体育科 ゲーム的な要素を取り入れながら,運動技能の向上を図る 1 はじめに ~その2 ~「 すごろくシュート 」 子 供は ,競 い 合う こと が大 好きで す。 子 供は ,運 動の み なら ず, 暮ら しの中 でも , 速さを競ったり,力を比べたりして います。 相手 を上 回る た めに は, どう すれば よい の か。 日々 ,子 供 が直 面し てい る問題 です 。 ゴ ー ル付 近で の シュ ート 力を仲 間と 競い 合いながら ,高 めることができま す。 ☆ □ 本 校 体育 科で は ,ゲ ーム・ ボール 運動 領 域に おい て, 勝 敗に かか わる 諸問題 を解 決 する 学習 を展 開 して いま す。 勝ち負 けに こ だわると,当然,様々な問題が出 てきます。 私た ちは ,こ れ を絶 好の 教育 機会と 捉え , 子供 たち が主 体 とな り, 解決 できる よう に かか わっ てい ま す。 とこ ろで ,子供 たち に とっ て最 も大 き な問 題と は, 何でし ょう 。 それ は, ゲー ム に勝 てな いこ とです 。し か し , 子 供 は ,「 勝 て な い 」 と い う 切 実 な 問 題を 解決 する た めに ,練 習し たり話 し合 っ たりします。その姿は,真剣その ものです。 「 勝ちたい」と願う子 供のために,教師 は, どのような支援を行うとよいのでしょう か。 様々 な手 だ てが 考え られ ますが ,私 た ちは ,運 動技 能 の向 上と 作戦 立案力 の向 上 に力を入れ,支援して います。 今 回は ,運 動 技能 の向 上に ついて ,個 と 集団に分け,実践例を 紹介します。 2 運動技能の向上に 向けた実践例 ①個人の運動技能の 向上 ~その1~「ドリ ブル鬼ごっこ」 ① ②③④ ◇ ※①から ④の 順で,シュートをします。 シ ュー トが 入る と ,◇→ □→☆ の順 に進 み, 何 周で きた か を競 いま す。バ ック ボー ドを 使 い, 弧を 描 くよ うな シュー トを 打つ こと。こ の2点を指導するこ とができます。 ②集団技能 の向 上 「ライン ポー トボール」 下 記 に紹 介す る 「ラ イン ポート ボー ル」 は, ゲ ーム ・ボ ー ル運 動領 域にお いて ,数 的優 位 で攻 める こ と, 特に ,ボー ルを もた ない 時 の動 きを 追 究す る場 面で有 効な 教材 です。 【バスケッ トボ ールコート】 ← ④ → ● ← ③ → ● ② ● ①1 ◇( ボール保持) ※ コートの広さを 省略 しています。 ← ● → ゴールエリア 【ルール】 ④…キーパーは,ゴールエリア内だけ を自由に動くことができます。味 方からのボール(シュート)を 捕球すると1 点加 算されます。 ① ~④3…攻撃, ●… 相手守備 人 数…4対4,5 対5 ド リブ ルは , パス と同 様に ,相手 コー ト にボ ール を運 び ,ゲ ーム を成 立させ るた め に必要な運動技能です。下記に紹介 する「ド リブ ル鬼 ごっ こ 」は ,反 復的 な練習 の積 み 重ね では なく , 子供 たち が楽 しみな がら , 自然 とド リブ ル の技 能を 高め ること がで き る教材です。 【体育館のフロア全体 】 ● ○ ● ○ ● ● ● ● ○ ● 【ルール】 ● … フロ ア内 を ドリ ブルを しなが ら, 鬼 に捕まらないよ うに逃げる。 ○ … 鬼。 ●に タ ッチ したら ,鬼を 交代 。 タッ チし た●か らボー ルを受 け取 り,ドリブルで 逃げる。 人 数… 場所 の 広さ に合 わせ て調整 する 。 相 手キ ーパ ーは , ゴール エリア 内か ら出 るこ と がで きな い ので ,攻 撃側は ,数 的優 位で 攻 める こと が でき ます 。③は ,味 方の ①と 相 手デ ィフ ェ ンス の延 長線上 に位 置す るのではな く,左右に動く ことで, 「 ずれ」 をつくるこ とが できます。 得点する場面とパスを受ける機会が増 え, 多 くの 子供 が ゲー ムに 参加で きる 教材 です 。 バス ケッ ト ボー ルの 学習で は, 課題 を追 究 する 過程 に おい て, 数的優 位で 攻め るこ と に触 れる 場 合, 有効 です。 中学 年の ポートボー ルの 授業でも実践可能 です。 鬼 から タッ チ され るこ とを 防ぐた めに , 顔を上げ,ドリ ブルを行う必要があ ります。 同時に,他と接 触しないように心掛 けます。 視野 を広 げ, ボ ール をコ ント ロール する こ とが,ゲーム中におい ても役立ちます。 3 分× 2セ ッ ト程 度で ,十 分な運 動量 を 確保することができま す。 -1- 3 おわり に 作戦を支える個人の動きという視点か ら,運動 技能の向上が必要と 考えています。 子 供 が ,「 わ か る 」「 で き る 」 と い う 実 感を 伴 うこ とが で きる よう に,ゲ ーム 的な 要素を取り 入れ ながら,かか わっています。 【 文 責 : 中 村 [email protected]】
© Copyright 2024 ExpyDoc