医薬品インタビューフォーム

2015 年 12 月改訂(第 3 版)
日本標準商品分類番号
873959
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会のIF記載要領 2008 に準拠して作成
剤
形
シロップ剤
製剤の規制区分
該当しない
規 格 ・ 含 量
1mL 中リゾチーム塩酸塩 5mg(力価)を含有
一
和名:リゾチーム塩酸塩
洋名:Lysozyme Hydrochloride
般
名
製 造 販 売 承 認 年 月 日 製造販売承認年月日 :2006年1月30日
薬 価 基 準 収 載 薬価基準収載年月日 :2006年6月 9日
・ 発 売 年 月 日 発 売 年 月 日 :1971年9月18日
開 発 ・ 製 造 販 売 ( 輸 入 ) 製造販売元:シオエ製薬株式会社
・ 提 携 ・ 販 売 会 社 名 販
売:日本新薬株式会社
医薬情報担当者の連絡先
問い合わせ窓口
日本新薬株式会社 製品情報担当
TEL 0120-321-372 FAX 075-321-9061
医療関係者向けホームページ
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/medicine/product/product_index.html
本IFは 2015 年 12 月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した。最新の添付文書情報は、医薬品
医療機器情報提供ホームページ http:://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html
にてご確認下さい。
IF 利用の手引きの概要 ― 日本病院薬剤師会 ―
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯
医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書(以下、添付文書と略す)がある。医療現場で医師・
薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際には、添付文書に記載された情報を裏
付ける更に詳細な情報が必要な場合がある。
医療現場では、当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者等に情報の追加請求や質疑をして情報を
補完して対処してきている。この際に必要な情報を網羅的に入手するための情報リストとしてインタビューフォー
ムが誕生した。
昭和63年に日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第2小委員会が「医薬品インタビューフォーム」(以下、IF
と略す)の位置付け並びにIF記載様式を策定した。その後、医療従事者向け並びに患者向け医薬品情報ニーズの変化
を受けて、平成10年9月に日病薬学術第3小委員会においてIF記載要領の改訂が行われた。
更に10年が経過した現在、医薬品情報の創り手である製薬企業、使い手である医療現場の薬剤師、双方にとって薬
事・医療環境は大きく変化したことを受けて、平成20年9月に日病薬医薬情報委員会において新たなIF記載要領が
策定された。
2.IFとは
IFは「添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な、医薬品の品質管理のための
情報、処方設計のための情報、調剤のための情報、医薬品の適正使用のための情報、薬学的な患者ケアのための情報
等が集約された総合的な個別の医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製
薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。
ただし、薬事法・製薬企業機密等に関わるもの、製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師自らが評価・判
断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはならない。言い換えると、製薬企業から提供されたIFは、薬剤師自らが評
価・判断・臨床適応するとともに、必要な補完をするものという認識を持つことを前提としている。
[IFの様式]
① 規格はA4版、横書きとし、原則として9ポイント以上の字体(図表は除く)で記載し、一色刷りとする。ただし、
添付文書で赤枠・赤字を用いた場合には、電子媒体ではこれに従うものとする。
② IF記載要領に基づき作成し、各項目名はゴシック体で記載する。
③ 表紙の記載は統一し、表紙に続けて日病薬作成の「IF利用の手引きの概要」の全文を記載するものとし、2
頁にまとめる。
[IFの作成]
① IFは原則として製剤の投与経路別(内用剤、注射剤、外用剤)に作成される。
② IFに記載する項目及び配列は日病薬が策定したIF記載要領に準拠する。
③ 添付文書の内容を補完するとのIFの主旨に沿って必要な情報が記載される。
④ 製薬企業の機密等に関するもの、製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師をはじめ医療従事者自らが
評価・判断・提供すべき事項については記載されない。
⑤ 「医薬品インタビューフォーム記載要領2008」(以下、「IF記載要領2008」と略す)により作成されたIFは、
電子媒体での提供を基本とし、必要に応じて薬剤師が電子媒体(PDF)から印刷して使用する。企業での製本は
必須ではない。
[IFの発行]
① 「IF記載要領2008」は、平成21年4月以降に承認された新医薬品から適用となる。
② 上記以外の医薬品については、「IF記載要領2008」による作成・提供は強制されるものではない。
③ 使用上の注意の改訂、再審査結果又は再評価結果(臨床再評価)が公表された時点並びに適応症の拡大等がな
され、記載すべき内容が大きく変わった場合にはIFが改訂される。
3.IFの利用にあたって
「IF記載要領2008」においては、従来の主にMRによる紙媒体での提供に替え、PDFファイルによる電子媒体での提
供を基本としている。情報を利用する薬剤師は、電子媒体から印刷して利用することが原則で、医療機関でのIT環境
によっては必要に応じてMRに印刷物での提供を依頼してもよいこととした。
電子媒体のIFについては、医薬品医療機器総合機構の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載場所が設定され
ている。
製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従って作成・提供するが、IFの原点を踏まえ、医療
現場に不足している情報やIF作成時に記載し難い情報等については製薬企業のMR等へのインタビューにより薬剤
師等自らが内容を充実させ、IFの利用性を高める必要がある。また、随時改訂される使用上の注意等に関する事項に
関しては、IFが改訂されるまでの間は、当該医薬品の製薬企業が提供する添付文書やお知らせ文書等、あるいは医
薬品医療機器情報配信サービス等により薬剤師等自らが整備するとともに、IFの使用にあたっては、最新の添付文書
を医薬品医療機器情報提供ホームページで確認する。
なお、適正使用や安全性の確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」に関する項
目等は承認事項に関わることがあり、その取扱いには十分留意すべきである。
4.利用に際しての留意点
IFを薬剤師等の日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用して頂きたい。しかし、薬事法
や医療用医薬品プロモーションコード等による規制により、製薬企業が医薬品情報として提供できる範囲には自ずと
限界がある。IFは日病薬の記載要領を受けて、当該医薬品の製薬企業が作成・提供するものであることから、記載・
表現には制約を受けざるを得ないことを認識しておかなければならない。
また、製薬企業は、IFがあくまでも添付文書を補完する情報資材であり、今後インターネットでの公開等も踏ま
え、薬事法上の広告規制に抵触しないよう留意し作成されていることを理解して情報を活用する必要がある。
(2008 年 9 月)
目
次
Ⅰ.概要に関する項目 ···················· 1
1.開発の経緯 ························ 1
2.製品の治療学的・製剤学的特性 ······ 1
Ⅶ.薬物動態に関する項目 ················ 8
1.血中濃度の推移・測定法 ············ 8
2.薬物速度論的パラメータ ············ 8
3.吸 収 ····························· 8
Ⅱ.名称に関する項目 ···················· 2
4.分 布 ····························· 9
1.販売名 ···························· 2
5.代 謝 ····························· 9
2.一般名 ···························· 2
6.排 泄 ····························· 9
3.構造式又は示性式 ·················· 2
7.透析等による除去率 ················ 9
4.分子式及び分子量 ·················· 2
5.化学名(命名法) ·················· 2
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 ·· 10
6.慣用名、別名、略号、記号番号 ······ 2
1.警告内容とその理由 ··············· 10
7.CAS 登録番号 ······················ 2
2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)
···10
3.効能又は効果に関連する
Ⅲ.有効成分に関する項目 ················ 3
1.物理化学的性質 ···················· 3
使用上の注意とその理由 ··········· 10
4.用法及び用量に関連する
2.有効成分の各種条件下における安定性 · 3
使用上の注意とその理由 ··········· 10
3.有効成分の確認試験法 ·············· 3
5.慎重投与内容とその理由 ··········· 10
4.有効成分の定量法 ·················· 3
6.重要な基本的注意と
その理由及び処置方法 ············· 10
Ⅳ.製剤に関する項目 ···················· 4
7.相互作用 ························· 10
1.剤形 ······························ 4
8.副作用 ··························· 11
2.製剤の組成 ························ 4
9.高齢者への投与 ··················· 12
3.懸濁剤、乳剤の分散性に対する注意 ·· 4
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ····· 12
4.製剤の各種条件下における安定性 ···· 4
11.小児等への投与 ··················· 12
5.調製法及び溶解後の安定性 ·········· 4
12.臨床検査結果に及ぼす影響 ········· 12
6.他剤との配合変化(物理化学的変化)·· 4
13.過量投与 ························· 12
7.溶出性 ···························· 4
14.適用上の注意 ····················· 12
8.生物学的試験法 ···················· 4
15.その他の注意 ····················· 12
9.製剤中の有効成分の確認試験法 ······ 5
16.その他 ··························· 12
10.製剤中の有効成分の定量法 ·········· 5
11.力価 ······························ 5
Ⅸ.非臨床試験に関する項目 ············· 13
12.混入する可能性のある夾雑物 ········ 5
1.薬理試験 ························· 13
13.治療上注意が必要な容器に関する情報 · 5
2.毒性試験 ························· 13
14.その他 ···························· 5
Ⅹ.管理的事項に関する項目 ············· 14
Ⅴ.治療に関する項目 ···················· 6
1.規制区分 ························· 14
1.効能又は効果 ······················ 6
2.有効期間又は使用期限 ············· 14
2.用法及び用量 ······················ 6
3.貯法・保存条件 ··················· 14
3.臨床成績 ·························· 6
4.薬剤取扱い上の注意点 ············· 14
5.承認条件等 ······················· 14
Ⅵ.薬効薬理に関する項目 ················ 7
6.包 装 ···························· 14
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 ·· 7
7.容器の材質 ······················· 14
2.薬理作用 ·························· 7
8.同一成分・同効薬 ················· 14
9.国際誕生年月日 ··················· 14
ⅩⅠ.文 献 ···························· 16
10.製造販売承認年月日及び承認番号 ··· 14
1.引用文献 ························· 16
11.薬価基準収載年月日 ··············· 14
2.その他の参考文献 ················· 16
12.効能又は効果追加、用法及び用量変更
追加等の年月日及びその内容 ······· 14
13.再審査結果、再評価結果公表年月日
及びその内容 ····················· 15
ⅩⅡ.参考資料 ························· 16
1.主な外国での発売状況 ············· 16
2.外国における臨床支援情報 ········· 16
14.再審査期間 ······················· 15
15.投薬期間制限医薬品に関する情報 ··· 15
ⅩⅢ.備 考 ···························· 16
16.各種コード ······················· 15
その他の関連資料 ······················· 16
17.保険給付上の注意 ················· 15
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
リゾチームは1922年 A.Flemingにより溶菌作用を有する酵素として見出され
たが、1946年 G.Aldertonらにより卵白から直接結晶化、単離されて以来、研究
が急速に進められた。蛋白分解酵素にない溶菌作用、止血作用、白血球の食菌増
強作用を持ち、ヒトあるいは動物の鼻汁、涙液、白血球等にも含まれているため、
安全性は高く、かつ、生体の防衛機能としての役割が期待され、3回にわたる国
際シンポジウム(1959~1964年)で広い分野において、治療薬としての可能性
を有することが数多くの報告から示唆された。
わが国においても、当初、生体内における分布から考えて最も関連が深いと思
われる粘膜の炎症に対する作用に的をしぼり、卵白から抽出、精製したリゾチー
ムについて慢性副鼻腔炎を対象に検討されたが、その後膿粘液分解作用、抗炎症
作用、出血抑制作用を有することから、呼吸器疾患に伴う喀痰喀出困難、小手術
時の出血にも広く使用されるに至った。
本剤は、レフトーゼシロップとして1971年9月より販売を開始し、主として小児
科領域で使用されている。再評価結果は1995年3月に公表された。
なお、2006年6月に医療事故防止対策のための販売名変更により、新たな製造販売
承認を得た。
その後、2012年1月に厚生労働省医薬食品局よりレフトーゼシロップ0.5%の薬効
再評価指定を受け、現在の医療環境における使用実態に即した臨床試験計画を検
討したが、現在の科学水準に照らした有用性を判断するに当たり、「小手術時の
術中術後出血(歯科、泌尿器科領域)」に係わる新たな臨床試験は実施困難と判
断した。そのため、効能・効果を一部削除した。
その他の効能・効果については、リゾチーム塩酸塩製剤を取り扱う製薬企業3社(あ
すか製薬、エーザイ、サンノーバ)と共同して「慢性副鼻腔炎」及び「気管支炎、気
管支喘息、気管支拡張症」に係る適応を対象とした本剤の有効性を検証するための製
造販売後臨床試験(プラセボ対照二重盲検群間比較試験)を実施した。これらの試験
のうち、
「慢性副鼻腔炎」を対象とした試験については、本剤の有効性を検証するこ
とができなかったため、
「慢性副鼻腔炎」に係る効能・効果を削除する一部変更承認
申請を行い2015年12月に承認された。
2 . 製 品 の 治 療 学 ① 気管支炎などの喀痰喀出困難を改善する。
的・製剤学的特 ② 総症例 770 例中、副作用発現例は 14 例(1.82%)であり、そのほとんどが消
化器症状(1.56%)で、発疹が 1 例(0.13%)にみられた。
性
重大な副作用として、1)ショック、アナフィラキシー様症状、2)中毒性表
皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis : TEN)、皮膚粘膜眼症候群
(Stevens-Johnson 症候群)が認められている。
1
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
(1)和 名
レフトーゼシロップ 0.5%
(2)洋 名
Leftose Syrup 0.5%
(3)名称の由来
不明
2.一般名
(1)和 名(命名法)
リゾチーム塩酸塩(JAN)
(2)洋 名(命名法)
Lysozyme Hydrochloride(JAN)
(3)ステム
不明
3.構造式又は
示性式
Lys-Val-Phe-Gly-Arg-Cys-Glu-Leu-Ala- Ala- Ala-Met-Lys-Arg-His-Gly-Leu-Asp-Asn-TyrArg-Gly-Tyr-Ser-Leu-Gly-Asn-Trp-Val-Cys-Ala- Ala-Lys-Phe-Glu-Ser-Asn-Phe-Asn-ThrGln- Ala-Thr-Asn-Arg-Asn-Thr-Asp-Gly-Ser-Thr-Asp-Tyr-Gly-Ile-Leu-Gln-Ile-Asn-SerArg-Trp-Trp-Cys-Asn-Asp-Gly-Arg-Thr-Pro-Gly-Ser-Arg-Asn-Leu-Cys-Asn-Ile-Pro-CysSer- Ala-Leu-Leu-Ser-Ser-Asp-Ile-Thr- Ala-Ser-Val-Asn-Cys- Ala-Lys-Lys-Ile-Val-SerAsp-Gly-Asn-Gly-Met-Asn- Ala-Trp-Val- Ala-Trp-Arg-Asn-Arg-Cys-Lys-Gly-Thr-Asp-ValGln- Ala-Trp-Ile-Arg-Gly-Cys-Arg-Leu・xHCl
4.分子式及び
分子量
分 子 式:C616H963N193O182S10・χHCl
分 子 量:約 14,500
5.化学名(命名法) Mucopeptide N-acetyl muramyl hydrolase
(国際生化学連合酵素委員会の分類名)
6.慣用名、別名、 別名:塩化リゾチーム
略号、記号番号
7.CAS 登録番号
12650-88-3(ニワトリ卵白リゾチーム)
2
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.物理化学的性質 (1)外観・性状
本品は白色の結晶又は結晶性、若しくは無晶性の粉末である。
(2)溶解性
溶 媒
日局による溶解性の表現
水
溶けやすい
エタノール(99.5)
ほとんど溶けない
(3)吸湿性
本品は吸湿性である。
(4)融点(分解点)、沸点、凝固点
該当資料なし
(5)酸塩基解離定数
該当資料なし
(6)分配係数
該当資料なし
(7)その他の主な示性値
等電点:pH10.5~11.0
吸光度:本品を pH5.4 の酢酸塩緩衝液溶液に溶かした液(1→10000)に
つき、紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定する
とき、波長 279~281nm に吸収の極大を示す。
pH:水溶液(3→200)の pH は 3.0~5.0 である。
2.有効成分の各種
条件下における
安定性
常温においては酸性側で非常に安定であり、pH1.0 以下でも全くコンフォメーシ
ョンの変化を認めない 1)。また pH3.0 で 100℃、45 分の加熱によっても失活し
ないが、中性~アルカリ性では耐熱性を示さず、pH7.0 では 100℃、10 分及び
80℃、30 分の加熱で失活する 2)。
3.有効成分の確認
試験法
日局「リゾチーム塩酸塩」の確認試験による。
4.有効成分の定量
法
日局「リゾチーム塩酸塩」の定量法による。
3
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤形
(1)剤形の区別及び性状
剤形:シロップ剤
性状:本剤は、無色澄明のやや粘稠な液体で、においはなく、味は甘い。
(2)製剤の物性
該当資料なし
(3)識別コード
特になし
(4)pH、浸透圧比、粘度、比重、無菌の旨及び安定な pH 域等
pH:3.5
比重:約 1.22
2.製剤の組成
(1)有効成分(活性成分)の含量
本剤は 1mL 中 日局リゾチーム塩酸塩 5mg(力価)を含有する。
(2)添加物
D-ソルビトール液、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プ
ロピル、pH 調整剤
(3)その他
シロップ 1mL あたりの熱量は 2kcal である。
3.懸濁剤、乳剤の 該当しない
分散性に対す
る注意
4.製剤の各種条件 室温で 3 年間、37℃で 1 年間放置するとき及び直射日光に積算 24 時間暴露する
下における安定 ときのいずれの場合も、着色、異物析出、液性(pH)、酵素活性に変化は認めら
れず、通常の環境においては、少なくとも 3 年間は十分安定な製剤である。
性
5.調製法及び溶解 該当しない
後の安定性
6.他剤との配合変 該当資料なし
化(物理化学的
変化)
7.溶出性
該当しない
8.生物学的試験法 該当しない
4
9.製剤中の有効成 ① 本品に pH6.2 のリン酸塩緩衝液を加えて振りまぜ、この液にニンヒドリン試
分の確認試験法
液を加えて加熱するとき、青紫色を呈する。
② 本品に水を加えて振り混ぜ、硝酸銀試液を滴加するとき、白色に濁る。
10.製剤中の有効成 日局一般試験法 紫外可視吸光度測定法による。
分の定量法
11.力価
「2.製剤の組成 (1) 有効成分(活性成分)の含量」の項参照。
12.混入する可能性 該当資料なし
のある夾雑物
13.治療上注意が必 該当しない
要な容器に関
する情報
14.その他
特になし
5
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果
痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症
2.用法及び用量
通常、下記の 1 日量を 3 回に分けて経口投与する。
2 歳 未 満 :3~ 6mL [リゾチーム塩酸塩として 15~30mg(力価)]
2 ~ 6 歳 :6~ 8mL [リゾチーム塩酸塩として 30~40mg(力価)]
7 ~ 1 4 歳:8~12mL [リゾチーム塩酸塩として 40~60mg(力価)]
なお、症状により適宜増減する。
本剤の体内での作用機序はなお解明されない点も多く、また、用量・効果の関係
も必ずしも明らかにされていない。したがって漫然と投与すべきではない。
3.臨床成績
(1)臨床データパッケージ
該当しない
(2)臨床効果
喀痰喀出困難に対する効果
喀痰喀出困難を主訴とする呼吸器疾患に対する、レフトーゼシロップ
0.5%の一般臨床試験での有効率(「有効」以上)は、78%(147/188)で
あった。二重盲検試験では、対照群を含めて 299 例で実施され、対照薬と
比 較 し 、 本 剤 の 喀 痰 喀 出 に 対 す る 有 効 性 が 認 め ら れ て い る 3 )。
(3)臨床薬理試験:忍容性試験
該当資料なし
(4)探索的試験:用量反応探索試験
該当資料なし
(5)検証的試験
1)無作為化平行用量反応試験
該当資料なし
2)比較試験
該当資料なし
3)安全性試験
該当資料なし
4)患者・病態別試験
該当資料なし
(6)治療的使用
1)使用成績調査・特定使用成績調査(特別調査)・製造販売後臨床試験(市
販後臨床試験)
該当資料なし
2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要
該当しない
6
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬 理 学 的 に 関 酵素製剤
連ある化合物
又は化合物群
2.薬理作用
(1)作用部位・作用機序
リゾチーム塩酸塩は、β-1,4-N-アセチルグルコサミニダーゼ活性を有し、
ある種の細菌の細胞壁の N-アセチルムラミン酸(NAM)と N-アセチル
グルコサミン(NAG)の間を加水分解するが、また糖転移活性も有して
いる。これらの作用に基づく抗浮腫作用、膿粘液の分解と排出作用など
様々な薬理作用を有している。
リゾチーム塩酸塩
(2)薬効を裏付ける試験成績
① 抗炎症作用
足蹠浮腫(ラット 4))及び肉芽腫の増殖(ラット 4),5))を抑制する。ま
た熱傷(ウサギ皮膚 6))による血管透過性の亢進とうっ血を改善する。
② 瘢痕形成・組織修復作用
ウサギ切傷の瘢痕化を促進し、化膿及び壊死を抑制する 7)。また脱脂
綿球、ゲル様寒天の投与により形成された結節実験(ラット)におい
て、組織障害の修復を促進する 7)。
③ 膿粘液の分解と排出作用
呼吸器疾患患者の痰の粘稠度を低下させ 8)分泌物の排出を促進する。
(3)作用発現時間・持続時間
該当資料なし
7
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.血中濃度の
推移・測定法
(1)治療上有効な血中濃度
該当資料なし
(2)最高血中濃度到達時間
<参考>
リゾチーム塩酸塩 500 ㎎をウサギに経口投与した場合、およそ 60 分後に
最高値約 30μg/mL を示し、以後徐々に減少する 9)。
(3)臨床試験で確認された血中濃度
該当資料なし
(4)中毒域
該当資料なし
(5)食事・併用薬の影響
該当資料なし
(6)母集団(ポピュレーション)解析により判明した薬物体内動態変動要因
該当資料なし
2.薬物速度論的
パラメータ
(1)コンパートメントモデル
該当資料なし
(2)吸収速度定数
該当資料なし
(3)バイオアベイラビリティ
該当資料なし
(4)消失速度定数
該当資料なし
(5)クリアランス
該当資料なし
(6)分布容積
該当資料なし
(7)血漿蛋白結合率
該当資料なし
3.吸収
<参考>
ラットでの腸管吸収実験から、主として門脈系を介して吸収されることが明らか
にされている 10)。
8
4.分布
(1)血液-脳関門通過性
該当資料なし
(2)血液-胎盤関門通過性
該当資料なし
(3)乳汁への移行性
該当資料なし
(4)髄液への移行性
該当資料なし
(5)その他の組織への移行性
<参考>
正常ラットに125I-リゾチームを腹腔内投与した場合、蛋白結合性放射能濃
度は腎が著明に高く、白血球、骨髄、腸、肺、脾及び肝への移行は少ない11)。
5.代謝
(1)代謝部位及び代謝経路
該当資料なし
(2)代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種
該当資料なし
(3)初回通過効果の有無及びその割合
該当資料なし
(4)代謝物の活性の有無及び比率
該当資料なし
(5)活性代謝物の速度論的パラメータ
該当資料なし
6.排泄
(1)排泄部位及び経路
<参考>
主として尿中に排泄される(ラット及びモルモット)12)。
(2)排泄率
<参考>
ラットに卵白リゾチームを静脈内投与した場合、1 時間でその 68%が尿中
に回収される 12)。
(3)排泄速度
該当資料なし
7.透析等による
除去率
該当資料なし
9
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその 該当しない
理由
2.禁忌内容とその 禁忌(次の患者には投与しないこと)
理由(原則禁忌 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.卵白アレルギーのある患者
を含む)
[本剤の成分は卵白由来の蛋白質で、卵白アレルギーを有する患者において
アナフィラキシー・ショックを含む過敏症状の報告がある。]
3.効能又は効果に 該当しない
関連する使用上
の注意とその理
由
4.用法及び用量に 該当しない
関連する使用上
の注意とその理
由
5.慎重投与内容と 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
その理由
1.アトピー性皮膚炎、気管支喘息、薬剤アレルギー、食物アレルギー等のアレ
ルギー性素因のある患者
[アレルギー性素因のある患者は薬剤を含む各種アレルゲンに対して感作を
受けやすく、アナフィラキシー様反応を起こす可能性がある。]
2.両親兄弟等がアレルギー症状の既往歴のある患者
[アレルギー性素因が遺伝し、アレルギー症状を起こす可能性がある。]
6.重要な基本的
注意とその理由
及び処置方法
重要な基本的注意
乳児において、本剤初回服用時にショック等のアナフィラキシー反応があらわれ
たとの報告があるので、患者の保護者に対して潮紅、蕁麻疹、顔面浮腫、呼吸
困難等の症状について十分説明し、それらの症状があらわれた場合には、服用を
中止させ、直ちに受診するよう指導する。
7.相互作用
(1)併用禁忌とその理由
該当しない
(2)併用注意とその理由
該当しない
10
8.副作用
(1)副作用の概要
レフトーゼシロップ 0.5%投与総症例 770 例中、副作用発現例は 14 例(1.82%)
であり、そのほとんどが消化器症状(1.56%)で、発疹が 1 例(0.13%)にみら
れた。
(2)重大な副作用と初期症状
●重大な副作用
1.ショック、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に
行い、顔面蒼白、四肢冷感、血圧低下、チアノーゼ、意識喪失、潮紅、蕁麻
疹、顔面浮腫、喉頭浮腫、呼吸困難等があらわれた場合には、投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
2.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis : TEN)、皮膚粘膜眼
症候群(Stevens-Johnson 症候群)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観
察を十分に行い、発熱、紅斑、瘙痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれ
た場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(3)その他の副作用
●その他の副作用
頻度
種類
0.1~5%未満
過敏症注)
消化器
-
下痢
0.1%未満
頻度不明
発疹・発赤
-
悪心・嘔吐
口内炎、食欲不振、胃部不
快感
臓
-
-
肝機能障害(AST(GOT)、
ALT ( GPT )、 Al-P 、
γ-GTP、LDHの上昇等)
その他
-
-
めまい
肝
注)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
(4)項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧
該当資料なし
(5)基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度
該当資料なし
(6)薬物アレルギーに対する注意及び試験法
(「2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)
」、
「5.慎重投与内容とそ
の理由」の項参照)
11
9.高齢者への投与
該当しない
10.妊婦、産婦、授
乳婦等への投与
該当しない
11.小児等への投与
該当しない
12.臨床検査結果に 該当しない
及ぼす影響
13.過量投与
該当しない
14.適用上の注意
該当しない
15.その他の注意
該当しない
16.その他
なし
12
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.薬理試験
(1) 薬効薬理試験(「VI.薬効薬理に関する項目」参照)
(2)副次的薬理試験
該当資料なし
(3)安全性薬理試験
該当資料なし
(4)その他の薬理試験
該当資料なし
2.毒性試験
(1)単回投与毒性試験
LD50(mg/kg)13)
投与経路
動物種
マウス
経
口
>20000
(2)反復投与毒性試験
該当資料なし
(3)生殖発生毒性試験
該当資料なし
(4)その他の特殊毒性
該当資料なし
13
腹腔内
静脈内
5550
3550
Ⅹ.管理的事項に関する項目
1.規制区分
該当しない
2.有効期間又は
使用期限
使用期限:3 年
3.貯法・保存条件 室温保存
4.薬剤取扱い上の (1)薬局での取り扱いについて
注意点
該当しない
(2)薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
(「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 14.適用上の注意」の項
参照)
5.承認条件等
該当しない
6.包装
100mL、500mL
7.容器の材質
100mL:ボトル;ポリエチレン キャップ;ポリプロピレン
500mL:ボトル;ポリエチレン キャップ;ポリプロピレン
8.同一成分・同効薬 同一成分薬:ノイチームシロップ 0.5%(サンノーバ=エーザイ)、アクディーム
シロップ 0.5%・1%(あすか=武田薬品)等
同 効 薬:プロナーゼ
9.国際誕生年月日 該当しない
10.製造販売承認年 承認年月日:2006 年 1 月 30 日
月日及び承認番 承 認 番 号 :21800AMX10122000
号
11.薬価基準収載
年月日
2006 年 6 月 9 日
12.効能又は効果追 ①効能・効果の変更年月日:2012 年 1 月 20 日
加、用法及び用 (変更前)
量変更追加等の
効能・効果
痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
年月日及びその
気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症
内容
次の疾患の腫脹の緩解
慢性副鼻腔炎
小手術時の術中術後出血(歯科、泌尿器科領域)
(変更後)
効能・効果
痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症
次の疾患の腫脹の緩解
慢性副鼻腔炎
14
②効能・効果の変更年月日:2015 年 12 月 11 日
(変更前)
効能・効果
痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症
次の疾患の腫脹の緩解
慢性副鼻腔炎
(変更後)
効能・効果
痰の切れが悪く、喀出回数の多い下記疾患の喀痰喀出困難
気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症
13.再審査結果、再評 再評価結果:1995 年 3 月 9 日(終了)
価結果公表年月
日及びその内容
14.再審査期間
該当しない
15.投与期間制限医 本剤は投与期間に関する制限は定められていない。
薬品に関する
情報
16.各種コード
HOT(9 桁)番号
厚生労働省薬価基準収
載医薬品コード
レセプト
電算コード
108649201
3959001Q1137
620003663
17.保険給付上の注意 該当しない
15
ⅩⅠ.文
献
1.引用文献
1)浜口 浩三
:日化学誌, 87(9), 893 (1966)
2)前川 一之
:化学の領域 (増刊), 67, 263 (1965)
3)加藤 昌太良ほか :診療と新薬, 11(8), 1601 (1974)
4)3rd Inter. Symp. on Fleming’s Lysozyme (1964)
5)Matracia, S. et al. :Medicina Sperimentale, 33(2/3), 1 (1958)
6)神谷 喜作
:リゾチームの抗炎症作用(日本新薬社内資料)
7)2nd Inter. Symp. on Fleming’s Lysozyme (1961)
8)長岡 滋ほか
:現代の診療, 17(4), 495 (1975)
9)奈良林 繁
:日耳鼻会報, 73(4), 473 (1970)
10)Yuzuriha, T. et al. :Chem. Pharm. Bull., 23(6), 1309 (1975)
11)Hansen, N. E. et al. :J. Clin. Invest., 50, 1473 (1971)
12)Perri, G. C. et al. :Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 115, 189 (1964)
13)久保 成行
:日本新薬社内資料
2.その他の参考文献
該当資料なし
ⅩⅡ.参考資料
1.主な外国での発売状況
香港、シンガポール、マレーシア等
2.外国における臨床支援情報
該当資料なし
ⅩⅢ.備
考
その他の関連資料
該当資料なし
16
(1)