顧客情報:実機でのオーバーラン測定:ms

国際機械安全関連情報
No.11-11/2011.03/Ni-Ka-Ky
顧客情報:実機でのオーバーラン測定:ms
機械安全において、「オーバーラン」は重要なパラ
メータである。シュメアザールは、再現可能なオーバ
ーラン測定のサービスを提供している。何をどのよう
に正確に測るかについて、以下の実施例で述べられ
ている。
機械安全の数多くの領域において、オーバーラン
時間は、重要なパラメータである。例えば、危険なオ
ーバーラン動作を発生しうる機械では、オーバーラン
時間が把握されていなければならない。危険をもたら
す動作が停止する場合にのみ、セーフティインターロ
ックが防護扉を開放することが許容されている。適切
にパラメータ化された安全な遅延タイマー・速度監視
ユニットが使用される。
オプトエレクトロニクス保護装置の重要な要素
オプトエレクトロニクス保護装置においても、「オー
バーラン時間」は重要である。ここでは、オペレータ
が危険領域に達した時には機械の危険な動きが停
止しているように保護装置と危険源間の距離を決定
しなければならない。
規格 DIN EN 999(機械の安全性-人体各部の接近
速度に対応した保護装置の位置)には、適切な安全
距離の算出への注意が詳細に述べられている。安全
回路内のコンポーネントの応答・反応時間も要素の 1
つである。
機械・設備のオーバーラン時間は、実際上、種々
の要因により変動する。例えば、プレス機への重い金
型・重いロボットグリッパーの取り付け、異なる幾何学
的位置での工具の使用あるいは機械的磨耗がある。
その結果、オペレータは十分に保護されているとは
言えないのである。
オーバーラン時間測定サービス
これを回避するために、機械動作中の定期的な測
定が重要となり、シュメアザールは測定サービスを提
供している。その際、オーバーラン時間のみが報告さ
れるのではなく、初期テストでは、全体的な安全技術
と規格適合が検証される。また、プレス機でのオーバ
ーラン時間測定時には、力または運動量が最大とな
る最悪なケースを想定して測定される。
新規設備でも有益
シュメアザールへのこのサービスは、既存の製造
設備だけではなく、Weber Systemtechnik(Wetzlar 在)の
ような新規機械・設備の安全技術上の有効性の検証
にも役立つ。
この会社は、自動化、特に試験用設備の開発・製
造を行う。この設備により、電子的・光学的・接触式パ
ラメータが測定される。Weber Systemtechnik は、自動
車メーカに対し、自動車のエアーノズルの動作用に
操作力とラッチ点を測定する(図 1)設備を開発した。
オペレータがエアーノズルを試験設備にセットした後、
センサ付のロボットアームは、個別操作を実施し、操
作力の測定を行う。この設備は、力を測定するだけで
なく、結果の解析も行う。その為に、納入業者は、自
動車メーカから文章化された明確な基準値を入手し
ている。
コンパクトなロボットブース
この試験設備は、Schmersal Safety Control 製の型式
SLB420 セーフティライトカーテンにより保護された(図
2)コンパクトなロボットブースに収納されている。従来
の防護扉を無くすことにより、オペレータに必要なフ
レキシビリティを提供する。人が実際にこの開発設備
で「安全な側にいる」ことを検証するため、Weber
Systemtechnik は、Schmersal と協働し、要求・規格に適
した安全距離を算出した。Weber Systemtechnik のプロ
セスオートメーション製造課長 Uwe Bernhardt 博士によ
ると、まずはじめに、レイアウトを適正化しなければな
らない。ライトカーテンが作動した時に、ロボットが安
全領域にとどまってはいけない。ライトカーテン及び
安全関連信号の評価の高速化が試験設備をコンパ
クトにする為の要件である。
試験:オーバーラン時間測定
Weber Systemtechnik は、設計後、設備の安全技術
が全ての該当規格に適合していることを顧客に対し
説明したいと思った。具体的には、非接触式保護装
置が明白な危険を回避するように取り付けられている
か、あるいは、安全関連信号の連結が要求された制
御カテゴリー以上で適しているかを調べた。また、ロ
ボットのオーバーラン時間が安全距離を満たしている
のを検証するために、測定されるべきである。シュメ
アザールはサービスパックとしてこれらを提供してい
る。
特注の測定装置
この目的に、EDAG Engineering+Design により開発さ
れた特注の測定装置が使用された。ms 単位で測定
可能な高性能な時間測定機により、危険領域内へ入
るエンコーダを作動させます。(図 3)更に、セーフテ
ィライトカーテンが反応し、ロボット動作が停止します。
通常の操作過程同様に、換気装置の位置調整を行
うロボットアームは、測定装置に接続されます。
測定装置により、この方法で、防護領域中断から
機械静止までの時間である機械のオーバーラン時間
が、それぞれ複数回測定される。試験データにより機
械の有効性が証明され、製造者は、顧客に対し機械
の安全性を説明出来る。このサービスには、制御と周
辺装置への接続を含めた全体的な安全コンセプトの
Ⓒシュメアザール日本支社 〒167-0054 東京都杉並区松庵 3-39-8 Tel. 03-3247-0519 Fax. 03-3247-0537 http://www.schmersaljp.com
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検証が含まれている。
ロボットのオーバーラン時間は、使用する工具など
ハンドリングする材料の重さに依存する為、実際の対
象物での測定が必要とされる。ロボット製造者が実際
の負荷に対するオーバーラン量を特定しない限り、
計算により算出する事は出来ない。
算出根拠:
S=K×t+C
Tzus = 0 ms (出力測定)
t = tn + tzus
BWS – 配置 (サイクル・スイッチング、子供不在時、EN 999 第
6.1.1+61.2 章参照)
S = 2000 × t + 8 × (d – 14)
垂直
d = 14 mm
ZHS (Smin = 100 mm )
S = 1600 × t
防護ケース付
測定順オーバーラン時間
測定順最低距離
tn = 190 ms
Sn = 380 mm
個別測定図
赤=速度、緑=位置、深緑=出力トリガー、紫=出力復帰解読
結果:全てが緑色領域内!
Weber Systemtechnik では、最初の検証から、既に該
当規格に完全に適合している。また、測定結果(図 3、
4)は、明らかに規格設定領域内にある。つまり、オー
バーラン時間は、選択された安全距離の考慮の元に、
批判の余地なく証明された。有効性に対する全体的
な結果により、Weber Systemtechnik は、測定結果を記
述し、試験設備が該当指令と規格に適合している旨
の文書を受領した。それにより、製造者は、顧客に、
「安全な側」で試験設備の使用を保証する。
速度
図 1:フラグにより、セーフティライトカーテンの信号トルガーが
行われ、オーバーラン時間が測定される。
時間軸
図 3:オーバーラン時間測定のデータ
図:1 Weber Systemtechnik、2-5 K.A.Schmersal
著者:Urlich Bernhardt, K.A.Schmersal(42779
Wuppertal)経営技師
K.A. Schmersal GmbH, Möddinghofe 30, 42279 Wuppertal,
Telefon +49-(0) 202-6474-0, Telefax +49-(0) 202-6474-100,
[email protected]
出典:2010 年 11 月 6 日付シュメアザール HP:
http://www.schmersal.com/cms1/opencms/html/en/service/contributions.html?id=140
本件、お問合せは SCHMERSAL 日本支社迄。
図 2:注目:オーバーラン時間の長さは?納得の結果:全てが
緑色領域内!
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