もち製品の品質保持

もち製品の品質保持
“もちの冷蔵固化で品質保持期限を延ばす”
【背景・目的・成果】
もち製品(袋詰・脱酸素剤封入)は、保存中、残存する菌の増殖により白斑が発生します。 そこで、も
ち製造時に冷蔵固化を加えれば、白斑の発生防止に効果があります。
■
もち製品(袋詰・脱酸素剤封入)の雑菌汚染状況
・もち製品(袋詰・脱酸素剤封入)は製造時に、菌が102コ/g残存し、
常温保存中に105~106コ/gまで増加する(図1、2)。
・脱酸素剤封入包装はカビ等の好気性菌には有効であるが、嫌気
性菌の増殖によるもち表面の白斑の発生は抑制できない。
(コ/g)
(コ/g)
108
108
菌
6
数 10
菌
6
数 10
104
104
菌のコロニー
102
102
0
0
原
料
も
ち
米
水
浸
蒸
し
搗丸
きめ
・
分
割
・
放
置
固
化
製
品
製造時
2週間
6週間
図2 もち製品・25℃保存中の菌数
白斑の発生
(25℃4週間目)
図1 もち製造工程中の菌数
■
4週間
もちの冷蔵固化による品質保持効果
・冷蔵固化:つき上げたもちを乾燥しない
ようにラップ、シート等で覆い、冷蔵庫(10℃
以下)で2~3日間放置すれば、白斑の発生
を常温4週間目でも1~2割に抑えるこ
とができる(図3)。
(%)
100
(100%)
白 80
斑
発 60
生
率 40
無処理
冷蔵固化
(25%)
(14%)
20
(8%)
0
製造時
もちの冷蔵固化
2週間
4週間
6週間
図3 冷蔵固化(10℃2日間)による25℃
保存中の白斑発生率の低下
【技術の活用】
もちの冷蔵固化はもち製品(袋詰・脱酸素剤封入)の嫌気性菌による白斑発生の防止に一定の
効果があり、品質保持期限の延長技術として活用できます。
兵庫県立農林水産技術総合センター
北部農業技術センター