表紙~5ページ 特集 自然を巡る 棚倉の夏(流山ハイキング

広 報 平成27年(2015年)
7
JULY
月号
№679
自然を巡る
棚 倉 の夏
自然 を巡 る
棚倉 の夏
棚倉町は自然の宝 庫 。
少し足を延ばせば 、 心 地 よ い 木 漏 れ 日 や
さわやかな清流が そ こ に あ り ま す 。
長いこと棚倉町に い る と
見慣れてしまった 山 並 み や 自 然 。
あらためて見てみ る と
ささや
ひっそりと咲く花 、 き ら め く 水 辺 、
そよ風と木々の囁き、そこに暮らす生き物の声。
たくさんの発見が あ る こ と に 気 づ か さ れ ま す 。
夏休み。子どもの こ ろ わ く わ く し た 山 川 の 探 検 。
忙しい日常を忘れ て 心 休 ま る 場 所 を 探 し に
棚倉町の自然を巡 っ て み て は ど う で し ょ う か 。
大人になったから こ そ 見 つ か る
新たな発見、魅力 も あ る は ず で す 。
初夏に行われた小 学 校 の 授 業 と
棚倉小学校 川の学校
昨年、国指定史跡となった
る ハ イ キ ン グ コ ー ス で す。
近くの白山神社へとつなが
流山の尾根を進み、中豊駅
流山ハイキングコース
は、 常 隆 寺 奥 の 林 道 か ら、
り着きます。
指定史跡「流廃寺跡」へ辿
常隆寺側から、尾根沿い
に進むこと 分ほどで、国
を望むことができます。
ら花園方面、そして赤館山
棚 倉 小 学 校 4 年 生 は、
6 月 5 日、 福 島 県 川 の
案内人の方を先生に、祖
父岡地内、サイクリング
ロードわきの久慈川で授
業を行いました。
この日は川の水質を学
んだほか、実際に川に入
り、小さな網を片手に生
物を採取しました。
子ども達は、慣れるの
が 早 く、 石 を 返 し て は、
様々な生き物を見つけ出
していました。準備した
容器は、瞬く間に川虫や
ザリガニでいっぱいにな
りました。
流廃寺跡へ続く道でもあ
れており、倉美館、関口か
り、 ハ イ キ ン グ コ ー ス に
流廃寺跡は、9世紀後半
に創建され、 世紀中ごろ
聞こえるのは、鳥の声。足
よく感じられます。時おり
ら降り注ぐ木漏れ日が心地
空が見え、木々の葉の間か
間伐された林を進んでい
くハイキングコースは、青
ます。
物があったことを伝えてく
大きな石が、この場所に建
います。平場に整然と並ぶ
作業が終わり土をかぶって
た。現在、流廃寺跡は発掘
鉄剣などが発見されまし
の礎石や焼けた瓦、そして
全国でも例のない金銀象嵌
ぞうがん
元に目を向けると、小さな
れます。
の中を歩いてみてはいかが
歴史のロマンに胸を躍ら
せながら、のんびりと自然
ハイキングコースの途中
には、眺めのいいポイント
でしょうか。
近くには、展望台が設けら
び込んできます。白山神社
内、そして山並みが目に飛
ど な く、 枝 の 間 か ら、 町
寺側から登っていくと、ほ
がいくつかあります。常隆
ています。
花やキノコが顔をのぞかせ
たど
は、流廃寺まであと○○○
28
に消失した寺の跡で、建物
29
メートルと案内看板があり
社 川 小 学 校 で は 4・5
年 生 を 対 象 に、 5 月 ・
日、校舎わきの学校林
で 授 業 が 行 わ れ ま し た。
先生は福島県 森の案内
人 佐 川 芙 子 さ ん。 何 気
こん
な い 植 物、 ウ サ ギ の 痕
跡、小さなクモ。一つ一
つ丁寧に説明していくう
ちに、子ども達の目はキ
ラキラと輝きだしまし
た。
「この虫は何?」
「僕にもドングリ
ちょうだい!」
子どもたちは、森の楽
しさを見つけたようで
す。
社川小学校 森林環境学習(表紙)
史跡に通じるハイキングコースは、鳥の声・木漏れ日が心地よい。
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3
30
10
お勧めスポットを 3 か 所 ご 紹 介 し ま す 。
~自然を巡る 棚倉の夏~ スポット1 流山ハイキングコース~流廃寺跡
写真:ひびくらの滝
渓流は奥久慈県立自然公園
だ水が流れます。約5㎞の
選ばれ、夏でも冷たく澄ん
三十選(昭和 年選定)に
山本不動尊を流れる宮川
の 清 流 は、 ふ く し ま の 水
できます。
のさえずりを楽しむことが
つとした木の根、そして鳥
と咲く小さな花や、ごつご
ます。ここでも、ひっそり
く、また涼しげに感じられ
に指定されています。
第 2 キ ャ ン プ 場 を 抜 け、
歩くことしばし、川のせせ
バーベキューやスイカ割り
た り、 生 き 物 を 探 し た り、
遊んだり、石でダムを作っ
がやって来ます。水鉄砲で
家族連れや友人のグループ
るとあって、毎夏、大勢の
キャンプ場近くの川原
は、気軽に自然体験ができ
る風情があります。
見られ、錦絵にも例えられ
130段の石段に続く橋
からは、ニジマスの群れが
暑い夏、清流 宮川、そ
してひびくらの滝はマイナ
然の美しさがあります。
色。時が経つのを忘れる自
湛 え ら れ た 水 は、 深 い 緑
にもよりますが、滝つぼに
が流れます。光の差し加減
間から、きれいに一筋の水
あります。苔の生える岩の
くらの滝」なる小さな滝が
ります。その先には「ひび
らぎの音が徐々に大きくな
にしき
を楽しんだりと賑やかな夏
スイオンたっぷりです。
たこともありました。
され、朝廷へ献上されてい
います。かつては金が採取
光圀が訪れた記録も残って
の伝説が数多く残り、水戸
古くから人々を惹きつけ
てきた山は、歴史上の人物
す。
方面から登ることができま
道八溝山線、または大子町
には、車で大梅地区から県
022m)
。八溝山の山頂
棚倉側で見ていた小さな水
大子町方面から下山する
と、幾多の人々の生活を支
じることができます。
議なキノコなど大自然を感
咲く花、深緑の木々、不思
ねくねと流れる沢、そこに
久慈川の源流となる沢は
幾つかあり、写真は「中の
す。
沢のコントラストも見事で
虫の声や鳥の声ととも
に、深い緑と久慈川源流の
す。
緑を眺めることができま
こけ
の風景が広がります。
川のせせらぎを聞きなが
ら、川沿いの遊歩道を散策
することもできます。ゆっ
くりと流れる宮川の清流と
夏のまぶしい日差しに照ら
された深緑の木々のコント
ラストがいかにも夏らし
福島、栃木、茨城の県境
に位置し、奥久慈の最高峰
八溝山は季節ごとに様々
な表情をのぞかせます。春
の せ せ ら ぎ が 大 河 と な る、
の 山 岳、 八 溝 山( 標 高 1,
は新しい緑、秋は紅葉が美
自然の営みと雄大さを感じ
―完―
え る 久 慈 川 に 出 会 い ま す。
沢」
。 沢 沿 い を 歩 く と、 く
しく、冬の早朝は空気が澄
ることができます。
松本英一
み、富士山も顔をのぞかせ
ます(写真提供
さん(玉野))
。
そして夏。山頂から富士
を望むことは難しいです
が、夜は天の川が美しいと
聞きます。山頂には展望台
が設けられており、眼下に
は、どこまでも続く山々の
4
27. 7. 1
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毎夏にぎわう水辺、その奥にひっそりと滝がある。
八溝山。富士を望む山頂と大河の源流に出会う。
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スポット2 山本不動尊渓流~ひびくらの滝 ~自然を巡る 棚倉の夏~
~自然を巡る 棚倉の夏~ スポット3 八溝山と久慈川源流