の館だ - 千葉県環境財団

2015春
だ
館
の
!!
73号
“千葉県手賀沼親水広場”は皆さんが水質浄化に対する理解を深める場として活用され
ることを目的に設置されました。
手賀沼の水質について
環境省から平成25年度(2013年度)の公共用水域水質測定結果が2014年12月
に公表されました。ここに「湖沼のCODが高い水域(ワースト順位)」についての集計がされていて、手賀沼は全
国ワースト3位でした。このワースト順位はCOD(化学的酸素要求量)という主に有機物を測定している分析項目
による水質(年平均値)を、環境基準の類型指定された湖沼、全国の187水域のなかで比較した順位です。CODが
高い方が、水質汚濁が進んでいることになり、最もCODの年平均値が高い水域がワースト1位です。手賀沼の順位
は前年度のワースト2位から1つ順位が下がりました。また、COD年平均値は2012年度(平成24年度)の
9.6mg/ から0.1mg/ 改善されて9.5 mg/ でしたが、前年度と同様(横ばい)であるといえます。
日本各地で下水道が普及しつつある現在、河川の
有機物汚濁に関してはたいへん改善してきました。
平成25年度(2013年度)湖沼のCOD年平均値によるワースト順位
河川における有機物汚濁についてはBOD(生物化
順位
湖沼名(水域名)
都道府県名
H25 年度
COD年間平均値
A
千葉県
12
(参考)
H24 年度 COD
年間平均値と順位
学的酸素要求量)で評価しますが、手賀沼に注ぎ込
1
む大堀川、大津川、金山落、亀成川の各河川は、
2
伊豆沼 (いずぬま)
B
宮城県
10
8.8 (3 位)
3
手賀沼 (てがぬま)
B
千葉県
9.5
9.6 (2 位)
4
本明川調整池
(ほんみょうがわちょうせいち)
B
長崎県
8.1
7.6 (9 位)
5
春採湖 (はるとりこ)
B
北海道
7.4
7.1 (12 位)
〃
佐鳴湖 (さなるこ)
B
静岡県
7.4
7.7 (8 位)
2011年度から2013年度まで環境基準を達成してい
ます。しかし、手賀沼では環境基準値の2倍程度の濃
度があり達成されていません。国内における2013年
印旛沼 (いんばぬま)
環境
基準
類型
11 (1位)
度の環境基準達成率は、河川は92.0%(BOD)に達
しています。一方、湖沼は55.1%(COD)にとどまっています。なぜ、河川に比べて湖沼では有機物汚濁に関する
環境基準の達成が困難なのでしょう。湖沼では植物プランクトンが増殖することによる、二次汚濁(二次汚染)と呼
ばれる現象が問題になります。植物プランクトンの体も有機物でできているため、植物プランクトンが増えるとCOD
の数値を高くするのです。この対策では栄養塩類である窒素やリンを減らす必要があります。このように、生物であ
る植物プランクトンは水質と密接な関係にあるのです。
さて、全国湖沼ワースト3位であり富栄養化した手
賀沼に市民の方はどのようなイメージを持つのでしょ
うか。手賀沼親水広場では、胴長靴を履いて行う沼散
歩や魚類採集などを積極的に推進して、手賀沼を訪れ
る多くの子ども達にも体験をしてもらいました。富栄
養化して、水質汚濁した手賀沼であればこそ、全国湖
沼ワースト順位と共に「汚い沼」とのイメージが独り
歩きしてしまわぬように、人が沼に触れ、体感するこ
とが必要と考えます。手賀沼で魚とりなどを行い水に触れ、多くの生物が暮らしていることを実感した時には、汚濁
した沼という単純なイメージを持つことはないと思います。沼を遠くから眺めるだけではなく、ぜひ可能な範囲で沼
を体感してください。
さて、手賀沼に最も触れあっているのは誰でしょうか。沼で生業を営む漁師さんだと思います。私たちは環境学習
を行う上で漁師さんから貴重な情報を様々教えていただきました。漁師さんは沼の語部ともなります。現在、2011
年の東日本大震災に伴う放射能の影響で食用となる魚介類は出荷が停止しています。手賀沼の漁が衰退し、手賀沼の
魚介類を食べる文化(食文化)が流域から完全に失われてしまうのではないかと心配しています。
今後どのような手賀沼になることを皆さんは期待されますか。手賀沼に係る湖沼水質保全計画、第6期(平成24年
3月、千葉県)の一文を記します。「水質改善が生物の生息・生育環境を改善し、その生物が水質改善に寄与すると
いう、循環型で持続可能な環境を保全することが、さまざまな生物が生息・生育し、農業を支え、豊かな漁場を提供
するような手賀沼を取り戻すこととなると考えます。」水質だけでなく、人々の暮らしと沼の関わりや、沼に暮らす
生物などに注目して、手賀沼のあるべき姿を思い描いてみてください。
1
文:須藤雅彦
外来生物③(国内移入種と生物多様性の保全について)
「外来種」というと、国外から日本に入ってきた生物を思い浮かべると思います。しかし、生物多様性を守るうえ
で、日本という国を単位に考えてもうまくありません。野生生物は人が決めた国境とは無関係に分布するからです。 参考文献4では、下表のとおり外来種等に関する用語を定義しています。
外来種被害防止行動計画(案)における外来種に関する用語の定義
外来種
国外由来の外来種
国内由来の外来種
侵略的外来種
(invasive alien species)
外来生物
特定外来生物
導入(意図的・非意図的を問わず人為的に、過去あるいは現在の自然分布域外へ移動させること。導
入の時期は問わない。)によりその自然分布域(その生物が本来有する能力で移動できる範囲により
定まる地域)の外に生育又は生息する生物種(分類学的に異なる集団とされる、亜種、変種を含む)
「外来種」のうち、我が国に自然分布域を有していない生物種
我が国に自然分布域を有しているが、その自然分布域を越えて国内の他地域に導入された生物種
「外来種」のうち、我が国の生態系、人の生命又は身体、農林水産業等への被害を及ぼす又は及ぼ
すおそれがあるもの
外来生物法において、「海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外
に存することとなる生物」と定義されており、上記の「国外由来の外来種」と同義。
※「外来生物」の用語は、一般に様々な意味で用いられているが、本計画において「外来生物」の用
語を用いる場合は、外来生物法の定義に従う。
我が国の生態系等に係る被害を及ぼす又は及ぼすおそれのあると認められる外来生物として、外来
生物法に基づき指定されたもの。飼育・栽培、運搬、輸入、野外への放出、譲渡等が規制される。
例えばA地域に「自然分布」を持つ生物は、A地域の「在来種」と呼ばれます。一方、A地域の在来種ではない生物
は、すべてA地域の「外来種」です。日本国内に自然分布を持つ種であって、手賀沼には自然分布を持たない種であれ
ば、手賀沼における「国内由来の外来種」(「国内移入種」や「国内外来種」などともいう)と区分して呼びます。生
物多様性を守るためには、地域ごとにその地域の在来種、及び在来種で構成される生態系を守っていく必要があり、こ
のような区分が必要になります。手賀沼に生息する魚類のなかで「国内由来の外来種」はどのような魚でしょうか。琵
琶湖などに自然分布があり、手賀沼では国内由来の外来種とされるのは、ハス、ヒガイ、ツチフキ、スゴモロコ、ワタ
カ、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)です。
自然分布の範囲(在来種か否か)は学術研究の成果から見直される場合があり、また移入された時期(時代)を考慮
している場合もあるため、文献等を読む時に注意が必要です。例を示します。
○ナマズ:千葉県の分布は、参考文献1、2では移入種や外来種と記載されてはいない。参考文献3では保護する対象とし
て重要保護動物(B)に選定されているが、「関東地方には江戸時代中期に進入したと言われる」と記されている。参考文
献6で千葉県の分布は外来分布とされる。
○タモロコ:千葉県の分布は、参考文献1では移入種とされている。参考文献2では外来種としてリストに掲載されている
が、「自然分布の可能性も否定できない」と記されている。参考文献6で千葉県の分布は在来分布とされる。
さて、手賀沼に自然分布を持つ魚類であれば(在来種であれば)、他の地域から持ち込み放流しても良いのでしょう
か。生物多様性の保全では「種の多様性」、「生態系の多様性」に加えて「遺伝子の多様性」も対象です。同じ種で
あっても地域の違いによって遺伝的形質に違い(変異)が生じている場合があり、それぞれの地域で育まれた遺伝的形
質を守る必要性があるのです。すでに地域の固有性は乱されている可能性が高い種で身近な魚類は、サケ、アユ、ワカ
サギ、メダカです。これらの種は放流(漁業資源としての放流や購入・飼育個体の放流等)が盛んな種です。また、参
考文献2ではコイについて古来から養殖個体の放流があり野生種の国内分布は不明とされ、参考文献6では千葉県のヤ
リタナゴに移入と在来の両方があると記されています。
科学の進歩によって、遺伝子を調べて在来である否かを調べることは可能ですが、まだ容易ではありません。前述の
とおり多くの種が自然分布外から導入されていることからも、地域本来の在来種による多様性を取り戻すことは至難で
す。駆除などの対策は、侵略的外来種(法律によってこの一部が特定外来生物に指定されています)について行われて
いますが、まずは、他の地域で採集した動植物や購入した動植物を安易に野外へ放さないことが重要です。野生生物に
餌を与えることも、自然のバランスを乱すことになりますから慎むべきでしょう。
手賀沼の大部分は、印旛手賀県立自然公園に指定され、また漁が行われ釣りなどのレジャーも盛んな沼です。外来種
の問題から手賀沼の自然の在り方について皆さんも考えてみてください。最後に、外来種として手賀沼に暮らす生物で
あっても生物に罪がある訳はありませんから、外来種を悪者と考えることが無い様にお願いします。
参考文献(現時点の案を含みます)
1:財団法人千葉県史料研究財団編集.千葉県の自然誌本編6 千葉県の動物1 -陸と淡水の動物-.2002年,千葉県
2:千葉県外来種対策(動物)検討委員会.外来種(動物)の現状等に関する報告書.2007年,千葉県自然保護課
3:千葉県レッドデータブック改定委員会編集.千葉県の保護上重要な野生生物―千葉県レッドデータブック―動物編 2011年改定版.
2011年,千葉県環境生活部自然保護課
4:環境省・農林水産省・国土交通省.外来種被害防止行動計画(案)(パブリックコメント版).2014年12月,環境省
5:我が国の生態系に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(案)(パグリックコメント版).2014年12月,環境省
6:独立行政法人国立環境研究所.侵入生物データベース.(http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/)(2015年1月末現在)
文:須藤雅彦
ー2ー
ガシャモク育成のまとめ
はじめに(ガシャモクについて)
ガシャモクは、かつて手賀沼ではガシャガシャと多産したモク(水草)で、昭和30年頃まで水田の緑肥として利用さ
れていました。
日本の植物学への登場は、中野治房(1883年~1973年。湖沼植物の研究で知られる。我孫子市中里の旧家に生ま
れ、戦後は湖北村長も務めた。東京帝大教授。)らによって1904、1905年に手賀沼で採集された標本をもとに植物
分類学の牧野富太郎によって Potamogeton teganumensis と名付けられたことによります。のちに、すでに記載され
ていた P. dentatus と同種であるとして、ゆかりの「手賀沼」は学名から消えました(学者によっては、P. lucens
sinicus var. teganumensisを使っています) 。 緑肥として大量に陸揚げされ消費されていたごくごくありふれたこの植物が姿を消してしまったのは1970(昭和45)
年頃のこと。手賀沼干拓事業によるヘドロ微粒子の付着や田畑に散布される農薬や除草剤の影響、周りに次々と建造さ
れていった大規模な団地からの生活排水や産業廃水。そういったダブル、トリプルの打撃をうけたことによるものでし
た。そして再び、ガシャモクが手賀沼周辺に姿を現したのは平成に入ってからのこと(1989(平成元)年水の館建設現
場、1997(平成9)年北千葉導水事業による手賀川拡張工事現場、1998(平成10)年手賀沼親水広場生態園造成現
場)、1998(平成11)年手賀沼ビオトープ造成現場)。いずれも工事現場での埋土種子(土の中で休眠している種子)
からの発芽でした。
ガシャモクは、単子葉植物網イバラモ目ヒルムシロ科に属する多年生の沈水植物で、水中に伸びた茎に、葉柄のほと
んどない小判形の葉をつけます。夏季、茎の先端に花穂をつけて水面で開花し結実します。冬季は休眠状態になります
が、この時、地下茎(走出枝)に小さなレンコンを思わせる殖芽(しょくが;休眠芽ともいいます)をつくります。春
先にはここから新芽や新しい走出枝を伸ばします(近縁のササバモは葉身が細く有柄。蓮根状の殖芽をつくらない)。
かつては琵琶湖や印旛沼、霞ケ浦、多々良沼(群馬県)でも生育が記録されていましたが、現在国内でガシャモクが自
生しているのは福岡県北九州市にある小さなため池(お糸池)だけ。そのほかに手賀沼周辺の埋土種子由来の株が知ら
れているだけで、環境省第4次レッドリスト(2012年)では絶滅危惧ⅠA類(カテゴリーCR;ごく近い将来における
野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)にランクされています。
ガシャモクを育てる
このように手賀沼と縁の深いガシャモクを、手賀沼に戻して継続的に生育できるようにするには・・・という目標
(手水協手賀沼水生植物再生活用事業との協同)をもって手賀沼親水広場が育成実験を始めて9年。ある程度の知見を
得ることができました。
基本的用土は黒土7:腐葉土3の混合(千葉県立中央博物館からのご指導)。
ガシャモクの株をある程度の大きさまで育てるのは決して難しいことではありません。用土に植え込んでやれば走出
枝から新芽が伸びて、小さな水槽の中でもそれなりの株立ちになるのですが、水槽が小さいと花が咲かないのです。花
が咲けば種子ができるので苗の大量確保も容易になります。
花を咲かせるには大型水槽が都合が良いのです(容積が大きいほうが恒常性を保ちやすいからだと思われます)。一
番良いのは農家が作物を洗うのに使っている浴槽型のあれです。基本的な用土に植え付けてやると翌年には開花し、結
実するようになります。ところが、ここで次なる問題。3年ほど放置すると株は茂っていても次第に開花が少なくなる
のです。走出枝が絡まりあってしまうと良くないようです。
ガシャモクを増やす
一番簡単なのは、『挿し芽』による方法です。葉の元には芽
(腋芽)が隠れているのでこれを利用します。
水中を伸びる茎を切り取って葉2枚ずつで切り離します。これ
を水を張った容器の用土にかるく挿して下側の葉の上に小石を乗
せて浮き上がりを防ぎます。これでほぼ100%成功です。一か
月ほどで発根し二か月ほど経つと腋芽が伸びはじめます。切れ藻
になってしまったものも、この要領で植え込んでやれば大丈夫で
す。自然状態でも、(おそらく)切れ藻は流れによって運ばれ
て、運よく上記のような条件にぶつかったものが定着して新し
い群落を形成していくもとになるのでしょう。近縁のササバモ
(P. malaianus)も同じやり方で容易に殖やすことができます。
ー3ー
さし芽による繁殖 写真:柄澤保彦
種子からの発芽について
ガシャモクの花穂をよく見ていると2段階に咲くことがわかります。まず開くのは雌しべ、そのあと雄しべが伸びて花
粉を放出します(雌性先熟といいます)。花は水面を漂う他の花穂から放出された花粉によって受粉しやがて結実します
が、この種子は果穂から離れたあと、しばらくの間浮遊して水流に運ばれて拡散していきます。種子を回収して容器に入
れておくと、やがて沈んでいきます。
種子からの発芽を試みる機会が何度かありましたので、そのことについてお話します。実験では、水に浸した状態で冷
蔵庫保管した種子を翌年の春先に水槽に播種しました。種子を埋めてしまうと発芽成績がよくありません(種子が休眠か
ら覚めるスイッチの一つに光があるのだろうと推測します)。砂に混ぜて蒔くと拡がりが均等になるので成績が良いよう
です。また、発芽してきたときに水底に転がった状態だと、葉の伸長に伴って浮き上がってしまいます(芽生えが始まっ
たときにその上に少し砂を撒いてやるのも浮き上がりを防ぐのに有効です)。砂粒に挟まって水底でうまく根を伸長させ
て用土の中に根をもぐりこませられればもうしめたもの、あとは順調に生長していきます(幼苗を底床を掘って埋めよう
とすると、根毛を痛めてしまうためか枯れてしまう場合が多い)。発芽率は20%ぐらいでしょうか。ここで気が付いた
のは、発芽の時期にばらつきがあること。播種後一か月ほどで発芽するものばかりではなく、数か月後あるいは翌年に発
芽するものもあるのです。近縁のササバモでは実験例は少ないのですが、一か月ほどでほぼ100%発芽しました。
陸生形について
沈水植物の中には、生育中に水深が浅くなると葉を空気中に露出させて、そのまま伸び
陸 形
ていこうとするものがあります。水面から茎の一部をもち上げた部分を気中形(葉は気中
葉)、ほとんど水底が露出して株立ちになったものを陸生形(陸生葉)といいます。
多くの水草の図鑑やそれを引用したと思われる文献に、『ササバモは容易に陸生形を
つくるが、ガシャモクはつくらない。』と書かれていますが、条件を整えるとガシャモ
クも陸生形をつくります。水田の土(けと土)に植え付けてゆっくり水を減らしていく
とすこし小ぶりながらも立派な陸生形ガシャモクになります。写真は秋の終わりに陸生
形になったものなので、走出枝の先端部に殖芽が形成されていました。
終わりに(手賀沼復帰までの道のり)
この度の施設移管によって、私がとりくんできたガシャモクをはじめとした水草につい
ての実験・観察も途絶えることになりますが、水生植物の手賀沼への復帰を考えるとき、
殖芽
いま一歩踏み込まなければならないことがあるように思います。
1.植栽地の選定について
写真:柄澤保彦
ガシャモクが好むのは流れのゆるやかな所です。新版千葉県植物誌(昭和50年発行)
の大滝末男氏の報文が、手賀沼における野生ガシャモクの最後の記録と思われます(1972年8月12日の観察)が、見取
図をみるとフイッシングセンター西側の水域(都部新田)にて僅少と記されています。水利的に流れのゆるやかな所で
す。現在の手賀沼は、北千葉導水からの注水や航行する船が立てる波によって当時とは比べものにならないほどハードな
環境になっています。
流れのゆるやかな所をどのように造るか。切れ藻や種子が流れ去ってしまわないようにする工夫も必要です。
2.水草を採餌する鳥や魚について
オオバンやコブハクチョウは沈水植物が大好物です。コイは底泥をひっくり返しながら餌を探します。水草そのものも
コイの餌です。淀みができればアメリカザリガニが侵入してきます。アメリカザリガニは、餌を探すために視界を遮る水
草を切り離します。そして餌にもします。
豊かに茂る群落から緑肥を採っていた頃には、これらの生き物たちが及ぼす影響は取るに足らないものであったと思わ
れますが、栽培の初期にはとても大きな障害になります。
次から次へ心配事が浮かんできますが、手賀沼に水草が復活する日を楽しみして筆を置きます。
文:柄澤保彦
おわりに
2006年度から2014年度までの9年間、指定管理者として千葉県 賀沼親 広場の管理運営をさせていただき
ました。美しい 賀沼を愛する市 の連合会や 賀沼 質保全協議会の構成団体をはじめとする関係者の皆さま、並びに当施
設のボランティアガイドや運営委員の皆さまには、多くのご指導・ご協 いただきました。
ここに深く感謝申し上げます。
末筆ながら、 賀沼における環境学習がますます発展し、 環境が保全されることを祈念いたします。
「水の館だより」第73号 発行日: 2015年3月14日 発行:千葉県手賀沼親水広場〔指定管理者(一財)千葉県環境財団〕
住所:〒270-1146 我孫子市高野山新田193 電話:04-7184-0555 FAX:04-7184-0936 ー4ー