Volkswagen GTI Cup Challenge 2011活動レポート 日本大学自動車部 公木 一成 1.A級ライセンス取得講習 生憎の雨の中ではありましたが、カレッジリーグとして初めてのイベントという事もあり、期待でわ くわくしながら富士のゲート前へ向かった覚えがあります。このチャレンジプログラムでチームメイト となる甲南大学の平木君とはこの時が初対面でしたが、すぐに打ち解ける事が出来ました。同じ 大学自動車部同士でも、関西と関東の大学が顔を合わせるのは年に3回の全日本戦以外に無 いので、貴重な交流だと思います。 自分と文屋は公式競技への出場経験が無かったため午前中にジムカーナ走行を行いました。 部活動の練習や大会で何度も来ている富士のジムカーナコースを自分の車で走るのは何とも奇 妙な感覚でしたが、雨の低ミュー路面の良い練習と思って走りました。タイムを狙って走った訳で はなかったのですが、他の車と比べて悪くないタイムだった様で、終わってみたら6位入賞という 結果で驚きました。 午後はまず、講習と試験がありました。この座学では競技に関わる興味深い話が多く退屈しま せんでした。各種旗の意味など普段の部活動で守るルールとは少し違っている事も多くあって、 とても良い勉強になったと思います。 試験に合格すると、遂に本コースでの実地試験となりました。富士の本コースを自分の車で走 行出来るまたとない良い機会だったので楽しみにしていました。しかし降り続く雨でコースはウェッ ト、そして多種多様な参加車両が渋滞しながら周回する状況で思う存分走り回ることは出来ませ んでした。何週か車列を縫いながらペースを上げて走行しましたが、自車の水温が上昇を始め たため諦めてスローダウンし、車列の中でのんびり周回を重ねて終了となりました。 A 級ライセンスを取得させて頂いたこの日は、自分にとって GTI カップ参戦への第一歩目であ ると同時に、公式なレース競技の片鱗に触れる事の出来た一日でもありました。普段の部活動 ではなかなか触れる機会の無いものなので、早速良い経験をさせて頂くことができました。 2.合同練習 初めてゴルフGTIのカップカーで走行する機会となった合同練習は、富士スピードウェイ内のシ ョートコースを使用して行われました。 このショートコースでの走行経験が無かったため、実際走行してみるまでは不安を感じていまし た。何よりもカップカーに慣れる事が最優先の練習機会ですので、車について少しでも多くの情 報を集め、それを運転操作へ還元させなければなりません。これが今回の練習走行の要となる と思い、いち早くコースに慣れなければならないと考えていました。車の挙動を知るためには多少 大げさに振り回して運転してみたいところなのですが、知らないコースではリスクが高すぎます。コ ースに慣れる前に焦って車に慣れようとすると、大抵の場合クラッシュなどを引き起こすからで す。 しかし実際走行してみると、今まで乗ってきた車と比べ物にならない安定感で、流す程度であ れば拍子抜けするほど楽に速く走れる車だと思いました。ランオフエリアも広く安全なコースだと いうこともあり、安心して攻めることが出来ました。しかし、速く走ろうと一歩踏み込んでいくとXDS の介入により強制的に安定方向へ制御されるため、ベストな走りを見つけるのは非常に難しく思 いました。 今回はアドバイザーとしてレーシングドライバーの坂本選手に指導して頂きました。個々の走り をデータロガーで解析しながら様々な質問に答えて下さり、このカップカー独特の乗り方だけでな く、走行ラインの選択や運転操作など、普段の部活動にも活かせるような基礎的な事柄に関し ても得るものが多くありました。非常に印象的なのが、坂本選手がゴルフGTIカップカーで走行さ れる機会があり、走行を終えピットに戻ってきた車両のタイヤの磨耗を見せて頂いたときです。均 一に負荷がかかっていて無駄がなく、一目見て衝撃を受けました。やはりプロは凄いと、肌で感じ た出来事でした。 合同練習を通して、実際に使用する車両での走行ということで、いよいよ GTI カップへの参戦 が現実味を帯びてきた気がしました。
© Copyright 2024 ExpyDoc