ゆずりは便り インドネシア ジャワ島バテックを求めて 手描きのバテック 私は五月の末、インドネシアのジャワ島へ、伝統工芸である、バテックを訪ねて ジャカルタへ旅立ちました。インドネシアという国は、横に長く、西は大津波で大きな被 害を出したスマトラ島のアチェ州から、東のニューギニア島まで、五千キロもあり、人口 も二億四千万人と、日本の倍以上の規模の国です。となりの島とは、言葉や習慣も違い、 まるで他の国のようだそうです。その伝統工芸のバテックは首都ジャカルタがあるジャワ 島の真ん中あたりが本場だという。 ジャワ島の西の端に位置するジャカルタから、北側の国道一号線を直走り、チルボン~ ペカロンガン。スマランから南下して南の海側にある、世界最大の仏教遺跡ボロブドール があるジョグジャカルタまで、各地のバテックを作っている作業場を見て歩いた。 1 スタンプのバテック バテックの工房が集まるチルボンの街 2 バテックには手描きや、スタンプなどの他、手描きとスタンプと合わせたものなどの手法 があり、それぞれ職人がおり、主に、女性は手描きの職につき、スタンプは男性の職人が 仕事としている。 バテックの柄と色合いは地域で変わる ジョグジャカルタのモスク 3 布に蝋を落とす女性 店主の活動記録 インドネシア旅行記 私はこの春、多くの島々からなるインドネシアのジャワ島を周ってみました。 インドネシアのバリ島はリゾートの島で、殆んどの観光客はインドネシアと言えば、バリ 島を目指します。 だいぶ前にバリ島を訪ねたことはありましたが、ジャワ島は今回が初めてでした。 ジャカルタからガイドと一緒に、運転手付のレンタカーで周りました。この国は人口2億 4千万人の世界最大のイスラム教国です。 イスラム教徒以外は国の東側に追いやられたらしく、東のバリ島はヒンズー教徒が多いた め、また、世界的な観光地であるため、お酒などは、自由に飲めるし、何処でもアルコー ルは手に入ります。 スマトラ島や、ジャワ島は島民のほぼ 100%近い島民がイスラム教の信徒モスレムの為、 豚肉やアルコールは、外国人が泊まるホテルのレストラン以外は全くないと言ってよく、 フランス資本のカルフールなどの大型ショッピングセンターの中で、ひっそりと売られて いるそうです。 赤道直下の暑い国で、毎日汗ダラダラで、バテックの作業場を見て歩き、冷たいビールが 欲しくならない方が不思議です・・・・・ 毎日ホテルに着いてから、レストランやお部屋でホットして、楽しむことは出来ましたけ れど、よくこの国の制度を聞くと、政府は決して酒は飲んではいけないと指導している訳 ではなく、酒屋を開業するのも、レストランでアルコールを提供するのも法律違反ではな いそうです。 ただ、イスラムの宗教指導者の偉い方が、宗教上よろしくないと言って、ジャワ島の住民 が教えに従っているだけのことだそうです。地域の人々の目もあり、酒屋でも開業すると、 地域の住民に宗教心が無いと言われるらしいのです。 日本人には理解が出来ないことばかりですが、本当のところ、こっそり家で禁を破って、 たしなむ人も居ないわけではないかもしれないようで、信心深い人もいるし、そうでもな い人も居て、さまざまなようです。 服装もスカーフを被って、全員足を隠した女性ばかりなのかと思ったら、ジャカルタの日 本レストランが数軒入っている近代的なショッピングモールには、ミニスカートにビーチ サンダルを履いた若い女の子ばかりです。もちろん頭にヒジャーブを被ってはいません。 そうかと思うと、厳格なイスラム式の服装の女性もあり、地域や島によっても厳格にイス 4 ラムの教えの通りのところもあり、緩い地域もある、その人の考え方にもよるらしいので す。 ちなみに、イスラム教国では、一日五回のお祈りの時間になると、町中にコーランの声が スピーカーで響き渡りますが、どこの国で聞いても同じように聞こえるので、訪ねたとこ ろ、国がどこだろうと、インドネシア語で唱える訳ではなく、アラビア語でコーランを唱 えるので、この国の人々は何と言っているのか意味は解らないそうです。 ジャカルタは大都会ですが、地方の町はまだまだ遅れているようです。自動車、バイク、自転車、馬車な どが、主な交通手段ですが、国道1号線は信号機も少なく、朝9時から夜まで、泊まるホテルまで、連日、 昼食も摂らないで運転手付レンタカーで7百キロ以上を走破。また、地方都市は昼食をとるには衛生的に 問題が多いところもあり、日本に帰ってきてからお腹を壊してしまいました。 ガイドのリキさんのこと 今回お世話になった、ガイドさんは、リキさんと言って、お母さんが日本人で、ジャカル タにお住まいとのことで、お母様は毎年のように日本に行かれるとのことです。 日本に留学していた父君と知り合い、結婚してジャカルタに住んでおり、もう九十近い高 齢ですが、まだまだお元気とのことです。 そんなガイドさんですから、流暢な日本語で日本人と全く変わりません。 バテックなどの工芸に詳しい方で、ご自分でも、奥様とジャワ島の東の端の町で百人位の スタッフで工芸品を作っているとのことです。 キリスト教徒で、夜、ホテルのレストランで一緒にビールを飲んだりして 楽しい一周間 となりました。 ガイドさんとジョグジャカルタの中華料理の大衆食堂で。もちろん酒類、豚肉、などは無い。 5 店主からのご提案 ジャワ更紗、ラオスの染を帯に この度、インドネシア 十名を超えるジャワ島の職人を訪ねる旅に行って参りました。 ジャワ更紗(バティック) 、ロウケツ染めの仕事は、今なを、南国のゆるやかに流れる時間 の中で、すべての仕事は手作業で進められていました。 それは、縁あって幾度も訪ねたラオスの染織物と共通するものでした。 のびやかで色彩豊かなジャワ更紗、気の遠くなるような緻密な手織りのラオスの布。 これらを日本の着物の帯として、京都の着物の職人に仕立ててもらいました。 是非、皆様のお手持ちのお着物に合わせてみませんか。 それは、コーディネートの幅が広がると同時に、必ずや、ご自身の新たな魅力の発見に 繋がることでしょう。 ゆずりは掲載誌のご案内 Ⅰ 2015 年 5 月 20 日発売の美しいキモノ夏号にゆずりはのきものが掲載され ました。 2 2015 年 7 月 1 日 サントリーの広報誌 「サントリーウェルネス」の美感遊創に掲載されました。 6 十和田湖通信 十和田湖は今、観光シーズン真っ盛りです。 でも、関空のある、近畿地方や、北陸新幹線が開通した、金沢や北陸地方の観光地はマス コミの報道では、外国人観光客や国内の観光客でオーバーヒートしている地区があるよう です。 でも、東北は未だに大震災の後遺症が残り、原発事故の影響で国内の修学旅行も減り、来 日した外国人の中で、東北に来ている外国人観光客は、たった2%しかありません。 東京や関西とはまったく違った状況で、静かな、静かな十和田湖がひっそりと佇んでおり ます。 そんな十和田湖ですが、景観の素晴らしさは不変です。時代がどう変わろうと、十和田湖 や奥入瀬、八甲田、八幡平の大自然はまったく変わらず、悠然とそこにあり、数は少なく ても訪れる人々を包んでくれます。本当の手つかずの自然がそこにあるのです。 是非一度、ゆずりはへ、十和田湖へ、お越し下さいませ。 店主田中陽子 奥入瀬川のベンチにて 漆器・籠・陶器・木工 暮らしのクラフトゆずりは 津軽こぎん刺し 7 店長川村友子 鉄器・津軽塗・まげわっぱ 店主の独り言 現代では、どんな人も、ネット社会から逃れることは出来ず、私も覚悟を決めて、なにが なんだか解らないまま見よう見まねでデジカメで写真を撮って添付して送ったり、データ をあちこちへ転送したり、ホームページにアップロードしたりしてますが、次から次へと 新しいソフトや、機能が出てきて、もうついていけない。というのが本音です。私の今愛 用しているのが、IPad mini。軽くて、薄くて、ハンドバッグにも入るサイズでもう手放せ ません。携帯電話は電池の持ちが良いガラケーですが、写真や、動画を撮ったり、データ の保存や、調べものの辞書替わりなど、何時でも何処でも便利この上ない道具です。朝晩 にはこれで音楽を聴いたりタブレット無しの生活は考えられません。そんなに愛用してい る IPad ですが、これを今回、インドネシアに持って行ったのが運のつきでした。 いつも海外ではホテルの WI-FI を利用していたので、基本的に無料で使っておりましたが、 三日目の昼ごろ十和田湖のスタッフから、 「何やってんだよ~!」と、突然の国際電話。携 帯会社から「ネット料金が昨日から高額になっていますが、大丈夫ですか。 」という電話が 会社に来ているとのこと。「エーッ!」とビックリして IPad のスイッチを切ったものの後 の祭り。ホテルで朝からユーチューブなどで動画を楽しんでいたのが高額になったらしい。 後で調べたら、「機内モード」をオンにセットしておけば問題なかったらしいのです。 IPhone であれば、ショートメールで、 「高額な接続業者に繋がっています」 、という警告が 出るが、IPad はショートメール機能が無く、警告が出ないとのこと。IPad はホテル等の 無料 WI-FI の電波が弱いと、勝手に高額なプロバイダーに繋がることがあるそうで、皆様 も海外へ行ったときは気をつけて下さい。IT について大変勉強になった旅となりました。 「ゆずりは便り」はゆずりはのホームページでカラーでご覧いただけます。 http;//craftshopyuzuriha.jp の中の「各種情報」の中に「ゆずりは便り」と あり PDF ファイルを開けば、写真などがカラーでご覧になれます。 8
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