イザベル・レイはスペイン出身の、オペラの好きな方ならどこかでおききになっておいでかもしれ ない、声のとても美しいソプラノである。 「アズラオ~青い鳥」は、そのイザベル・レイがギタリスト の鈴木一郎と組んで録音したアルバムである。ヴィヴァルディのオペラからの極上のメロディによっ たアリアに始まり、中田喜直の「夏の思い出」で終わるまで、さまざまなタイプの歌が丁寧に、思い をこめてうたわれている。 三十八歳の若さで銃殺されて世を去ったスペインの詩人ロルカの作曲した「五つのスペイン古謡」 がきけるのも、このアルバムのうれしいところである。アルバム・タイトルにもなっている「アズラ オ~青い鳥」はブラジルの作曲家オヴァーレの作曲した、可憐な歌である。イザベル・レイの透明な 声でうたわれて、この歌はひとしお胸にしみるものとなっている。 このような慎ましい表情をしたアルバムは、いい音楽探しの旅をつづける音楽好きの、いつまでも 傍らにいてくれそうである。イザベル・レイが鈴木一郎という絶好の共演者をえたのも幸運だった。 「イザベル・レイ&鈴木一郎/アズラオ~青い鳥」(日本コロムビア COCQ-84885) *サライ
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