では減少傾向にある。
④ 二 年 制 専 科 学 校 (通 称 : 「 ニ 専 」 )
一般高等学校・職業高等学校卒業後に入学できる機関である。修業期間は 2
年であり、日本の短期大学に相当する。
⑤ 科 技 大 学 ・ 技 術 学 院 (通 称 : 「 四 技 」 ・ 「 二 技 」 )
科 技 大 学・技 術 学 院 と も に 、主 に 職 業 高 等 学 校 を 卒 業 し た 後 に 進 学 す る 4 年
制 の 技 職 系 大 学 で あ り 、四 技 と 呼 ば れ て い る 。ま た 、二 技 は 5 年 生 の 専 科 学
校を卒業した後に進学し、2 年修業したのちに大学卒業の資格を取得するこ
とができるコースである。職業高等学校からだけでなく、一般高等学校から
の進学も可能である。
⑥大学・独立学院
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主 に 一 般 高 等 学 校 を 卒 業 し た 後 に 進 学 す る 4 年 制 の 大 学 で あ る が 、職 業 高 等
学校からの進学も可能となっている。大学は日本の総合大学に、独立学院は
単科大学に相当する。
⑦研究所
大学、科技大学を卒業した後に進学するのが研究所である。日本の大学院に
相当し、碩士班(修士課程)と博士班(博士課程)からなっている。修士課
程 に 入 学 す る た め に は 大 学 卒 業 資 格 が 必 要 だ が 、二 専 、五 専 の 卒 業 資 格 で も 、
その後の仕事の経験や内容次第により、研究所が大学卒業と同等だと認めれ
ば、入学資格を得ることができる。
美容師技能検定資格試験のための職業訓練校および職業訓練センターは、数
多くあり、私立の塾や訓練コースは数えきれないほどである。「職業訓練法」
に 則 っ た 職 業 訓 練 は 主 に 11 の 公 共 職 業 訓 練 機 関 に よ り 実 施 さ れ て い る が 、 こ
れら政府の公共職業訓練以外にも、社会的訓練団体や機関、さらに企業や学校
組織による幅広い訓練が行われている。公共職業訓練機構、民間団体、各種学
校 、 政 府 機 関 、 民 営 事 業 、 公 営 事 業 な ど 職 業 訓 練 実 施 事 業 体 (事 業 機 関 )の 合 計
は 、 1110 に も 上 っ て い る 。 職 業 高 等 学 校 (通 学 ・ 通 信 )は 6 0 校 、 短 期 大 学 は
23 校 、 大 学 ・ 技 術 学 院 は 37 校 、 大 学 院 は 2 校 と な っ て い る 。
ここで、日本の美容師に相当する台湾の美髪師技能検定資格の概要を紹介し
ておこう。美髪師技能検定資格は、「丙級女子美髪技術士」と「乙級女子美髪
技術士」の 2 種類である。
◯「丙級女子美髪技術士」
資格発行機関:「台湾行政院内政部労工委員会」
資格の有効期間:終身
受 験 資 格 : 満 15 才 、 ま た は 中 卒 者
適用職業:美容業
有 資 格 者 数 : 183,8 24 人 ( 2009 年 12 月 現 在 )
検 定 範 囲 : 「 女 子 美 髪 技 能 検 定 規 範 (06 700)」 の 所 定 範 囲
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◯「乙級女子美髪技術士」
資格発行機関:「台湾行政院内政部労工委員会」
資格の有効期間:終身
受験資格:以下いずれかに該当する者
⑴「丙級女子美髪技術士」を取得後満 2 年以上の者
⑵「丙級女子美髪技術士」を取得し、かつ、高校卒業あるいは在学中の
最高学年の者
⑶高等教育機関以上で美容関連学科卒業あるいは在学中の最高学年の者
⑷美容業の実務年数 6 年以上の者
適用職業: 美容業・スタイリスト
有 資 格 者 数 : 3,73 0 人 ( 2009 年 12 月 現 在 )
検 定 範 囲 : 「 女 子 美 髪 技 能 検 定 規 範 (06 700)」 の 所 定 範 囲
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