彼の主な功績は、「ブラックホールは素粒子を放出することによってその

平成二十七度 入学式式辞
まぶしい日差しとともに、木々が芽吹き、花が咲き
新年度と共にここ武蔵野に春がやって来ました。
そして今、希望にあふれる新入生を迎えることができました。
本日は平成二十七年度
東京都立調布北高等学校
第四十二回入学式をご来賓の方々、保護者の皆様
をお迎えし、このように盛大に挙行出来ますことを大変嬉しく思います。
ご来賓の方々、本日はご多
用中にも関わらず、本校の入学式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。いつも本校を温かく見
守っていただき、ご支援ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。これまでのおよそ十五年間、様々なご苦労の
中でお子様を健やかに、立派に育て、本日高等学校のご入学を迎えられ、喜びもひとしおのことと思い
ます。どうか、今後もPTA活動・保護者会・親父の会・授業公開・学校行事等で、ぜひ本校にいらし
ていただき、直接お子様の成長の姿をご覧いただくと共に、本校の学校運営についてのご意見をお寄せ
いただく等、ご協力をお願いいたします。
調布北高生よ、この国の宝よ、君たちこそ人の世のおほむらさき、美しい翔を拡げて、大空を自由に
飛んでくれ、恐れるものはない、遠慮することはない、生き生きと飛ぼう、堂々と飛ぼう、再び訪れる
ことのない青春のためにも
これは、本校の初代春田校長先生がおほむらさきと本校生徒への思いを綴ったものです。
入学生諸君、本校への入学おめでとうございます。中学校の全課程を修了し、高校受験という試練を
乗り越え、本校に入学してくれたことをたいへん嬉しく思います。本校は、現在東京都から進学指導推
進校の指定を受け、本校も含めて三十六校の都立進学推進校の一つとして、皆さんの進学希望をかなえ
られるように最大限の学習指導、援助を行っているところです。
また、先輩から後輩へと受け継がれてきた「おほむらさき祭」
、実績のある部活動等にも自主的に取り
組み、様々なことを学び、力強く生きていく力を身につけてほしいと思います。本校は学業・部活動・
学校行事それぞれに生徒が生き生きと取り組む真の文武両道を目指す魅力ある都立高等学校として、地
域からも高い評価をいただいています。
厳しい国際関係、経済状況、災害復興、エネルギー資源問題等、多く課題をかかえる社会の中で、皆
さんはこれから世界やこの国を支えていく貴重な存在です。自己の能力の開発と共に人間性を養い、社
会で活躍できるように成長していってほしいと願います。
「新しき計画の成就は、只不屈不撓の一心にあり、さらばひたむき只想え、気高く強く一筋に」 哲
学者中村天風の言葉です。
多くの研究者が解決不可能と思われた難問を解決して、人類の進歩に貢献してきました。高い目標と
それを成し遂げようとする強い意志を持つことが大切です。そして実現に向けてひたすら努力すること
です。
イギリスの理論物学者
ホーキング博士についての映画「博士と彼女のセオリー」が、この3月に公
開されました。彼は大学生の時に徐々に身体の筋肉が衰える難病ALSにかかり、医師から余命2年と
診断されました。彼の持つ強い意志と献身的な愛と介護もあって、その後奇跡的に進行が弱まり、発症
から50年以上たって今も健在でいます。現在は意思伝達のために重度障害者用意思伝達装置を使って、
スピーチや会話ではコンピュータプログラムによる合成音声を利用しています。
「人は、人生が公平ではないことを悟れるくらいに成長しなくてはならない。そしてただ、自分の置か
れた状況のなかで最善をつくすべきだ。
」これは彼の言葉ですが、映画の中で、病気を発症してから多く
の困難な状況の中で逞しく生きていく、まさに最善を尽くして研究を続けていく姿が描かれています。
彼の主な功績は、「ブラックホールは素粒子を放出することによってその勢力を弱め、やがて爆発に
より消滅する」とする理論(ホーキング放射)を発表、量子宇宙論という分野を形作っていったこ
とです。
私は、本校を学業と学校行事、部活動を両立させていける真の文武両道の進学校とするという夢を持
っています。「今目の前にあることに全力を尽くす」「今日の山を全力で登る」
そういう精神で一日一
日を大切にして成長してほしいと願います。そのような気持ちを込めて、教育指針を「努力・信頼・継
続」としました。努力の継続こそが信頼を得られる結果もたらすと考えています。この貴重な3年間で
皆さんが大きく成長していけるように私自身も努力して行こうと思っています。どうかひたむきな努力
によって、感動のある日々を勝ち取り、挑戦と充実の日々を送り、強い意志と大きな夢を持った逞しい
人に成長してください。
以上式辞といたします。
ご来賓及び保護者の皆様、何卒今後とも本校をよろしくお願いいたします。
平成二十七年四月七日
東京都立調布北高等学校
校長 佐藤栄一