28 節

牧師のデスクより
ローマ書 8 章 28 節
神の摂理的支配の恵み
使徒パウロはローマの信徒たちに、「神を愛する者たち、つまり、ご計画に
従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたし
たちは知っています」と語った(8:28)。これは実に力強い信仰の言葉である。
「わたしたちは知っている」というパウロの言明は、「神の主権的摂理的支配」
への信仰は、キリスト教信仰の最も基本的根本的信仰であり、それは苦難の中
に生きるすべてのキリスト者の慰めと希望の源泉であることをよく表している。そ
して、それは「あなたはそれを知っているか」と私たちに問い掛け、私たちに迫
ってくる言葉でもある。
私たちキリスト者は、神が「創造の神」であり「摂理の神」であることを信じてい
る。しかし、創造の神、摂理の神を信じるということが、どういうことを意味するの
かを、生活のただ中で繰り返し学ぶ必要がある。次の「ハイデルベルグ信仰問
答」をよく味わっていただきたいと思う。
〔問 26〕「われは天地の造り主、全能の父なる神を信ず」というとき、あな
たは何を信じているのですか。
答え:「それは次のことであります。すなわち、(第1に)天と地と、その中にある
すべてのものを、無より造り、これを永遠のみ旨と摂理によって保ち支配して下
さる我らの主イエス・キリストの永遠の父が、その御子キリストのゆえに、わたし
の神またわたしの父にていますこと、(第2に)その神にわたしは依り頼み、神が、
からだと魂に必要なすべてのものを備えてくださり、この悩みの多い世におい
て、わたしにお与えくださるどのような不幸さえも、わたしの益として下さることを
疑わないことであります。なぜなら、神は全能なる神なるがゆえに、そのようにな
さることができ、また信頼すべき父なるがゆえに、喜んでそのようにして下さるか
らであります。
〔問 27〕「神の摂理とは何であると思いますか」。
答え:「それは、神の全能なる、今働いている力であって、それによって神は、
天と地と、そのすべての被造物をも、御手をもってするごとく、保ちまた支配し
ておられること、(したがって)木の葉も草も、雨もひでりも、実り豊かな年も実ら
ぬ年も、食べることも飲むことも、健康も病気も、すべてのものが、偶然からでは
なく、父としての御手によって、われわれに来るということであります。
〔問 28〕「神の創造と摂理を知ると、どのような益がわれわれにあるのでし
ょうか」。
答え:「われわれは、あらゆる不遇の中にも、忍耐深く、また幸福の中には感
謝し、未来のことについては、わたしの依り頼むべき父(なる神)によく信頼する
ようになり、もはや、いかなる被造物も、われわれを(キリストにある)神の愛から
離れさせることはできないようになるのであります。それは、すべての被造物は、
まったく御手の中にあるのですから、御心によらないでは、ゆるぐことも動くこと
もできないからであります。