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平成 27 年 8 月 7 日
経済産業大臣 宮沢洋一
殿
平成 28 年度経済産業政策の重点に関する要望
公明党経済産業部会
平成 28 年度予算編成にあたっては、着実に回り始めている経済の「好循環」
を確かなものとし、デフレからの脱却、力強く伸びる日本経済を実現するため、
成長戦略を拡充・加速し、着実に実行していくことが重要である。
また、活気ある温かな地域を目指した地域経済の活性化、その担い手である
中小企業への支援、女性・若者の活躍支援に取り組み、全国各地へ経済の「好
循環」を行き渡らせることが肝要であり、以下の点を十分に踏まえて、予算要
求・税制改正要望等を行うことが重要と考える。
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東日本大震災からの復興の加速と東京電力福島第一原子力発電所事故被災
地域の本格的ふるさと再生
○被災地域の生活・産業の再建を加速化していくため、事業・生業の再建・
自立、生活の再構築のための取り組みを充実するとともに、グループ補助金、
企業立地補助金などの支援策の充実を図ること。
○福島第一原発の廃炉・汚染水対策について、国内外の叡智を結集しつつ、
安全かつ着実に実施すること。
○帰還困難区域以外の区域について、遅くとも事故から6年後(平成 29 年 3
月)までに避難指示を解除し、住民の方々の帰還を可能としていけるよう、
関係各省が、注意深く工程管理を行いつつ、必要な環境整備に取り組むこと。
○帰還困難区域の取扱いについては、線量の見通し、住民の帰還意向、産業
ビジョンや復興の絵姿等を踏まえ、引き続き地元とともに検討すること。こ
の中で、線量低減を踏まえた復興拠点となる地域について避難指示区域の見
直し等を早急に検討すること。
○浜通り地区を中心として新たな産業集積を構築する「福島・研究産業都市
(イノベーション・コースト)構想」を具体化し、着実に推進すること。
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2 確かな経済の好循環に向けた、地域経済の活性化、中小・小規模企業支援、
女性・若者の活躍支援
○商工会・商工会議所やよろず支援拠点等を通じ、販路開拓や人材確保、創
業支援など、中小・小規模事業者に対するきめ細かい支援を実施する体制
を強化していくこと。
○クール・ジャパン政策とも連携しつつ、地域資源の活用や、地域ブランド
化の支援などを通じて、中小・小規模企業による海外市場の取り込み支援
を積極的に展開していくこと。
○中小・小規模企業の海外展開を支援するためのプラットフォームとして、
JETRO の機能充実を図るとともに、新興国等における現地ワンストップ支
援の充実に向けて弁護士、弁理士、中小企業診断士等の知財専門家を登用
し、中小企業の海外展開を強力に支えること。
○商店街を地域コミュニティの中心として蘇らせ、空き店舗の積極的な活用
など、まちの賑わいを取り戻すための商店街の創意工夫を促し、その取り
組みを支援していくこと。
○地域の中核企業の飛躍を促し、経済の成長エンジンとしていくための経営
支援体制の充実を図るとともに、中小・小規模企業の人材確保支援の充実、
産学官の連携等を通じた研究開発の促進などを通じて、中小・小規模企業
の潜在力を最大限引き出していくこと。
○働くことを希望する女性がやりがいを持って働き続けられ、育児・仕事の両
立も出来るよう、長時間労働の是正やテレワークの推進など、
「働き方改革」
を社会に浸透させていくこと。併せて、シニア人材の活用や、希望出生率の
実現に向けた方策等、人口減少を乗り越えるための取り組みを、官民連携で
検討すること。
○女性や若者の創業・起業を応援するため、創業に必要な知識の習得やビジネ
スプランの作成支援、資金調達サポートなどを支援していくこと。
○事業承継を契機とした既存事業からの撤退や第二創業を促進し、経済の新陳
代謝を図る取り組みを支援すること。
○経済の好循環拡大に向け、
「地方版政労使会議」
(仮称)を設置するなど、地
域における賃金引上げを促すこと。一方、景気回復の恩恵が中小・小規模事
業者にも行き渡るよう、下請代金法等に基づく厳正な監視・取締等を強化す
ること。また、賃金引上げへの環境整備に万全を期すため、中小・小規模事
業者の生産性向上への支援、資金繰り支援、相談体制を強化すること。
○下請事業者の取引先の多様化に向けた支援の充実や、組合やボランタリーチ
ェーン(小売事業者の連携)といった制度の利活用を促進すること。
○景気、家計、消費などの経済動向に応じて、必要な対応を適時・適切に講じ
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ること。
3 成長戦略の拡充・加速のための産業・企業の競争力強化
○経済の好循環を後押しするため、現在進めている成長志向の法人税改革を
できるだけ早期に完了すること。その際、中堅・中小企業の税負担等には
十分配慮すること。
○人手不足など少子高齢化社会の問題を解決し、生産性向上など産業構造の
革新をもたらす、ロボット、人工知能、ビッグデータ、IoT など、情報技術
の利活用を徹底し、新たな成長分野を育てていくための規制改革、実証事
業、研究開発などを戦略的かつ早急に推進すること。
○IT を安心して利活用できる環境を整えるため、公的機関や民間企業におけ
るサイバーセキュリティ対策を早急かつ強力に推進すること。
○革新的な医療技術の実用化を支援し、ヘルスケア産業やバイオ産業などを
成長分野としていくための施策を推進すること。
○大学や企業間連携によるオープンイノベーションの促進や、研究機関から
中堅・中小企業への橋渡し強化、企業の研究開発投資促進など、我が国に
おいてイノベーションが創出される環境整備に向けて、切れ目なくきめ細
やかに施策を推進すること。
○2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、水素エネル
ギーの利活用の促進やスマートコミュニティの構築など、世界にイノベーシ
ョンを発信する取り組みを推進するとともに、大幅な対日直接投資の促進に
繋げること。
4.エネルギー・環境
○エネルギーコスト高に苦しむ中小企業、電力多消費産業等の省エネ投資を強
力に推進するため、省エネ補助金の継続・拡充を行うとともに、産業・業務・
家庭・運輸各部門での徹底した省エネを推進すること。
○再生可能エネルギーの最大限導入に向け、インフラ整備や連系線増強に向け
たルールの検討体制を強化すること。
○安定的な運用が可能な地熱・水力等の導入拡大や太陽光・風力の出力不安定
性への対策、低コスト化に向けた技術開発の取り組み等を通じ、再生可能エ
ネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るため、固定価格買取
制度の見直しを含め、抜本的な対策を講じること。また、地域分散型エネル
ギーシステムについて、木質や下水、廃棄物など未利用資源を利用したバイ
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オマスエネルギーなど、地域資源を活用した取り組みを強力に推進すること。
○火力発電所の高効率化に向けた取り組みを強化すること。併せて、非効率な
設備の抑制に向けた制度構築について検討を行うこと。
○水素社会の推進に向け、家庭用燃料電池の普及・拡大支援、燃料電池自動車
の導入促進、水素ステーションの導入支援を行うなど、水素利用拡大に繋が
る取り組みを積極的に進めること。また、再生可能エネルギー等を利用した
水素製造に向けた技術開発を着実に推進し、CO2 排出の少ない水素社会を
実現し、水素市場の拡大による経済成長と地球温暖化対策への貢献の同時達
成を目指すこと。
○IoT を活用したエネルギーマネジメントの普及を推進するとともに、ネガワ
ット取引などのディマンドレスポンスを推進すること。
○宇宙太陽光や藻類バイオマス、波力、海洋温度差、海洋インバースダム、マ
グネシウム発電など、再生可能エネルギー分野の新技術について研究開発の
後押しを国として着実に進めること。
○電力、ガス、熱供給に関するエネルギー市場の垣根を越えた一体的なシステ
ム改革をスケジュール通り確実に推進するため、電力・ガスの全面自由化の
円滑な実施に向けた競争環境整備を進めるとともに、自由化環境下において
も安定供給、環境対応を図るため、各種制度の検討・整備を行うこと。
○安定的かつ安価な資源確保のため、資源外交の積極的な展開やリスクマネー
供給の強化等を通じた資源権益の獲得や供給源の多角化を図ること。また、
高効率火力発電や、我が国の優れた省エネ機器などをアジアを中心とする新
興国に輸出するための取り組みを引き続き推進すること。
○平成 27 年度税制改正大綱等を踏まえつつ、自動車ユーザーの負担軽減・グ
リーン化促進の観点から車体課税の抜本見直しに取り組むこと。
以上
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