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LKA – 196089
スリランカ
正式名称は「スリランカ民主社会主義共和国」。
インド洋の真珠ともたとえられる緑豊かな熱帯の
島スリランカは、1948 年にイギリスからセイロンと
して独立したのち、1978 年から現在の国名になり
ました。北海道と同じくらいの面積を持つ国で、住
民の約 7 割が仏教徒です。2009 年に LTTE*が敗
北宣言を出し、長期にわたる内戦が終結しました。
紅茶の生産が盛んで、紅茶の生産量では世界第
三位。セイロンティーと呼ばれる名産品があること
で有名です。
*LTTE:タミル・イーラム解放の虎。 少数民族タミル人の反政府勢力
<日本からは…>** 現地へのアクセス方法の一例です。
詳しくは、旅行会社などにお問い合わせください
スリランカ航空がノンストップ便およびモルディブの
マーレ経由便を週 4 便運航しています。所要時間は
ノンストップ便で約 9 時間、経由便で約 13 時間。
そのほか、アジア各地で乗り継ぎができます。
出典:外務省
一口メモ
・世界有数の紅茶の産地
・インド洋の真珠ともたとえられる緑豊かな熱帯の島
・主要産業は、農業と繊維産業
・2009 年 5 月、LTTE による敗北宣言に
より内戦終結
<民 族 など>
スリランカはシンハラ人、タミル人、スリランカ・ムーア人が住み、仏教徒が約 7 割、そのほ
かの宗教としては、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教。公用語はシンハラ語とタミル語。
シンハラ人とタミル人が話す場合は、両民族間をつなぐ言葉(連結語)として英語が使われ
ています。
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LKA-196089
ガンガ・イヘラ・コーラレ地域開発プログラム
首都スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテから東に約 130 キロメートル 、車で約 3 時間半の場
所に位置する中央州キャンディ県にて、ガンガ・イヘラ・コーラレ地域開発プログラムを実
施しています。
支援期間: 2009 年~2028 年**
支援地域: 中央州 キャンディ県
ガンガ・イヘラ・コーラレ郡
**支援期間はプログラム準備期間を含みま
す。支援終了予定日や活動の目標は、予期で
きない突発事項やプログラムの進捗状況によ
り、変更される場合があります。
ガンガ・イヘラ・コーラレ
地域開発プログラム
<地域の課題>
① 経済的な貧しさと栄養不良
支援地域は国内でも最貧地域の一つであり、十分な食事が摂れないため、栄養不良
や低体重という問題を抱える母子が多くいます。
② 安全な水と衛生に関する設備・知識の不足
安全な飲料水を利用できる家庭は地域内のわずか 9%に留まります。ほとんどの家
庭は手掘り井戸や小川を利用していますが、これらの水は清潔とは言えません。
支援地域内には清潔に保たれた衛生設備が圧倒的に不足しており、衛生に関して
人々が持っている知識も限られています。結果的に、デング熱やウイルス性肝炎とい
った感染症やひどい下痢が広く蔓延しています。
③ 不十分な学校教育と質
支援地域は僻地にあり、学校の設備(教室や教材、水道やトイレなど)が整っておらず、
数学や英語といった基礎教科を教える教師がいないという困難な状況にあります。
親が学校教育を重要視していないこと、また道の状態が悪く交通手段もないといった
ことが理由となり、学校に通えない子どもたちが多くいます。
地域には、このほか、さまざまな課題が山積しています。地域の人々とともに、こうした課
題を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づくりを目指してい
きます。
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LKA-196089
<データでみるスリランカ>
比べてみると…
新生児死亡率 ※①
5 歳未満児死亡率 ※②
安全な水へのアクセス率
衛生施設利用率 ※③
成人の総識字率
出生時の平均余命
GNI(1 人当たりの国民総所得):米ドル
スリランカ
日本
6
10
93%
91%
91%
74 歳
2,920
1
3
100%
100%
83 歳
47,870
※① 出生時から生後 28 日以内に死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※② 出生時から満 5 歳に達する日までに死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※③ 他世帯と共有せず、トイレを利用する人の割合
出典:ユニセフ世界子供白書 2014 より
・ 新生児死亡率は
日本の 6 倍であること
・ 5 歳未満児死亡率は
日本の約 3 倍であること
・ GNI(1 人当たりの国民総所得)
が日本の約 1/16 であること
子どもたちが教育を受けることの重要性を地域住民
が理解し、より多くの子どもたちが継続して学校に
通うことができるよう支援しています
データから読み取れるだけでも、多
くの課題が見えてきます。
ワールド・ビジョンでは、子どもたち
を取り巻くこうした課題に、「地域の
人々とともに」という視点から取り組
んでいます
活動地に住む人々の多くは紅茶農園などで日雇いの
仕事に従事しています
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LKA-196089
内戦が終了しても厳しい状況の支援地
2009 年 5 月に四半世紀にもおよぶ内戦が
終結し、近年は順調な経済発展を遂げてい
るスリランカ。しかし、経済成長の恩恵に与
っているのは一部の国民に限られ、支援地
域のような農村部で暮らす人々の生活は、
非常に厳しいものがあります。実際に、支援
地域の人々の 43%が、政府が定める貧困
ライン※よりもはるかに少ない収入しか得て
いません。
※
同国では、一人当たり 3,163 スリランカ・ルピー/
月 (約 1,875 円/月)以下の収入の人々を「貧困層」
として分類しています。
紅茶農園で働く人々の家。道路も整備されていません
おいしい紅茶の向こう側
世界有数の紅茶葉の産地として知られてい
るスリランカ。日本に輸入される紅茶葉の約
65%がスリランカ産※とも言われています。
支援地域にも紅茶農園があり、多くの人々
が日雇いの仕事に従事していますが、農園
内にある住居、学校、水・衛生設備の状態
は劣悪です。それに加え、児童虐待(性的
なものも含め)や早婚(8,9 歳で結婚する場
合もあり)といった例も報告されており、子ど
もたちを取り巻く状況は大変厳しいです。
プロジェクトでは、子どもたちが心身ともに
健やかに成長できるよう、学校の設備や教
員の質の向上、水道・トイレの整備に努め、
また子どもの権利が保護されるよう啓発活
動も実施していきます。おいしい紅茶の向こ
う側にいる子どもたちのために、ワールド・
ビジョンは支援を行っています。
教育は子どもたちの未来にとって非常に大切な役
割を果たします
※
日本紅茶協会 2011 年紅茶統計より
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