H27年10月01日発行【No.158】

芹 沢 病 院 No.158
H27.10.1 発行
せいふう新聞
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高齢者の睡眠とメラトニンについて
年齢を重ねるごとに、睡眠は変化します。若いころは良く眠れた方でも、
歳を重ねると、『寝つきにくさ』
、
『途中で目が覚めてしまう』、『朝早く起きてしまう』、
などの特徴が出てきます。
これらの特徴は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、と言いますが高齢者の場合、
これらの不眠症の症状は異常ではなく、歳をとれば誰にでも現れる加齢現象と言えます。
まず原因として考えられることは、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌量の低下があげられます。
メラトニンは新生児ではほとんど生成されませんが、幼児期から分泌量が急速に増加し、10歳前後で分泌量
がピークに達します。その後は加齢と伴に分泌量が減少していき、高齢者になるとその分泌量は微量となって
しまいます。結果として眠りが浅くなってしまうのです。
ちなみにこのメラトニンには、抗酸化作用や NK 細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化させる作用が
あります。
まず抗酸化作用により、活性酸素や一酸化炭素などを分解・除去する効果があります。活性酸素を除去する
ことで、細胞の酸化を防ぎ、様々なアンチエイジング効果(肌を若々しく保つなど)、老化の防止、認知症、
アルツハイマー病やパーキンソン病、その他生活習慣病などの予防に役立つと考えられています。
また、NK 細胞を活性化させる作用により、ガンや動脈硬化などの細胞の酸化に
よって生じる病気を防いだり、がん細胞の増殖や、病状の進行を抑える効果も
報告されており、近年はがん治療への利用も進んでいます。
ある実験で高齢者に夕方以降、人工的にメラトニンを投与した結果、
ぐっすりと安眠できたという結果が得られています。
それでは、メラトニンの分泌を少しでも増やすためには、どのような方法があるでしょうか?
まず、太陽の光に当たることが、もっとも手っ取り早い方法です。散策などで、太陽に当たることで、体内に
メラトニンが作られます。ただ太陽の紫外線は当たり過ぎると、しみ・しわ、皮膚がん、白内障・角膜炎の
原因になることもありますので、ほどほどに当たりましょう。
また、就寝前の数時間は、部屋の照明を少し暗くし、テレビやパソコンも控えましょう。
こうした人工的な光でも、工夫することで、メラトニンの分泌がよりスムーズ行われます。
また、メラトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンから作られます。
トリプトファンを多く含む食品、赤身の魚(サンマ、マグロなど)や肉、大豆製品、
乳製品、くるみ、ゴマ、ふ、落花生などを積極的に食べるようにしましょう。
平成27年度三島市特定健診・三島市がん検診についての最終のご案内
三島市特定健診・がん検診は10月が最終月です。例年最終月は、大変込み合いますので、
三島市検診 今月中に
受診される方は時間に余裕をもってご来院ください。また、胃がん検診(胃カメラ)に
つきましては、予約の枠が一杯の場合、ご希望に沿えない事もありますのでご承知おき下さい。