2015 年(平成 27 年)7 月 1 日 水曜日 人生二毛作かわら版 第9号 公 益 財 団 法 人 長 野 県 長 寿 社 会 開 発 セン ター “余 里 の一 里 花 桃 ”(上 田 市 旧 武 石 村 ) 地 域 の 保 健 室 “ は ぐ み ”( 佐 久 市 ) い。いずれは地 域 のボランティアにも関 わってほしいと のこ 商 店 街 の 往 来 か ら ビ ル の 階 段 を 上 る と 賑 や か な雰 と。サロンといえば高 齢 者 の集 いの場 を連 想 するが、“は 囲 気 が感 じられます。室 内 には準 備 に慌 ただしい ぐみ”が求 めているのは様 々な世 代 が 交 流 する場 。だか スタ ッ フさ ん たち の 姿 。 テー ブル に 置 か れ た 小 さ なチョ ー ク ら 、子 育 て中 の 方 や 子 ど も にも 来 てほし い 。他 人 だ か ら ボードには「はぐみへようこそ」の文 字 。散 歩 コースの途 中 話 せることもあるし、子 どもたちの「コイバナ(恋 話 )だっ に立 ち寄 った高 齢 のご夫 婦 がコーヒーを飲 みながらスタッ てかまわないんです!」。 フさ ん と 言 葉 を交 わ し て い ます 。「 病 院 の 先 生 だ と 専 門 「計 画 するの が苦 手 で ・・ ・」 と笑 うスタッ フさ んだが 、“と 過 ぎるか ら、こういうとこ ろ だともう少 し 広 い 話 が 話 せ てう りあえずやってみる”という言 葉 が心 強 く響 きます。病 院 と れしい」。 は別 だか ら 足 も 運 べ る し 話 せ る こ とも あ る 。そ うい う “ はぐ 「 地 域 の保 健 室 “ はぐみ ”」は、地 元 の 有 志 が 商 店 街 み”の取 り組 みか ら臨 床 へ フィー ドバッ クで きるも のも ある の 空 き店 舗 を 活 用 し て 開 い た “ お 休 み 処 ” ( * ) を会 場 はず 。地 元 の 活 性 化 につなが る よう地 域 の 方 々の声 を に、佐 久 総 合 病 院 地 域 ケア科 のスタッフが健 康 の相 談 聞 きながらやっていきたいとのことでした。 に加 えて暮 らしのちょっとしたことにも寄 り添 う取 り組 みで (*)お休 み処 『ベルフラワー』・・・地 元 有 志 「うすだ美 図 」の方 々が気 軽 に休 める場 所 として佐 久 市 臼 田 地 区 の商 店 街 に開 設 した空 き店 舗 を活 用 したスペー ス。 す。地 域 とのつながりについて構 想 約 1年 。「やりながら 考 えていくのもあっていい」と今 年 の4月 から“はぐみ”はス タートしました。 花桃の里・春(上田市) 上 田 市 、旧 武 石 村 の余 里 (より)は春 になると花 桃 で賑 わう山 里 です。花 桃 が咲 き連 なる様 子 は “一 里 花 桃 ”と呼 ばれ、例 年 5月 の連 休 には県 内 外 か ら多 くの観 光 客 が集 まります。 4月 の終 わりに余 里 を訪 ねた。連 休 前 の平 日 とあって、 観 光 客 の姿 もまばらだったが、今 年 は開 花 が早 く、既 に 満 開 の様 子 。山 里 の入 口 に設 置 された観 光 客 用 の駐 車 場 に車 を停 めて、集 落 に向 かって歩 いていくと、集 落 から下 ってくる軽 トラックの運 転 席 にねじり鉢 巻 き が懐 か しい顔 を見 つけた。花 桃 の整 備 をしている“花 咲 じいさん ” (※)の北 澤 さんだ。軽 トラの荷 台 には大 きな切 り株 。 “ はぐみ ” の 意 味 を尋 ね る とスタ ッ フさ ん の 表 情 が にわ か 「 入 口 の 駐 車 場 に置 い て椅 子 にす る ん だよ」 と軽 トラ は にほころびます。“はぐみ”に込 めた想 いはふたつ。ひとつは 村 の道 を下 っていった。 一 方 的 な取 り組 み で はな く、地 域 と 一 緒 に み ん なで 育 集 落 に近 づ くと手 書 きの 看 板 が 目 にとまる 。『 本 家 桃 み たい とい う想 い 。そ し て 、英 語 の "hug"( 抱 きし め る = まで ~ 千 歩 花 咲 じ い さ ん 』 。今 で こ そ 山 里 を埋 め 尽 く ハグ)にかけて、地 域 のみんなを包 み込 むような場 にした すほどの 花 桃 も 、も とを辿 ると集 落 の 一 軒 にあ った 花 桃 1 2015 年(平成 27 年)7 月 1 日 水曜日 人生二毛作かわら版 第9号 が“本 家 ”。落 ち た花 桃 の 実 を育 て ながら広 げた との こと 専 門 店 のバリスタ(※) を講 師 に招 き、コーヒーの 楽 し だった。途 中 、道 端 に腰 を下 ろしている高 齢 の女 性 に み方 を学 び、次 のステップは、せっかく学 んだ珈 琲 の知 識 観 光 客 が声 をかけていた。「いところですね」。 を生 かして、地 域 に一 歩 踏 み出 して活 躍 してほしい。そ こで結 成 されたのが“丸 子 珈 琲 倶 楽 部 ”です。たとえばイ ベントや会 議 の合 間 など、地 域 の行 事 に出 向 いて淹 れ たてのコーヒーを振 る舞 います。これがなかなかの人 気 。く ち コ ミ で 評 判 も 広 が り大 活 躍 なの で す 。そ こ で ボ ラン ティ アセンターのコーディネーターさん、考 えました。“さらにもう 一 歩 、何 かできないか?”。そこで思 いついたのが“珈 琲 サロン”。 4月 下 旬 とはいえ、青 空 へ照 り返 す日 差 しは眩 しくて、 花 桃 の赤 や白 、チューリップの黄 色 に山 裾 の新 緑 と、原 色 の鮮 やかさに目 がくらむほどだった。集 落 の真 ん中 にあ るかつてのバス停 留 所 は、昨 年 北 澤 さんに野 点 のコーヒ ー をごち そ うし てい ただい たとこ ろ だが 、シー ズン の 今 は仮 設 の売 店 となり、集 落 の方 々が観 光 客 を出 迎 える。売 店 からは集 落 の女 性 と観 光 客 のにこやかな会 話 が聞 こ えてきた。 高 齢 者 の世 帯 や独 り暮 らしが増 える昨 今 、高 齢 者 の 居 場 所 づ く りへ の 関 心 が 高 まってい ます 。 誰 とも 言 葉 を -どちらから? 交 わすことなくその日 一 日 を過 ごす高 齢 者 がいかに多 い -神 奈 川 からです・・・きっとまた来 ますね。 か。「こういう活 動 を通 じて、孤 独 な方 を少 なくしていきた -お気 をつけて。ありがとう。 い」と語 る珈 琲 倶 楽 部 のメンバーさん。「自 助 と共 助 でこ 来 る途 中 に出 会 った北 澤 さんへは、帰 りに寄 ります、と れからの時 代 を乗 り切 っていかなければ・・・」という言 葉 伝 え たけ れ ど 、 駐 車 場 に 戻 る と 既 に 北 澤 さ ん の 姿 は見 の響 きには、住 み 慣 れたこ の街 でずっと生 きていきた い、 当 たらず、その代 わりに駐 車 場 には丸 太 のベンチが立 派 という地 域 への愛 着 心 の強 さが感 じられました。 に出 来 上 がっていた。「明 日 は大 型 バスがたくさん来 るん はじめはまばらだった“お客 ”さんも、ひとり、またひとりとや だよ」と話 していたから、きっとその準 備 に忙 しいのだろう。 ってきて、気 づけばテーブルも満 席 。馴 染 みの顔 に混 ざっ 賑 やかでいいですね、というと「まあ、それはそれで大 変 な て、はじめ てボランティ アセ ンターに足 を運 んだ方 もち らほ んだ」と笑 っていたのを思 い出 す。 ら。賑 やかに話 す方 もいれば、ゆったりと新 聞 を広 げる方 季 節 は過 ぎて既 に7月 。梅 雨 が 明 けると一 層 の 緑 に も あ り、赤 ち ゃ ん をお ん ぶ し た女 性 の 姿 も あ りまし た 。 “ コ 花 桃 の里 は包 まれます。来 年 のにぎやかな春 まで、花 ーヒーを通 じて地 域 の情 報 を交 換 し、たすけあいの輪 が 桃 の里 には静 かな季 節 が流 れます。 広 がってほしい”と話 す“バリスタ”さん。丸 子 珈 琲 倶 楽 部 、第 二 幕 のはじまりです。 (* )“ 花 咲 じい さん ” ・ ・ ・ 上 田 市 旧 武 石 村 余 里 に て 花 桃 の 整 備 を 行 う地 元 グループ (* )イタリアの 喫 茶 店 (バール) でコーヒーを淹 れる専 門 の 方 をバリスタ ( Barista ) と 呼 び ま す 。バ リスタが 淹 れる 濃 厚 な カ フェ ( エ スプ レッソ コ ーヒー)はイタリア人 の 生 活 に 溶 け 込 む 欠 かせない 習 慣 なのだそうで す。 珈琲サロン(上田市) 梅 雨 空 の小 雨 の中 、「珈 琲 サロン」の案 内 が貼 られ たド ア を入 る と 、い つ も と違 う賑 わ い が ボ ラ ン テ ィ ア 今 年 度 2015 信 州 ねんりんピックの式 典 ・交 流 イベン トは9月 5日 に千 曲 市 上 山 田 文 化 会 館 にて開 催 し ます。高 齢 者 作 品 展 の出 品 作 品 も募 集 中 です。どう ぞご参 加 ください。 センターから漂 ってきす。今 日 は丸 子 珈 琲 倶 楽 部 の“珈 琲 サロン”、プレオープンの日 です。 “珈 琲 サロン”は、昨 年 上 田 市 社 会 福 祉 協 議 会 が丸 子 地 区 で開 催 した男 性 向 けのボランティア講 座 がきっか ( 編 集 ・ 発 行 ) 公 益 財 団 法 人 長 野 県 長 寿 社 会 開 発 センター けでした。“ 男 性 を地 域 に 呼 び込 むに は?” 。そ のネ タに 〒380-0928 長 野 市 若 里 七 丁 目 1 番 7 号 長 野 県 社 会 福 祉 総 合 センタ ー5F T E L 0 2 6 - 2 2 6 - 3 7 4 1 / FA X 0 2 6 - 2 2 6 - 8 3 2 7 / h t t p : / / w w w. n i c e s e n i o r. o r. j p 選 んだのがコーヒー。まずは講 座 を開 いて、地 元 コーヒー 2
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