ジャパンカップ出走予定外国馬プロフィール ◆ トリップトゥパリス (Trip To Paris)= イギリス せん 4 歳・鹿毛 (アイルランド産 2011 年 2 月 8 日生まれ) 父:Champs Elysees = 母:La Grande Zoa (母の父:Fantastic Light) 馬主 : ラ・グレンジ・パートナーシップ 調教師 : E. ダンロップ 騎手 : T. ベリー 通算成績: 通算 20 戦 6 勝、2 着 3 回、3 着 1 回 総獲得賞金: 約 1 億 4,230 万円 主な戦績 : ’15 ゴールドカップ (英 G1) 1着 ’15 コーフィールドカップ (豪 G1) 2着 ’15 グッドウッドカップ (英 G2) 3着 ’15 ヘンリー2 世ステークス (英 G3) 2着 トリップトゥパリスの生産者は、アイルランドのポール・モナハン氏とその父のトム・モナハン氏。二人 の生産馬には本馬の近親になるエズード(血統の項参照)があります。 トリップトゥパリスは当歳時の 2011 年 11 月に英タタソールズせり市へ上場され、3 万 7,000 ギニー (当時約 490 万円)で落札されましたが、2 歳時の 5 月にタタソールズの調教馬せり市へ再上場され、 2 万ギニー(当時約 290 万円)でラ・グレンジ・パートナーシップの所有馬となり、ニューマーケットの E. ダンロップ厩舎に迎えられました。 トリップトゥパリスの初出走は 2 歳時の 2013 年 7 月 17 日、ロンドン郊外のサンダウン競馬場で行わ れたロバートダイアスメイドンオークションステークス(2 歳未勝利戦、芝 1,410m)。これは J. ドイルが 騎乗し、好位から後退して 16 頭立ての 14 着。入れ込みが激しくレースになりませんでした。 その 7 日後、リングフィールド競馬場のリングフィールドパークオーナーズグループメイドンオーク ションステークス(2 歳未勝利戦、全 1,400m)に向かうと、今度は好位でしっかり折り合い、フローティ ングバレリノに 1 馬身 3/4 の差をつけて快勝します。名手 R. ムーアの騎乗で 14 頭立て 3 番人気で した。次いで 8 月のナースリーハンデキャップ(ニューマーケット競馬場、2 歳条件戦、芝 1,600m)を J. クローリー騎乗で、一旦先頭から 2 着に敗れ、2 歳シーズンを終えます。 昨年の 3 歳時は 4 月 23 日のダービートライアル(エプソム競馬場、3 歳条件戦、芝 2,020m)から。 これは 7 着に敗れ、続くハンデ戦 2 レースも 10 着、6 着でしたが、7 月 26 日のカニスベイブラッドスト ックハンデキャップ(アスコット競馬場、3 歳条件戦、芝 2,400m)は後方から差し、アワガブリアルに 1 馬身 3/4 の差をつけて快勝します。ここは R. ムーア騎乗で 1 番人気。これでムーアが騎乗して 2 戦 2 勝ですが、この後はムーアとのコンビは実現していません。3 歳時はその後、8 月から 9 月にかけて ハンデ戦に 3 度出走し、10 着、14 着、5 頭立て 4 着と振るわず、7 戦 1 勝で 3 歳シーズンを終えま す。 明けて 4 歳の今シーズンは一気に G1 ホースへと上り詰めます。まず 3 月 28 日のローズベリーハ ンデキャップ(ケンプトン競馬場、4 歳上条件戦、全 2,200m)は 12 頭立て 4 着でしたが、4 月 11 日の イージーブックトレーニングフォーコンストラクションハンデキャップ(リングフィールド競馬場、4 歳上 条件戦、全 2,400m)に向かうと、先行して抜け出し、ファイアーファイティングをクビ差抑えて 3 勝目。 ここは 7 頭で争われ、A. アッゼニの初騎乗で 2 番人気でした。 次いで 4 月 25 日、リポン競馬場のアットザレーシズスカイ 415 ハンデキャップ(4 歳上条件戦、芝 3,200m)に出走すると、残り 200m あたりで先頭に立った後も脚色は衰えず、ガブリアルズキングに 4 馬身の差をつけて快勝。レースは 9 頭で争われ、ここは 2004 年のグランドナショナルをアンバリーハ ウスで制した G. リーの初騎乗でした。これ以後、リーは直近のオーストラリアでの 2 走を除いて本馬 に騎乗します。 続いて 5 月 6 日のチェスターカップ(チェスター競馬場、4 歳上条件戦、芝 3,730m)に臨むと、中 位から差し、クイックジャックに 3/4 馬身の差をつけ、伝統のハンデ戦を制します。レースは 17 頭立て で、5 番人気でした。 以後は重賞レースに出走し、5 月 28 日、サンダウン競馬場で行われたヘンリー2 世ステークス(英 G3、芝 3,270m)に向かうと、7 頭立ての 5 番手から追い込みますが、ここ本命のヴェントデフォースの 逃げ切りを許し、1 馬身 3/4 差の 2 着でした。 こうして重賞でも通用することを示すと、続く 6 月 18 日、ロイヤルアスコットの伝統レース、ゴールド カップ(英 G1、芝 4,000m)で金星を挙げます。オッズ 13 倍の 12 頭立て 6 番人気でしたが、中団後 ろの馬群の中から残り 400m で最内を突くと、残り 200m で鮮やかに抜け出します。キングフィッシャ ー(昨年の愛ダービー2 着)に 1 馬身 1/4 の差をつけ、良馬場の勝ちタイムは 4 分 22 秒 6。 次いで 7 月 30 日、グッドウッド競馬場伝統の長距離戦、グッドウッドカップ(英 G2、芝 3,200m)に 出走し、中団から右によれながらも脚を伸ばしましたが、ビッグオレンジからクビ、短頭の 3 着惜敗。こ こは 11 頭立ての 2 番人気でした。 この後、8 月 21 日にヨーク競馬場で行われたロンズデールカップ(英 G2、芝 3,280m)に向かいま すが、好位追走からゴール前 400m で左によれて勢いをなくし、マックスダイナマイトの 8 頭立て大差 5 着と精彩を欠きます。ここは 4 番人気タイでした。 それでもオーストラリア遠征を敢行し、続く 10 月 17 日のコーフィールドカップ(豪 G1、芝 2,400m) に出走すると、T. ベリー騎乗でオッズ 31 倍の人気薄でしたが、中団後ろから進出し、直線に入って やや窮屈になるシーンもありましたが、先に抜け出したモンゴリアンカーンの 1/2 馬身差 2 着に好走し ます。レースはメルボルン郊外のコーフィールド競馬場に 18 頭を集めて行われ、日本のフェイムゲー ムは 6 着、ホッコーブレーヴは 10 着でした。 続く 11 月 3 日のメルボルンカップ(豪 G1、芝 3,200m)も T. ベリーが騎乗し、一転 2 番人気に支 持されると、5、6 番手の位置取りから直線では一時先頭をうかがう勢いでしたが、最後は脚色が鈍り、 プリンスオブペンザンスの 2 馬身差 4 着。レースはフレミントン競馬場に 24 頭が出走して行われ、日 本の上記 2 頭はともに大敗しました。以上、トリップトゥパリスはこれまで重馬場での出走がなく、芝の 4 勝のうち 3 勝を良馬場で挙げています。 【血統】 父のシャンゼリゼはデインヒルの直仔でハリウッドターフカップなど北米の芝 G1 を 3 勝。シャンゼリゼ の全兄に名種牡馬ダンシリ、米 G1・2 勝のカシークがいる。母のラグランデゾアは 3 戦着外。祖母マ ジェスティックシスター(不出走)の全兄にエズード(インターナショナルステークスなど英 G1・3 勝)、 半兄にディスタントリラティヴ(英サセックスステークスなど G1・2 勝)がいる。母の父ファンタスティック ライトはブリーダーズカップターフなど G1・6 勝で、2000 年のジャパンカップ 3 着。 Photo by racingpost.com/photos 2015 年ゴールドカップ(英 G1) ジャパンカップ出走予定外国馬関係者プロフィール ■ トリップトゥパリス(Trip To Paris) ⾺主:ラ・グレンジ・パートナーシップ(La Grange Partnership) 馬主名義の「ラ・グレンジ」は、ニューマーケットのラ・グレンジ・ステーブル(ラ・グレンジ厩舎)のこと で、この厩舎は現在、ダンロップ調教師が所有している。ラ・グレンジ・パートナーシップの所有馬は 現在、本馬トリップトゥパリスだけ。ラ・グレンジ・パートナーシップは共同馬主で構成され、ダンロップ 調教師が代表を務めている。 ラ・グレンジ厩舎は、1870 年代後半に当時の名調教師トム・ジェニングズが設立した。ジェニングズ は 1865 年のイギリス 3 冠馬グラディアトゥールを手掛けたことで知られ、そのグラディアトゥールの馬 主フレデリック・ラグランジュ伯爵にちなんで、厩舎に「ラ・グレンジ」の名称を付けた。以後、この厩舎 は代々、名馬ブリガディアジェラードや英ダービー馬ナシュワンを手掛けた D. ハーン調教師など名 調教師が跡を継ぎ、数々の歴史的名馬が巣立っている。 調教師:エドワード・ダンロップ(Edward Dunlop) 1968 年 10 月 20 日、イギリス生まれ。父のジョン(1939 年~)は 2012 年まで名調教師として活躍し、 英ダービー2 勝など主要レースを多数勝ち、1995 年にリーディングトレーナー、2002 年には通算 3,000 勝を達成している。息子のエドワード(通称エド)は名門イートン校で学び、アイルランドとアメリ カ・ケンタッキーの牧場で働いた後、オーストラリア・シドニーのナショナルスタッド教科課程を修了。 イギリスに戻ると、N. ヘンダーソン調教師のもとで助手を 3 年間務め、次いで A. スコット調教師の助 手となったが、1994 年にスコット師が厩務員の逆恨みで射殺されるという悲劇が起き、当時まだ 25 歳 だったエド・ダンロップが厩舎を継ぐことになった。同年 10 月、26 歳の誕生日前日に調教師として最 初の 1 勝を挙げ、厩舎経営を軌道に乗せていく。 1996 年の仏 1000 ギニーをタリブで勝ち、これが G1 初勝利。ダンロップは海外の国際レースに積 極的に参戦して着実に成果をあげており、これまでの G1 制覇は実に 7 か国 25 レースに及ぶ。中で も牝馬の活躍が光っている。まず、レイラニで 2001 年に愛オークス、英ナッソーステークス、そしてア メリカへ遠征してのフラワーボウル招待を制し G1・3 勝。次に、ダービー卿の生産所有馬になるウィジ ャボードでは、英・愛オークス、ブリーダーズカップフィリー&メアターフ 2 回、香港ヴァーズなど 4 か国 の G1 を 7 勝。同馬は 2004 年および 2006 年とカルティエ賞欧州年度代表馬に 2 度選出された。そ して日本でもおなじみのスノーフェアリーでは、英・愛オークス、エリザベス女王杯 2 回、香港カップ、 愛チャンピオンステークスと 4 か国の G1 を 6 勝している。 日本にはこれまで 5 頭を遠征させ、前述のスノーフェアリー以外では、ウィジャボードでジャパンカ ップ 2 回(2005 年 5 着、2006 年 3 着)、コートマスターピースで 2006 年マイルチャンピオンシップ 7 着および阪神カップ 9 着、レッドカドーで 2012 年のジャパンカップ 8 着並びに 2013 年の天皇賞(春) 3 着、2014 年 14 着。ジョシュアツリーで 2013 年のジャパンカップ 17 着。 騎⼿:トミー・ベリー(Tommy Berry) 1991 年 1 月 21 日生まれ。父ケヴィンは調教師で、トミーより 14 分早く生まれた双子の兄ネイサン も騎手だったが、病気で昨年 4 月に死去。2007/08 年シーズンにデビューして、シドニー地区では勝 ち鞍がなかったが、ニューサウスウェールズ州で 35 勝した。翌シーズンはシドニー地区(以下同)で 24 勝を挙げリーディング 17 位、続く 2009/10 年シーズンは 50 勝で 7 位に入り、見習い騎手チャンピ オンに輝いた。 2011 年からは著名な女性調教師である G. ウォーターハウス厩舎で、N. ローウィラーに次ぐ専属 騎手を務める。同年 2 月に豪 G3 ミリーフォックスステークスをモンタナフライヤーで制して重賞初制 覇を飾るなど、2010/11 年シーズンは 33 勝で 11 位。次いで 2011/12 年は、複数の重賞勝ち鞍を含 む 56 勝で 5 位。 初めての G1 タイトルは、2012 年 9 月にエポレットとのコンビで制したゴールデンローズステークス で、その後もセイクリッドフォールズで勝ったドンカスターマイルなど、2012/13 年は豪 G1 を 5 勝。リー ディングは 55 勝で 4 位だった。また、このシーズンは 4 月からシーズン終了まで香港で騎乗し、ミリタ リーアタックでクイーンエリザベス II 世カップを優勝するなど、同地で 22 勝を挙げた。 2013/14 年シーズンはオーストラリアで G1・4 勝など、56 勝で 3 位。また、前年に続いて香港でも デザインズオンロームとのコンビでクイーンエリザベス II 世カップなど G1・3 勝を挙げ、25 勝で香港リ ーディング 10 位。2014/15 年の昨シーズンはバンクーバーで制したゴールデンスリッパーなど豪 G1・ 2 勝、69 勝で 4 位。さらに、香港馬ダンエクセルで G1 シンガポールエアラインズインターナショナル カップを前年に続いて制した。 2015/16 年となる今シーズンはフライトステークス(スピークフォンドリー)、マニカトステークス(シャト ークア)で豪 G1・2 勝と、ここまで 133 戦 17 勝でリーディング 6 位。11 月 14 日からは短期免許を取 得して初めて日本で騎乗し、15 日までの 2 日間で 18 戦 2 勝、2 着 2 回、3 着 2 回。
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