2011年より始めておりますひとり老後を支 ル」は継続していまして、ボランティアの分 える門真市医師会の電話活動「お元気ですか も含めて、現在までに4,600回に及ぶ電話活 コール」 も、対象者や多くの賛助者のお陰 動を行っています。その中で、ひとり暮らし で、みんなで共有する資料「元気で長生き! をされている方々が心配されておられること 知恵袋」を三度改訂するまでになりました。 は、自分のことよりも、子や孫のことであ また、日常生活における満足度という指標で り、ふたり暮らしをされている友達のことで アンケート調査しますと、ひとり老後の方 あることが分かりました。ひとり暮らしは、 が、同居で過ごしておられる方より満足され 自分自身も大変ですのに、ふたり老後の友達 ていることが分かりました。そこで、それを の話を聞いては心を痛め、子や孫を持つ方 拙著 「老後はひとり暮らしが幸せ」 (水曜 は、その方々を非常に心配されておられたわ 社)にまとめましたが、その間の経緯と皆様 けです。これらは、ひとり暮らしの人にとっ 方から頂戴したご厚情に対して、前回コラム ては、どうしようもないことばかりです。そ (編集注:平成26年7月号VOL.383「医界サ こで、ふたりで老後を暮らす人や子や孫であ ロン」 )にてお礼とご報告を申し上げました。 る若い世代の負担を軽減すれば、たとえわず ところで、その後も、「お元気ですかコー かでも、ひとり暮らしの心労を同時に減らせ 大阪府医師会報1月号 (vol.385) 再度拝謝 広報委員会副委員長 辻川 覚志 るのではないかと考え、多くの方々の話か また、思えば、この活動は、医師会の広報 ら、ふたり老後の暮らし方や若い世代の支援 活動の一環として、健康情報をひとり老後の 策を考え、「ふたり老後もこれで幸せ」(水曜 人に電話で提供しようとしたことから始まり 社)、更に、「子や孫もこれで幸せ(仮題)」 ました。そして、そのことから、話が広がっ という形でまとめさせていただこうとしてい てきたわけですが、そもそもこのような機会 ます。 を与えてくださったのは、医師会員の皆様の 私自身、延べ160人のひとり暮らしの人々 ご厚情であることにあらためて気付くととも と千回以上にわたり、電話でお話しさせてい に、医師会が持つ公的な存在意義の一端に触 ただいていますと、これらの問題は、決して れたという想いがいたします。この3部作に 他人事ではなく、自らの問題であるように思 て、この一連の作業に区切りをつけ、これか えてきます。そこで、このように、一連の取 らは、本来のひとり暮らしを支援する電話活 り組みを夢中でやってしまいましたが、気が 動へと、戻っていきたいと思います。本当に 付けば、まるで社会学者になったかのような ありがとうございました。 ことをしてしまっていることに驚いていま す。 大阪府医師会報1月号(vol.385)
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